先従隗始・温故知新

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ご老体には、焼き餅ではなく、煮餅を


(ちなみに和洋菓子製造業と和洋レストラン&寿司厨房の実務経験者です)


たとえばパン…
バケットとブレッドの中間のような、ベーグルに近いような全粒粉やライ麦のパンが、きちんと修行した人の経営する店で売られていますが
これを空腹だからと言って丸呑みしようとしても、詰まるか、のどに入っていかない。
水分が足りなすぎるのと
スポンジのように頑丈で弾力性が高いから。
噛み切りにくいから面倒になって、小さくつぶしたぐらいで飲み込もうとしてしまう。


餅にもどうやら同じことがいえる。
・焼き餅は水分を飛ばしつつ、表面が堅い、中身はあまり熱が通ってない(焼き網から下げるとどんどん冷める)
・煮餅は、雑煮とともに煮るのであっつい熱い、冷めない。とても柔らかく、水分と、油脂分まで豊富だ。味がしみて調和している。


つまりどっちがのどに詰まりにくいか、噛み切りやすいか。
むろん、ご老体なのだからたとえばデイケア施設やホームであれば、適度に冷ましてあげないとやけどされてしまう。


煮方にはこつがある。
・食べる分の雑煮とともに煮るが
・けっして泡が立つほどの火をかけてはならない
・煮るというか、スープの適度な熱で餅を温度上昇させて軟らかくするだけ
1冷えた雑煮を火にかけた直後だけ強火(餅入れる)
2煮立つ手前でもう弱火
3泡が立つならさらにごく弱火でこまかく調整
煮るの3分、火を消して2分あれば、市販のカット餅はすっかり軟らかくなる。
3カ所、包丁を刺して火の通りをよくしてもいい。


餅は、きっちり煮てしまうとバラバラのボロボロになってしまう。表面ばかり溶け中身は堅いまま。
溶け出した成分は、おかゆのようで、スープは濁って雑味が増し、はっきりいっておいしくない。
溶かさずに、熱を通しきる…これは完熟が必要な作業です。回数をこなすことが必要。
餅はなるべく鍋の中でも上の方に待避するんです。
数をこなすなら、軽く焼くか、別鍋で湯通ししておいてもいい。


余談ですが、肉は鶏肉のみでいつも作ってたけど
今年は鍋用の肉団子も買って放り込んでみたらいい感じ。ユズ入りの。
だし重視の西国風、しょうゆベースの関東風(もうほんとしょうゆだけ、あと鶏肉のうまみだけ)、日によって変えてみたり。