先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

福島市および周辺のプールの泥は10万ベクレルだと言うけれど…


たぶん1m離れて測定しても1マイクロとかだと思うんだよ。
ベクレルの場合、同ベクレル値であっても、その泥なり物質の『総量』に応じて線量計が感知するシーベルト値が変わるから、あやふやなんだけどね。さじ一杯と鉢植え一杯ではぜんぜん違うし、量が少ないと線量計の位置がちょっと違っても値は変わっちゃうし。遮蔽効果がある物質がどれぐらい関与するかでも違ってくる。
線量計は同ベクレル=同じ放射性物質崩壊量でも、存在する密度が濃い(レイアウトの問題…ベクレル源をしみこませた布を広げると低く、たたむと高くなる。)ほど高い値を出しやすい。


けれど震災後ずっと都内や関東一円を計測したり、他者の計測値をウォッチしてきたけど、


東京都西部のウチの近所だって、雨樋出口で1〜2マイクロなんていくらでもあるし(これ地下50cmとかに滞留してる汚染土壌なんだよ…50cmも遮蔽物質の土があるわけ、50cmぶんの減衰効果も…それでも1マイクロ)…年月とともに雨水で移動して低くなったところもあれば、ぜんぜん変化が無いところもあるけど。


汚染物質はいわばたき火の煙だから、
たき火から近い福島県はドッサリ降り注いで、なかなか流れていかなかった。雨水流路以外でもそこかしこが高いままだった。飯舘村なんか現在も、空間1mで1マイクロは低い数値だ。
東京都西部ともなると311震災の3月15日以降に結構な量が流れてきたが、大半がそのときの汚染だけで済んだので雨水の通り道、濃縮スポット以外ではあまりシーベルトは高くない。下水整備が進んでいるので下水路の汚泥や、江戸川や利根川などの河口付近の川底泥の汚染がすさまじい。
東京都の山の玄関、青梅市も、西部の山村と、中部東部では、雨樋線量は二倍違う。西部は山間なのでどうも汚染物の通過時(震災後10日間ぐらい)に雨っぽかったらしいのだ=汚染物の微粒子が雨で落ちてくる。夏に青梅の山々へお出かけすると西部の都道軍畑線で降られ、青梅駅に行くと降った様子がない…そういう土地柄だ。同じ理由で福島県の山村、飯舘村浪江町西部も集中的に汚染してしまった。


今も大差ない、関東ほか各地の汚染分布
https://maps.google.co.jp/maps/ms?msa=0&msid=216896075475772757370.0004af5254669affdb05e
昨年の飯舘村浪江町、郡山
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120715


以下のプールのベクレル値は、セシウム合算で約7万と言うこと。セシウム以外も微量だがある。(アルファ・ベータ線源だったりすると測定のための汚染物の加工が難しいらしい=なかなかそこまで検査しない)
今年で10万も出ちゃう高校っておそらく中通り福島市二本松市郡山市の縦のラインか、南相馬市のような一部の浜通り側か、だろう。県内の汚染分布を知っていれば、だいたいどの地域かは絞り込める。


楢葉町かどっかの教委は、昨年にはもう「プール開きします、汚染が怖くて見学する生徒の成績は落とします」と脅迫めいた必死な宣言までしていたよね…汚染が怖くて『経済社会を失うことに震え上がった』、そういう大人のヒッシさは信用ならない…なにをやらかすやら。どんな詭弁をふるうやら。

http://www.asahi.com/national/update/0422/TKY201304210315.html
プールの泥に高濃度放射能 NPO、福島の3高校で測定

写真:底にたまった汚泥から高濃度の放射性物質が検出されたプール=福島県内の高校

 【本田雅和東京電力福島第一原発の事故後、水を抜かないままになっている福島市内とその近郊の県立高校2校のプールの底の汚泥から、1キロあたり10万ベクレルを超える放射性セシウムが検出され、もう1校からも同8千ベクレル超が出た。教員や学校側の協力のもと、朝日新聞が泥を入手し、福島市内のNPO法人「市民放射能測定所」(CRMS)で測定した。

 泥が高濃度に汚染されていても水が放射線を遮る効果が大きいため、3校ともプールそばの空間放射線量は周辺と比べ高くない。野口邦和・日大准教授(放射線防護学)は「水に封じ込められている泥は高濃度でも排出しない限り問題はない」と話す。

 8千ベクレルを超える放射性の汚泥などは特別措置法により国が処理する対象。県はプールの泥について「どんな除染方法があるか検証実験をしている。その結果を検討した上で、環境省に連絡し、処理方法を協議する」としている。


http://www.crms-jpn.com/
市民放射能測定所
福島市置賜町8-8
パセナカMisse 1F
http://www.crms-jpn.com/cat/report.html
2013年4月1日
環境測定(食品以外)では71件の測定が行われ、最も高濃度の汚染になったものは福島市の学校プールの汚泥」でセシウム137が38100Bq/kg、セシウム134が27800Bq/kgになった。次いで高かったものは「群馬県川場村の落ち葉」でセシウム137が5450Bq/kg、セシウム134が3546Bq/kgになり、続いて「郡山市安積町の薪(原発事故前伐採、表面水洗い)」がセシウム137で3230Bq/kg、セシウム134で3140Bq/kgになった(別紙:図表12,13)。
http://www.crms-jpn.com/doc/%E5%88%A5%E7%B4%99_%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E6%B1%9A%E6%9F%93%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%88%86%E6%9E%90%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf
図表12:環境測定(食品以外)の結果2011〜2012年
福島市 某学校
プールの汚泥 2012/3/22 27800 38100
プールの水(上)2012/3/22 54.8 66.2
プールの水(下)2012/3/22 55.7 80.2


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-02/2012060205_03_1.html
2012年6月2日
 福島の教員は「プールを再開しようと放射性物質を測ったら水1キロあたり2万ベクレルもあった。精神的に参って学校にこれない子もいる。それなのに原発の再稼働なんて、あまりにも現場の実態とかけ離れている」と厳しく問いただしました。
http://blogs.yahoo.co.jp/neverland20050918/29561808.html
まして、水が2万ベクレルという強烈な値では底の泥はどうなっているか分かったものではない。

「水に封じ込められている泥は高濃度でも排出しない限り問題はない」
って…べつに学校のプールは汚染物を貯蔵する専門設備ではありませんよ。
ずっと使わなかったらさびるなどして劣化する。穴が開けば流出する。