先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

人災確定 中央道 笹子トンネル崩落事故発生 その2

【決定:笹子トンネル付近、12/29日から対面通行で再開】
※開通翌日から玉突き事故発生…誰もが不慣れな区間ですから速度を落とし十分注意して通行を。いまは雨天なのでブレーキもきかず…
※翌々日も追突事故発生。くれぐれも低速で車間をとって慎重な運転を。


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過去のエントリー記事 その1
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20121202/1354446763


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年末商戦は無理でも、せめて帰省までには間に合わせるか、スペシャルツール投入してでも。現場の士気は高そうだけど。
原発事故に際しても、帰省シーズンに合わせて無理矢理に警戒区域を一部解除してたしなあ…


というか山梨長野ルートはほんとうに迂回路がない…高速に飽きても降りられないんだよな。

http://mainichi.jp/select/news/20121213k0000m040059000c.html
トンネル崩落:笹子の天井板撤去を開始…下り線対面通行へ

毎日新聞 2012年12月12日 21時33分(最終更新 12月12日 22時18分)
天井板の撤去作業のため笹子トンネル下り線に入る大型自走式台車=山梨県大月市で2012年12月12日、久保玲撮影

 山梨県大月市中央自動車道上り線・笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、中日本高速道路は12日、下り線の天井板を撤去し、搬出する作業を始めた。上り線は復旧のめどが立たないため、下り線の対面通行で上下線を仮復旧し、年内の通行再開を目指している。

 トンネル東側の大月市側では午後6時50分ごろ、搬出用の大型台車がトンネル内に入った。その後、天井部にあるコンクリート製の天井板や隔壁を取り外し台車で搬出する。下り線の天井板と隔壁は合計約1万1200枚で、トンネル両端から約2週間かけて運び出す。

 トンネルは事故で上下線とも通行止めとなり、国土交通省と同社は年末年始の交通量増加などに備えて天井板を撤去して仮復旧する方針を決めた。事故後の緊急点検では下り線でもボルトやナットの緩みが見つかった。


http://www.asahi.com/national/update/1212/TKY201212120690.html
 中日本高速によると、下り線トンネル(全長約4.7キロ)には7500枚の天井板と3700枚の隔壁がある。東京側と甲府側から台車を1台ずつ入れてピストン輸送する。作業員200人が24時間態勢で作業するという。

 上り線は県警の現場検証が続き、復旧のめどが立たない。中央道と並行する国道20号は迂回(うかい)する車で渋滞が起きている。


実物で実証実験とはまた思い切ったな。
クジャクの羽や扇のように崩れるから外側はボルトが曲がっちゃうわけだ。真ん中はスポッて抜けただけなので曲がらない。グラディウス
の最終面みたいだな…

http://www.asahi.com/national/update/1213/TKY201212130436.html
天井板、中間部から落下 崩落が連鎖か 笹子トンネル


 9人が死亡した中央自動車道・笹子トンネルの天井崩落事故で、約130メートルにわたって落下した天井板は、ほぼ中間部から東京、甲府両方面へ向かって落ちたことが13日、捜査関係者への取材でわかった。山梨県警は近く検証実験をし、原因を詳細に調べる。

 捜査関係者によると、県警の現場検証で、中間部で落下した天井板のボルトに目立った破損はないが、ほかの天井板のボルトは折れ曲がっているものがあった。県警はボルトの状況から、最初に中間部が落ち、連結した隣の天井板へ連鎖したとみている。

 県警は13日までに崩落したボルトやがれきを回収、天井部分の検証に移った。近く、事故現場に残った崩落していない天井板を使って専門家とボルトを引き抜く実験をし、最初の落下のきっかけや、どの程度の力でボルトが抜けるのか調べる方針。

