先従隗始・温故知新

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震災から3年 NHKスペシャルがやっと明かした「事故原発はどこが脆かったので蒸気がいっぱい出たのか」


震災から3年後の
NHKスペシャルがやっと明かした「事故原発はどこが脆かったので蒸気がいっぱい出たのか」


・緊急冷却装置RCICのパッキンが弱かった
緊急冷却装置なのに、むしろ蒸気を漏らす原因に…
電源がなくなると、パッキン部の減圧を担当する装置が不動に…
多重パッキンの間にはスキマがあるので加圧チャンバー室になってしまい蒸気圧を強くした…
モックアップ実験でモウモウと吹き出す蒸気…


・サプレッションチャンバーの欠陥
なんせGE社による最初期型の商用BWR原子炉なので…
サプチャンの水が沸騰してることを考慮してない…
冷たい水に、原子炉の熱い蒸気が来ると、蒸気は水となる=放射性物質は水に溶ける…
沸騰した水だと、蒸気が来ても蒸気のまま空気中へ出て行く…
=ウェットベントしても、ドライベント並みに高い汚染度のまま放出…
モックアップ実験で気体蒸気のままもうもうと水面へ吹き出す蒸気…


(以上はマーク1という旧式原子炉の話でフラスコとドーナツを組み合わせた形http://goo.gl/buv0HA
(マーク2以降は寸胴になって形状が違うが、サプチャンが格納容器上部とほぼ同室にあるためたまり水はむしろ温度上昇沸騰しやすいかもしれない…薄い間仕切りだけなので爆発で破損して格納容器上部とサプチャンの両室が通じ合う可能性も高い=ウェットベント処置をしてもドライベントの高濃度に近い汚染蒸気が放出される。http://goo.gl/eS9wsn

いずれにしても、福島原発ほどの『熱と圧力の蓄積』は、GE社の『設計想定外』だ。
新型だからどうにかなるような優しい話ではないし、新型をそれに耐えるよう作ったらコストオーバーで採算に合わない。
2〜3日間しか非常冷却装置が動かせない前提の「どうせ大変な事故にはならない」設計なので
(どうせ軍隊や電力会社の車両やヘリが、すぐ支援物資や増員を持ってくるという甘い想定)
福島原発もたった2日だけ非常冷却装置が動いており、そしてきちんと止まった。止まったらドカン!
実際の震災は東日本全体が大混乱と『道路寸断=渋滞及び崩壊』と『消防警察自衛隊のパンク』とで、原発に総力を結集する余地などゼロだった…発電所員だけで孤軍奮闘しても追いつかなかった。
じゃあ1週間動けばあの無茶苦茶な内圧を、減圧させられたのか?無理でしょう。むしろ内圧上昇による状況悪化がさらに悪化したろう。爆発しなかった2号機がいちばん汚染をまき散らした皮肉な結果もある。


・格納容器PCVにしても
メルトダウン燃料のせいで鉄製ボディが熱膨張することを考慮してない。(事故とかメルトダウンと真剣に向き合ってない楽観設計)
おそらくこれによりPCVは膨張からクラックして部分破断が起きている…汚染水漏れ箇所。


工業系やITの技術者「実務」経験者として言えることは
・こうして、各部にスポットを当てるといくつか「設計不備」がぽろぽろ出てくる場合、
・全体で、1000や1万の不備がかならずある。致命的なものだけで数百はあるだろう。


そんなものは、原発という装置としてみた場合、
ナンセンスすぎて
欠片も安全を言えなくて
永久に動かすべきではない…
自動車とすれば、漏れないはずのオイルやガソリンが頻繁に漏れてくるような。


しかも、日本に限らず米国系の原子炉はどこも世代が似通っており、大差ない…
むしろ新型になると今度は、新型なりの不具合が新たに内包される…
それに新型は核燃料数が増えて出力が上がっている=爆発や漏洩のスケールも増えている。


