先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

Hello VIFAM の和訳について

https://goo.gl/FeQXyH


公式の意訳はぜんぜんあってないことで有名。


巷に出回っている、有志による直訳も少しおかしなところがある。


よって、一部訳し直してみる。幸いに難波克弘と同じく筆者もITエンジニアなのでね。米企業(ソフト・ハードの開発元)の英文マニュアルが読めて当然の職業だから…


(C:管制室(Control)
(A:ラウンドバーニアン(バイファム)のパイロット
(Com:ラウンドバーニアン(バイファム)のOSコンピューター
(M.Com:着艦用アームのOSコンピューター


C:Examine data link
(データリンクを試験する)
A:Main trans engine No.1,2 ON No.3,4 OFF No5,6,7,8 ON
(主推進エンジン、No.1,2オン、No.3,4オフ、No.5,6,7,8オン)
C:Confirmed,round vernien
(確認した、ラウンドバーニアン)
Com:Hello,I am VIFAM
(ハロー!こちらバイファムのコンピューター)
C:OK.VIFAM,your number is 7 instrument recorder on
(OKだバイファムコンピューター、出撃番号7番。フライトレコーダーON。)
Com:Permission to sortie
(出撃許可を。)
C:Permission granted GOOD LUCK,VIFAM 7
(出撃OK。バイファム7、幸運を祈る。)


Wipe away all your tears
(涙を拭いてよ)
together we will conquer fear
(一緒なら恐怖を克服できるさ)
come and give us a hand
(おいでよ、力を貸してよ)
in search of a new land
(新天地を探そうよ)
I wonder where you are my friend
(友よ、君はどこにいるんだい)
tell us what is left in the end
(教えてよ、最後まで変わらないものを)


A:Two aggressors in sight R 5866
(有視界内に敵2機。距離5866km)
C:All stations on red alert
(全部署にレッドアラート発令)
Com:ECCM on No.2 Javelin 3・2・1 fire
(ジャミング装置オン。No.2ジャベリン、3・2・1…発射!)


One day hate will disappear
(ある日憎しみが消え去って)
then the way home will be clear
(家路が開かれるんだよ)
nothing is ever too late
(遅すぎることなんて無いよ)
if you know how to wait
(焦らなければね)
I wonder where you are my friend
(友よ、君はどこにいるんだい)
tell us what is left in the end
(教えてよ、最後まで変わらないものを)


Give us your courage, VIFAM
(ボクらに勇気をくれよバイファム
you are our image, VIFAM
(キミは僕らの偶像なんだバイファム
united we must fight, VIFAM
(力を合わせて戦おうぜバイファム
uncertain of our might, VIFAM
(僕らの可能性は未知数だぜバイファム


C:VIFAM 7 this is control,over
バイファム7、こちら管制、どうぞ)
A:This is VIFAM 7, read you five five
(こちらバイファム7、感度良好)
braking into landing speed
(着艦速度へ減速中)
C:You're right on the glide slope
(進入角は正常)
A:Read you
(了解)
Com:One minute and counting
(あと1分、カウント続行)
M.Com:Welcome home VIFAM 7
(お帰りなさいバイファム7)
I'm mother arm computer
(こちらマザー・アーム・コンピューターです)
A:Hello,M.A.C.
(やあマザー・アーム・コンピューター)
Com:Coming in contact with mother arm
(マザー・アームと接触します)
5・4・3・2・1 contact
(5・4・3・2・1接触
A:contact
接触確認)
C:confirmed round vernirn
(確認したラウンドバーニアン)


 ◇


fivefiveとは、無線の暗号コードで、実社会でも幾つかの規格がある。
ハムだと「10コード」。http://www.ne.jp/asahi/yuzo/hidaka/10code.htm


バイファムの軍でのコードも独自だろうから、5−5ってのは感度良好を示すんだろう。


マザーアームについては、サンライズ社内でリアルロボットが次々生み出されて設定が煮詰められていく過程で
「着艦時は、大きなアームで抱え込まないと厳しいよね、相対速度スゴイし、カタパルト帰還じゃピンポイントすぎるよね」という結論が出た。
それらが実際に劇中で描写されるようになったのは、逆襲のシャア0083になってから。
近年のガンダムでもサンダーボルトで描写してたような。


R5866は公式訳で5866kmとされているが
これでは有視界in sightでもなければ交戦ができる範囲でもない。おそらく誤字か設定考証ミス。
ちなみにロス〜NYが4000km。
真っ暗な宇宙では5866m先の20mロボットですら見えないだろう。レーダーで捕捉しても有視界とは言わない。



