先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

日本にはほぼ居ない、紅茶などのティーエスプレッソを理解できる人材

前回記事

https://geasszero.hatenablog.com/entry/2024/12/21/141826

 

 ◇

 

コーヒーだけの人材は一杯いる。市町村ごとに豆屋さんコーヒー喫茶屋さんが繁盛してる時代だ。

 

しかしティーエスプレッソをググっても全然出てこない。いないからだ。

紅茶などを普通に淹れることに特化したスペシャリストは一杯いるが。

 

コーヒー側もコーヒー豆だけは詳しいが茶葉は全然駄目な人材ばかり。

コーヒー豆用のエスプレッソマシンも茶葉についてはろくな試行錯誤をされてないらしい。

 

 ◇

 

当方は90年代に台湾人留学生とボロアパート共同生活して=いまでいうゲストハウスみたいな

一流の台湾茶の淹れ方飲み方を知っている。表参道の名店の従業員と交流も深かった。

(=中国本土烏龍茶が台湾移住で伝来し接ぎ木して発展したもの)

 

なので、けいおんブームのときにFTGFOP級の一流紅茶葉もすんなり入れた。

コーヒーを専門店で飲むとか自分で挽くなどしたのは近年だが、やはり茶葉の扱いのように5煎目まで飲んだりフレンチプレスを好んだりしている。

 

前回記事の通りでデロンギエスプレッソマシンを試行錯誤し始めたばかりだが、色々と分かってきた。「要は圧力鍋」

その歴史を概説した通り、19世紀は栽培量も今ほど多くなく貿易戦争で奪い合いだったので、豆を節約し、素早く出し切るためにパリ万博の頃に蒸気機関エスプレッソマシンが開発された。17世紀には圧力鍋はあったので原理を知ったうえで開発トライしたのだろう。

 

 

紅茶エスプレッソは、葉っぱである。=当然だが

だから豆というか種子を焼いて砕いたコーヒーと、同じになりようがない。

牛乳は豆乳になれず逆もしかり。

葉っぱもので作る鍋がこってり油脂が浮くことはない。

野菜と肉で、圧力鍋に期待する性能や仕上がりは全く違う。

 

 ◇

 

では当方が編み出した「霞流 紅茶エスプレッソ」を構築し、やり方を紹介する。

とはいえ家庭用デロンギエスプレッソマシンで手軽にやれる内容だ。

 

コーヒー用と茶用でホルダーを分けるかどうかは好みだろう。渋を残さず毎度洗えば気にならないし、そもそも湯沸かしですら「家電の樹脂部品を通せば」なんらかの臭気はついてしまう。やかんだって長く貯めおけば金属臭がついてしまう。

要は運用法次第だし、どの臭気はどのぐらい妥協し気にしないでいられるかだ。

 

ちなみに当方は和茶と烏龍茶と紅茶とコーヒーの急須カップ共用。魔法瓶マグカップはステンレスだから渋は残らないし。

90年代までのママレモンの時代はねっとりした食器洗剤を多く使ってもあまり落ちない割に香料の匂いばかり染み付いたり洗剤油膜が取れなかったりしたが(達者にその洗い方は絶対やらないよう指導されたぐらいだ)、ジョイくん以降は解消されたし。

 

茶渋もコーヒー渋も「すぐ水につける、長く放置しない、さっさと洗う」で解決する。

カインズなどですきま洗いスポンジ棒など売ってる。

 

 

とりあえず本日のトライで構築したVerの、霞流・家庭向け紅茶エスプレッソ。

 

ルピシアアウトレットで買ってきた、

ダージリンオータムナルブレンド=大きめのブロークン

アッサム=CTC

 

 

デロンギエスプレッソマシンEC152J

コーヒーエスプレッソ1カップ用フィルター皿だと、割とすぐ薄くなった。

カップ用だと5煎目までいけた。

 

タンプもコーヒーとは異なるやり方になるが、やらないほうがいいかも。

タンプで濃くする=短時間の1回で濃くするわけだが、コーヒーでは美味しくなったりクレマが出るが=種子だから

茶葉でやっても有害レベルに濃くなるだけ。業務用紅茶エキスの製造に近い。こうじゃねえだろw ママコレチガウー!スーパーマリオってユッタノニー!これマリオダヨー!大泣

 

 

 ◇

 

割と長年ティーエスプレッソを出してる名店のレビューみても分かる通り。

やっぱりコーヒー専門店が手掛けるとこうなっちゃうのね。

でも、これはお茶屋からするとお茶じゃないよ。こんどこの店で飲んでみるけど。

「1回で出し切るほど高圧かけたりタンプする必要はないの。」

 

 ◇

 

