先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

人災確定 中央道 笹子トンネル崩落事故発生

(当ブログでは、重大事件事故エントリーは随時、追記、更新を重ねていきます)

 中日本高速道路八王子支社は3日、中央道笹子トンネル天井崩落事故で被害を受けた人を対象とした24時間専用ダイヤル(042−691−6854)を開設

 トンネル内で事故に遭遇し、現場に車を置いたまま避難した人や、車に乗ったまま避難したものの、車体に傷が付いていたケースなどの問い合わせを想定。フリーダイヤルではないため、同社が被害者の連絡先を聞いてから、改めてすぐに折り返し連絡するという。
毎日新聞


 ◇


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:SasagoTNnaibu.JPG


ここ、一回だけ通ったな。乗鞍まで行くとき。


震災の大揺れも影響してるんだろうなあ…・


・34年前完成とはいえ、コンクリート板をつり下げてるだけってどういう設計だ…
・いよいよ、高度成長期に日本中をコンクリートで覆ってきたツケが、相次いで牙をむく時代に入った…
トンネルマシンで掘った円形のまま、円筒排気ダクト&サーキュレータをつり下げ…あれが一番、無難で、軽量で、ベターじゃ無いのか。片側4車線とかならともかく、ここ2車線だろ…鉄製のダクトが落ちてきても車はつぶれないけど、8cm厚コンクリ板(1x5m 1t)が多数落ちてくればそりゃ、ぺしゃんこにもなる…こういうのはドミノ式で重なって連結してるので、一カ所とれてしまうと全部とれるということだろう。工期短縮か落札価格を下げるためか知らないがディスカウントしすぎだよこれ。こないだ中国で陽明灘大橋が横滑りして崩落したが、あんまり笑えないぞ…http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120826/1345961924


あんな1tの重すぎる板が続々崩落するから、消防もレスキューには入れないでいる…『完全に設計ミス』。復旧にあたっては天井PC板全部撤去し、軽量・金属製のサーキュレーダクトにリプレイスするしか無いよ。掘られたトンネルじたいには不備は無い。


あまりマスコミに大々的に騒がれないよう国交省は神経をとがらせてるようだが、
・道路インフラや高層建物などが、老朽化で相次いで壊れそうなことと、
・日本経済が没落していく時代に、それらすべてを更新=建替えするのは不可能でありそうなこと、


高度成長期の人々だけがいい思いを享受し、
団塊ジュニア以降はそのツケばかり背負わされる…
原発事故の悪夢は、原発事故だけにとどまらない。あらゆるツケが今後の若い世代の肩にのしかかっている。


5年10年もすれば、日本の高速道は、安心して通れなくなるかもしれない。

http://www.asahi.com/national/update/1202/TKY201212020226.html
 2日午前8時ごろ、山梨県大月市甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子トンネルで崩落事故が起きた。消防庁災害対策室によると、少なくとも2人がけがをし、7人が行方不明とみられるという。東山梨消防本部によると、複数の車が巻き込まれ、火災も発生したが鎮火した模様。県警などが確認を急いでいる。

 中日本高速道路によると、笹子トンネルは全長約4.7キロ。崩落は甲州市側から3.2キロ付近で、コンクリート製の厚さ8センチの天井板(縦1.2メートル、横5メートル)が50〜60メートルにわたって崩れ落ちたという。


 ◇


『人災確定』


地方の皆さん、地方に行けばいくほど、老朽化が放置されてませんか?
気をつけてください。どんどんクレームを入れてください。命には代えられない。
原発事故も、「食えなくなる」とか「まだ使える」とかいろいろな理由で老朽化が放置され、老朽原発津波に非常に弱くとっとと電源を失った。


この崩落事故は原発事故と同じ背景事情だ。サービス提供者・監督官庁側の怠慢・慢心・油断が、こんな甚大事案をもたらした。とても悲しい大事故だが、とても大きな教訓となる。


以下の引用サイトによると、トンネルは空気が悪いので渋滞しないように工夫しているそうだが、そうして流れをよくしても、施設そのものが崩落したら意味ないじゃ無いの…北海道でも車道と電車のトンネルで事故起きてたけど、トンネルは事故発生するとろくなこと無いな。

http://homepage2.nifty.com/highmoon/ese/yomikiri/sasago.htm
(2003-03-01)
 ただでさえ、週末の中央自動車道の混雑は目に余るものがあるというのに、あろうことかこの笹子トンネルというやつは、「トンネル内の渋滞をなくすため」と称して休日はトンネルの手前で車線規制を行うのだ。トンネルの手前で車線を一つに絞り、トンネル内では2車線に戻すため、トンネル手前は大渋滞だが、トンネル内は


カールルイスも全力疾走が可能なくらいにすいている。
 私はこれをやられる度に、いつも思うことがある。「なぜ、トンネル内で渋滞すると困るのだろうか」ということである。理由がさっぱりわからないのだ。
 この問いに納得のいく答えを返してくれた人は今まで一人もいない。笹子トンネル以外で、入り口の手前で車線規制を行うトンネルというのは聞いたことがない。なぜ、笹子トンネルだけはトンネルの手前でこんなことをする?ああ、意味がわかんねえ。理由がわかんねえ。
 他のトンネルでもこういうことをしているのなら分かる。トンネル内で渋滞するとまずい理由というのは、何人かの人から意見を頂戴している。わからないのは、この笹子トンネルだけは、ということなのだ。日本全国、トンネルはたくさんあるのだから。この笹子トンネルだけは何が特別なのか?

 笹子トンネルはいつ崩れてもおかしくないくらい老朽化が進んでいるため、
もしもの時の被害を最小限に抑えるための処置なのだろうか?こんな風に邪推したくなる。

これじゃ焼け死んだり窒息死したみなさんも、うかばれねえよ…
今回ばかりはNEXCO国交省も、きちんと糾弾されなければダメだ。


原発事故で、わかっただろう。
「技術というもの、構造物というものは、『大丈夫だろう安全だろう』の【だろう運転】では、それが度重なった慢心により、最後の最後に甚大被害をもたらす、大惨事となる確率が高い」と。


霞ヶ関は重大事故をたびたび発生させる体質だ。若手官僚手値に決起してもらい、その体質を払拭させねばならない。
毎度毎度、甚大事案が発生するたびに、マスコミに箝口令を敷いて官庁や政府与党の追求をさせないできたツケだ。
関越道バス事故の時も、国交省が側壁の工法、形状に問題があった(キュウリおろし器みたいにスパッと…)のを見抜けず放置したことには各紙に一切触れさせなかった。姉歯耐震偽装の時もそう。


 ◇


緊急点検つっても、あの構造では…
ダクト側に人間が入って、目視だの打音だので、念入りに調べ上げないと、わかんないでしょ…何kmもあるんだよね…


見たってわからんものだからなあ、あのての建築物は。

http://mainichi.jp/select/news/20121203k0000m040060000c.html
中央道トンネル崩落:同じ構造のトンネル 緊急点検指示

