先従隗始・温故知新

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金融はどこでも悪者

金貸しが好かれるわけがない…
カネを扱う商売は、もっとも金への執着が出る職業…
本家米国でさえ、金融経済破綻を鮮明にしたのはその「嫌悪感」だった事実。
シオニスト嫌悪にも通じるんだろう、2000年の歴史…


http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51336749.html


 バブル崩壊のような非線形の出来事は、あとから分析しても本質はわからない。
 当事者が事前にどう考えていたかをリアルタイムで再現し、
 彼らがシステマティックに誤った原因をみる必要がある。


 この点で、本書が考えさせられるのは2点だ。


 第一に、ポールソン財務長官やバーナンキ議長を初めとする政策当局は、
 2007年初めから問題の大きさを認識していたが、
 政治家がまったくそれを理解せず、もうけすぎたウォール街に同情する声はなかった。

 リーマンのファルドCEOも、2008年春のベア・スターンズ破綻の後から
 経営危機を自覚して出資を得るために奔走していたが、
 それが金融業界全体の危機だと思っている金融機関はなく、
 「ざま見ろ」といった冷たい反応が多かった。


 第二に、リーマンブラザーズを政府が救済すべきだという意見が、
 業界にもメディアにもほとんどなかった。

 ベア・スターンズGSEの救済で、ポールソンを"Mr. Bailout"と非難する声が高まり、
 モラルハザードへの懸念が強まった。
 FRB投資銀行に緊急融資する制度も整備されたので、ルールに従って破綻処理すべきだという
 「正論」で、WSJからNYタイムズまで一致していた。

 政府出資が政治的に不可能なので、ポールソンはLTCMのような
 「奉加帳方式」による救済の道を最後までさぐったが、
 業界の危機感が薄いため、そういう枠組もできなかった。