先従隗始・温故知新

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挫折力

◆冨山和彦『挫折力:一流になれる50の思考・行動術』


・現在のような時代にリーダーを目指すならば、
経営判断に伴う犠牲を一身に受け止めなくてはならない場面が必ず出てくる。
社内外から恨みを買うこともあるだろう。
そのような修羅場に耐え抜く能力が、リーダーには必要になる。


・挫折とは、ある意味、能力以上のことに挑戦した結果である。
それが人としての伸びしろとなる。
挫折すれば、反省し、学習もする。
けなされ、叩かれ、厭味を言われるし、人間同士のヒリヒリした場にも身を置くことになる。
むしろ、難局を切り抜ける貴重な経験になる。


・挫折は、劉邦カエサル、ワシントン、チャーチルと、世界史を飾る有名人たちも同じ。
彼らの若い時代は、ほとんど敗北につぐ敗北、命拾いにつぐ命拾い。
挫折の繰り返しが、彼らをして後年、現実の改革や大事業を成し遂げる闘争能力を培ったのである。


・組織を動かすとき重要なのが、それらの人々の「クセ」を見抜くことである。
例えば鉄鋼メーカーには、鉄鋼メーカーの思考の癖がある。
商社には商社の癖、電機メーカーには、そこの癖がある。
みな自分のやり方が普通で、正しいと思っている。


・このことは一つの会社内でも実は重要だ。
営業、製造、経理などの各部門によって、使う言葉や立場はまったく異なってくる。


産業再生機構自体も、銀行員、コンサルタント、会計士、投資ファンド、弁護士、
労働組合、官僚など、非常に多様なバックグランドの人たちの寄せ集めだった。
当初は、そこから起因する軋轢や内部対立は日常茶飯事だった。
幸いCOOである私自身は、それまで同じような状況でいろいろ「痛い」経験をしてきたのと、
これらの職種の多くを自分自身、体験していた。

だから組織内部が対立から協調、団結へと転換するプロセスは、
ほぼ予想通りのシナリオでハンドリングすることができた。
おそらく肝心なのは、「相手に興味を持つ」ということなのだと思う。