先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

いち起案として

再生エネルギー発電「メイン」はたしかに長年無理か、永久に無理だろう。技術者としてわかる概念だ。


ただ、もうすこし技術革新というものをおれは信じている。高効率な再生エネルギーミクスチャ発電コンポーネントシステムが、できあがるような気はする。

要は今の段階のあれらは「雑多すぎる」大学の研究室で具現化されたものが大差なく使われてるような…半世紀前、体育館いっぱいを埋め尽くす、大きな磁気テープがキュルキュルまわってる衣装ケースなみのサイズの無数のホストコンピュータ数十台でも、いまのパソコン一台にすら劣る、的な…


あとひとつ「エネルギー利用総量は減っていく」ということ。すでに80年代に比較して節電対策はほとんどの設備と家電製品に適用、推進され続けてきた。今後もそれが続く。エネルギーをなるべく必要としなかったり、蓄電などでインテリジェントにエネルギーを活用する、製品も設備も増えていき、その節電率も加速度的に進化し続ける。

で日本は落ちぶれる宿命だから、いままでのような羽振りのいいことはますますしにくくなる…使う電気も減る、買う製品も減る、ニーズも減れば消費も減る、のある意味での悪循環、ある意味での好循環が進む。
すでに日本人はあくせくはたらくよりも、そこそこの収入でロハスとかエコとかアウトドアやレジャーをするようになった。

デフレ食料品は、むかしの王侯貴族の食事よりもおいしいし(たとえば今の3食入りラーメンの品質も味もまるでおラーメン店なみ、2食や1食いりの高級品もバブル期はとってもとっても高かったが、いまは3食入りと大差ない…いいものが安く、高いものがない…食品もつまり大量生産卸の効果で薄利多売で収益確保する時代になった)、貧乏人としても無理して金持ちや偉い人になろうという意欲はわかない。どうせ仕事はろくなのがないのだ。基幹派遣社員だのフリーターだのと。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120319/229950/
天然ガスが恒久的に原発を代替できるこれだけの理由
ホルムズ海峡への依存はゼロに近づく





 筆者は必ずしも原発全廃論者ではないが、日本の電力業界の原発維持に対する未練が大きいほど、天然ガス戦略は脆弱で、中途半端になり、結果的に日本経済は大打撃を受けることになる点を強調したい。


韓国勢がいち早く確保した極めて安価な米国産LNG第1号案件を、日本勢がむざむざ見逃したのは、原発が今まで通り維持できれば、長期購入契約で輸入する米国産LNGは結果的に不要になるのではないかという懸念というか、未練が二の足を踏ませた様相が強い。

未練がある限り、調達で負け続ける

 このような未練が続く限り、腰の入った調達コスト低減戦略は構築できず、日本のLNG天然ガス調達は負け続ける。これまでの延長線上の場当たり的な受け身の対応では、抜本的低減は無理だ。

日本が世界一高いLNGを購入し続けていることが大問題となる。

 現在の日本のLNG天然ガス購入価格は、平均で百万Btu(英国熱量単位)当たり16ドル以上である。シェールガス革命が進行中の米国の天然ガス価格はわずか2.5ドル、欧州の天然ガス価格平均は8〜9ドル、ドイツがロシアから長期契約で輸入している欧州では割高な価格が10〜11ドルで、いかに日本が飛びぬけて高い価格で調達しているか一目瞭然だ。


再生可能エネルギーの導入は究極の自己矛盾に陥る

 マスメディアやネット・ブログなどでは、太陽光発電風力発電などの導入が本格し、いずれ大半の原発、あるいは化石燃料も含めて既存のエネルギー源の大半を代替できるというような議論もよく見かける。だが、それは既に筆者が様々なところで述べたように原理的に不可能であり、エネルギーの専門家で可能だと思っている人はまずいない。

 その具体的な理由をここでは繰り返さないが、要すれば、日本は国土が非常に狭くて人口密度が非常に高く、またその国土の67%が森林傾斜地であり、国土面積当たりの経済規模、経済活動密度が北欧などとは比較にならないほど高いので、原理的に出力密度(地表面積当たりの出力)が非常に低い再生可能エネルギーを主軸にすることが不可能であるということだ。

 無理に導入すれば、大規模な自然環境破壊にならざるを得ず、何のために無理して再生可能エネルギーを導入するのかという究極の自己矛盾に陥る。この原理を理解していない脱原発論は、ほとんど無意味である。同時に再生可能エネルギーはコストや使い勝手(不安定性)の問題も非常に大きい。

 太陽光発電風力発電に関しては、日が照り、風が吹かなければ発電できないので、見かけの発電容量と実際の発電可能量に非常に大きな格差があることに要注意だ。前者は設備能力の約1割、後者は2割しか発電できない。例えば、「日本の太陽光発電設備の合計が原発6基分に相当する見込み」という記事は、実際の発電能力は0.6基分と読み替える必要があるが、果たしてどこまで一般の人が理解しているだろうか?

 二酸化炭素排出の増加なしに、リーズナブルなコストで、かつ確実に、大量に、速やかに原発を代替する方法は、天然ガス・コンバインドサイクル発電(天然ガスを燃焼させてタービンを回し、排気ガスを利用して蒸気でタービンを回転させる複合発電)による、旧型石炭火力発電所を主とした発電効率の悪い旧式火力発電所の代替(同じ二酸化炭素排出量で2〜3倍の出力を得られる)と、天然ガスによる分散型コジェネレーションしかない。

 したがって、天然ガスによる原発代替を主軸に、再生可能エネルギーを補助的な代替策とせざるを得ない。天然ガスによる原発代替は、現在の緊急避難的な状況だけでなく、中長期的にも全く同じである。「いずれ再生可能エネルギーが主力になるまでの、つなぎとしての天然ガスLNG」という発想は、根本的に誤っていることを認識することが大事だ。

 しかし、その場合に日本が世界一高いLNGを購入し続けていることが大問題となる。