先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

原発の所長側の権限強化『だけ』で本当に大丈夫か?


現場裁量権の強化か。当然ながら。


…ただ、これもまた極端だから、万一にも再度事故が起きた場合に
今度は本店も官邸も、あれもこれも押しつけまくって所長やその配下に「はやくやれ はやく決めろ」とせっつくばかりのお邪魔虫になりはしないかと…
現場側だって、普段から現場レベル=単体施設レベルのことしかやってないわけで、いきなり広域とか、地方とか、国家中央とか、そういうマクロレベルで決済ができるか、想像力が追いつくのか…?


「これからドライベントしますから付近住民を〜時間以内に〜km圏外まで避難完了してください」とか、所長レベルの頭脳で指示できるのかな。
また、そういう行政がらみの領域まで所長決裁でいいのかという話も。


軍というのは強力な独立組織なので、たしかにそこまでやるけど…それは米国と米軍という、もう何十年も核兵器原発をオフセットしたコンビが、ベテランとしてやってきたからだ。
翻って日本にそんな実績はそもそも無い。米軍は核汚染専門部隊が完全防護服を装備で持っていたが、日本は少数人数の特殊作業用を除いてはタイベックしか無かった。
軍が無くて、原発核兵器を運用してきた軍も政府も無くて、いきなり原発所長が軍の司令官なみの辣腕になれるのか。原発施設一つ分しかナワバリのない所長クラスで。


311の事故時は、単純に本店と官邸が邪魔した形になった部分もあれば
そんなに単純では無い部分もあったと言うことだ。端的には「日本社会の体質」みたいな全体問題。
この『両面』を見ていかないと、もし次回が起きたときにまた間違えるぞ。


311の時は、福島第一原発側が要求した数多くの物資を、本店側はその多くを間違えて役立たずの物品を送ってきたり、まちがえて福島第二へ送ったりしていた。…そうしたいかにも中枢側らしい失敗は、もし万一に次回の事故があればまたやらかすと思うんだよ。緊張感ゼロの連中がいきなり地獄へ突き落とされればね。
さすがに、一度事故があったんだから各電力の本社側も、事故時には何が必要かは必死になって調べて覚えたと思うんだけどね。多少は練度は上がってると思うけどね。


冷温停止中なら1週間大丈夫だと言われているがこれもプールが割れて水がためられなくなれば台無し、
まして運転中の原発だと福島と同じかもっとひどいことになる…
このへんは自然災害が発端だから「どうにもならん部分」であるし…
動かせない、というのが実質的な見解だし
原発商売で食ってるんだから実質をゆがめてでも動かしたい、ってな面々も相変わらず居るわけだし…


ゼニは人類を滅ぼしかねんというのが現実的になってきた時代。20世紀は核戦争だの放射能汚染だの水食糧難だのを遠い未来のこととして傍観していた時代だったけど。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121214-OYT1T01271.htm
原発事故、所長に決定権…東電が安全対策改革案


 東京電力は14日、福島第一原子力発電所事故を踏まえて安全対策を抜本的に強化する「原子力安全改革プラン」の中間報告をまとめた。

 事故原因として組織的な問題があったことを認めた上で、緊急時の指揮系統を明確にするため、原発所長に全決定権を与えるなどの対策を盛り込んだ。

 改革案は同日、外部有識者でつくる「原子力改革監視委員会」の第2回会合で大筋了承された。来年2月末までに最終案をまとめる。

 改革案で東電は、津波に対する旧経営陣の危機感が不足していたため、重大事故となる可能性を過小評価していたと分析。訓練が形骸化し、事故への備えが不足する「負の連鎖」を生む組織的な問題があったと結論づけた。

 これまで東電は、津波について「震災前の知見を越えており、初動対応も誤りはなかった」と社内調査報告書などで主張していた。それが、今回は一転して、構造的な問題が事故の原因だったと踏み込んだ。

 事故原因の総括を受けて実施する安全対策の柱は、緊急時の危機対応の全権限を発電所長に与えることだ。米軍や米警察の指揮命令系統を採用したもので、本店は発電所の後方支援や、政府との連絡調整に徹する。福島事故では、吉田昌郎所長(当時)に本店や首相官邸から様々な指示が飛び、指揮系統が混乱して事故収束に影響が出た反省がある。


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あの小泉も、時流を読んで脱原発を明言か。

http://www.asahi.com/politics/update/1214/TKY201212140773.html
久々の小泉節、脱原発訴える 都内で応援演説


 「環境に優しいエネルギーを開発してくれというチャンスを天が与えてくれたと思い、困難な道を進まなければいけない時だ」。小泉純一郎元首相が14日、東京都内で自民党候補の応援演説をし、小泉節で「脱原発」を訴えた。

 小泉氏は「震災で今なお苦しんでいる方がたくさんいる。日本はいつもピンチをチャンスに変えてきた」と復興への意気込みを強調。そのうえで「原子力発電をできるだけゼロに近づけなければならない。日本は大きな目標を掲げると達成しちゃう、すばらしい能力を持っている民族だ」と訴えた。




http://tanakaryusaku.jp/2012/11/0005637
 オーストラリアの小児科医で放射能障害に詳しいヘレン・カルディコット博士の記者会見が19日、衆議院第一議員会館内で開かれた。博士は日本各地で講演ツアーを行っている。

 衆院解散を受けメディアの関心が選挙一色になるなか、会見には海外のテレビ局1社と数人の記者のみが集まった。カルディコット博士は何度も“犯罪的”、“非人道的”という言葉を多用し、これを伝えようとしないマスコミも批判した。日本社会に対するいらだちが随所に感じられた。

