先従隗始・温故知新

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帝国は、というより政府一般は、初めこそ民衆のためになることをするが、長く続くほど理不尽になる傾向がある。

◆マット・リドレー『繁栄・(上巻)明日を切り拓くための人類10万年史』



・帝国は、というより政府一般は、初めこそ民衆のためになることをするが、
長く続くほど理不尽になる傾向がある。
当初、中核となる公益事業を行い、交易と専門化の障害を取り除くことによって、
社会が繁栄する力を高める。
チンギスハンのモンゴル帝国でさえも、シルクロードの山賊を撲滅して、
ヨーロッパの応接間に置かれる東洋の品々の値段を下げることによって、
アジアの陸路交易を活性化した。


・ローマ人はしばらく曲がりなりにもヨーロッパ統一を実現したが、
結果は明王朝とそっくりの停滞と官僚支配だ。
皇帝ディオクレティアヌスのもとで、
「納税者より収税官のほおうが多くなり始めた」とラクタンティウスは述べている。


・要するに、競争はヨーロッパの産業化を進める大きな要因であり、
企業レベルだけでなく国家レベルでも、官僚主義によるイノベーションの圧殺に歯止めをかけたのだ。