 今回の事故では、笹子トンネル上り線のコンクリート製の天井板と隔壁約330枚(約360トン)が長さ約130メートルにわたって崩落した。


ズラーーーーっと敗戦報告が続いてるような…

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121213/t10014172521000.html

笹子トンネルで不具合多数発見
12月13日 19時43分


中央自動車道の笹子トンネルの上り線で起きた事故を受けて、全国で行われたトンネルの緊急点検の結果がまとまり、事故が起きたトンネルとほぼ同じ構造の笹子トンネルの下り線では、ボルトなど合わせて670か所に不具合が見つかりました。
全国の14のトンネルでもボルトや金具などに不具合が見つかり、国土交通省は補修を急ぐよう求めることにしています。

国土交通省は今月2日の事故を受けて、笹子トンネルと同じように天井板が設置されている高速道路や国道などの60のトンネルで緊急点検を行うよう指示し、13日までに58のトンネルの点検結果がまとまりました。
まず、事故が起きたトンネルとほぼ同じ構造の笹子トンネルの下り線では、天井板などをトンネル上部に固定するボルトの合わせて632か所に緩みや腐食などの不具合が見つかり、このうち2か所では手で引っ張るとボルトが抜ける状態になっていました
また、天井板を支える金具や台のボルトにも19か所で緩みや破損が見つかったほか、トンネル上部のボルト周辺の19か所でコンクリートのひび割れが見つかりました。
笹子トンネルの下り線では現在、天井板の撤去作業が行われていますが、ことし9月には上り線とともに中日本高速道路が定期的な点検を行ったばかりで、国土交通省は点検の方法が適切だったのか調査する方針です。


笹子トンネル以外に14のトンネルで不具合

今回の緊急点検で、中央自動車道の笹子トンネル以外で不具合が見つかったのは、高速道路や国道などの14のトンネルです。
国土交通省によりますと、いずれも安全上、大きな問題はないということですが、道路を管理する会社や自治体などは補修工事などの対策を進めています。
このうち、中日本高速道路が管理するトンネルでは、長野と岐阜の県境にある中央自動車道の恵那山トンネルの下り線で、コンクリートのひび割れやはく離などが8か所で見つかり、神奈川県の東名高速道路都夫良野トンネルの下り線で、ボルトの欠落が1か所で見つかりました。
西日本高速道路が管理するトンネルでは、京都府京滋バイパスの宇治トンネルの上り線で、金具が4か所で曲がっていたほか、熊本と宮崎の県境にある九州自動車道加久藤トンネルの上り線で、10か所の金具が曲がっていました。
首都高速では、羽田トンネルの上り線と下り線で金具それぞれ1か所に破断が見つかりました。
阪神高速では、神戸長田トンネルで上り線で1か所、下り線で7か所にボルトの抜けや欠落が見つかりました。
国道や自治体などが管理するトンネルでは、岩手と秋田の県境にある国道46号線の仙岩トンネルで、天井板の変形やボルトや金具の欠落など10か所の不具合が見つかりました。
また、長野県の国道19号線の鳥居トンネルでは、金具のボルトが2か所で欠落し、高知県の国道32号線の大豊トンネルで、金具のナットが23か所で欠落し、コンクリートの変形などの異常が19か所で見つかりました。
愛媛県の国道197号線の夜昼トンネルでは、金具の腐食が2か所、コンクリート部分に異常な音がする不具合が19か所で見つかりました。
さらに、名古屋高速2号東山線の東山トンネルでは、金具などのナットが上り線で9か所、下り線で5か所欠落していました。
国土交通省はいずれも安全上、大きな問題はないとみていますが、高速道路会社や自治体などに補修などの対策を急ぐよう求めることにしています。


「大丈夫だんべぇ〜」の、原発安全神話と同じ。日本の道路インフラ安全神話を過信した結果。
これからは、気を抜いていれば、道路鉄道インフラだろうが、原発だろうが、次々に崩落的な事故を起こすだろう。
すでに各地の原発は、海水に接触したり、冷却水系統であったりという部分が、腐食に腐食を重ねていて、破断していたとか崩落していたとか亀裂があったとか言う報道が頻繁にある。