ベルウィックは、スコットランドの地名のラテン読み。
アゾレックは、アゾレス諸島のラテン記述か。
ジワイメルウは公表されたとおり「ウルメイワシ
クレアドはそれらしい言語は見つからないが「クレアー・ド〜」というフランス文法を切り取ったものか。
タウトはドイツ語圏に
ククトはハングルに同音語がある。




さすが、リアルロボットアニメというジャンルが確立されたばかりの82年に暖められた企画。

ジオンの次々乱開発されるMSとか=ナチスの失敗作の数々みたいな
当時は制作側も「これ」という形式が決まっておらず、「何が売れるのか何がリアルロボなのか」試行錯誤していたよね。

バイファムも「結果的には」売れない試行錯誤を繰り返した。
序盤からジムより弱い主役機に、地上へ避難してみれば主役機は出ないし逃げ隠れしてばかり。宇宙編に戻り主役機に主役が乗るのが12話って…そりゃ「買ってくれるファン」はすっかりいなくなってる。

2016年の販売戦略で見れば失笑モノだけど
1983当時はまだ試行錯誤で映像側もグッズ製造販売側も苦労してたわけね。

ウグの1/100なんかすごい気合い入れたのにまったく売れなかったと。そりゃパイロットの姿が見えず、角の生えた生意気な口を利く青二才が乗ってなきゃ売れないよな…
3クール以降は一部地方打ち切りだったから「トゥランファムやデュラッヘを知らない人」が多くて全く今でも売れてないよね、再販プラモ。最初のバイファムとネオファムだけはみんなが買ったんだよな。視聴切る前に。

熱血合体ロボに毛の生えた、売れ筋のテンプレに沿った、ガンダム富野路線に比べたら
ロボ好きもキャラ好きも、引いてしまって視聴を切っただろう。
低視聴率。予想ほど売れないプラモ。
それがバイファム

だが、その「売れない試行錯誤」のおかげで、過剰なほど写実的=リアルな生活描写が続いて、いわゆる腐女子とか、子供の一部は、熱狂した。
ザブングルダンバインエルガイムのあの一本線ではない魅力があったわけだ。
スラスターの噴射方向通りに加減速する、マクロスばりのフェーズ進行、音声会話コンピュータによるAIサポート、
兵隊さん、軍隊、事務方の制服…
(富野、そういうの嫌いだもんな、ほとんど導入してない)

コンピュータがなんでもやってくれるって描写に放送当時の小学生は夢中だった。ただ長引く地味描写で「もう飽きた」と視聴切る子が次々出ていた。
F91も後半まで出てこないから小さい子は「まだでないの、ままー!」と劇場内で絶叫してたのと同じだ。富野は子供が嫌いで子供アニメ描写も嫌いで、アニメを大人の高尚な文学にしたがっていた。売れるわけがない。

ガンダムで言えばホワイトベースの民間人側が主役になって戦闘も操艦もスペースシャトル運用もこなす…それがバイファム
ガンダム型が好きな連中は発狂していたが
バイファム的なのが気に入った連中や腐女子もまた狂喜乱舞していた。売上にはならなかったけど。
子供にはミンキーモモな絵柄はむしろとっつきやすかったし、ガンダム系ほどキャラが高校大学年齢の兄さん姉さんばかりじゃなかったし。
10歳のケンツ、みたいな10歳ぐらいの子(レギュラーキャラ)って登場しないんだよねバイファム以外のロボアニメって。中学生年齢も中々いない。

結局、バイファムは「行き過ぎたリアル描写」「民間人が下克上して軍の代わりまでやる」
これは、神田さんがドラグナーでコケたこともあって後年に残るスタイルとはならなかった(鈴木さんと相性悪すぎ…熱血ロボなスズキ節は今川Gガンダムで爆熱してたけど)。
(ジェイナスがそこそこ受けたからってアイダホほどかっこ悪くしちゃだめでしょー…)

けどリアリティすぎるってことは「丁寧な描写=丁寧なドラマ」なわけで
2003にサヴァイヴやプラネテスとしてNHKで放送されてちょうどよかったのが証明している。売れなくても品格はあるわけよ。
なにより米国人のTAOやハリウッド帰りの渡辺交響楽はオーバースペックで、子供心もバッチリ掴んでいた。そこらへんはSEEDが譲られている。

