先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

大災害は戦争である

中西輝政『情報を読む技術』

・日本には国家戦略がないとよく言われるが、その根本的な理由はただ一つ。
国のトップが極力楽観主義を廃し、「Aに転んだらC,Bに転んだらD」という具合に、一つの情報に対していくつかシナリオを描いておく労力を避けているから。
シナリオを考えていないから、戦略もビジョンもなく、つねに行き当たりばったりになってしまう。


=有事想定。戦争も非常事態も経験すらしてない人間には無理。素人とか大臣とかそういう問題じゃない。


『平時専門家』しかいない311時の政府・官邸では、菅総理でもどうにかやっとちょびっと役だった程度で、あと全員は”お地蔵様”だった…(官邸にいた人物・談http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120603/1338650679
そうでなくても放射能回避のため自宅で24時間ずっとTV報道とネットにはりついていれば、いやでも政府・官邸・省庁・東電本店あたりが、ドタバタおろおろしてばっかりなのは目についた。


菅総理がどのぐらい役立っただろうかは、元・福島第一原発エンジニアの言葉を借りる。
一昨日分記事
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120622/1340328388

保安院など規制側は)
原子炉理論とかに関しては
原子炉工学部を出てれば詳しいかもしれないけれども


実物は実物を動かし、見た人間じゃないと分かんないわけだから


そういう意味では全くのずぶの素人


ストレステスト自体の評価手法も甚だマンガのような世界だし
保安院がどのくらいの技術力を持ってるか甚だ疑問だし


そういった人間達、しかも政治家も一緒になって判断してること

総理だけがどうにか原子力系学科卒で、あとは…


311の対応が菅総理の思いつきだらけになってしまったのも結局は、
>戦略もビジョンもなく、つねに行き当たりばったりになって
いたからだ、肝心要の備えが何一つそろってないから、政権当事者がアドリブであれもこれも即席で用意するしかなかった。


んでなんにも備えてないでうぬぼれていた平時専門家たち=省庁や東電に、そりゃ総理もカンカンになって不信感を増幅してしまって独善的に暴走してしまった。あれは菅総理のヒステリーとばかりはいえない。ハリウッド映画だって、相手があまりに過失があると絶叫したり怒り狂って殴るだろ。
…すると平時の自分の立場を守る専門家たちは、ここぞと菅総理の暴走を利用し、自分たちは悪くない、総理が悪いんだとミスリードを盛んにやり始めた…なまじ人数は多いからタチが悪かった。
おなじような保身専門家が、原発爆発直後に現場へ飛んでいって線量調査をしようとした木村氏を制止し「おれの首が飛ぶから、一切勝手に動くな」とお触れを出した。結局は辞表を出されて飛んで行ってしまったが。
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120609/1339221080

NHK ETVディレクター)から電話があり、

七)「大変なことになったが、一緒にやるか?」

木)「やれますよ」

七)「研究所どうするの?」

木)「それはちょっと落ち着いて」

翌日会って、放射線防護はこういうものだと全て実物を見せ、こういう風にすれば大丈夫だと七澤さんに話をして、翌日NHKに来てくれと言われて行った。その時に

「大丈夫か?」と言われて

「ご安心ください。辞表を出してきた」

月曜日14日にメールが来て、電車が来なかったので通勤できなかった。メールで通知文がきて、

「本省ならびに研究所の指示に従って動くこと。特に放射線関係の人は専門であろうが一切勝手な行動は慎みなさい」

このメールで「辞めよう」と決意した。

(澤井氏)もう何もするなということ?

(木村氏)「辞めよう。こんなところに居たって仕方がない」

それはあくまでも幹部が通達してきている。幹部の人たちが自分の保身のため。

(澤井氏)研究所の幹部?

(木村氏)そうです。幹部と言うのは、理事、理事長、企画の部長、主席の方々が決めたことなのでしょう。

(澤井氏)何もしないで、家にいなさいと。もったいないですね。

(木村氏)存在理由がない。東海村臨界事故でやってきたことが、フィードバックできないし、さらにチェルノブイリの中でも事故調査があって、どういうことがあってとやってきたにも関わらず、本当に知っている人間が現地に行かないでどうするんだ。もちろん国の組織・機関は緘口令がしかれるだろうと経験済み。正しい情報を発信しないととてつもなく大変なことになる危機感がある。だから、とにかく早く行きたかった。


