先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

真夏の一番暑い時間帯に、照りつける日差しの中を、うだらずに移動する衣装を開発した


きのうはその「遮光遮熱マント(ポンチョ)」試作第一号を製作し、さっそく自転車走行テストしてきた。
車種は1号車・アムール9sビンディング仕様


これがかなり有効で、
JR青梅駅付近11:50発
多摩川サイクリングロード羽田終点14:30ぐらい。
約61km。迂回路があるから。


これをノンストップで達成。真夏の酷暑、最高35℃(世田谷区)をマークしてる土地をひたすら駆け抜けていった。


平均時速22kmほどというのでわかるとおり、ペースはかなり落としているが
これは仕方ない…けっして力を込めたりダッシュしてはいけない。体が熱くなりすぎるとダウンする。
ちなみにふだんは多摩サイを猛ダッシュしてるロードバイク連中のペースなので平均28とか。
今回も、帰路は16時半以降で出発したのでマントは着用せず、普段通りレース参戦系のロードバイクとペアを組んでそのペースで帰ってきた。区間によっては平均40近い。


ぶっちゃけ、ベランダ窓用の、遮光遮熱シートを、マントに仕立て直しただけ。
遮光率70%。
遮熱率50%。
大手メーカー、ダイオ化成が製造。
カインズホームの園芸コーナーで780円。http://www.dionet.jp/products/life/hiyoke.html#eco
これに麦わら帽子を組み合わせる。てっぺんにはシートの切れ端を装着し遮光遮熱性を確保。


この製品でないとダメな理由がある。
・硬い=変形しない、まとわりつかない
・隙間が多い=オートバイで100kmhで走っても風力抵抗が殆ど無いし突風も怖くない
ただのふにゃふにゃの農業園芸用のアルミ遮光シートだと変形しまくってバタバタしたり肌にまとわりつく…
(2014/08/06追記:オートバイスクーターで青梅〜川崎〜行徳、バック、150kmぐらい 9〜18時ほとんど野外走行で達成…12時に飯なので少し飲んだが、飲まなくても14時ぐらいまで行けそうな感じ、ほとんど日焼けもしない)


これにより、体は全て日陰になる。
皮膚が熱せられて、頻繁にガブガブ飲み続けないと倒れる…ようなことはなくなる。
むしろドリンク代は究極に節約できる。
ノードリンク、ノンストップで羽田まで行ったのだから。ずっと晴れ、ずっと30℃超え、最高35℃のなかを。


レースには使えない。むしろ邪魔になるだけ。
けど移動手段や旅の手段としては、かなり有用だ。いままで夏の昼間移動は諦めていても、そうではなくなる。


パールイズミなどが開発しなおせば、自転車の有用性自体が拡大するかもしれない。
オートバイならばクシタニやタイチなどが。
すでにUVカットの涼感長袖ウェアも各社出しているが…メッシュとはいえあくまで密着ボディコンだからやはり暑いようだ…皮膚全面を覆ってるからね。


道中、長袖の遮光ウェアを着てるローディに話しかけてみたがhttp://www.pearlizumi.co.jp/goods/cms/detail.php?id=18
やはり「うーん、暑いし、涼しくはないですよね〜」
肌に密着だから涼しいはずはない…服では体を密閉するからダメで、マントやポンチョじゃないと涼しくならない。
高級品なら優れてるってわけでもない。


きょうの多摩サイでもロードの半分ぐらいが長袖だったが、だからってペースを下げずにいる人は皆無だった。
たいてい、やけに通常ペースで走ってるのは数kmスプリントの上半身裸ばかりだ。
当方の自作マントと、長袖涼感ウェアと、性能はどっこいどっこいか、マントに分があるシチュエーションがあるぐらいかと。
というのも、長袖ウェアはあくまで密着のままで日射を浴び続ける。生地が帯びた熱はどうしても皮膚に伝わる。
下側も着衣で包まれるので通気性は悪い。涼しいとは感じない。アルミなど遮光材を使ってなければ衣服の中もあまり日陰にならない。あくまで汗をかいて蒸発させて気化熱で涼しく見せかける程度。


しかしシートを加工したマントは皮膚接触面はごくわずかだ…反面、汗の蒸散による冷却効果は期待できないが。
ゆえにマントの場合、皮膚に密着する肩と背中はどうしても影ができにくくやや暑い。…ここをメーカーで解決すれば(ステーを組み込むなどして隙間を作れば…アメフトのショルダーアーマーのような)もっと涼しくなるだろう。