ある意味でこれからは良い時代だよ。
昭和期〜最近までは、ウソをついて安全安心と言い続けていればダマせたし儲かったけど…
これからの老朽化時代は逆に、ウソとつけばつくほど次々に甚大崩落事故(あるいは原発事故や、広域放射能汚染で出る多数のガンなど健康被害)が起きるんだから。ウソがつけないし、自分から率先して内部透明化=情報公開型に転身するしかなくなる。こればっかりは運命的な時系列的なものだからいわば”バチあたり”でしかない。誰が仕組むわけでもないいわば因果応報、自業自得。

http://mainichi.jp/select/news/20121214k0000m040120000c.html
トンネル点検:長野の国道「鳥居トンネル」 ボルト穴なし


毎日新聞 2012年12月14日 02時30分

 長野県塩尻市木祖村間の国道19号「鳥居トンネル」(全長1738メートル)のつり天井について、つり金具1本と天井最上部の接合部にそもそもアンカーボルトの穴がなかったことが、所管する国土交通省中部地方整備局への取材で分かった。建設時か補修時のミスとみられ、目視でも確認できる状態なのに2年に1回の定期点検でも見落としていた。定期点検の信頼性に関わる問題だとして、国交省は委託業者などから事情を聴く方針。

 同整備局によると、鳥居トンネルにはつり金具(長さ約2メートル)が約2000本あり、1本を2個のアンカーボルト(長さ12.5センチ)で天井と接合している。12月4日の緊急点検で作業員がボルトの欠落したつり金具1本を見つけ、その後の調査で天井側にボルト穴が2個ともないことが判明。ボルト自体も見つからず、整備局は「抜け落ちたのではなく、そもそもなかった」と判断した。

 同トンネルは1978年開通。当初の施工ミスか、95年の大規模改修の際、何らかの理由でアンカーボルトが抜けた状態のまま穴を埋めた可能性がある。つり金具は4本で天井板9枚(計約830キロ)を支える構造。問題の箇所は長年にわたり残り3本で支えていたとみられる。

 定期点検は一般競争入札で業者を選定。国交省の基準に従った目視、打音などの検査を義務付けており、直近は10年度に実施した。国交省飯田国道事務所は「暗くて目視が不十分でも打音で気付くはず」などと問題視している。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121210/240811/
−笹子トンネルは1977年開通ですね。

溝渕:ええ。建築物の設計・施工のバイブルに相当する「示方書(コンクリート標準示方書、土木学会編)」を見ると分かるのですが、当時の示方書は「耐久性設計」をベースとして編纂されていないのです。コンクリートはメンテナンスフリーだと思われていたからですね。

 これが大きく変わるのは80年代半ばくらいからです。83年にNHKが塩害によるコンクリートの劣化を報じたのをきっかけにメディアが動き出し、84年放映の「コンクリート・クライシス」が大きな衝撃を呼びました。その頃からコンクリートの寿命や、現場の施工によって品質に大きな差が出てくることが明らかになり、ようやく認識が変わり始めるんです。

−なるほど。

溝渕:ええ。新しく建てられる物はいいのですが、問題は古い構造物です。笹子トンネルはまさにその悪い例です。天井高5メートルの、クラウン(トンネルで最も高い位置)で、天井板を吊るボルトを固定している。しかも照明がないから真っ暗です。元々メンテナンスを考えた構造になっていない。

 ボルトがしっかりコンクリートに固定されているかどうかは、叩いて音を聞いて調べます。緩んでいれば打音が変わるわけです。笹子トンネルの場合、暗闇の中で高い脚立を立てて1本ずつ叩くことになるわけで、作業そのものが相当大変です。かといって目視だと、普通の家の1階から2階の天井を見るくらいの距離があります。

−「作ったら放っておいても大丈夫」という前提で考えられているからですね。

溝渕:そうです。メンテナンスに配慮しているならば、確認作業がもっと楽になるように、クラウンの左右、もっと低い位置で吊るはずです。工期やコストの関係で、もっともボルトの本数が少なくて済む方法を採ったのではないでしょうか。

