先従隗始・温故知新

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いない産業スパイ 今や日本国=政官財は、はだかの王様

おれもまた金型工やラインマンなどで腕を磨いたが、IT技術者としてもサーバーサイドでけっこう経歴を積んだが、構造不況でそういうスキルではもうろくに食っていけない時代となった。なんでもかんでもすぐ廃れる。生き残ろうとする方が理不尽で魅力がない。


同じ不満を抱える人が、リストラされやすい中高年や定年後の老人に多数いるので、ネット求人の海外求人に多数ある中国やタイなどの募集に次々と応募してしまうのだ。というかおれも応募を何度かしかけた。


はっきりいって日本国は、古代より鎖国を続け、農奴をいじめ抜いても誰も海外になど逃げられなかったからやってこれた。特殊環境だったのだ。
だが近代〜現代は移動の自由度がどんどん向上した。オヤクニンだのオカミだの、アキンドだのシャッチョーだのが、昔のまんまで農奴をいじめ抜いていると、技術を持ってる人間はどんどん海外へ寝返ってしまう…
現地の中高年技術者の声はどれも「あいつらがうらやましい、まるで俺たちの青春時代のようだ!本田宗一郎とかああいう時代の…とにかくこちらでの仕事は青春がよみがえるようで楽しい!若者たちに技術を教えて、向上してくれる」とみんなが言っている。


かつて戦国時代も、相手のもてなし方次第で、足下を見られていると言うことで寝返られるのは普通だった。
いまも選挙に関しては戦国のままだ。(今は幾分、浄化が進んだが)
あまり、農民風情だの農奴ごときだのと、王族ぶってナメないほうがいい…ほんとうに、技術者レベルの人間たちは加齢するにつれどんどん海外勢になってしまうぞ。MLBFIFAのようにね。


かくいうおれも、海外の有力各国とつるむことは多いし、逆に日本の政財界とつるむことはほとんど無くなった。
はっきりいって「今の日本、ぜんぜんおもしろくない、いいとこがない、ただつらくあたってくるだけ…しねよとばかりに」
むしろ日本につらく当たる各国とつるむ方が、将来的には日本のためだと思えるし、だから海外諸国勢とばかりイチャイチャしていたほうが楽しい、充実感がある。実になる気がする。


日本は空気を読むことで、支配者に素直に操られるのが上等市民という暗黙のルールの国だが
王族だの上級官僚だの歴代の名家の政治家一族や財界一族…彼らは全然、新橋界隈や地方都市、まして田舎の現地に出てこないので、庶民社会の空気が全然読めていない…知らないままなんだよね、公家やミカドの時代のまんまで。


 プロ野球では戦力外通告を受けて自由契約になった選手が、別の球団に拾われ
て活躍することがあります。こんな時、その選手を採って再生させた球団の監督
は称賛され、元いた球団の監督は「育て方が悪かった」「見る目がない」と批判
の対象になります。もちろん選手本人は「リストラの星」などと言われて、
ファンの人気を集めます。ところが、企業社会で同じことが起きると、なぜか
批判のホコ先は、選手を採った球団や監督、そして選手自身に向かうようです。

 「裏切り者」「売国奴」。日本企業を飛び出して中国や韓国メーカーなどに移
った技術者の多くがこう言われ、肩身の狭い思いをしています。日本人技術者を
引き抜いた中国や韓国企業に対しても「技術を盗んだ」というような言い方をし
ます。しかし、本当にそう言い切れるのでしょうか。海を渡った技術者の多くは、
元いた日本企業では処遇に不満を持っていた人たちです。プロ野球の流儀に従え
ば、使いこなせなかった会社や管理職が悪いという指摘も成り立ちます。

 今号の表紙を見て、「今どき、こんな、いかにも泥棒といった風体のスパイな
どいないよ」と苦笑した読者の方も多いでしょう。もちろんその通りで、現実に
は、企業の機密情報がスパイの潜入によって盗み出されるのは稀です。多くの場
合、技術者の引き抜きなど、従業員を介して行われます。この問題を技術者の倫
理観のみに背負わせていても解決にはつながらないでしょう。企業側に我が身を
振り返る姿勢がなければ、技術情報流出は止まらないと思います。

                    (日経ビジネス編集長 山川 龍雄)


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