先従隗始・温故知新

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はやりすたり…そんなものは指標にはできない


吉野家が高級化で業績アップ…


けどこれは、プロ野球で言えば一回の試合結果に過ぎない。
浮沈変転の要素でしかない。


・主たる業態で好調になったわけではないし、
・寒くてたまたま売れたというのはラッキー要素、しかも春夏秋の3シーズンには通じない。
・発売直後は物珍しさも手伝うので長期的効果は不明確だ。
・元が究極デフレ体質なので、たまたまインフレ商品がヒットするとタケノコ効果が大きい。


いわばゼンショーの業績が、業界業績の指標といえるし
(…というより、バーガーを含めたファストフード市場の指標、というべきだろう…fastで軽食であれば単価は上げられない)


吉野家路線をライバルがこぞってまねすれば、こんどは吉野家流の欠点も引き継いで全社そろってダメージを食らうことにもなる。「冬だけ市場」からの落ち込みは激しかろう。
まねされやすい商材ということは、それだけすぐに業績は分散してしまい、また再び振るわなくなる。そこへ消費者の”飽き”が直撃…


牛丼屋の店舗はおおむね2種類あり、
・郊外でロードサイド、家族連れや団体さんでゆっくり食べてもらう余裕があるスペース取り、テーブル席多め
都心部のオフィス街の食堂役=狭い片隅に無数のカウンター席ばかり
後者に、鍋路線の適用は難しいし、そういうところに家族客は入りにくい。


いわばマックでモス路線もやろうという試みだから(ファミレス要素を盛り込もう=リンガーハットがやってきたこと)
牛丼チェーンではそういうことが可能なのかは未知数だ。
(実際のマックはアメリカ過ぎて、日本的=欧風導入的なモス路線の模倣はムリだろうけど)


市場を読み解くには、幾多の実務経験や、そのなかでも会社経営や業界実情への博識精通ぶり…
いろいろと難しく、また才能が要求される。


以下の記事の末文はだから、インフレ化路線を提灯しすぎだ。
日経平均が上がったんだから景気回復でありこの株価バブル円安誘導路線が正しいというのと同じぐらいあぶない物言いに見える。
まだ12月発売だろうに…性急すぎる。

http://www.j-cast.com/2014/01/07193585.html
牛丼・吉野家、「鍋効果」で一歩抜け出す すき家の「安売り」通じず…
2014/1/ 7 19:39


売り上げの低迷に苦しんでいる牛丼チェーン大手のうち、吉野家ホールディングスの「吉野家」が一歩抜け出しそうだ。2013年12月に発売した「牛すき鍋膳」などの高単価の鍋商品が当たった。

一方、牛丼の最安値セールで集客を目論んだゼンショーホールディングスの「すき家」の12月の既存店売上高は前年同月に比べて4.7%減と振るわず、明暗が分かれた。


単価引き上げ、女性・家族連れ・シルバー層の開拓に手応え



吉野家HDが2014年1月6日に発表した「吉野家」の13年12月の既存店売上高は、前年同月比16.0%増と大幅にアップ。伸び率は、19.8%増を記録した2007年9月以来の高い伸びとなった。客数も18.0%増と大きく増えた。客単価は1.7%減だったが、13年4月に牛丼を値下げして以降、下げ幅は最も小さかった。

吉野家の好調を支えたのは、12月に発売した新商品「牛すき鍋膳」と「牛チゲ鍋膳」。固形燃料入りの卓上コンロに鍋をのせて提供するスタイルで、「うまい・やすい・ごゆっくり」(安部修仁社長)という新たなコンセプトに基づいた戦略商品。並盛り(ライス付)で580円と牛丼より300円高いが、「発売後、急速に気温が下がって鍋への関心が高まった。タイミングがよかった」(吉野家HD)こともあり、売れた。

「牛すき鍋膳」などの投入には、「客単価の引き上げ」の狙いがある。「1人鍋需要」を掘り起すため、13年9月に1人鍋専門店「いちなべ家」をオープン。そのノウハウも生かした。

また、吉野家は11月に、「小盛」の牛丼とサラダと組み合わせた、栄養バランスがとれた女性向けの「コモサラセット」を発売。ヘルシー商品の充実で女性や家族連れの取り込みを狙った。今回の「牛すき鍋膳」と「牛チゲ鍋膳」はその延長線上の商品といえ、落ち着いて食事を楽しんでもらうことで、シルバー層やリピーターの獲得を目論んだとみられる。

吉野家HDは、「いろいろと試行錯誤しながら、よいものをブラッシュアップして、ニーズにあった商品を提供していきたい」と、手応えを感じているようだ。


消費者は多少値段が高くてもニーズにあった商品にひかれる

「牛すき鍋膳」などの投入が功を奏した吉野家に対して、ゼンショーHDの「すき家」の2013年12月の既存店売上高は前年同月比4.7%減。これで28か月連続の前年割れとなった。

すき家は12月20日〜26日に全店で牛丼商品を一律40円値引きするセールを実施。牛丼並盛りの価格は同社で最安値の240円に設定したが、客数は5.5%減り、値引きによる集客効果は乏しかった。

また、松屋フーズの「松屋」の既存店売上高は0.1%減とほぼ前年並みだったが、前年割れは21か月連続。客数も1.8%減った。ただ、牛丼のトッピングに力を入れることで、客単価は1.8%増えた。

牛丼チェーンは値引き競争で疲弊したうえに、円安の進行による原材料高が追い討ちをかけるなど、厳しい経営環境が続いている。そうした中で、いかに利益を上げていくかが注目されたが、12月をみる限りでは、消費者は多少値段が高くても、ニーズにあった新商品にひかれるようになり、「安売り」で集客力を高めるデフレ時代の販売戦略は通じなくなったようだ。


何言ってんだって感じ。
この1年、円安だ円高だと乱高下が日常化し、
株価も上がって下がっての繰り返しで
その”出力”不安定さは、円安の風潮化にはほど遠いことを示している。
というか日本だけあるいはせいぜい日米だけで演出しているような相場は、先の世界をあげてのマネーゲーム相場の安定感にほど遠い。
そしてその異常な長期安定感のツケが、サブプラショックとリーマン破綻だ。
日本だけがしょぼい株バブルを仕掛けて、しょぼいうちにショックに陥っておけばむしろ、ダメージも小さくて済む。小は小で、大は大だ。


またいやでも日本を出て行くしかない局面が、遠からずやってくる。
円安に振れたい連中がいくら努力しても無駄で、円高に振れたい連中が何もしなくても、だ。

http://www.j-cast.com/2014/01/08193713.html
1ドル80円を切る超円高が続き、ここ数年で海外生産のウエートを高めていた製造業に、国内生産へ回帰する兆しがみえてきた。

キヤノンは、このまま円安が続くことを「条件」に、2015年までに一眼レフカメラなどのハイエンド製品の国内生産比率を現在の42%から50%へ引き上げたい考えだ。国内の雇用を増やす狙いもある。
円安の長期化、世界的な景気回復が「条件」