−「メンテナンス」を行うための工事でも、相当大がかりになってしまう。

溝渕:ええ。かなりの費用がかかるし、工事のために高速道路や鉄道を止める必要もあります。

 無論、これはやらねばならないことなんです。だけど「点検のために」という理由では、社会的な不便や値上げを受け入れてもらえない時代がずっと続いていた。

 原発事故も大きなきっかけになりましたが、日本の社会は「建設」から「補修」へ、ようやく大きく意識を変え始めているところだと思います。実際、国も公共構造物のメンテナンスによる長寿命化を打ち出し、調査予算も付きました。

−国も企業も、何もしていないわけではない。

溝渕:ええ。努力しているのですが、お金も時間も追いつかないうちに、過去から抱えていたツケが、いまドッと吹き出してしまっているんです。

−今後に取るべき道は。

溝渕:80年代前半までのコンクリート構造物は、国が予算を付けて一斉に点検を進めるべきでしょう。その上で、たとえば、予算の立て方に「予防保全」を取り入れていく。「建てる、傷む、建て替える」から「建てる、メンテする、長く使う」ことで平準化し、いずれかかる費用を積み立てていくような意識を醸成することが必要だと思います。

 入院してから健康を取り戻すより、健康な間に鍛えておく方がトータルでは安く長生きできる。「LCC(ライフサイクルコスト)」の考え方を広げていくべきでしょう。

http://mainichi.jp/select/news/20121222k0000m040068000c.html
トンネル崩落:アンカーボルトの不具合 特定の場所に集中

毎日新聞 2012年12月21日 21時10分(最終更新 12月21日 22時37分)

 中央自動車道笹子トンネル上り線の天井崩落事故で、国土交通省の下り線の緊急点検で見つかったつり天井のアンカーボルトの不具合が、特定の場所に集中していることが国交省の調査で分かった。

 延長約4・4キロのトンネルを60メートルごとに区切り、脱落やゆるみ、腐食などが見つかったアンカーボルト632本(総本数約1万2000本)の分布を調べた結果を21日の事故調査・検討委員会で報告。それによると、東京側の出入り口から約360メートルの場所で26%に当たる43本、甲府側から1キロの場所では20%の33本の不具合が見つかった。

 一方、中日本高速道路の金子剛一社長は21日、羽田雄一郎国土交通相に呼ばれ再発防止策を報告するよう指示された。同社長は謝罪し、記者会見で検証を進める考えを示した。


当ブログより官邸へ提案メールした何割かのアイデアは盛り込まれた模様。誰の発案かはともかく、現場がいい方向へ向かったのは朗報。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121225-OYT1T01194.htm
笹子トンネル付近、29日から対面通行で再開


 このうち笹子トンネルを含む約8キロの区間は、下り線の2車線を利用して上下1車線ずつの対面通行とし、規制速度を40〜50キロと、通常の70〜80キロよりも低く抑える。また下り側2車線の中央部に、コーン標識などを設置し、安全を確保する。

 一方、上り線のみで通行止めを実施していた一宮御坂IC―勝沼IC間(約6キロ)も再開する予定。

 中日本高速では年内の仮復旧に向け、同トンネル下り線での天井板撤去工事を急ピッチで進めており、安全対策のための付属工事を含め29日までに完了するめどがついたという。
(2012年12月25日21時02分 読売新聞)


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012122600876
天井板の撤去終了=笹子トンネル下り線


 中日本高速道路名古屋市)は26日、中央自動車道笹子トンネル下り線の天井板の撤去作業が終了したと発表した。
 同自動車道は上り線トンネルの天井板崩落事故で一部区間が通行止めとなっていたが、下り2車線を対面通行とする形で29日開通を予定している。
 同社は、換気のためのジェットファンや連絡道路の整備、上下線を分けるポールの設置などを進める。(2012/12/26-20:35)