毎日新聞 2012年12月02日 20時55分(最終更新 12月02日 21時17分)


 国土交通省は国内の高速道路6社に対し、崩落事故が起きた中央自動車道笹子トンネルと同じつり天井式のトンネルを緊急点検するよう近く指示する。同省によると、東日本・中日本・西日本の高速道路3社だけでつり天井式は二十数カ所、中日本高速道路によると12カ所ある。同社管内では笹子トンネルの他、中央道恵那山トンネル(長野県−岐阜県)▽東名高速都夫良野トンネル(神奈川県)▽新東名高速富士川トンネル(静岡県)の3カ所。【樋岡徹也】


 中日本高速道路が発表した天井板が設置されているトンネルは以下の通り。

東日本高速道路

(1)圏央道 菅生トンネル(東京都)

中日本高速道路

(2)中央道 笹子トンネル(山梨県

(3)中央道 恵那山トンネル(長野−岐阜県

(4)東名高速 都夫良野トンネル(神奈川県)

(5)新東名高速 富士川トンネル(静岡県

西日本高速道路

(6)第2京阪道 京田辺トンネル(京都府

(7)第2京阪道 長尾東トンネル(大阪府

(8)第2京阪道 長尾台トンネル(同)

(9)山陽道 志和トンネル(広島県

(10)山陽道 安芸トンネル(同)

(11)山陽道 武田山トンネル(同)

(12)国道2号 関門トンネル(山口−福岡県)


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121202/t10013900091000.html
現場のトンネルについて、中日本高速道路は、3種類の点検を行っているとしています。
具体的には、▽2週間に5日の頻度で、車で走行しながら確認する「日常的な点検」、▽年に1度、3月から4月にかけてトンネル内の通路を歩いて確認する「目視による点検」、▽5年に1度、天井板の上にある換気スペースに入ったり、リフト車を使ったりして、目視に加えて金づちで叩いて金具やコンクリート部分に、ひび割れなどの異常がないかを調べる「詳細点検」を行っているとしています。
会社によりますと、天井板が崩落した現場付近では、9月18日から20日までの3日間にわたって「詳細点検」を行いましたが、異常は確認されていないということです。ただ、天井板を支えるつり金具がついている上の壁の点検については、目視だけだったということで、会社は、3日以降、同じ種類のほかのトンネルを対象に、点検を目視だけで終えていた部分についても、金づちを使って緊急点検を行うことにしています。

ダクト内検査、「5年に一回」か…勘が育つかなあその頻度で…(どうせ安全だから大丈夫的な慢心の末の頻度ではないの?)
鈍感のままだと、いくら見えててもおかしい音がしても、見過ごしちゃうんだよね若葉マーク運転みたいなもんで。
今回の崩落原因、はたしてヒビかねえ…違う可能性もある。そうなると目視ではわかんないよね。たたいたって音が違わなかったり、エコーやX線でやっとわかるようなものかもしれないね。だってこのての巨大建造物は土建業者側は結構ザルだったり妥協で形だけ作ってたりするでしょ、一般の道路インフラに限らず原子炉にしたって職人さんたちのヤッバイカミングアウトが相次いでるじゃないの。「設計図通りできるわけがなかった」とか「どうやっても寸法が合わないので加熱して無理矢理曲げた」とかさ…
どのみち、今後は老朽化が急増するので、大地震影響も鑑み、検査頻度は密にしていくしかないね。


人間なんてしょせん、できるにはできるけど、完璧は無理だし、完璧に近いことを長年持続するのも無理なんだよ。製造業や建設業に従事した経験があるとわかるよ。一回ぽっきりが一番楽。持続性や永続性を考えたらとてもとても無理。やりっ放しが楽。永久保証は胃が痛くなる。


以下は西側だから下り線だけど。アーチ施工だから吊り板や金属棒とは直接の関係はないけど。
高度成長期で、全国あちこちで相次いでインフラストラクチャ作ってるから官民とも人手不足で、戦線が維持し切れてない戦争中の軍隊みたいになってたと。

http://report.jbaudit.go.jp/org/s50/1975-s50-0159-0.htm
昭和50年度

 第3章 政府関係機関その他の団体の会計

  第2節 政府関係機関その他の団体別の事項

   第17 日本道路公団

    意見を表示し又は処置を要求した事項


 高速道路等のトンネル新設工事におけるアーチ部覆工コンクリート等の施工について処置を要求したもの

(昭和51年11月29日付け51検第458号 日本道路公団総裁あて)


 日本道路公団が施行している高速道路等のトンネル新設工事のうち、昭和50年度実施にかかわる東北自動車道平泉工事ほか29工事(工事費総額794億1878万余円)について検査したところ、中央高速道路笹子トンネル西工事ほか13工事(工事費総額403億3194万余円)において、次のとおり、監督及び検査が適切でなかったため、トンネルアーチ部の覆工コンクリート等の施工が設計と相違し、その一部の強度が設計に比べて低くなっていると認められる事例が見受けられた。

 すなわち、上記の14工事(トンネル総延長20,673m)は、設計図書によると、トンネルアーチ部の覆工コンクリートの設計巻き厚を55cmから90cmとし、コンクリート総量270,935m3(工事費相当額計20億0918万余円)を施工することとしている。そして、覆工コンクリートの打設に当たっては、設計巻き厚を確保しながら施工することとし、余掘りのため背部に生じた空げきについてはコンクリート又は良質のずりでてん充し、また、特に岩質の悪い区間については覆工背部の空げきをてん充するためモルタル注入を実施することとしている(注入量42,546m3、工事費相当額計2億9406万余円)。

 しかして、各トンネルのアーチ部の覆工コンクリートについて打設区間ごとに頂部及び頂部付近をせん孔するなどして施工状況を調査したところ、調査した箇所数3,208箇所(1,467打設区間、換算延長16,381m。以下同じ。)のうち、施工が設計と相違している箇所が次のとおりあった。

(ア) 覆工コンクリートについては、巻き厚不足が設計巻き厚の2分の1を超える箇所が15箇所(15区間、163m)あるほか、3分の1を超え2分の1以下の箇所が142箇所(138区間、1,463m)、4分の1を超え3分の1以下の箇所が182箇所(163区間、1,817m)あった。

(イ) 覆工の背部に1mを超える空げきを生じている箇所が17箇所(17区間、179m)、50cmを超え1m以下の空げきを生じている箇所が240箇所(210区間、2,351m)、30cmを超え50cm以下の空げきを生じている箇所が435箇所(303区間、3,443m)あった。

(ウ) モルタル注入区間において、モルタルがてん充されないで空げきを生じている箇所や、コンクリート巻き厚不足部分にコンクリートより強度の著しく低いモルタルがてん充されている箇所も見受けられた。