リアルロボ路線というのも結局は、ワタルまでに失敗ばかり繰り返し
OVAも全盛期から衰退期までにいろいろと行き詰まって、

DVD時代の「DVDは各巻3枚買うバブル」を経て、バブルが弾けて分相応の売上に至った現在に至る、と。

リアルと売れ筋のバランスがUCでやっと取れた。時間はかかった。

言い出しっぺの富野に色々任せてもだめで
弟子たちにやらせてもなんかうまくいかなくて。
SEEDはたまたまとはいえグダグダしてしまって、売れてくれたのが救いで。OOはジュブナイル過ぎて後半売上失速してたし…

マクロス河森正治の独裁企画なので、
最新作のデルタでもなおバルキリーマクロスも「ΖガンダムVer7」みたいな焼き直ししかしてなくて、カルトな小さい売上になってしまっている。


結局、富野は売上で無能の烙印を押されて本人も嫌がっていて現場を外されたので、ガンダムビジネス自体はむしろ活性化したのだが。
マクロス河森正治で回せてしまったのでむしろカリスマ依存となり、時代に取り残され続けたんだろう。
マクロスFぐらいはまぁうまくまとまっていたが、デルタは全然変わり映えしてないし一部劣化してる。
ヤマトも高齢者の原作者各位が外れて、ファンサイドだった若手60年代層にバトンタッチした2199からやけに売れ始めたし。



念のため

@SMG_Scanlations

@ka2nd 完璧に訳されていますよ、「five-five」はなぜ「感動良好」になっているかもコメントに残っているし。「Tell us what is left in the end」がちょっとだけ意訳されてるけど意味は変わってない(直訳→何が最後に残っているのを教えて)


wikipedia.org/wiki/HELLO,_VIFAM

TAOが書き下ろした本曲で主題歌を担当することが決まったが、日本語での吹き込み直しをワーナーパイオニアは覚悟していた。ところが制作会社(日本サンライズ)から「英語でOK」の知らせを受け、驚いたという。この決定に敬意を表し、エンディング曲『NEVER GIVE UP』はTAO側から進んで日本語の詞で制作した[1]。

冒頭および間奏でのバイファムの発進と帰艦の再現ドラマは、TAOメンバーのうちDavid Mannがパイロットとコンピューター音声、関根安里が管制官、ジャネット辻野がマザーアームコンピューターの音声をそれぞれ演じ[2]、レコーディングの際に実際にトランシーバーを用いてエフェクトをかけており、TAOメンバーのスタジオでの思いつきで加えられたもの[1]。なお、TAOのアルバム『FAR EAST』にはドラマトラックを除外した、歌のみのバージョンが収録されており、当時の歌番組に出演した際もこのバージョンが放送された。https://www.youtube.com/watch?v=FIxDYAjijOQ


[1]
TAO『FAR EAST』(CD版)ライナーノーツ


[2]
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=41028&id=4816857
2007年06月29日 23:14

anri
はじめまして。
元TAOでヴァイオリン&キーボード担当していた関根安里です。
TAOコミュを散歩していて、このバイファムコミュを見つけちゃったので遊びに来ました。

オープニングのナレーションは、実はTAOのメンバーが全てやってるんですよ。皆さんはご存知だったでしょうか?

僕は基地管制官役で、ヴォーカルのデビットがバイファム搭乗員役でしたね。

バイファムのCOM役もデビットです。

マザーアームコンピューター役は、レコーディングに来ていた作詞担当のジャネットさんがやってます。

そんな感じでまた遊びに来させてもらいまーす!
失礼いたしました。


新投稿があった。
ややこしいが、バイファムパイロットとバイファムコンピュータ音声をデビッドが二役演じてる。
上ずった声のほうがコンピュータ音声




https://www.youtube.com/watch?v=EcYXPpnSnkc
90,949 回視聴 2023/05/06 #銀河漂流バイファム #アニソン #ITAO
ハローバイファムの制作時、映像スタッフさんから英語のセリフを入れたいと申し出があって初めてアテレコ経験しました。
ボーカルのデビットがバイファムバイファムのコンピューター役、僕が司令部通信係、作詞のジャネットがマザーコンピューター役で参加しました。
ジャネットはバイリンガルなので発音が良いw
台詞には誰が喋っているのか分かるようにしてみました、(聞けば分かるか)
カラオケで楽しむ時にでも参考にしてみてください。

TAO 1983
Vo&Gt David Mann
Key&Vn:Anri Sekine
Bass:Haruo Okano
Dr:Tatsuo Nozawa