先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

カセットコンロのバーナーキャップを自作


たとえイワタニでも、カセットコンロの部品はとても薄くて、ギリギリの強度。
そしてステンレスは使わず鉄なので、よく錆びる。数年で穴が空いたり崩れ落ちる。


汎用のガスコンロはバーナーキャップだけ売ってる。交換できる。
カセットコンロはそういった部分が壊れると捨てるしか無い。取り外せない。ゴトクも別売りしてない。


技術者としてはこれが面白く無い。しょせんはジェットエンジンじゃないか。レシプロいじってりゃだいたいはわかる。
SEGAアフターバーナーは苦手だったけどね。


うちは内炎式のカセットフー エコ。
バーナー内径側から炎が出るタイプ。
http://www.i-cg.jp/product/konro/


1mmないだろう鉄板でプレス成形されたバーナーキャップがサビて崩れた。
これは、鍋焼きうどんのアルミ皿で新造する。板厚がちょうどいい。いちど作れば1〜2年は、毎日欠かさず炊事で使用してても耐久する(普通の家庭のメインコンロとして使っても)。
1 バーナーに押し当てて外径をプレス転写し、はさみでかなり大きめに切る。(バーナー下側まで圧着させていくため)
2 バーナーに押し当てて内径を転写し、ピッタリぐらいでカッターで切り抜く。
3 ひたすら密着させながら折り目を潰して圧着していく。隙間を塞ぐ。寄せて集めて一気に潰して密着させる。この作業は動作テストで火の漏れを確認しながら行うのでかなり時間はかかる。


専用品ではないので、完璧な密着は無理で、どうしても少々は下から火が漏れる。これをなるたけ最小限まで減らす。
減らしまくると、消火の際にバックファイアが起きにくくなる。
汎用ガスコンロでも、バーナーキャップがずれて隙間が増えていると、消火の際にバックファイヤが起きる。


またこのような整形をするので、段々とまた隙間が広がってくる。なので数ヶ月に一回は点検し、異常燃焼やイレギュラー位置の炎を見たらまた成形作業が必要。


次に、ゴトクと汁受け皿が一体化したユニットの補修。
これも錆びて穴だらけになる。
アルミホイルを2〜3重にして貼り付けるだけ。形状合わせをして、テープなどは使わずとも自然に圧着できる。ホイルは大きめにすること。


カセットコンロも、ボンベ挿入ユニット周辺はかなり頑丈で高コストにできている。ここからバーナーへの送気管までが破損しない限りは、こうした簡易補修で使える。
…ただやはり、エンジンや車両整備の実務経験がないと厳しい。何を漏らしてはいけないか、などが肌でわかってないと重大事故を起こすから。


イグナイターが火花を出さない不具合の補修。
これは鉄部品を使ってるため、鉄が錆びて火花を受け付けなくなるのが原因。
またイグナイター端子の相手側のバーナーキャップ部が錆びて崩落すると、火花のクリアランスは厳密に設計されてるので、距離が空いてしまって火花を出せなくなる。バーナーかバーナーキャップいずれかに放電できないと火花にならない。
要はこれはレシプロエンジンと同じだ。スパークのギャップ管理や、カーボンやサビの除去が大切。


とはいえ錆びてしまうものはどうしようもない。新品だったあの青春のアルカディアな日々はもう戻ってこない。
簡易な方法:毎度、着火の前に、錆びた鉄に唾液か水をつける
本格的な方法:相方となる鉄板を配置する(スチール缶を切り抜くとかして)
うちは面倒くさいので簡易法で済ませてる。


これとは別に、汁をこぼしたためにスパークユニットが濡れたり、コーティングされ、火花になってない場合もある。
もしくはスパークまでの配線がコンロのボディに接地しており、そこに大量の汁が貯まると漏電し、スパークまで電気が来ないで別の場所で放電する。