顔や胴体や足が、木陰と同じ暗さで撮影されてることに留意。
走行中の影は、人体と、遮光シートとで、ほぼ同じ濃さの影である。そのぐらいの遮光効果がある。


これはもし、製品化するとかなりのイノベーションとなる可能性を秘めている。
なにも自転車だけにとどまらない。


ただ、クセというか、『使用条件の狭さ』があるのも確か。
・つねに風を受けてないと暑い
体は全て日陰とはいえ、受ける風は熱風ばかりなので(自分の周囲を常に森林にでもできれば別だが)


なので追い風の場合、完全に風と速度を一致させてはならない。遅くなるか、熱くならん程度にペースを上げ風を追い抜く。
向かい風は自転車にとってきついが、向かい風か横風がベターだ。


ちなみに農業園芸用にはすでにこういう帽子もある。
http://blog.goo.ne.jp/sitorin25/e/12462dffd80863a4f95ee671d6224781
涼かちゃん


 ◇


ついでに、こんな熱中症が続出し死者まで出るような酷暑の中、ロードバイクなどで走りに来てる連中の
様子を見ていた。


・中長距離の人:やはりペースを落としてる。平均20どころか17とか15のペースなので、こっちはガンガン追いぬく。
・スプリントに命かけてる阿呆共:素っ裸で走っているのが多い。平均24ぐらいのが多いがたまーに28ぐらいですっ飛ばしてくのもいる…どうせ2〜3kmしか走らない、通年見かける人種…オートバイで言えば直線番長。


そういうスプリントアホ族の一人が勝負とばかりに追い抜いて、少し先で待ち伏せて「へへん、どうだ」ってこっち見てるから
「おめーも50km走ってきてみろ」と怒鳴りつけたら顔色が変わってた。すでに羽田が近かった場所であった。


さすがにゴールする近場の公園でとひたすら水を浴びて水を飲んだ。休みながら2Lは飲んだか…
一休み後にコーナンへ行ってさらに1L買って飲んだ。
公園へ戻って1L水道で飲んだら昼寝。
しかもマントは元は遮光シートなので芝生に敷いてその上に寝る。元はシートだから畳んで携帯できる。


このシートはアルミの列、遮光シートの列、空洞、と編まれているので、
隙間が多く、風がいっぱい入ってくる。
よって自転車でも空力特性があまり悪化しない。突風にも強い。
つまり、どんなシートを使ってもいいというわけではない。


それでも、喉が渇き、唾液が枯渇するのが、非常にゆっくりなので、無理はしやすかった。
なんせ皮膚が焼かれて暑くなってないので…砂漠では皮膚を出すとそこからどんどん水分が蒸発し水分補給しても追いつかなくなる。アラブ人が全身を麻や綿の白系の布で覆うのは伊達ではないのだ。日本兵の帽子の後ろに布がついてるがあれも日よけであり効果抜群。


今回、参考にしたのはメキシコや中東の砂漠地帯の、肩掛けマントである。
大名の長袴や公家の衣装、僧衣なんかにも似たような夏着がある。


日本にかぎらず各国は、西洋化により洋服ばかりに切り替えてしまい、
真夏の酷暑のコンクリートジャングルのなかを商業活動に精を出すという史上例のない馬鹿なこともしているから、
洋服は主に寒い地域の白人が作ったものなので、夏の暑さの厳しい地方に対応しきれてない…ことも知らず
律儀にスーツやジーンズのままで、帽子もかぶらずマントもせず歩きまわっては熱中症で搬送される。
砂漠地方や江戸以前の日本のような、真夏の直射日光をしのぐための衣装を使わなくなったし、いまや知らない。


ノーネクタイやかりゆしもいいんだが…まずは中東のように皮膚を覆わないと話しにならんぞ…
湿度がある日本だからこれに通気性を加味しないと…そこは武士や公家の装束が参考になる。




2014/08/06追記
昨日のスクーター行、青梅駅川崎市幸区南行徳の往復150km、9〜18時ぶっ通し、に続き


きょうは、新青梅周辺で買い物などしながら、入間アウトレットパークまで往復24km、12〜15時。
きょうは最高38℃の熱射地獄。芝生の百葉箱でそれでは、アスファルトでは42℃ぐらいかな。