※さっそく玉突き事故発生で上下線通行止め。
みなさん、40キロ速度規制中で渋滞中なので、車間距離をよくとり、どうぞご安全運転で。


…これはこのトンネルだからと言うよりも、渋滞の車列に突っ込んでしまう典型的な事故だね、入ってすぐに速度が10kmh落ちるのも悪影響だったか。下手するとここを通り慣れてる人がまさかこんなに速度が落ちるとは思わず突っ込んだ可能性…


まだ再設計されて仮開通したばかりの区間なので、通行車側で慣れていくしか無かったり、設計側も初期バグを早めに改善するしか無かったり。
…だからむしろ、軽傷者だけで済んだのは不幸中の幸い。ITシステム開発でもサーキットレースでも、初期トラブルは不可避。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121230/dst12123016230013-n1.htm
笹子トンネルで玉突き事故、1人けが 仮開通の下り線 山梨
2012.12.30 16:19 [交通事故]


 30日午後3時25分ごろ、中央自動車道笹子トンネル(山梨県)で乗用車など4台が絡む玉突き事故があった。東山梨消防本部によると、この事故で1人を搬送したという。意識はあり軽傷とみられる。

 笹子トンネルは上り線の事故後、下り線の天井板を撤去。29日に下り線での対面通行方式で仮復旧していた。当時は帰省ラッシュで渋滞中だったという。

 同消防本部によると、現場は上り線側で、西側入り口から約50メートル入った地点。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121230-OYT1T00416.htm
 笹子トンネルは、上り線で起きた天井板崩落事故を受けて、下り線を対面通行として29日に仮復旧したばかり。同隊によると、トンネル内で4台の玉突き事故が起き、対向の1台とも衝突しているという。

…ちょっと不思議なのは、渋滞中なのにどうやって玉突きほどの事故を起こしたのかと…出てても70kmh未満で、渋滞で40kmhペースとして、ねえ…混雑にイライラして飛ばしちゃったかな。


昨日から渋滞はあった。やはり雨天がらみの事故か。
崩落原因調査は、上り線のみでじっくりやろうと言うことでしょう。天井板方式の補修は調査も工期も非常にかかるので、撤去とファン式への変更。

事故が起きていない下り線を対面通行にしたため、帰省ラッシュと重なった下り線で最長8キロの渋滞が発生し、夜まで続いた。
 対面通行はトンネルとその前後の計約8キロ。トンネル内は時速40キロ、前後は50キロに規制する。
 下り線は事故後の緊急点検で、アンカーボルトを中心に多数の不具合が判明したが、同社は「補修や原因調査より仮復旧を優先させる」としてボルトや天井板などを撤去、換気用のジェットファンを付けた。

仮開通させなかったらそれはそれで、別の一般道などで事故が起きるシーズン…流れが詰まってれば詰まってるほど救急消防は到着も搬送も遅れる…緊急車両に道を譲ることでさらに大渋滞に…
ゆえに本件はまだベストエフォートの範疇であると見受ける。少ない幹線が麻痺してしまうのが最も怖いのだから。


 ◇


31日も玉突き事故発生。やはり不慣れな区間だからか。今度は下り車線。


いっそパトカーが頻繁にペースカーとして入らないとダメなのかも。飛ばすから事故になる。渋滞でブレーキ踏むのがわかってたら事故にならない。…もしくはいまは50kmh規制の区間もふくめ全区間40kmh規制とか…トンネルに入って急にペースが落ちると事故率が増える。
「当該区間ボトルネック構造に対して、平均速度が速すぎる」ことが設計欠陥として表面化している。つまり徐行徹底とか指定速度を落とすとか言った設計変更が急務。


ここを高速道として走らせるのは危険。
一般道という感覚で走行してもらわないと、帰省渋滞時は事故が減りそうも無い。車間距離も十分に開けてもらわないと。…たとえプロレーサーでも、逃げ場の無い一車線で、いきなり急停止を求められたら、まず成功せず追突する。
どのみち10kmもない区間なので、ここだけ徐行措置でもたいした問題になるまい。事故が頻発する方がよほど問題だ。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121231/t10014538441000.html
中央道 笹子トンネル内の事故で通行止め
12月31日 10時33分