 上記のうち、覆工コンクリートの巻き厚が不足している区間の工事費相当額は3億3050万余円となっている。

 このような事態を生じたのは、同公団において、近年事業量の増大等に伴い、これに対応する監督要員の確保が困難であることもあって各種検測業務等監督の補助業務の一部を民間業者に委託して実施しているが、このような工事監督の実情等もあり、これら補助者及び同公団の監督員、検査員が準拠することとしている「請負工事監督要領」、「請負工事等検査要領」、「施工及び検査」等の諸規程について、コンクリート打設の際の打設状況の確認、空げきの処理状況等の確認及び施工巻き厚のせん孔等による検測に関する実施基準を設けるなど整備を図る要があったと認められるのに、これらに関する配慮が十分でなかったことなどによると認められる。


NHKの中の人もあわててるな…&&&って

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121202/t10013900091000.html
崩落事故“複数の遺体を確認”
12月2日 22時32分


山梨県中央自動車道のトンネルの中で天井の板が崩れ落ちた事故で、少なくとも3台の車が巻き込まれ、消防によりますと、このうち1台のワゴン車から複数の遺体が確認されたほか、新たにトラックから1人が心肺停止の状態で運び出されました。夜に入っても消防と警察が救出作業を続け、ほかに取り残された人がいないか確認を進めています。
&&&。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121202/t10013903931000.html

専門家“これまでにない事故”
12月2日 20時31分

地盤工学に詳しい専門家は、今回の事故の原因について、天井板を支える部材が劣化したか、山の重みでトンネル自体が変形して崩落した可能性の2とおりが考えられるとしたうえで、「これまでにないタイプの崩落事故で、改めて点検を急ぐ必要がある」と指摘しています。

トンネルの掘削など地盤工学に詳しい防災科学技術研究所の谷和夫研究員が映像を分析した結果、天井板が両端を壁に残して道路の真ん中付近にV字のように落ちていることから、事故の原因は、天井板をつり下げている部材が劣化して壊れたか、トンネルそのものが変形して天井板が外れたかの2とおりが考えられるということです。
谷研究員によりますと、トンネルは山の重みなど周りにある土の圧力を受けて、例えば横から力がかかった場合は縦に長くなるように変形したり、上から力がかかった場合は横に広がるように変形したりするということです。
谷研究員は、天井板は壁側は落ちていないので、縦長に変形して真ん中に力が集中して天井板が外れた可能性も考えられると指摘しています。
谷研究員は「劣化なのか変形なのか、どちらのメカニズムで天井が落ちたか詳しい状況はまだ分からないが、これまでにないタイプの崩落事故だ」と話しています。そのうえで、「地震もないのに、突然、天井板が落ちるというのはあってはならないことだ。同じような工法のトンネルはほかにもあるので、改めて点検を急ぐ必要がある」と指摘しています。



“天井板のつなぎ目劣化か”

一方、トンネルの構造に詳しい大阪大学の谷本親伯名誉教授は「現場の映像を見るとトンネル上部に取り付けられた『天井板』がVの字になって崩落しているので、天井板のつなぎ目が老朽化や地下水による腐食などによって劣化し、崩落した可能性が考えられる。同様の構造のトンネルはほかにもあるので、つなぎ目を叩いて出る音を聞いたり、目視による点検を急がないといけない」と話していました。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121203/t10013908211000.html
崩落事故 3台で少なくとも8人死亡
12月3日 4時28分


山梨県中央自動車道のトンネルでコンクリート製の天井の板が崩れ落ちた事故で、これまでに3台の車が下敷きになっているのが確認され、3日になってワゴン車からいずれも20代とみられる5人の遺体が見つかるなど、少なくとも8人が死亡しました。


天井板をつり下げていた金具をトンネルに取り付けていたボルトが外れた跡があるということで、中日本高速道路は、ボルトに不具合があったとみて、同じ構造のトンネルを緊急点検することにしています。



少なくとも8人死亡

2日午前8時ごろ、中央自動車道上り線にある長さ4.7キロの笹子トンネルの東京側の山梨県大月市の出口からおよそ2キロのところで、厚さ8センチほどのコンクリート製の天井の板が110メートルにわたって崩れ落ちました。警察と消防によりますと、これまでに3台が下敷きになっているのが確認され、火災も発生しました。
夜を徹した救出作業で、3日未明、下敷きになり焼けたワゴン車の中で5人の遺体が確認されました。このワゴン車には、事故当時、6人が乗っていて、このうち1人の女性が病院に運ばれ、「一緒に乗っていた5人がどうなったか分からない」と話しているということで、警察は、遺体はこの5人で、いずれも都内に住む20代の男性3人と女性2人とみて確認を急いでいます。
また、2日午後10時すぎには、天井板の下敷きになった保冷車から男性1人が運び出され、死亡が確認されました。警察によりますと、男性は、山梨県甲斐市の中川達也さん(50)で、2日正午すぎに救けを求める連絡が会社にありましたが、その後、連絡が取れなくなっていました。
さらに、山梨ナンバーの乗用車の中から少なくとも2人の遺体が見つかっていて、この事故で死亡した人は少なくとも8人になります。
ボルト抜け落ちたか

中日本高速道路によりますと、天井板はトンネルに取り付けるためのつり金具ごと落下していて、現場の担当者によりますと、天井の上部にはボルトが抜け落ちた跡があり、担当者は「つり金具を天井に取り付けるアンカーボルトが抜けた可能性が高い」と話しています。


ホームセンターやアウトレットモールの裸天井みたいに、エアダクトがつり下がってるまさにアレなんだな…重いコンクリ板だから太くしてるだけの。
トンネル壁に直でねじ(アンカー)をねじ込んでるだけ?
だとすると上に引用したとおりトンネル壁は欠陥工事ぎりぎりの区間もあるみたいだから抜け落ちかねない。しかも1本で支えてないから1本だけ抜け落ちても連鎖的に周囲の数本も耐えきれなくて抜け落ちる。
『フェイルセーフ』がまったくない。