自動車は、卓越した才能があればたったひとりでも完璧に整備できる。
でも原発は大きさからして無理。


自動車は動かせばすぐ漏れるが、
原発は漏れるかどうかは電源喪失して爆発事故になるよう仕組まないと検証できない…
そう311は初の実験だったといえる…史上初のデータを取れる実験になってしまった。
発電所はいわば決して走りださない車。2011年3月に史上初・走りだす原発…色々と分かったがそれは事故後だからこそ。人類誰もが若葉マークどころか無免許なので、新たな事実やデータが次々に分かる度に目がシロクロ…
3年かかっても肝心なことがちょこっとわかってきただけ…「そうかアクセルを踏むから走るのか」「どうやらこのブレーキは踏み続けると引っかかって戻らないようだ」いまでも作用機序を学んでいる段階。
自動車というのは70年代以降でも累計数十億台が走り続け、事故り、死に、多くの犠牲を実験材料として改良が急速に進んだ。…だが原発を自動車サイズにして各家庭法人のマイ原発を普及し、何十年も無数に事故りまくってもらう、わけにはいかない…だが事故りまくって死亡負傷が相次いでくれないと、メーカー、ユーザー、病院と、各セクションは改良・実績を更改し続けられないのだ…
そして何より、たとえマイカーサイズのマイ原発を10年で1億回事故ることですごく改良が進んでも、「じゃあVガンダムのバイク戦艦みたいな超大型原発をその技術で作り直しましょう!」といったところで、これはまったくフィードバックできず、仕切り直しとなり、「どうなるかわからない未知数」=いまの原発の事情と大差なくなってしまう。カブと、鉱山専用の超大型ダンプを、同列に並べるようなもんで。
…サイズはすべてを無効にする…二輪車に板バネ技術は全く無意味だ。そして人間より何倍か大きいプラント構造物や技術は、「人間にとって苦手、扱いきれない」ことが確定する。大きすぎる原発設備、高すぎる被曝量、広すぎる汚染範囲…チビや非力のくせに1300ccバイクを無理に所有するに等しいから、どっかでしわ寄せが出てくる。


よく原発擁護側の学者が、学者頭でこう言いますが「原発と違って自動車、タバコ、火力発電ののほうがいっぱい人を殺しており…」


それは、現場で作って設計して運用する姿を見てる技術者や、オペレーターからすると
【逆】
先に説明したように、合法的に数十億台の車を走らせ続けて、合法殺人の社会実験を繰り返さないと
進化できない。統計も揃わない。わからないことだらけのまま続く。
ものすごいいっぱい交通事故やタバコ由来疾病で死んだり重傷化して、
科学も技術も、医療も保険も、政府機関も、みんなみんな無数のスタディーケースで覚えたからこそ
ものすごいスピードで進化できた。
マウス実験がそうでしょう、無数のマウスを殺す実験しないと、科学も医学も少しも進めない…
人の代わりにいっぱい死ねよってこと。STAP細胞もそうでしょ。


実証実験の回数ありき。
サクリファイスの土台を踏み台にしないと、先へ進めない。
原発というのはそれが全く出来ない足踏みのままの欠陥技術…自動車やタバコが50年前にラクラククリアーしたような初等の課題でまた躓いてる。


=各界技術者として実務経験を積んできた俺に言わせれば
原子力核兵器を発電に使う技術は実際問題、人類の背伸びの装置であり、有事において制御下に置くことは『不可能』…」



むろん、本当に小規模PPSとして核燃料棒一本の原発を各自治体へ設置するプランも可能。
けど、やりたくないでしょ、誰も…押し付けたいんだよフクシマや敦賀に。
それに、核兵器材料なので、安全保障上、そうした分散運用が不可能…襲撃され盗まれ壊されやすくなる。
ここでも、理論的に躓いている。


結局、数を稼いで自動車のように無数の事故を起こしていっぱい死なせて進化できるのは、
小規模PPSをどんどん推進できる、原子力以外の全て。火力水力揚力風力太陽光地熱波力などなど…
上下水道だって発電できる。ゴミ処理場も発電所にできる。