…しかしながら例によって、皮膚は全て日陰で通気性も抜群なので
マイナス7度の体感。
熱風により暑いには暑いが
皮膚温が上昇しないので汗はあまり出ない。


具体的には…顎に汗がたまらない。たまに顔を伝う程度。38℃でも。


帰宅後、もし普段着のままだったらそもそも入間まですら行けなくて引き返しても
ガブガブ飲みまくって、臥して唸っているところが
軽く飲んで、日射病というより熱射病の軽度症状で眠くなってしばらく昼寝する程度。


皮膚のほてりが全然ない。腕を見てもほとんど焼けてない。50%遮光効果。
きのうも色々試していたが、信号待ちで、半ヘルメットだと顔だけ無防備なので
直射日光が刺すように痛い…
しかし片手を上げてサンバイザー代わりにすると、とたんに涼しいし暗い…
『そのぐらいに違う』。まさにベランダの遮光シート効果。


手袋は、綿下着とおなじ素材の夏冬とも手放せない万能綿手袋。
夏は汗を拭うのに重宝、グリップも汗で汚れたりふやけたりしない。車両不具合の時は整備手袋やウエスに早変わり(予備常備)。


ただし、ずっと走ってないとキツイ。徒歩向けではない。
ナイロン(遮光)とアルミ(遮光遮熱)なので、素材自体は保熱してくる。つまり風で冷却しないと暑くなってくる。
停車中、皮膚に近いシートは熱感が増してくる。なんせ気温38℃の快晴。




これは使えるぞ…炎天下の長距離移動に。外見の悪さなど問題ではない。




 ◇


シャア 「クラウンは?」
ドレン 「駄目です…残念ながら回収不可能です」


クラウン「しょ少佐、シャアーッ。助けてください、げ減速できません。シャア少佐助けてください!」
シャア 「ク…クラウン。ピナレロFP3には大気圏を突破する性能はない…気の毒だが。しかしクラウン無駄死にではないぞ。お前が連邦軍モビルスーツを引き付けてくれたおかげで撃破することができるのだ」
クラウン 「うわああーっ」

「自転車で月まで行くなんて絶対無理!」
「そうだ、そのとおりだ…」


 ◇


2014/08/22
引き続きテスト。
最近は、近所の七国峠へ通うのに重宝している。林道入りまでは日射避けが必須だ。


今回は青梅〜栃木の自治医大の片道105km。
真夏は、昼間に日帰りで済ますのは難しいというか無理。3シーズンのようにペースをあげたら文字通り熱中症で死んでしまうから。


真夜中22時出発、利根川わたって道の駅古河でテント泊。つっても2時半着、3時半就寝、7時おきと、ほぼ仮眠。
昨晩の疲れは残っている、その前日の昼間の七国峠デイキャンプからぶっ通しで、そのまた前日は七国クロカンで3周はしていた…
オフロードの疲労はロードのように距離では伝わらない。場合により2〜10倍にもなる。
七国を3周しても2〜3km程度だけど、疲労は場合によりロードの数倍だ。


テント泊翌朝は8時出発、もうすでに炎天下ポンチョ必須。約28kmを飲水休憩抜きで1時間だからかなりのペースだ、まだ気温余り上がってなかった。
自治医大は10:30発、小山駅周辺カワチ10:50着(13km)11:10発、途中休憩はさみイオン古河12時着(15km)13:20発。ベルク幸手北14時着(15km)。


だんだんと深部体温が上昇しっぱなしになる。息が熱くなる。
寝不足と連日疲労蓄積が大敵。
出発前の飲水貯めが足りないとすぐギブアップになる。塩もなめないとすぐ全部汗になってしまう。


この炎天下ポンチョで、快晴の炎天下の中、朝出発の夕方着でともすれば100km無給水で到達できるには
多摩川サイクリングコースの下りのように、ずっと止まらない、ストップゴーがない、車にペースを合わせなくていい、などの条件が揃った場合。
今回はずっと国道の4号や16号なので…どうしても負荷がかかる。
河川敷の道をずっと行くならMax100kmぐらい、
幹線国道など車道を行くならその2〜3割ぐらいが限度か…これも寝不足や日々の疲労蓄積がかなり追い打ち。


この日はイオンへ向かう頃には37℃…熊谷なみである。
(この日の熊谷は最高36℃だがそれは芝生の上の百葉箱の中の話…炎天下のアスファルト上での実測は古河や幸手でも37℃。)
それをずっと車道の路肩でクルマに合わせていくんだから、信号待ちに付き合うんだから、もちはしない。
区間15kmでもかなり頑張っている。ベルク幸手では90分休んで居眠りもした。外では「光化学スモッグ注意報が〜」の防災無線


