先従隗始・温故知新

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古い、放置された、自転車のシートポストが抜けない時の対処


鉄やアルミで錆びてる場合。


おおむねこの方法で対処できる。
逆に言えば、これでできないなら、どういう方法でも錆びついたシートチューブが破損したり脆化するおそれがある。


巷で紹介されてる方法はおおむね2つ…
・シートポストをぶった切って、内径からノコで切る
・万力などでシートポストを固定し、ぶん回す


製造業、設計加工の実務経験者の視点では
前者はナンセンスである。どんな達者でもノコごとき精度では、交差オーバーしてしまうもので…しないための苦労=手間コストが無駄に大きい。
ゆえに後者を選択。なるべく簡易な、無理の無い、方法でやる。なるべくラクしていいし工数も応力も減らしていい。根性論は邪魔。それが製造業だ。
クランクベアリング圧入ツールの要領で、専用抜き取り工具を作った工場の人もyoutubeにいたが、そこまで手間を掛けられる人はほとんどいないだろう。


ポストの挿入量は15cmほどとする。
1 シートチューブ上端から、556をとにかく注入…尋常じゃなく。一気にではなく、数分おきに分けて
2 30分ぐらい放置(車体はなるべく傾けず真っ直ぐにしておく)
3 シートポストからサドルと矢倉を取り外し、車体をひっくり返して固定する(ポスト上端が長方形なので短い方を万力で挟んで固定)
加工場の作業台据え付けクランプがあればいいが、ない場合は路上のグレーチングや、コンクリの隙間などを流用する、ただしコンクリは割れるおそれがあるのでやるなら自分ちで
4 車体まるごとがハンドルと思って、エイヤッと真横にひねる(抜く方向は一切考えないこと、まずは油により錆落としをやる)
微塵も動かない…何度やってもダメなら、もう少しだけ強くやる、それでもダメならさらに556を吹いてさらに放置する
・なんとか一回だけ「ガッ!」と動いたら脈あり、しばらくやってみて音が弱まらないなら固定を外し556を吹いてしばらく放置する
・「ガッ!」が、次第に「ガガガッ」になってきたら脈あり
・「ガガガッ」がさらに「カカカカカッ」になってきたら脈あり
・しまいには、スーーっと回る、ここまでくると人力で抜ける可能性が出てくる、ポストはサビ混じりの油まみれ=サビが研磨され粉々になって消失してきている
・す〜、が軽くなってきたら、固定を外し、サドルを組み付けて、サドルをハンドルにして回してみる、回るようならポストが引っこ抜けるはず
・抜けたら引き続き、一番下までポストが入るか確認する、その前に抜いたポストを吹いてサビまじりの油を除去し、556を軽く吹いて布でふいて伸ばし、さらにデュラグリスのような自転車用グリスを塗る
・おそらく、いままで使ってなかったほど下の方はサビだらけでさっぱりはいらないので、サドルと矢倉を外したポストを皮や樹脂をあてて金槌で叩いて圧入していく
・だいたいポストがサビを削り落としてくれるので、またサドルを組み付けて横に回すとスルーっと回る
・最後にシートチューブ内側を拭いて、ポストも拭いてからグリスを塗って布で伸ばし、普通に組み付けて終了


オートバイで確かこんな作業があったような…思い出せない。
要は雨ざらし放置で錆びまくった「円筒挿入部分」への対処はだいたいこうだ。