物騒な言い方をしますが、交通事故は全員に対して機会均等=悪平等ですから、
だからこそ、【有意な統計】が出るのです…
あの安倍総理だって呪われたか祟られたのかどうかはともかくこないだ事故りましたよね。悪平等です。http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20130427/1366988824
原発事故はそうそう起こせず、犠牲者も拡大しにくく、事故後の医療などの各種統計も諸事情により取りにくいのでは、これは原発や関連産業が進化=信頼性や練度の向上に結びつくソースの【欠乏】を裏付けています。ボーイングのジャンボジェットだって墜落などの事故を起こしまくったから落ちなくなったんですよ。だから新人君の787は煙が出まくってますよね。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014032700003.html
検査をやっていて受診したい人だけ検査するという形では、継続性は危ぶまれるのだろうと思います。もちろん、リスクがどの程度か分かってきている以上、全員に検査を強いるようなことをすべき状況では全くないことも確かです。
市町村ごとに状況は違うのでしょうけれど、自由に検査ができて、来たい人だけ検査するという形では、恐らく人口全体の数%ぐらいの方のみが検査にいらっしゃる状況になるのではないかと思っています。
高校生の授業での反応や不安、地元の方々の放射線についての関心や理解度、報道、僕自身が感じている感覚と、この受診率を比べると、少し乖離というか違和感というか、すっきりしないなと思いながら。今日はこの辺で。

震災年12月の、いわき市小名浜の中学生たちの反応が印象的だった…
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111213/1323731776

この撮影後に小名浜市街を巡回すると、バス停のポールの土台に座り、地面へうつむいてる女子高生達が…

「おいおい、原発から近いんだから地べたに座ったり、地べたに顔を近づけたりするなよ、三月に粉状のが降ってきて地表面に積もったり雨で流れたりしてるんだから…」とか説明すると

「ええ、こっちまで放射能ってきてるんですか!?」とか…頼むよーー教師や自治体は何を教えてるんだよ…何も教えてないって?

パーティクルとか説明してっもパーだからわかんねって話で…ああもう。


学者や専門家、
政治家や官僚、
経営者は
勝手なことを言いますよ、もっともらしいことを。セクショナリズムでね。
(一例:日本の場合もほぼ同じなすりつけ合いがあったけどhttps://www.youtube.com/watch?v=SX5fRfpdkKwカンモヤツコモワルクナイカラコソワルモノニサレツイホーサレタ)
半沢直樹の最終回ばりのカミングアウトが…https://www.youtube.com/watch?v=Sx0VP_w_DUo


でもねこれは
大きさからし
構造的にも
扱うパワーソースがnuclearって点からも


永久不可能です。人類が10m身長で放射能無敵の生物にならない限りは。(ゼントラーディみたいな)
それが現場の実際を知る技術者の答弁となります。


そういうわけでみなさん、原発を運転したが最後、
数年後、十数年後、あるいは30年以内に
また爆発事故を日本国内で目撃するつもりでいてください。
そのあいだに、海外でいくつか起こることでしょう。大地震や竜巻など災害に拠って起こる可能性がすごく高い。大陸で震災を含めた天災が少ない地域ほど電源喪失しない特性があります…日本に押し売りされるべきじゃなかった。


人間の浅知恵が追いつきません。
すでに千や万の欠陥を抱えてる20世紀設計の原発設備に
付け焼き刃のいくつかの追加安全対策など
『無意味、焼け石に水にもならない』


右翼とか政治家とかいった
技術や数字のさっぱりわからん利権共は引っ込んでいろ。
数字が読めても黙殺する経営傾倒の経営者もすっこんでろ。
左翼でも数字が読めず話をややこしくしたり騒ぎを起こすのが目的のバカは引っ込んでいろ。
…バカを引っ込ませるとほとんど人が残らないので…ゆえに『原発は不可能』


バカ多数でも安全に無難にイージーにやっていける設備までが、
人類の身の丈にあっている。何百年でも穏便にやっていける。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0316/

メルトダウン File.4
放射能"大量放出"の真相
関係者への膨大な取材と、専門家による独自の分析で浮かび上がってきたのは、思いもよらない放射性物質の漏えいルート。日本の原発が誇ってきた「多重防護」の弱点だ。さらに、事故後も、大量放出を防ぐための“最終手段”と位置づけられている「ベント」の思わぬ落とし穴も明らかになってきた。
専門家は「これは福島第一原発だけでなく、他の同型の原発も抱える弱点ではないか」と指摘する。
核燃料がメルトダウンした後、なぜ、どのようにして放射性物質の“封じ込め”に失敗したのか。
科学的な検証とシミュレーション、関係者の証言からその真相に迫る。
http://www.dailymotion.com/video/x1idvr5