自転車のスポークホイルがいい例だ。1本でも折れるとあっという間にゆがむ。1本だけなら周囲のスポークを張り直すとごまかせるが今度は簡単な衝撃でも2本目が折れてもっと大きくゆがむ…
相撲取りでも乗れる自転車をつくっても、スポークが一本でも折れた瞬間に車輪がつぶれてしまうだろう。今回の崩落はそういう原理と言うことだ。
いま翌日(月曜)で夕方報道を視聴してるが、やはり相当にアンカーボルトは細い『2cm以下』であった…人が触ると簡単にブルブル振動しちゃう、プレハブ建物の筋交いに使うアレだ。東名道の同規格トンネル(都夫良野トンネル)では老朽化が著しいことがすでに判明していたので、PC板はほとんど撤去済みだそうだ。
TV報道はさすがビジュアルで示してくれて、アンカーボルトといっても部品が多数ある「工」形状で、トンネル壁には2本のアンカーボルトが打ち込まれ、PC板吊り下げ用の1本のアンカーボルトを2カ所ボルト留めとしており、この1本のアンカーボルトがこれまたPC板へ2本ボルト留め(というか左右別々のPC板へ1本づつか…だからV字に崩落した)になっている模様。
劣化の原因…考えられる要因は、車両走行振動に地震などでのゆるみ、あるいは地下水による錆で折損など、実況見分が進まないとわからないことであると。
取り付け部が5m以上も上にあるから双眼鏡目視で定期検査を済ませていたって…手で触れて確認できる位置で目視しなかったら、スルーしてるのと同じだよな、あんな細いアンカーボルトとナットだもの…現地は排気口だからススで汚れてるし暗いし…。まあ4.7kmだからやたら数が多かったんだろう。どうせ折れやしないからと慢心してスピード優先、ルーチンワークになってたと。
どうも比較的あたらしい同型トンネルではちゃんと天井付近まで接近目視できるようデッキ=通路が用意されてるという(クローズアップ現代)。山梨の笹子トンネルは古かったり予算けちったんだかでそれが無かった。
北海道ではすでに一度、老朽化劣化による部分崩落のケースがあったのだそうだ。ちょっと崩落した程度だったので鉄骨ガードつけて開通させつつ補修工事で済んでいた。


途中だが追記…アウト。
まぁた監督側の国交省は、わざと驚いて見せて責任逃れかいつものように…いわば弟子が失敗しても親方は知らんぷりだから、この体質では『また繰り返すぞ』
ふつー日本社会的には「弟子の失敗は親方のこの私の失敗です」と一緒に土下座するもんだ…原発事故でもやらなかったよな政府も霞ヶ関も東電だけのせいにして。ネット上で右翼左翼が担当している自民民主の中傷合戦も相手になすりつけようと醜いものだった。
いいかげん、過失事故が起きたら霞ヶ関もセットで絞られる体質に作り替えないと日本はヤバイ。これからの時代は老朽化事故地獄に突入なのだから…

http://mainichi.jp/select/news/20121204k0000m040088000c.html
トンネル崩落:他の4社は打音検査 中日本高速きょう捜索


同じつり天井式のトンネルを持つ高速道路会社はいずれも、中日本高速道路が行っていなかった内壁とつり金具のボルト接合部の打音検査をしていることが3日、毎日新聞の調べで分かった。国土交通省の担当者は「元は同じ旧道路公団なのにどうして」と驚く。県警は4日に業務上過失致死傷容疑で同社の本社(名古屋市)や八王子支社など6カ所を家宅捜索する方針で、設備管理の実態にメスが入る。

 各社は作業用の脚立を設置するなどし、高所の点検に対応。東日本でも天井板から最上部まで約2〜3メートルのトンネルがあるが、同社の担当者は「打音は必要な検査だ」と話す。

 国交省道路局の幹部は「元は旧道路公団の同一組織なのに、中日本が他社同様の点検をしていなかったことは驚きだ。インフラの安全確認は常に強化すべきで、問題を精査する必要がある」と話す。


ボルト固定には接着剤も使われていたという。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121204/dst12120407060001-n1.htm
「(地下)水で腐食したり、車の振動が伝わってボルト自体が劣化することはある」。こう指摘するのは早大理工学術院の浜田政則教授(69)=土木工学=だ。

 トンネル工事では、トンネルの下部から順に型枠にコンクリートを流し込んでアーチ状の形を作る。最上部付近ではコンクリートの強度が落ちることもあるといい、浜田教授は「コンクリートの品質が良くないところに、ボルトを固定してよかったのか」と疑問視する。

 吉川専務は「目視の能力は高い」と言うが、浜田教授は「1、2本ボルトを引き抜いてサンプル検査をしていれば、事故は防げたかもしれない」と指摘する。トンネル開通の昭和52年以降、ボルトを含めたつり金具は交換されず、補修作業が行われた記録もない。
「打音検査」をせず目視で済ませていた。国の通達に基づく指針でも打音検査を義務づけていなかった。
東京都大田区のボルトメーカー、丸善機工の斉藤善行(よしゆき)社長(63)は「ボルトは人命にかかわる部分に使われていることが多い。真上に埋め込んだだけの設計でよく怖くないなと驚いた」と話した。

先に引用した国交省の欠陥工事のイラスト画像を見れば、頂上部はコンクリが薄くなりがちであるのは明白。
今更大慌てでTV報道カメラの前でコンコンたたいて見せてるけど後の祭り…石橋はたたいて『から』渡るもの。
追記ここまで


しっかし驚くのは「耐用年数を定めていなかった」こと。どんな頑丈な設備や製品もいつかは壊れるのにな。リミットを過ぎたら危険の、リミットがそもそも無くては…そんな危ない運用は無いよ。まして工業分野で設計や加工をした身分のおれとしては、かなり重いコンクリを、あんなスポークみたいな細い鉄棒で吊り下げる設計の発想自体が信じられないね…理由は上にいくつも書いたので省略。せいぜい石膏ボードとか薄いアルミ板ぐらいまでにしてくれよ…


繰り返すが、薄い鉄板と、鉄筋入りコンクリ板(PC板=プレキャストPreCast=事前に造られた板=一例では、近年のドブ板http://www.katoubox.gr.jp/chigai.html)は、ぜんぜん重量が違う。危険だから今は採用されない工法だろう(追記 なんか今年完成のトンネルにも一部使われてるんだって…)。丸い排気ファンやダクトがついてるケースがメジャーだと思う。あれは鉄の薄板だから軽い。
構造力学的に鑑みれば、重量が重く頑丈なコンクリ構造体に軽量な金属ユニットを取り付けるのが原則であり、コンクリ壁にコンクリPC板を取り付ける(吊り下げる)ために、中間に細い金属棒アンカーボルトをかます…おかしい、製造業をへて建設業もすこしかじってきた俺から見ると、この設計はおかしい。部屋の天井板をベニヤ板にして、頑丈だからとナイロン糸数本を接着して吊ってるような感じがする。一本でも剥離すると残りでは支えきれずドリフのタライみたいに落ちてくる。


長野は長距離トンネルが多いので、高速道もトンネルが長くなりやすいので、工期短縮や予算節減での”簡素化”に重点を置きすぎたのではないのか。


アンカーボルトについては以下など参照。グーグル検索ワード:アンカーボルト
アンカーボルトの強化政策って阪神淡路震災以降なんだよね…笹子トンネルは34年前完成。

http://www.youtube.com/watch?v=rto2UJZeINU
http://www.youtube.com/watch?v=s38BDFAOb8I
http://www.house-support.net/kekkan/kouzou_sekou.htm
●アンカーボルトの位置は?


