先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

相当なスピードと決意とでさっさと柔軟に機敏に次々と、転身を続けないと…


なんせ、かつての日本の主力…家電TVと、その部品たる半導体が、もはや死んだわけで。死にかけではなくてとうとう、死んだわけで。

http://mainichi.jp/select/news/20120523k0000m020094000c.html
ルネサス:エルピーダに続き…「日の丸半導体」苦境鮮明に
設立母体の日立製作所などに第三者割当増資による500億円規模の支援を求める
 しかし、最大の顧客である国内電機メーカーは、テレビなどの不振で業績が低迷。東日本大震災やタイ洪水に加え、急激な円高、欧州や中国などでの半導体の売れ行き不振も響き


冗談抜きで10年後の日本はもう、いまと全然違う商材で食ってるかもね。
エコだの福祉だのアニメだのと…技術にしても、家電とクルマ以外の技術も伸びてきたり、アテにせざるをえなくなる。


すくなくとも、家電とクルマだけで中央集中的に稼ぐ、ことはもう無理だね。
ポートフォリオ…中小規模のいくつかの産業をコンボして食いつなぐようになる。いわばオープン化、トランザクション化、マルチソース、クラウド


今までと同じ暮らしができなくなる可能性もある。どこかでキレイに線引きされて、終わりと始まりがくるとすれば、今までの時代にどっぷりつかってきたたとえば老害とかは大変だろうが…自業自得でもあり…


アニメマンガ・キャラクター産業もなあ…やはりアニメオタクのアレそのもので
・地味で、暗く、内向的な、外見からしてダサい人材が多い
ので、
カリカリと黙々と絵を描いたりするのは得意だが
・商売ができない=外商ができない、なによりブランディングなんてできない


だから、モード系の人材が社長に就任したサンリオは、またたくまに国際的にブランディング戦略を実行し、あっというまにキティは世界ブランドになった。


だからアニメマンガ・キャラクター産業で日本が食っていくならば、
門外の人間をどんどん送り込まないとダメだ。ファイナンスとかブランドとかに長けている、いわゆる「凄腕の人材」を。
ダサい偏屈な寡黙な連中ばっかりだから、
国内ではけっこうもうかっていても、海外ではほとんどカネにできてない。(NHKの深夜番組でも暴露されていたhttp://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0512/
アニメなんか、海外では販路開拓もへたくそで
現地の同人たちがファンサブ違法動画を配信しまき散らすことに任せている。
海外では、日本アニメはよく視聴され有名で大人気だが、彼らはファンサブ動画によって視聴できている始末…


好景気の頃から、アニメ産業の売り込みや商売・投資のへたくそさは目に余っていた。ありゃどうにかせんといかん…


これがクルマ産業だと、つぎつぎに現地営業所や支社を展開していって、現地人採用を重ねていったが
コンテンツ産業はそこまでいっていない。日本人だけで海外展開マーケティングなんかできるもんかよ…


けいおんハルヒこそがブランディングマーケティングだよね。
そういうことを下請けの京アニはわかってないから、日常とか氷菓で儲かると思ってしまう。コア・コンピタンスが身についてない。もくろみが的中しないわけだ。
逆に言えば、けいおんをみつけてきて、「これうちのアニメにしよう」と決断したTBSの局Pにはブランディングセンスがあった。さすが局=上流だからね。
下流の人々はどうしても卑しさというかセコさというか庶民層につかりきっていて、お上品なこと(ブランディングだの投資だの)が苦手だ…なんせ身についていないからね。


これはアニメ業界人にもどんどん言ってるのだが
「アニメのコアは、絵ではない」


絵はハードウェアだ。絵を描いてもアニメにはならない。
というか、コンセプトや企画が無かったら、絵を描くラインに回ってこない。絵を描くことすらできない。上流工程がオハナシづくり(車両設計)で、絵を描くのは下流工程(生産ライン)なのだ。


絵だけなら宮崎吾郎も立派に見えた。それでいいと「下流でいやしいアニメーターたち」はおもいこんでいたので、ゲドになってしまった。


ところが宮崎駿宮本武蔵だった。
上品な家庭に育ち、ミリタリーオタクになりながら美大を卒業…
ほぼソ連アニメのパクリを重ねながら「宮崎の動画がすげえ」というイメージが定着。生い立ちでとにかくアニメに限らずさまざまな高級文芸に触れている=育ちがいい証拠


そういうひとは、絵描きかどうか以前に「構想作家」として大成する。


絵を描くのはついでに過ぎない。べつに宮崎がコンセプターで、原哲夫みたいな絵描きが別人でもよかったが、
たまたま宮崎駿はひとりでマシンガンのように考えマシンガンのように絵を描けたのだ。(おかげで負荷の一過集中になり、すぐ腱鞘炎に…万能タイプにありがちな故障)


…以上は、絵というハードと、オハナシというソフト、の話し。


今後のコンテンツ産業に必須になるのは、コンテンツだけではなくブランドとアセットマネジメントなどができることだ。外部人材を積極的にハントするなどして『補強』しなくては、まず無理だが…絵を描くだけのオタクには永久に不可能だから。