31日午前10時ごろ、中央自動車道山梨県の笹子トンネル内で、複数の車が関係する追突事故があり、中央自動車道勝沼インターチェンジ大月ジャンクションの間の上下線で午前10時6分から通行止めになっています。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121231-OYT1T00262.htm
 31日午前10時頃、山梨県の中央道笹子トンネル下り線で車両4台の玉突き事故があった。

 県警高速隊によると、数人の負傷者がいる模様だという。


http://www.asahi.com/national/update/1231/TKY201212310266.html
東山梨消防本部によると、軽傷者が6人いる模様。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121231/t10014538441000.html
31日午前10時ごろ、中央自動車道の笹子トンネル内で、下り線を走っていた車4台が出口から1キロほど手前で追突しました。


http://mainichi.jp/select/news/20121231k0000e040112000c.html
 県警高速隊によると、東京都小平市の男性(78)運転の乗用車が渋滞で停車中の乗用車に追突、弾みでさらに前方の乗用車2台も絡む玉突き事故になった。

下りと上りとでは、渋滞開始の地点が違うんだろう。もしくは時間帯や、帰省ラッシュだから日によっても。
そして規制速度も、すいている間は守られてるのかどうか疑わしいね…1車線だと逃げ場が無いんだから保守的に走ってもらわないと。


おそらく、この効果が出てしまってるんだろう。当エントリー記事の「その1」で引用したサイトを、また再度引用する。
トンネル入ってすぐに渋滞する”システム的問題”を抱えているのだろう。
いまはトンネル内も1車線だから30日の事故時はトンネル入ってすぐの場所からの渋滞ができていたのではないか。トンネル入ってすぐは目もくらむし(ブラックホール現象)速度感覚も狂う。あっという間に追突。30日の事故現場はトンネル入口の先だと言うし。
高速道は長時間ずっとハイペースで流さないといけない強制的な場所なので(ワンパターンに陥り、飽きや精神的疲労も出てくる)、乱高下でストップゴーを繰り返す区間ではたとえベテランやプロでも当惑する。

http://homepage2.nifty.com/highmoon/ese/yomikiri/sasago.htm
 ただでさえ、週末の中央自動車道の混雑は目に余るものがあるというのに、あろうことかこの笹子トンネルというやつは、「トンネル内の渋滞をなくすため」と称して休日はトンネルの手前で車線規制を行うのだ。トンネルの手前で車線を一つに絞り、トンネル内では2車線に戻すため、トンネル手前は大渋滞だが、トンネル内はカールルイスも全力疾走が可能なくらいにすいている。


http://www.geocities.jp/boketora_1119/tonner.htm
スピードの低下は、それまで後ろを走っていた車に対して、追突の可能性をを助長する運転でしかなく、
スピードの低下により、渋滞を引き起こし、渋滞の後ろでの追突事故を引き起こす要因にもなる。

もう一度おさらいですが、
トンネルが危険なのではなく、スピードを落とす事が追突の原因になり危険なのです。

以前はトンネル内からは車線増ですいていたが、いまはむしろ1車線持続とトンネル内のみ40kmh速度規制で、むしろ渋滞の発生地点である…そこにブラックホール現象が重なり…
さすがにトンネル内のみの40kmh規制をやめるのは危険なので、むしろトンネル前の区間も40kmh規制にするしか無かろう。トンネル出口以降を50kmhなり通常速度の規制にすれば流れはスムーズになる。


12/31 14時現在、通行止めは解除の模様。複雑な事故で無い限り3時間で現場検証とレッカーは完了するようだ。

午後1時33分に解除された。http://www.asahi.com/national/update/1231/TKY201212310266.html

渋滞ピークは、下りが本日夕方=ちょうど今頃。上りは1/2〜3日の夜。
http://www.c-nexco.co.jp/news/3007.html
http://www.jartic.or.jp/