70〜80年代は「これで日本も近代化だ」などと誇らしげであったが
これからはその近代設備が、老朽化など様々な形で悪魔となって襲いかかるだろう…
今後の若い世代にとっては、お荷物や脅威となりやすい近代文明だ。げんに今回の事故でもミニバン乗った若い衆が数名焼け死んだ。老朽化した原発の爆発事故も数多くの若者の人生を奪い、狂わせた。


 ◇

http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY201212030208.html
2012年12月3日8時30分
笹子トンネル事故、死者9人に 乗用車から3人の焼死体


 山梨県の中央道・笹子トンネルで天井板が崩落した事故で、県警は3日午前4時半、焼けた乗用車の中から3人の焼死体を確認したと発表した。山梨県内在住の70代男性、70代女性、60代女性の可能性があるという。これで死者は計9人になった。

 一方、5人(男性3人、女性2人)の遺体が見つかったワゴン車は午前4時45分ごろ、男性1人の遺体が見つかった保冷車は午前6時ごろに、それぞれトンネル内から運び出された。3人の焼死体が確認された乗用車はまだ搬出されていない。

 県警などによると、ワゴン車に乗っていた5人はいずれも東京都内の20代とみられる。また、保冷車を運転していた男性は山梨県甲斐市の会社員中川達也さん(50)という。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121203-OYT1T00200.htm
 走行車線を走っていた甲府市の男性会社員(37)は、崩落現場の直前で急ブレーキをかけた。他にも3台の車が止まった。しばらく何が起きたのか分からなかった。

 車から出ると「助けて」という声が何回か聞こえた。若い女性が歩み寄り「中に友達と彼氏が……」と訴えた。状況から、遺体が見つかったワゴン車に同乗していた女性とみられる。

 「助けてあげようと思ったが、そんな状況ではなかった」。会社員は、女性を連れて逃げ、外に出ると救急車に引き渡したという。
(2012年12月3日10時18分 読売新聞)


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121203/t10013912701000.html
通報を受けてトンネルの名古屋側から事故現場に入った東山梨消防本部塩山消防署の辻真佐邦ポンプ隊長は、「トンネルの入り口に到着したときは、視界は良好で奥まで見えた。消防車で中に入ると、両脇の歩道を歩いて避難している人がいたが、車に残っている人もいたので、避難を呼びかけた。途中から車を降りて進むと、煙の濃度が増してきて懐中電灯の光も足元に届かなくなり、奥では爆発音も聞こえたため、退避せざるをえなかった」と事故直後の現場の様子について語りました。


また、トンネルの東京側から事故現場に入り、保冷車に取り残された男性の救助活動を指揮した塩山消防署の小笠原克也署長は、「何トンもある天板がいつ落ちるか分からないことがいちばんの活動のネックで、安全管理を重視しながら救助活動を進めた。持っている機材は通常の交通事故や火災には対応できるが、今回は大きな重機など特殊なものがないと進められず、困難な活動になった」


国交省配下というのは、「受領した施設を運用するだけ」の人々なので…チェルノブイリ原発でも運用操作する部署は原発のことはよくわかっていない、非常に縦割りなソ連体制だった。福島原発事故でも原子炉の構造や性質をわかってたのは現場作業側でさえ一握り、まして本部側は…プロとひとえに言っても千差万別だ。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121203/dst12120307100007-n2.htm
 「うわっ…。これはひどい

 今回の事故現場周辺を受け持つ同社八王子支社(東京都八王子市)。各地の道路状況を監視する道路管制センターに入ってきた応援の職員は、数十台のモニターが並ぶ中、ひときわ大きいモニターに映る「笹子トンネル上り 21」と記された映像を一目見ると、絶句した。上り線入り口から約3キロ、出口から約1・7キロの事故現場付近に設置された監視カメラの映像だった。

 モニターには天井板がV字状に崩れ落ちている様子がくっきり。消防隊員らは落下したがれきの下に潜り込んだりしながら、捜索活動を続けた。がれきの除去の際に激しく粉塵(ふんじん)が舞うのか、映像は時折、霧がかかったように見づらくなる。

 「情報はどうなっている?」「早く資料を持ってこい」。道路管制センター脇に設置された対策本部には職員が駆け足で出入りし、怒号も聞こえてきた。広報担当者は報道陣に、トンネルや落下した天井の形状などを説明。事故の発生理由を問われると「現状では分からない」と繰り返した。
 会見では吉川専務らが手元の資料に目を落としながら、硬い表情で対応。事故の状況について「確認中」と繰り返した。事故原因については近く学識経験者による調査委員会を設置し、調べるとした。


http://mainichi.jp/select/news/20121203k0000e040195000c.html
 トラックに乗っていて死亡した中川達也さん(50)=山梨県甲斐市=が勤めていた食品卸会社「海老正」の東京都新宿区の本社では3日、担当者が取材に応じた。

 同社によると、中川さんは営業と配達をこなすセールスドライバー。勤続27年のベテランで、まじめな勤務態度から取引先からも信頼されていたという。

 勤務先の甲府営業所には今年1月に異動したばかり。同営業所で所長を補佐してもらおうと経験豊富な中川さんに声がかかった。優しい性格で後輩たちの指導にも熱心だったという。

 事故に巻き込まれた中川さんは2日正午過ぎ、同営業所の所長に電話をかけ、助けを求めていた。同社の田辺寿常務(63)は「まじめで実績もある社員を失い、悔しい」と思いを語った。また、「古い道路というのは分かっていたが、それでもお金を取る有料道路。どういう管理をしているのか疑問だ」と憤った。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121203/dst12120322390036-n1.htm
数十秒で途切れた会話 車内4時間、力尽き
2012.12.3 22:36 [交通事故]


 最後の会話は、わずか数十秒で途切れた。「助けて…」。天井板崩落から、すでに4時間が経過していた。中央自動車道笹子トンネル事故で亡くなった食品卸会社「海老正」社員中川達也さん(50)。押しつぶされたトラックの車内から、携帯電話で連絡を受けた同社の上司が3日、共同通信の取材に応じ、無念の思いを語った。

 最初の着信は、事故発生直後の2日午前8時18分と同39分。中川さんからの留守電を再生すると、けたたましいクラクションが耳に飛び込み、声が聞き取れなかった。不安がよぎり、中川さんの携帯電話を何度も鳴らし続けた。ようやくつながったのは正午すぎ。苦しそうな声が聞こえた。

 「大丈夫か」「中さん、どこにいるの?」

 問いかけても、答えは返ってこない。必死に音を発し、うめき声を上げ、家族への思いを口にしていた。

 中川さんとは単身赴任同士。気が合い、最近も飲みに行く約束をしていた。「自分より他人のことを気にかける人だった。最後に僕を頼ってくれたのに」


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121203/dst12120313390024-n1.htm
 中川さんは事故が発生した2日昼ごろ、トラック内から甲府営業所長の携帯電話に連絡し「息苦しい。助けてくれ」などと話した。所長から連絡を受けた同社関係者が中川さんの携帯電話に数度連絡をしたものの、通じない状態だったという。

