先従隗始・温故知新

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リード90 象鼻ホースが破れてくる定番現象への対処


どうしても、この時期のホンダ二輪はどれもある程度の整備でメーター一周10万kmぐらいはいってしまうので
そこまでのうちにいくつかの定番部品が壊れる。ここをくぐり抜けた人だけが10万を超えてさらに数万kmへ届く。


リード90だと、オイルポンプのシールリング、象鼻ホース。
また車体は15万kmでももつが、前後サスは純正だと1万ももたない。
プーリーもヤマハと違って5万kmは使えないでもない。
オイルポンプはケーブルの延びとともに狂うので再調整するか混合併用になる。リッター1200kmを軽く超えるようなら薄くなってきている。
ただどのみち、2ストというものは長距離5万以上も乗ればどこかがスティックしてクリアランスがきつくなったりしてるため、混合併用のほうが距離を伸ばしやすい。分離は何かと良くない…アクセル開度でオイル量が変わるし十分に混ざってないので。


さて、なんか薄気なアイドリングなり吹け上がりになってきたな、と思ってたらどんどん症状進行。
しまいには、かかりにくく、キーOFFにすればあっという間に落ちる、そんなスティック予備軍みたいなやばい症状になってきた。
なによりつまらんスピードの巡航でもすぐオーバーヒートする。足元が熱風で熱いしトランク下もやたら熱がある。いわば混合気に液体が減って空気が増えて冷却材が減ってるのだ。


点検するとやはり象鼻の先のホースがやぶけてたので、分解せず自己融着テープで巻いてみたが
どういうわけか改善しない…いよいよ廃車なのかと落胆…


じゃあ廃車の前に一度だけ根本的対処をして、ダメなら諦めようと。


こんどは分解してホースを取り外し、浴室で石鹸で洗いまくって、除湿機で徹底乾燥。
無理のない作業=全面からテープを巻けるようにし、汚れを落としたことで粘着力も100%発揮できるようにした。
車体に取り付けたままだと死角ができたり、狭い隙間からの作業で最適な作業ではなくなる。テープを巻いてみても隙間ができる。うまく貼りつかない。


やはり取り外してみるとよく分かる・・・実は亀裂は2箇所だったのだ。
要はエンジンはリアフォークを兼ねてるので上下に動く、象鼻は車体側に取り付けてる、だからホースもリアサスと一緒に上下に動いてる。
上下動の際に応力がかかる部分は限られており、そこだけが数万km走行後に破けてくる。だいたいが真ん中ではなく、両端であり、今回もそうだった。


こんどは3Mの(ホルツも出してる)自己融着テープを念入りに巻いて、亀裂部分は二重化し、巻いた後もヘラなどでよく押し付けてさらに接着させ密着させた。
もう8万kmなのでホース取り付け部にはラバーグリスを塗る。


ためしに、ゴム用接着剤も試した…クロロプレン系(ウェットスーツとか)と、ブチル系(タイヤのチューブとか)。
どちらもダメだったので、材質はポリエチレンで確定か。これは接着剤はほぼない。


始動から生き返っていた。
アクセルのピックアップがいいから濃くなったのは間違いなく、
アイドリングが安定しており、いきなり落ちたりしないので適正混合気になっている。
これでオーバーヒートはなくなるので、あとはしばらく距離を乗ってスティックした部分が均されてくればOK。
ここまでに試行錯誤でプラグとエアクリーナーフィルターも新品になっており、かなり最適化されている。



自家整備しない人、
少々の自家整備しかしない人には、
リード90の場合、まず「3万kmの壁」があり、
タマが当たりで組付けや保管状態が良ければスルーで、こんどは「5〜6万kmの壁」に行き着く。


少ない距離でおしゃかにする人ほど、すぐエンジンをガラガラ言わせちゃう、二輪車の構造を知る気もないので乱暴で、内燃機にやさしくないタイプの人。


少しは整備や二輪構造に覚えがあって、けど白煙とか、なぜスティックしたかのトラブルシューティングのレベルではギブアップする人は、
壊すまで現象の原因がわからず、あきらめて廃車にするので6万の壁に阻まれる。


NSR50やRS125やCR80やCR125を自分で整備して走らせてた人ならば、スティックにしても異音にしても「なぜ?」がほとんどわかるため
自家整備でも6万の壁を超える。


うちのはもう燃料計が狂ってあまり動かないし、(給油のたびに距離を書き出して、航続距離を計算しておく必要がある)
ケーブルが延びてきて分離給油の混合比率が怪しいので、給油時にオイルを混合する混合仕様だ。
すべて、トラブルシューティングの末にこの仕様に決定している。
白煙症状も、自分で社外品オイルシールを調達、純正よりはるかに高品質のに交換してしのいだ。


なんでもできるひとほど、些細な症状のうちに解決し、大事に至らせず、長持ちさせる。
たとえ旅先で故障しても、レッカーなどせず現地で自分で修理。


8万kmまで、エンジンは一切いじっていない。いちおうタイヤ交換の際に排気ポートのスラッジを確認しているがほとんどついてない。
たいてい、周辺部品の劣化や破損が起きる。ホース亀裂、プラグキャップスプリング破損などなど…
ここを見逃さなければエンジンは大丈夫だ…この頃のホンダはみんなそう、フォーサイトとかフリーウェイも。
むしろ4発のほうがどれもレースエンジンがベースなので4万kmもすれば出力が実用レベルではなくなり廃車になる。サスを交換しようにも高すぎるしな。


リードも100だとクランクが4万kmも持たなかった。パワーがありすぎるためだろうか。日頃の使い方が回すほど高速度ほどキッチリ壊れる感じ。
90もおそらくいつも通勤などで主要幹線道ばかり常用域80〜95ばかりで走ってると5万kmがいいとこだろうが、うちは途中からトコトコポタリングマシンに用途が変わったのが幸いした。


たぶんあと2年間で2万km、旅と買い物メインでゆったり乗るぶんには、メーター一周するだろう。
それ以上になると保管期間の関係であちこちが壊れる。あと5年と考えると唸ってしまうね…
しかし1万kmの燃費が45000円だから…一気に乗りたくても予算が出ない。


そんなこんなで、ダンロップのスポーツサンダルも修理しながら8年目だ。
普通の人なら1〜2年でベルトが切れて捨てる。
しかしソールが自動車タイヤと同じハードゴムなので(さすがダンロップ)、きちんと修理し続けるといつまでも履ける。
ベルト切れもソールの偏摩耗も、シューグーですべてなおる。