先従隗始・温故知新

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原子力規制委員会を日銀化するのはおかしい

どうせなら田中委員長よ、白川総裁なみにツッパって、政府になびかない姿勢だけは貫いていただきたい。
「形だけの独立性」で、都合がいいときはグル、都合が悪いと押し付け合い…そういうのだけはご勘弁を。


日銀=マネーはべつに猛毒をまき散らして人を殺さないが、
原子力発電はたやすく多数の全世界市民の健康を奪う。ひいては世代遺伝すらする。


アメリカでさえ、NRC(米・原子力規制委員会)の決定は連邦裁がひっくり返すことができる。今年、NRC監督による廃棄核燃料の保管環境が無計画で劣悪だとして、当該原発の運転および新規建設は差し止め命令を受けた。

http://diamond.jp/articles/-/25798
今後の原発再稼働の判断を誰が担うのかについて、田中俊一委員長は、規制委員会の役割は科学技術的判断に止まり、再稼働の最終判断は政治の責任、との立場を示したのに対し、野田首相は、「原子力規制委員会が主導的役割を果たす」「政治が介入して何かを言うと独立性を損なってしまう」と発言(9月21日記者会見)して、これを否定した。

 これは、田中委員長が正しい。田中文科相と田中委員長のダブル田中vs.野田首相のバトルも見たいものだ。


http://jp.wsj.com/US/node_491135

 米原子力規制委員会(NRC)は、連邦控訴審の判決で提起された使用済み核燃料政策の問題への対応が決まるまで、原発建設認可手続きを停止すると発表した。

この措置が直ちに原発に影響を与えるとは予想されていないが、米国の使用済み核燃料の恒久的な処理場を見いだせないでいることが原子力エネルギー拡大を阻害していることを示している。原発は既に安価な天然ガスによって難問を突きつけられている。

 コロンビア特別区巡回控訴裁判所は6月、NRCの使用済み核燃料への対応は連邦環境基準に合致していないとの判断を示した。この判決が出るまではNRCは、新規原発を認可したり、既存原発の認可を延長する際にはいわゆる「廃棄物信頼性決議(Waste Confidence Decision)」に依拠していた。同決議に従ってNRCは、政府は最終的に恒久的な処理場を設けると信頼していることを理由に認可してきた。

 しかし、オバマ政権がネバダ州のユッカマウンテンに処理場を作る計画を打ち切ったことから、こうした見方に疑問が出てきた。

 控訴裁判所は、必要になれば最終処理場が建設されると見るべき「合理的な保証」があるとしたNRCの見解を退けた。また、使用済み核燃料は原発の認可期間を超える60年間にわたり、プールあるいはキャスク(使用済み燃料用容器)の中で安全に貯蔵できるだろうとするNRCの主張も認めなかった。同裁判所は、プールからの漏れはこれまで害がなかったとNRCが考えたとしても、NRCはこれまで以上の漏れやその他の事故の可能性とその結果を評価しなければならないとした。

 NRCの7日の措置により、原発認可の決定は1年ないしそれ以上遅れる可能性がある。その期間は、裁判所が指摘した問題の解決にどの程度時間がかかるかによる。年内は認可決定はないとみられる。ただ、複数年にわたる遅延が起きても、既存原発が閉鎖される事態にはならないだろう。認可期限の少なくとも5年前に延長を申請する限り原発は運転を続けられる。

 環境保護活動家らは、使用済み核燃料の専門家であるマクファーレン新NRC委員長の最初の重要なステップであるこのNRCの決定を歓迎している。環境保護グループ、パブリック・ジャスティスのリチャード・ウェブスター氏は、使用済み核燃料に関する既存のシステムが十分だという「錯覚」の下でNRCが運営されることを認めようとしていない、と述べた。この問題でいくつかの市民グループの代表を務めている弁護士、ダイアン・カラン氏は、NRCは「たくさんの宿題」を抱え込んだとし、1年間で対応できるとは思えないと話した。

 一方、原発業界の業界団体である原子力エネルギー協会(NEI)のゼネラルカウンセル、エレン・ギンズバーグ氏は、控訴審の判断によって今回のNRCの決定は不可避だったと指摘した上で、連邦政府は電力会社の使用済み核燃料問題を解決するための「法令上の義務を果たしていない」と強調した。

 NRCの広報担当者によると、NRCスタッフは今後数週間のうちに、判決に対処するためのいくつかの選択肢をNRCの5人の委員に送るという。

 原発運営会社はこれまで、使用済み核燃料は長期間置いておいても安全であることを請け合うために、原発敷地内での貯蔵を増やす用意があるとしている。これらの企業は、NRCがこの方法を選択すれば、これが業界全体の基準になるだろうと期待している。

 環境保護活動家らは、プールの漏れや、火災などでプールの水が沸騰して蒸発したり、流出したりする危険性があるとしている。こうした懸念は福島第1原発事故のあと、一段と深刻なものとなった。


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http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120812/1344705839


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日本政府としては、もしくは日米政府合作劇としては
「民間が勝手にやったこと(部下が勝手にやったこと)」の、政府的常套手段で逃げ切りたいわけか。どの国の産業界も銀行も電力供給にはうるさいからな…


かくしてまたいつか「東電(関電・中電・中国電・九電・北電・東北電・北陸電)のせいで、原発事故がまた起きた」となるわけだ。少なからぬ可能性として。事故後の補償と責任追及も面倒だし、動かせ動かせという米国や財界からの圧力も面倒だし…そりゃ政府は逃げるよな。

http://mainichi.jp/select/news/20121004k0000m010102000c.html
原発再稼働:規制委「判断せず」…長官、政府主導に消極的

毎日新聞 2012年10月03日 23時55分(最終更新 10月04日 00時25分)


 藤村修官房長官は3日の記者会見で、原発再稼働を最終判断する主体について「(再稼働に)地元の理解を得るのは当然、電力事業者が行う。政府の方針は必要に応じ、立地自治体などに政府が説明する」と述べ、政府が個々の再稼働の判断を主導することに消極的な考えを示した。

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働を最終決定した関係閣僚会合についても「(今後の再開催は)考えていない」と否定。ただ、事業者が再稼働を決めた場合に備え「現時点で(政府が)止める仕組みはないが、今後検討していく」と述べた。

 一方、原子力規制委員会は同日、「安全性の技術的判断はするが、電力供給や経済状態を考慮した再稼働判断や地元の合意形成は、電力会社と経済産業省が担当すべきだ」との共通見解を発表。田中俊一委員長は会見で「今後も(再稼働を進めるようにとの)政治サイドの意見が出る可能性がある。(規制委は再稼働の政治判断はしないとの)けじめはつけた方が良いと判断した」と述べた。


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やっぱりな…いくら福島原発から6号線一本で近いからって…事前折衝がおろそかすぎる。


日本はロシアやウクライナベラルーシと違い、国土が少なすぎるんだから、核燃料や核汚染ゴミのオキバ選定でもめるのは最初からわかってる…ゆえにハイレベルなネゴシエートスキルが求められる。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012100400672
環境省に撤回要請=処分場選定で−茨城県高萩市福島原発


 茨城県高萩市の草間吉夫市長は4日、環境省園田康博副大臣を訪ね、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された県内の「指定廃棄物」の最終処分場候補地に市内の国有林が選定されたことについて、撤回を求める申し入れ書を提出した。
 これに対し園田副大臣は「(選定理由を)しっかり説明させてほしい」と述べた。同市では、市議会も選定撤回を求める意見書を採択している。(2012/10/04-16:29)