 田辺常務は1度は連絡が取れたことから「救出されるまでは無事だと希望を持っていたが、心肺停止と聞いて、まさかという気持ち(になった)。相当苦しかったんだろう」と話した。事故当日は休日で、中川さんが会社のトラックで高速道路を走っていた理由は分からないという。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121205/dst12120521350011-n1.htm
「おやじに伝えて、さよなら」 死亡の中川さん、埋もれたトラックから電話メッセージ
2012.12.5 21:32


 山梨県中央自動車道笹子トンネルで起きた天井板崩落事故で、死亡した中川達也さん(50)が事故直後、天井板に埋もれたトラックの中から職場の上司に携帯電話で電話をかけ、最後の力を振り絞り両親へのメッセージを残していたことが5日、わかった。

 中川さんが勤務していた食品卸会社「海老正」(東京都新宿区)によると、中川さんは事故に巻き込まれた直後、直属の上司である甲府営業所長の携帯電話に数回電話をかけ、2日午前8時18分と39分の2回、伝言を残していた。

 「おやじに伝えて、さよなら」。けたたましく鳴り続けるクラクションの音で、大半は聞こえなかったが、唯一、はっきりと聞こえたのが、父親へのメッセージだったという。

 その後、中川さんが目的地に時間通りに着いていないことを知った所長は、他の職員とともに何度も中川さんの携帯電話に連絡。正午過ぎに1度だけ本人が出たため、「今どこ?状況は?」と問いかけると、中川さんは「所長助けて」と声を絞り出したという。

 中川さんは最後に母親へのメッセージを残し、「さよなら」と言って電話が切れたという



 中川達也さんから事故直後に電話を受けた「海老正」甲府営業所長が、勤務先に経緯を報告するために作成した報告書の内容は以下の通り。原文のまま。●は、非公表の部分。

 中央自動車道 笹子トンネル崩落事故

 12月2日(日)

 朝9時頃テレビのニュースで笹子トンネルの崩落事故を確認。

 社員の中川が、都留インター付近の●ゴルフ場に向かっていました。

 私の携帯電話を確認したところ、電池が切れており、あわてて充電をして電源を入れたところ、8時18分、39分に留守番メッセージ有り。

 内容はクラクションの音が鳴り続けており、なにを話しているか解読できず。

 分かった内容は「親父に伝えて、さよなら」だけでした。

 10時前に●次長より電話があり、中川がゴルフ場にまだついていないとのこと。

 それから何度も中川の携帯に連絡を入れ続けました。

 12時過ぎ頃、1度だけ本人が電話に出ました。

 私が「中さん今どこ?状況は?」と聞きましたが、弱々しい声で、「所長助けて。○○○…」


複数の隣接PC板が連鎖的に崩落した点も未だに報道番組では不明としているが(3日現在)、TVで恵那山トンネルの構造を見る限り、吊り下げ鉄棒はセメントで間仕切りのコンクリ板に一体化で埋設されてるので、そういった構造によって実質『一体化』しており、一本の崩落がほかを引っ張るカタチで連鎖崩落へつながったのでは無いか。パージする構造で無かったのだ。
そうでなくてもPC板は1t超で厚みも8cmもあるので、隣接同士でこすれたり引っかかっただけでも引っ張り合って墜ちることは想像できる。もたれあって引っかかって止まる余裕すら無かったと言うことだ…なんせ吊ってる鉄棒は直径1.5cmでアンカーボルトも壁面埋設部分が13cmしかない…。
あんなもん、排気口なんだから1cm程度の薄い金属板にして軽量化し、点検のためのデッキ通路を別に用意するだけでよかったのでは…要は商業施設の空調ダクトと同じように。


なんて昼間に書いてたらやっぱり夕方にNHKが同じこと言い出した。
工場作業系にハイテク製品金型試作系に物流に工事・建設現場に…様々ITに政界…に従業なり出入りなりしてきたおれの目はごまかせない。家政婦は見た!
アンカーボルトのねじ込み部も、支柱部も、コンクリに埋もれてるんだから、いくら打音検査カンカンやっても「わからんよ」。変な音がしなくても抜けるときは抜けちゃう(連結されてると隣同士の相乗効果も生まれるためややこしい)。一部の早大かどっかの教授が言ってたようにサンプリングで一部を抜き取り分解して、引っ張り強度とかいろいろ設計値と照らし合わせ検証・検査するしか無いよ。たぶんかなり劣化してるのが出てくると思うけどね。

http://mainichi.jp/select/news/20121203k0000e040213000c.html

トンネル崩落:コンクリ劣化の可能性
毎日新聞 2012年12月03日 13時59分(最終更新 12月03日 14時21分)
落下したとみられるボルトの構造


 山梨県大月市中央自動車道上り線の笹子(ささご)トンネル崩落事故で、中日本高速道路は3日、崩落した天井板を支えているつり金具をトンネル最上部の内壁に固定しているアンカーボルトが一部で脱落していたことを明らかにし「ボルトか内壁の老朽化も原因として考えられる」と説明した。


 中日本高速によると、トンネル最上部のコンクリートの内壁には、T字形鋼材(長さ6メートル、幅40センチ)が1枚につき16本のボルト(長さ230ミリ、直径16ミリ)で固定され、この鋼材1枚につき5本のつり金具の上端がつないであった。つり金具の下端も鋼材につながれ、この鋼材の上に左右から2枚の天井板を乗せてある構造だった。3日未明から実施した緊急点検で、この内壁に打ち込まれたボルトが抜け落ちていたことを確認したという。ボルトが腐食していたり、さびたりしていたという情報はなく、ボルトとの接合部分のコンクリート自体が経年劣化していた可能性もある。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121204/t10013949761000.html
トンネル 天井板の連結で大規模な崩落か
12月4日 19時12分


中央自動車道の笹子トンネルの事故で、崩落した天井板などのコンクリート製の板は、鉄筋などで互いに連結されていたことが分かりました。
専門家は、連結されていたことで100メートル以上にわたる大規模な崩落になった可能性があると指摘しています。
中日本高速道路によりますと、天井板は1枚当たり幅が5メートル、奥行きが1メートル20センチ、厚さが8センチあって、中に鉄筋が通っていて、隣り合う天井板の鉄筋を溶接することで互いに連結されていたということです。
また、天井板の上の空間に垂直に立てられていた、厚さ10センチのコンクリート製の板は、天井板を取り付ける鋼材にボルトで固定され、このうち一部の板は隣の鋼材に連結されていたということです。
このため複数の専門家は、何らかの原因で天井板の落下が始まり、連結した構造だったことで大規模な崩落になった可能性があると指摘しています。
トンネルの構造に詳しい大阪大学の谷本親伯名誉教授は、「ボルトや周辺部分が広い範囲で劣化していたことに加えて、天井板がつながっていたことで規模が大きくなった可能性がある」と話しています。


http://www.asahi.com/national/update/1204/TKY201212040703.html
ボルトはどう劣化したか トンネル事故、国交省調査へ 2012年12月4日21時6分


