◆竹中平蔵『改革はどこへ行った?』を読み解く
※要旨
・私は、郵政民営化担当大臣として、2005年春の国会に、民営化のための法律案を提出した。
この法律案は6つの部分から成り立っていて、全部で509ページにものぼるもの。私はこの法律案を通すために、衆参両院で、合計1500回答弁した。
これは一人の大臣の答弁回数としては、新記録だ。
衆議院は通過したが、参議院で否決されたため、小泉首相が決断して衆議院を解散したことは、
皆さんの記憶にも新しいと思う。その後の総選挙で小泉自民党が圧勝し、秋の臨時国会で、法案は国会を通り、成立した。
・民営化するということは、民間に経営を任せること。
それ以外に言いようがない。
民営化した以上、政府が民間の経営に口出ししてはいけない。
株主は、役員がよくやっているかどうかを事後的にチェックして、株主総会で評価を示す。
・小泉政権では、2001年に初めてプライマリーバランスという概念を導入して、
財政再建に取り組んだ。プライマリーバランスとは、基礎的な財政収支のことで、一般会計において、
歳入総額から国債の発行収入を差し引いた金額(主に税収)と、
歳出総額から国債費(国債の償還と利払いの費用)を差し引いた金額のバランスのこと。簡単に言えば、国債に依存せずに、税収だけでどのくらい支出をまかなえるかと測る指標。
・結局、政策論議の中で重要なことは、政策の議論をまずしっかり行うこと。
私は小泉政権のときに政府に入ったが、そこで痛感したのは、政策は難しいということ。
それは、すべての政策が、非常に細かな行政手続きの積み重ねだから。
内閣は勝手に政策を実行することはできない。
・すべての行政の手続きで、何かやるときは法的根拠が必要。
その内容については、それまでの国会答弁との整合性が求められる。
また、事細かな法律と行政の知識が必要になる。
その知識とノウハウを持っているのが、役所と官僚である。
・私は30代の若い学者には、
「君は理論をやりたいのであれば、それでいいけれども、
政策自体を研究したいのだったら、30代のうちに2年でもいいから霞ヶ関で仕事をしろ」といっている。
そうすれば、その後の政策に対する考え方が、ずいぶん違ってくる。
私はいきなり大臣をやらされましたが、それなりに何とかついていけたのは、
若い頃、霞ヶ関にいた経験があったから。
・強い経済を実現するためにの5つの提案。
日本が強い経済を目指すために、大きな引き金となる政策を5つ提案したい。1.法人税減税。
2.ハブ空港・オープンスカイ。
3.東京大学民営化。
4.農地法の改正。
5.インフレ目標の導入。
・リーダーは突然に降ってくる。
改革を進め日本の経済を強くするためには、やはりリーダーが重要。
・私が政府の中にいて、政策に携わった経験から言うと、
リーダーとしては、どうしても2つの資質を備えることが必要。1.ひとつはパッション、情熱。
問題に対するパッション。
2.もうひとつ重要なのが、「戦略は細部に宿る」という鉄則をマネージするしくみ。
官僚が書き上げてくる文章の意味を理解し、
それをうまくマネージできるような仕組みをどうつくるかが、重要。
※コメント
最近、世界では「盆栽」がブームのようだ。
日本では、お年寄りの趣味というイメージだが、世界では洗練された芸術と評価が高い。むしろ、1970年代から世界では一部の愛好家やファンがいるという。
日本の盆栽の国内売上は、約5億円。
海外への輸出額は、約60億円とのこと。どちらも市場は小さいが海外のほうが売れている。
日本の盆栽需要は下降気味だが、ただ古臭い、高額であるというのは言い訳に過ぎない。イタリアにある盆栽専門業者のマーケティングが上手い。
まず、安い盆栽をたくさんの人に売り、ファンを増やす。
そこから、講座やセミナーを行い、ファンを育成する。
さらに超愛好家へ高額な盆栽を限定販売するというわけだ。
本当に上手いやり方だ。
このやり方で、着実に利益を伸ばしているとのこと。
さらに、子供にも盆栽体験レクチャーを行い、いわゆる「盆栽ボーイ」を急増させている。
彼らは、将来必ず、優良顧客となっていくだろう。
もっと日本の業界もマーケティングやPRに工夫すべきところは、たくさんある。各分野で「改革」が求められている。
【発行】国際インテリジェンス研究所
(http://ameblo.jp/spy/)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120131/226678/
世界で最も速く凋落する日本
2012年はささやかな“最後の春”しかし1.7%という数字は、2つの“ゲタ”をはいた数字だということに留意しなければならない。
1つ目のゲタは2011年のマイナス成長からのリバウンド効果である。2005年〜2010年の間、日本経済の平均成長率はほぼゼロ(厳密には▲0.06%)であった。これが、2011年には大震災のダメージで▲0.5%(IMF予測)と沈んだ。2012年は、日本経済が回復軌道に乗ってくるため、2011年のマイナス分の反動で上跳ねする。その分、実力よりも高めの成長が見込めるのである。
もう1つの“ゲタ”は、18兆円にも上る復興予算の投入である。18兆円は、2011年のGDP比で3.8%に匹敵する莫大な金額である。この大盤振舞いが大きく成長をかさ上げする。
見方を変えてみれば、リバウンド効果と18兆円もの大盤振舞いがあっても、この程度(1.7%)の成長でしかないわけだ。
2012年に限ってみれば、日本はヨーロッパに比べて“少しはまし”な状態にある。だが、2000年〜2010年の10年間のトレンドを見ると、日本が最も凋落していることは明らかである。
2000年時点の世界経済のGDP(33兆ドル)に対して、アメリカのシェアは30.5%、EUは26.0%、日本は14.3%、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は7.9%であった。
2010年は、世界のGDP合計60兆ドルに対して、アメリカは24.1%、EUは26.9%、日本は9.1%、BRICsは18.5%である(年率換算の平均成長率は、アメリカ3.9%、EU6.6%、日本1.6%である)。
この10年間のシェアの変化を見ると、大きくシェアを落としたのがアメリカと日本である。
利権の敵にされると言うこと…弾圧と幽閉の10年間の記録日記
http://www.geocities.jp/psyonterra/1202.html#3