では霞流 ティーエスプレッソはどうやるか。

カップ用フィルター皿で2~3煎目

カップ用フィルター皿で5煎目

すべて味わい尽くす。フレンチプレスも似てるよね。エスプレッソマシン発明するまではプレスや煮出しエスプレッソが資源有効活用の工夫の結果だったんだよ。

 

タンプすると某名店と同じ味になっちゃう。悪趣味。

もしタンプするなら乾燥茶葉ではなく、3秒通して30秒ぐらい放置してから。

茶葉はコーヒー粉みたいに細かくする必要ない。

フィルター皿に盛るときは、底部にCTCアッサム、上面にブロークン弱めのダージリン。こまかいCTCが底部を塞いでくれる。

茶葉はお湯戻しでけっこう膨れるので7分目で。3秒湯通しと放置で膨れてからホルダー外してタンプする。ただほんとうにタンプすると嫌味で毒なぐらいただ濃くなるからね。激辛カレーぐらい悪趣味。茶葉もすぐ終わってスカスカの味になる。

 

 

濃厚に淹れたならかならずラテにする。泡は程々の液体濃いめを残したスチームミルク。

ふつうのコーヒーに牛乳いれてもうっすい感じ、紅茶も同じ。

煮出すチャイと同じで、牛乳いれるなら濃いティーエスプレッソは合う。

めっちゃ塩辛い昔ながらの佃煮は単体で食べると罰ゲーム、ご飯と合わせて美味になるでしょ。

 

 

タンプしない場合は、ふつうにFTGFOPやBPのお茶を淹れるのと同じく、5煎目まで変化を楽しむ。

「1回の抽出時間は7秒」。ホルダーはそのままつけとく。

最初のが濃い場合はお湯を足してよい=ふつうの淹れ方でもやる方法。

 

やはり9気圧なので、普通に茶こしや急須で淹れるよりも香りがよく抽出できてる。

マシンで数秒で淹れるので冷めにくい。

 

コーヒーエスプレッソの場合、2煎目以降は「今回のタンプや粉の具合で初回時にどのぐらい抽出できたか」=2煎目のスカスカ具合を検証する手段だけど、お茶は全回とも賞味する。

コーヒーは種子なので「ごまを搾って油を取ってカスと分ける」けど、茶葉はそういう使い方じゃなくて数回に分けて少しづつ出してその変化すら楽しめる。

 

和茶なんかは萎凋(=発酵と業界では呼ぶが正しくは萎凋)させず蒸して乾燥させるだけなので、製法によっては若芽茶を3煎目までやって出し切ったら葉っぱをおひたしにして食べるのがすごく美味。「比留間園ゆめわかば」とか。

コーヒーがらを美味しく食べる人はほぼ居ないw 健康に寄与しないし。掃き掃除に使うことは有るよね。

 

 ◇

 

結論

霞流としては、

紅茶ティーエスプレッソをエスプレッソマシンで淹れる場合の効能は

 

「茶葉の香り旨味甘みが急須抽出よりはよく出せる」

「待たずに出てくれるので冷めにくい」

「急須にお湯入れて待って注ぐ無駄工程無駄時間が省ける」

 

もちろん基礎の初歩として「絶対にホルダーとパッキンの間に茶葉などゴミを挟み込まないこと」。その意味でもブロークンや手摘みの大きい茶葉がフィルター皿の上面にあったほうが抽出口やパッキンへくっつきにくい、剥がれやすい、掃除除去しやすい。見落としにくい。

 

コーヒーエスプレッソマシン編で解説した通り、当方では毎度か2回に1回、パッキンにメンターム米粒半分程度を綿棒で塗布しキッチンペーパーで軽く伸ばしつつ拭き取る。使用後清掃で行えば翌日にはメントールなど臭気成分は飛んでいる。抽出時にメンタームの存在を感じたことは今までなかった。ホルダーが軽い力で奥まで締め込みやすくなるしパッキンも長寿命化する。

 

 ◇

 

旨味だけ味わう白茶ってジャンルが和茶に有るけど(玉露に近いがさらに旨味特化)、うまくエスプレッソすると特濃スープになるな…ホルダーやカップを洗浄しきれるかわからんけどw

 

一流の茶園別や量り売りの台湾烏龍茶はどの製品もほぼ全葉なので、また抽出法は編み出さねばならないかも。ハワイみたいな暑い国なのでさわやか薄い香り高い製品が多い=伝統派が中国茶っぽさが消えたと嘆いている=日本でサントリーが定着させたのはこの大陸式の古烏龍茶で等級が低いもの=新鮮味が薄い古茶葉を使用。

 

蛇足だが皇室や英王室へ変わり種の紅茶葉を紹介するなどしてきた。

いまは国産紅茶でも各茶園がおもしろいの作ってるので。比留間園も含めて。