これがポンチョがなかったら、そもそも5kmすら粘れないだろうし、平均時速20kmすら無理。30kmすら到達できずギブアップだろう。真夏は出かけることもできない。
このポンチョはそれだけのポテンシャルを秘めている。
なんせ砂漠のシルクロードラクダ行商がヒントだから。


ただ炎天下を自転車移動してる普段着学生や主婦はいくらかいる。ただ彼らはせいぜい数km、ながくて1時間。
なんか勘違いして競争を挑んでくるバカ中学生もいたが、おまえ15km先まで、100km先まで、俺についてこれんのかと。せいぜい一駅だろうが、井の中の蛙め。
どうにもまだまだミニベロ=遅いという勘違いが世間では支配的だな…ちゃんといじればロードバイク同等なのに。


イオン古河〜幸手ベルクまではまさに炎天下、人を殆ど見ない。
けど暑いとは全然感じない。ペースが速いのと信号待ちがある=無風になっていきなり体温上昇大量発汗、からだんだんと深部体温が温まってしまうわけだ…長持ちさせるには力を入れちゃいけないが、車道ではどうしても力を込めて走る機会が多い。
ベルクでたまらず寝たのは昨晩の寝不足が大きかった。15分も寝たら劇的に良くなった。体温調節機能の低下も寝不足が拍車。


結局、8〜17時まで炎天下を走りきった。16号の上江橋の手前で日が落ちたのでポンチョを脱いで収納した…
上江橋は車道を走った…コンパクトクランク同等の最大ギアで50〜60kmhぐらいのペース。

主婦も学生学童どももトロトロだるそうに暑そうに歩道を走ってるところを
平均時速20以上、速度20〜50の変なポンチョ着たミニベロが車道からぶちぬいていくことの繰り返し。
ロードバイクだってこの時間帯にこんなペースで走ってはいない…というか走ってる奴がいないw


ぜんぶ多摩サイだったら無停止・給水なしで行けただろう。青梅駅発羽田着で折り返して府中あたりまでバックすると100kmぐらいだ。無停止なら5時間かからない。…なんだかエコランみたい。


いま帰宅後の翌1時だが、ただしい処置と食事で、もうほてりはなく熱中症状は解消している。血液温度や深部体温を無理なく下げるには色々とコツが有る。
だがやはり、早々に熱中症状が取れるのはポンチョで一切の直射日光を皮膚に当てず、皮膚の殆どを日陰にし続けてるのが大きい。
すると「気温37℃だが日陰にいて熱風にあたってるだけ」なので、あとは信号ダッシュや信号待ち無風などで無理をするか(無理がかかるか)どうかというだけの話。
むろんほとんど日焼けしない。自分の影を見るとポンチョの影は人間の影ぐらいに濃い。


つまり、今まではロードバイクでの真夏のツーリングは
日中は休むか、短距離走ってはガブガブ飲んで浪費するなり川へ飛び込むなりするしかなかった。
しかしポンチョが製品化されると、真夏でも炎天下を数十〜100km移動できるようになる。
ちなみにきょうも炎天下の15時台にクラクラして転倒してたローディがいたので、汲み置きの水道水ボトルを傷洗い用に手渡しておいた。


36時間着ていたウェア=レーパンやジョギングシャツや下着はもう手洗いして除湿機かけて乾いている。
(道中何度か、体もシャツも道の駅や公園で水洗いはしている)
ビンディングシューズもざぶざぶ洗って布団乾燥機くつ乾燥機能で乾燥済み。
入浴ついでにさっさと終わるので帰宅後の疲れてる中でも苦にならない。デシカント除湿機は扇風機をサポートにして70分も動かせば浴室まで全部乾く。クリーニング屋やビル清掃業などの実務経験ノウハウが活かせる。
飯はこんな日は店屋物かスーパー半額弁当大人買い。夏は(炎天下お出かけからの帰宅後は)冷えてるスーパー弁当のほうがむしろありがたい。調理がないと火を使わず節約になるし室温も上がらない。


ちなみに、どうしても真夏の100km単位移動では深夜走行が欠かせないが
深夜で困るのは、ドラッグストアがみんなしまってる点。
VAAMが買えない…VAAM求めてつい寄り道時間が増えたりもする…