 冒頭、カルディコット博士は「福島の高線量地域で、子供や妊婦、妊娠可能な年齢の女性を避難させないのは“医学的犯罪”だ。18歳未満の子供に超音波検査を実施したところ、約40%の子供に甲状腺異常が見つかったという。これは小児科の見地からみて極めて異常だ。」と語り、福島の被曝量がチェルノブイリをはるかに上回っていることを指摘した。

 また、子供や妊婦、妊娠可能な女性の移住について「国が費用を負担することが重要なのに、弱い立場の人を守らず、TEPCOを守るために予算を使っている」と述べた。博士は「日本には放射能を帯びた食品を食べることに対する規制がなく」、汚染した食品を「子供に食べさせていることは“medically immoral (医学的に非道徳的)”だ」と国と福島県、沈黙する医学界の不作為を批判した。

 博士の来日講演は医師向けのみならず、一般向けにも行われたが、いずれも数百人収容の会場が満員になったという。博士は、聴衆が「どうしたらいいのか必死に知りたいと思っている」ことを感じたという。

 「広く一般に知らせる責任がメディアにはあるが、(日本では)そうではないようだ」と、メディアが放射能の被害に無関心であることにクギを刺した。

 博士は、「福島の事故は終わっていない。40年かけてきれいにするというが、不可能だ。これから300年以上、土地も人も食物も汚染されたままだ」と警告し、安易な除染や帰還願望に疑問を呈した。ガレキの焼却についても「犯罪行為だ」と断罪した。

質疑応答で筆者は以下の2点について質した―

田中:(チェルノブイリ原発事故が起きた)ウクライナに日本の医師たちが行っており、またウクライナの医師たちも日本を訪問している。日本の政府も医師たちも、4年後からガンが多発することを知っているはずだ。このことについてどう思うか?

カルディコット博士:「そうだ。広島、長崎の例からみても(事故後)5年で白血病の発病ピークを迎えることは分かっている。その他のガンはそれ以降からだ。私はなぜ医師たちがメディアで声を上げないのか、驚いている。“Total Blackout(完全な報道管制)”だ」。

「多くの人が福島を忘れているかのように過ごしており、水俣の時よりひどい。
日本政府は他国から良く思われたいのだろうが、(発病の)疫学的数字が明らかになれば、無責任さは免れない」。

田中:ビタミン剤、特にビタミンCが放射能に効くと宣伝し、利益を得ている医師が一部にいるようだが?

カルディコット博士:効かない。医学的に間違っている。

 最後に博士は「広島、長崎の被爆者は差別されてきたが、日本人のメンタリティから考えて、これから同じことが福島の人々に起こるのではないかと、深く憂慮する」と締めくくった。

 福島県出身者に対する偏見はすでにちらほら聞かれる。日本人としていたたまれなくなったのは筆者だけだろうか。


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写真撮りに来た毎日新聞の腕章つけた人を見かけたよ内幸町で。

http://mainichi.jp/select/news/20121216k0000m040049000c.html
 衆院選の投開票を翌日に控えた15日、東京都心で脱原発を訴えるデモが行われた。日比谷公園を出発地に約5000人(主催者発表)が参加。東京電力本店前などで抗議の声を上げた。

 呼びかけたのは市民団体「首都圏反原発連合」。親子連れや仮装した若者の姿も目立った。サウンドカーを先頭にした一団では、ラッパーが「アンチ・ニュークリア」(原発反対)とシュプレヒコール。ライブ会場のような熱気に包まれた。

 デモは16日まで開かれているイベント「脱原発世界会議2」の一環。妻と長男を伴って参加した東京都杉並区の会社員、大国正人さん(38)は「選挙前日ということもあり、脱原発を訴えたいと思って来ました」と話した。

昨日分のエントリーにも書いたが、雨天ながら霧雨でもあり短時間でやみそうなので、自転車で青梅から日比谷公園のデモ行進に向かった。どちらかというとギャラリー側だけど。
行進の人数はざっと数えたが、5〜6隊あるのを縦横ざっと計算していったらだいたい3〜4千人ぐらいということになった。行進の列以外の参加者も含めたらもとだろう。
かだ知事の登壇には間に合わなくて残念。後藤政志氏と岩上氏を画面越しでは無く壇上で拝めたのでよしとするか。
…それにしても、新しさ、若さの「うまい取り入れ方」はもはや右翼は大惨敗で、原発デモ系左翼が完全にリードしている…別にどちらのファンでも無いが客観的に。
右翼は相変わらず嫌韓だの愛国だのを繰り返してあまりに多くの平民から煙たがられるに任せてる旧態依然だけど(デモとか集会の参加人数が少なすぎるもん…)
少なくとも原発デモの左翼は、サイカドーハンターイにしてもテクノ、ラップ…若者をうまく取り込もうというのをちゃんと謙虚にやってる。官邸前デモも子連れお母さんとか参加しやすいように色々会場を工夫したり極左がいつもの旗を持ち込まないように左翼団体色を薄めたり…
やはり、極道ヤクザがサイドビジネスでやってる職業右翼ではどうしても外見も行いもヤクザだ…


日比谷公園の会場は明日も開催される。売店や展示は従来の左翼が、デモ行進や野音イベントは反原発連合でそれぞれ棲み分けでやってるみたい。

だいたいこういう左翼系イベントに顔を出した帰りは右翼だの公安だのが待ち伏せして何かを仕掛けてくるが。きょうは六本木の坂を登って外苑東通りの交差点のとこで(アマンドのはす向かい)前から二人組が突っ込んできた。真っ黒の格好と、真っ赤の格好の公安アベックが「おうおう、道に迷ってしまったぜ〜」などと人混みの中をまっすぐ突っ込んできながら背後へ抜けると「国家公務員じゃあ!」と叫んで去って行った。素人が見るとヤクザやゴロにしか見えないようなやつも結構公安には多い。