 山梨県中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故で、国土交通省が原因究明のために設置した検討委員会の初会合が4日あった。検討委は、つり天井を固定するためにトンネル最上部に埋め込まれたボルトがどのように劣化していったかを調べる方針を明らかにした。

 検討委のメンバーは同日昼、現場を視察した。ボルトが丸ごと抜け落ちていたり途中で折れていたりしていたが、目立つ腐食は確認できなかった。ボルトの周囲のコンクリートごとはがれ落ちているところは確認できなかったという。

 検討委は、実際に複数のボルトを引き抜いてみて、抜けやすさやボルト自体の破損、周囲のコンクリートのはがれ具合を調べる予定。


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012120500338
出口に向け連続落下か=トンネル崩落、ボルト鑑定へ−山梨県警


 9人が死亡した山梨県中央自動車道上り線笹子トンネルの事故で、崩落した天井板はトンネル奥から出口に向かって連続して落下した可能性が高いことが5日、捜査関係者への取材で分かった。
 県警大月署捜査本部は現場検証で、トンネルの壁から抜け落ちたアンカーボルトや天井板を支える「つり金具」などを押収。専門機関で劣化の有無などを鑑定するとともに、5日も検証を続け、事故の詳しい状況を調べる。
 崩落現場は、車の進行方向に当たる大月市側の出口から約1.7キロ入った場所。重さ1トンを超える天井板が130メートルにわたり落下した。
 捜査関係者によると、捜査本部が事故当時トンネル内を走行していた人に事情を聴いたところ、異変に気付きスピードを上げて通り抜けた車両があった(注 おそらくNHK甲府の記者か)ことが判明。広い範囲の天井板が一度に崩落したのではなく、落下には時間差があり、大月市側の端の部分が最後に落ちた可能性が高いことが分かった。(2012/12/05-06:05)


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121208/t10014052541000.html
今回の事故では、天井板などのコンクリート製の板がトンネルの上部に取り付けられた金具ごと落下し、金具を固定していた接着剤を使ったボルトが抜け落ちた状態で見つかっています。
トンネル工学が専門で、笹子トンネルの建設当時の昭和40年代にボルトの施工方法を研究していた大阪大学の谷本親伯名誉教授は「接着剤は水に触れると劣化しやすく、時間がたつとボルトがゆっくりとずれ動く「クリープ現象」が起きる可能性があり、耐久性に限界があるため、補助的な用途に使っていた。笹子トンネルで天井板などの固定になぜ接着剤を使うボルトを使っていたのか疑問がある」とこうしたボルトを使う施工方法そのものに疑問があると指摘しています。
そのうえで、「ボルトの機能がどれだけの間、保てるとあらかじめ考えていたのか、検証する必要がある」と話しています。
国の調査委員会は、ボルトがどの程度の力にどれだけの期間、耐えられるように設計されていたのかなど、建設当時のいきさつなどを詳しく調べることにしています。


技術者も“施工方法適切か調べる必要”

中央自動車道の笹子トンネルの事故について長年建設現場でボルトの施工に携わってきた複数の技術者は接着剤で固定するボルトは建物や設備を補強するためにあとから取り付けるものに使うもので、施工方法が適切だったか調べる必要があると指摘しています。
40年以上にわたって工場などプラントの建設に携わってきた技術者によりますと、接着剤で固定するボルトは建築や設備などの工事現場で広く使われているということです。
主に建物や設備の耐震補強や落下防止策などあとから取り付けるものに使われるのが一般的で、天井に垂直に打ち込む場合は引き抜く力が斜めにかかるようにしてボルトとコンクリートに力を分散させているということです。
笹子トンネルでは接着剤を使うボルトがトンネル上部に垂直に打ち込まれ、引き抜く力が真下にかかるようになっていました。
技術者の一人は「非常に驚いた。笹子トンネルのボルトは接着剤だけに負担がかかるため常識では考えられない」
と話していて、施工方法が適切だったか調べる必要があると指摘しています。

16: オリエンタル(長屋):2012/12/03(月) 14:22:36.19

>ボルトとの接合部分のコンクリート自体が経年劣化していた可能性もある。

埋込みアンカーじゃなくてまさかの後打ちアンカーだったの?
そりゃ30年以上ほったらかしてたらなぁ・・・

コンクリートは圧縮には強いけど引っ張りは弱いんだぜ。


89: デボンレックス(福岡県):2012/12/03(月) 15:17:48.83

>>16
コンクリ打設と同時の埋め込みアンカーが正解だよな
しかもアンカーボルトは万全を期すために先端をフックに曲げてる

 ◇


早期復旧には、『PC板を全部撤去する』しかないだろうな…
でないと安全性が担保できない。時間もかかりすぎる。


ちょっと考えると全撤去は手間に思えるが、しかしすでに130mも崩落している…ついでと言えばそれまでではないのか。すでに崩落しているトンネルだ、残しておくといつまた崩落するか…通行する利用者も気が気ではあるまい。誰だって無事に年は越したいのだ。


そのうえで排気ファンを必要なだけ設置する(最初は仮設で、いずれ本設にする)。トンネル壁じたいには強度不足はない(よな?)のだからそれでいいのでは無いか。ファンやダクトが万一に落っこちてもさすがに車両がつぶされたり火災になるほどの質量インパクトは無いし。


まあ、いずれの突貫工事でも年末年始に間に合うかはわからんが…


無事な下り側で片側交互通行ったって、同じ構造だとドライバーは怖くてしょうが無かろう…鉄骨でガードをもうけるにしても4.7kmだ…PC板全部撤去とどっちが時間がかかるかな。あと費用。



1:集中工事として、まずは仮設でトンネル内全線の中央車線に鉄骨の支柱(ジャッキ式つっかえ棒 汎用品)を立てちゃう。こいつでもしアンカーボルト脱落しても絶対に墜ちないようにする=これをもって仮開通とするが、当然に左右車線は行き来はできない。
2:土日集中工事として、徐々にPC板は撤去していく。同時並行で排気ファンを設置していき、排気システムを絶やさないようにする。
これなら年末までにはなんとか通行できるのでは。ゼネコン工事で大事なのは段取りだ。

以下を見る限りやや狭いので、http://www.youtube.com/watch?v=4k4cfEUDkXc
トラックは左車線通行、としてやや広めにするとかね。当然に50km規制とかで準・徐行してもらう。工事で1車線占有して1車線通行にすることもあるかもしれない。それでも国道20号への迂回より全然速かろう…とかく現状、物流がピンチだ。


政権および省にはいろいろと提案はしているので、いくつかは盛り込まれるだろう。当エントリーで予測したとおり、下り線を交互通行で使用する模様。現場検証が終わると上り線を通行できるための仮設工事が行われることだろう。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121205-OYT1T00045.htm
笹子トンネル下り線、対面通行検討…渋滞対策