警視庁へメールで車間距離徹底とパトカー巡回増を提案しておいた。
実務経験としてはバイク便と誘導警備。こういう現場での事故には、色々と頭に対策案が浮かんでくる。


 ◇


上り渋滞のほうがやや難易度が低いのか、渋滞で済んでいる。下り渋滞での事故は、帰省を急いでしまうか、帰省するんで気が緩んでしまうのか…

http://www.asahi.com/national/update/0103/TKY201301030289.html
 中日本高速道路によると、天井崩落事故のため上下対面通行が続く中央自動車道笹子(ささご)トンネル付近では3日夕、上り線で約10キロの渋滞にとどまった。同社は利用者が混雑を避けようと東名高速や一般道に迂回(うかい)したとみている。
 お正月を故郷や観光地で過ごした人たちのUターンラッシュが3日、ピークを迎えた。混雑は4日も続く見通しという。


現場検証の結果が出た…よくまあ30年も落ちなかったモンで…

http://www.asahi.com/national/update/0109/TKY201301090477.html
ボルト不具合1200カ所 崩落の笹子トンネル上り線


写真:笹子トンネル上り線で、アンカーボルトが脱落した部分=2012年12月14日撮影、中日本高速道路提供拡大笹子トンネル上り線で、アンカーボルトが脱落した部分=2012年12月14日撮影、中日本高速道路提供

写真:笹子トンネル上り線で見つかった、金具をつる部分をまたぐコンクリートのひび割れ=2012年12月14日撮影、中日本高速道路提供


 中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井崩落事故で、国土交通省は9日、崩落のあった上り線のトンネル内を緊急点検した結果を公表した。つり天井を固定するアンカーボルトが抜け落ちたり、ゆるんだりする不具合が計1211カ所で見つかったという。

 中日本高速道路11日から天井板の撤去作業を始め、2月下旬に完全復旧すると発表した。

 国交省によると、緊急点検は崩落した約130メートルの区間を除いて実施。1万1613カ所のアンカーボルトのうち、抜け落ちた状態だった5カ所を含む1028カ所で問題が見つかった。つり金具を固定するボルトも18カ所で抜け落ち、天井板を支える土台でもボルトの抜け落ちなどが40カ所見つかった。コンクリートのひび割れも125カ所で確認された。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130118/242461/
笹子トンネル事故は「維持管理は非主流」を変えるか
土木学会の小野武彦会長にインフラ老朽化問題を聞く


小野:笹子トンネルの事故はショックでした。建設から維持の時代と言われて、もう30年ほど経っています。みんな、その認識は持っていたんです。でも、ついね。予算の問題とか、各企業の利益の問題とかがあって…。

 私も(清水建設の)技術部長だった時に、これからは維持管理の時代ということで技術部にグループを作って、コンクリート構造物の維持管理、技術開発、調査、設計などに大々的に取り組みました。しかし、商売となるとなかなかね。

 どうしても維持管理に関わる仕事の受注額は小さいでしょ。それに、例えば清水建設に独自の技術があるからといって随意契約で特命発注することはないわけです。そのような発注制度の仕組みもあって、商売という意味では苦しかった。

 例えば、うち(清水建設)は阪神・淡路大震災で高速道路が大きな被害を受けた後に、橋脚などの補強に「かみ合わせ継手」というものを使う工法を開発して、これはかなり普及しました。また、トンネルの天井部分のコンクリート(覆工コンクリート)と背面の岩盤との間にできた隙間を埋めるために、新しい充填材を使った「アクアグラウト工法」もかなり使いました。これは国土交通省や旧日本道路公団、JR各社、自治体などで実績がありました。


 けれども、こうした工事でも数億円ですよ。(ゼネコンのような規模の)企業の収益として見ると厳しい。建築の場合、ビルのメンテナンスなどが(事業の)柱になっていると言いますが、関連会社でやっているケースも多い。今のままではどうしても(維持管理は)主流にはなり得ないのです。