 ◇


きょうも順調に異常警報を出している大飯原発。※まだ運転前です


…こういうシチュエーションって、アクシデント前でゆるい環境だと
いつもうるさいから警報OFFにしてしまえ>止めたんで重大な異常を気づけず大惨事に発展
のパターンへつながる。もんじゅのナトリウム漏れのときもそう。
いまはもう原発事故後で、神経質に現場監視して世間へ告知するから、まだマシだけど。

http://mainichi.jp/select/news/20120624k0000m040089000c.html
関西電力は24日未明、再稼働の準備作業中の大飯原発福井県おおい町)につながる外部電源の送電線の電流が途切れたことを示す警報が鳴ったと発表した。通電している状態を示す無線が23日午後11時35分45秒から2秒間、途切れたという。通電に異常はないという。


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012062400060
 保安院によると、鳴ったのは23日午後11時35分〜24日午前8時10分ごろ。同原発と送電線の中継地点の京北開閉所(京都市右京区)などをつなぐ50万ボルトの送電線4本の状態を送信する電波が途切れたためで、送電線の故障は確認されていない。送電線付近には当時、霧かもやがかかっていたという。
 同原発では19日夜、3号機で発電機用冷却水の水位低下を示す警報が鳴ったが、公表が10時間以上遅れた。今回は、最初の警報から2時間半近くで発表した。


http://mainichi.jp/select/news/20120625k0000m040107000c.html
大飯原発:送電線の警報が26回作動…異常なし
2012年06月24日 22時35分


 関西電力は24日、再稼働準備中の大飯原発福井県おおい町)につながる50万ボルト送電線の監視システムで、23日深夜から24日朝にかけて警報が断続的に計26回作動したと発表した。送電線に異常はなく、監視システムの通信回路の電波(マイクロ波)が大気の状態で乱れる「フェージング現象」が原因という。通電や3、4号機の再稼働準備に影響はなかった。

 監視システムは、送電線両端の発電・送電施設に設置。短絡や断線を検知すると、影響を最小限にとどめるため送電線の通電を断つ仕組みになっている。関電によると、24日午前中までに同社管内で計58回、同様に警報が作動した。


http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/120624/wec12062419410004-n1.htm
 関電によると、福井県南部から京都府北部の、関電高浜原発(同県高浜町)や送電施設間を結ぶ送電線の設備計5カ所でも、同様に大気の不安定な状態によるとみられる警報作動が23〜24日に計32回あったという。

 警報が作動したのは、23日午後6時41分から24日午前8時12分まで、計58回。実際に送電設備の異常はなく、大気のゆらぎにより監視用の無線信号が途切れたことが原因だったとしている。

 関電は「気象条件でしばしば起こる現象」と説明、再稼働準備作業への影響はないとしている。

2秒間の瞬断…ECCS側の吸収範囲内なのだろうか。リブート発生やブート失敗の範囲内だとかなり深刻。(福島第一原発でも、事故直後に再起動=リブートに失敗して爆発を早めた苦い経緯がある…エンジンもそうだが一度止まったものがまた再度順調に起動するとは限らない、まして事故や暴走など異常環境下では)
基本、起動時以外は電源無くて動く仕様のはずだが…
とにかく「瞬断の原因は」ちたんだえるも気になってることだろう。


追記
…と思ったら監視ツールの無線の途絶の問題か。
有線を併設するほどの余裕がないのか…IT業界のシステム遠隔監視保守業務からするとありえないが電力線だと普通なんだな。


2012/06/28追記
とにかく多い。今までは全部隠蔽されて(現場で握りつぶされて)ただけだが…

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012062790104555.html
大飯原発でまた警報作動 遮断器に異常示す 2012年6月27日 10時45分


 関西電力は27日、原子炉起動に向けて準備作業中の大飯原発で、外部から電源を受ける「特別高圧送電線開閉所」と呼ばれる遮断器の一部に、異常を示す警報が作動したと発表した。

 遮断器を制御する電流が地面に漏電していることを示す内容で、27日午前4時17分に警報が作動した。電流の回路は2系統あり、作動したのは1系統。徐々に回復し、約1時間後に警報ランプは消えた。

 関電は、回路内にできた結露によって一時的に電流が地面に流れたとみている。

 大飯原発は現在運転を停止しており、開閉所を通じた外部電源によって施設内を管理しているが、今回の異常で開閉所の機能に問題はなかった。このトラブルによる環境への影響はなかった。

 大飯原発では、23日深夜から24日午前にかけて、原発京都市の送電施設を結ぶ送電線の監視設備に異常が生じたことを示す警報が計26回作動。関電は、設備に異常はなく、大気が不安定な状態で、監視用の無線信号が途切れたのが原因とみられるとしていた。