 国交省も維持管理が大切だと言いながら、やはり日が当たらない。阪神大震災以降、だいぶ意識されるようになったけれども、十分ではない。そうしたところにきて、先日の事故が起きました。

 あの事故が衝撃的だったのは、(工事関係者などではない)第三者が安心し、信頼しているところで起きた事故だということ。そういう意味で、東日本大震災の時と同じように、改めて我々に対して強い警鐘を鳴らしているのだと思います。そして、建設したものは必ず寿命があるんだということを、我々はもとより、国民の皆さんと共有しなくてはいけないのだと思います。


タスクフォースでは、どういった課題を検討するのでしょうか。

小野:新設を主体とした社会インフラ整備とは異なる組織のあり方やマネジメント手法、人材育成や技術開発、予算を含めた制度の改善などです。コンクリート構造物や鋼構造物は人間の体と一緒で、早く手当てをすれば長持ちするし、コストも安く済む。手遅れになればなるほど、寿命は短くなるし、お金もかかる。

 ただ、今回の事故は構造物本体ではなく、そこに吊り下がった付属物が原因で、そこは盲点だった。そういったことを踏まえたうえで、社会インフラをどうするかを検討しましょうということで、急遽呼びかけたわけです。日本建設業連合会国交省でも同様の動きがあるので、そこは連携しながらやっていきたいと思います。


売り上げや利益の問題のほかに、老朽化対策が進まない原因はあるのでしょうか。

小野:1つには、計画、設計、施工、運営の各段階で情報が一気通貫になっていないことが挙げられると思います。

 例えば、計画段階ではこんな大型車両は通ると想定していないとか、交通量がこんなに多いとは予測していなかったといったこともあります。社会インフラは計画から完成するまで10年とか20年かかることもあり、そうなると計画時点と完成時点とで社会状況もずいぶん変わっているわけです。計画・設計時点の条件がその後の状況の変化に応じてどこまで見直されたのか。一度スタートしてしまうと途中の見直しがないということもあるかもしれません。

 また、施工段階で計画に対して条件が変わった際に、どういう部分にどういう手を打ったのか。当事者同士はこうした情報を分かっていたとしても、きちんと後に引き継いでいるのかどうか。

 ビルなどの建築物には、「建物カルテ」というものがあります。土木構造物にも同様のカルテを作って、情報を引き継いでいく必要があると思います。


 付け加えて言えば、無駄なものは造らないということも重要です。今まで建設してきた社会インフラをどう判断して、どう長寿命化を図るのかはもちろん大切です。


結局、接着剤の充填不足。そりゃ耐用年数予想以前に崩落もする。
トンネル内の作業場で、接着剤を、深い穴へ(上空方向=重力の正反対)、充填していくことの難易度やムリを考えると…

http://mainichi.jp/select/news/20130201k0000e040177000c.html
笹子トンネル:ボルト固定部で接着剤不足…国交省調査

毎日新聞 2013年02月01日 11時47分(最終更新 02月01日 13時06分)

 山梨県大月市中央自動車道・笹子(ささご)トンネルの天井板崩落事故で、つり天井をトンネル最上部のコンクリート壁に固定しているアンカーボルトに強度が十分でないものがあったことが、国土交通省の調査で分かった。接着剤の量の不足や劣化の可能性があるといい、同省は事故原因の可能性もあるとみて分析を進める。

 国交省は事故後、有識者による事故調査・検討委員会を発足させて調査を開始。うち「引き抜き試験」では荷重を測定できる油圧式の装置を使い、事故現場に残されたボルト180本を引っ張り、ボルトの抵抗力や付着する接着剤の状況などを調べた。その結果、一部のボルトの接着剤の量が十分でなかったことが分かった。接着剤がボルトの付け根部分にしか残っていなかったものもあるといい、同省は適切な工事が行われたかも含め調査を進める。