天井板が崩落した笹子トンネル上り線の出口(右側)。左側が下り線の入り口(4日)


 中日本高速道路が、中央自動車道上り線の笹子トンネル崩落事故に伴う年末年始の渋滞対策として、下り線トンネルを対面通行とする検討を始めたことが、4日わかった。

 中央道は、事故が発生した2日から、上下線とも笹子トンネルを挟む区間が通行止めになっている。

 上り線では天井板の下敷きになった車3台は搬出されたが、4日から県警の現場検証が始まり、落下したコンクリートの撤去は進んでいない。現場検証は相当の期間がかかると予想されることもあり、同社八王子支社は復旧の時期を「見通しが立たない」とする。

 一方、下り線トンネルの天井板の安全確認は、4日夕までに全長約4・7キロのうち1・9キロが終わった。異常がなければ、今週末にも完了する見通しだ。同社は、下り線トンネルの出入り口付近に連絡道路を仮設することを想定している。同支社は「年末年始の一般道混雑緩和を図るとともに、一日も早い完全復旧を目指したい」としている。
(2012年12月5日07時10分 読売新聞)


性急な設計変更に落ち度が無いよう、詰めていくのも大変な検証作業だ。えてしてIT系プロジェクトにはつきものだがね、急な仕様変更とかwww


…結局、鉄筋コンクリートで躯体を一体にする以上の強度なんて、無いんだよな。
わざと別部品にして、鉄棒だけで吊るなんて…似たような構造の中国の陽明灘大橋は開通後すぐに崩れたよ。
ドブ板をわざと片側だけ桁をなくして鉄棒でつるすんだよ。どれかひとつでも錆びて折れると全部一気に崩落する。人が歩いていたら?車が通っていたら?


全長2.6kmの京都・阪神道の稲荷山トンネルだって排気ファン方式だ。もうPC板吊下げ方式は二度と造らず、既存のやつも随時ファン式に造り替えた方がいい。万一にファンが脱落しても被害は狭小で限定的だがPC板が墜ちると複数の車が炎上して死者が多数出る。原発も同じことで、重大事故が起きるとわかったんだから同じものを造ったり運用してはダメで、いきなり全部とは言わないから逐次、代替設備へリプレースすべきであると。
http://www.obayashi.co.jp/works/work_1001
http://sei-ji.at.webry.info/200806/article_2.html
ジェットファン…サイズにより一基650〜2500kg。少なくとも設置方法はメーカー推奨あり、施工もゼネコンが行う。ただPC板をアンカーで吊すよりは耐用年数や設置方法などが厳密に管理されており安全だろう。建設を建設だけで狭く行うとザルが多くなる…電機などなんらかのメーカーをかます方がいい。
http://www.mitsuimiike.co.jp/product/hydraulics/t_vertilation/pdf/jetfan.pdf
http://www.mitsuimiike.co.jp/product/hydraulics/t_vertilation/
http://www.khi.co.jp/machinery/product/gas/tunnel.html
http://panasonic.biz/es/air/douro/10_01.htm


…今後の国交省は、貧乏くじ役所になっていくな…
インフラの完成当時は威張って君臨できたが、今後は老朽化に次ぐ老朽化でその落ち度を次々に問われ、対応にも追われ続ける…建物、道路、鉄道、山間部…
原発国交省は絡んでないが、おなじことだ。


おそらく建設国債をいくら乱発したって追いつかない。日本は高度成長期に(あと明治維新後に)一気に造りすぎたのだ。識者も報道インタビューで「欧州は昔からゆっくり少しづつ分散で建設してるので老朽化危機と言うほどに至っていない」と論説していた。追いつけ追い越せの日本は性急すぎた。性急で同時期多量建設なので人手も足りず手抜きも横行した。
PC板全撤去なんてカワイイもんだと思うよ…やればひとまず安全が担保できるんだから。もっと大変な規模の深刻な老朽化だってこれから出てくるだろう。これまでとおなじいいわけがましい態度ではダメだ。バッサリとやるときは大胆にやらないと。

日経


 通行止めが続いている事故現場周辺について、中日本高速道路会社は3日、事故が起きた上り線の年内の復旧は難しいとの見方を示した。
 下り線は緊急点検で安全が確認された段階で通行再開を検討する。点検は一週間程度かかるとみられる。


 ◇


道路インフラ大事故で国交省大失態になったとたん
「おれたちはちゃんと仕事もしているんだ」的なアリバイ作りの摘発劇を演出するという「いつもの手口」


だがこれまたいつもとおなじで、国交省は「我々が悪かった」とトンネル崩落の罪を認める姿勢を、まだみじんも見せていない。「ネクスコめ、こんなにひどかったのか!」と記者会見で驚いて見せただけだ。狸役者。原発事故直後に政権とか経産省とかが「東電め!」とことさらにおおげさに大声で非難していたのと同じ手口。

http://www.asahi.com/national/update/1204/TKY201212040698.html
ニセ1級建築士新たに5人 国交省公表、計20人に


やっとマスコミもたたき出した。
だいたいね、新聞社だって、新聞屋で事件事故起こすと「あくまでフランチャイズの店舗で不祥事が起きたことを遺憾に思います、指導徹底します」ってまるで霞ヶ関そのものだからねwwww


…マジメな話、ノブレス・オブリージュ』=地位の高い物は命を捧げ、キチっと責任をとるという、最前線で血をながして戦うという風土を復活させないと、日本はもう没落しかできないよ。武士や騎士が当たり前にしてた。
戦後世代に徴兵帰りがいなくなり、文官とサラリーマンしかいなくなってから日本社会はどんどん脆弱で、卑怯者と小心者ばっかりになってしまった。


プロジェクトチームにおいて、プロジェクトマネージャクラスの仕事って「完成前の、仕様書、報告書、マニュアルをチェックしてはだめ出ししていじめまくり、ハンコ押さない」ことだからね…プロジェクトリーダーはその場では中間管理職だから、へたなマニュアルとか書類を部下に提出させるととんでもないストレスにさいなまれる。
つまり国交省監督管轄プロジェクトにおいては、マネージャもリーダーも仕事してなかったと。業務内容を丸投げするのはけっこうですけど、結果や責任まで丸投げというわけにはいかないんだよね…そういうモラル違反を横行させるとモラルハザードから組織や業界がつぶれちゃうからね。

http://mainichi.jp/select/news/20121205k0000m040133000c.html
トンネル崩落:国交省、管理丸投げ 各社に基準通達のみ

毎日新聞 2012年12月05日 02時30分


 山梨県大月市中央自動車道笹子(ささご)トンネルで起きたつり天井の崩落事故を機に、国土交通省が高速道路会社の点検手法の確認や完成検査時の耐久性チェックを実施せず、維持管理を各社に丸投げしていることが分かった。保守管理の点検基準を設けるだけで、各社がどのような点検要領(マニュアル)を作成しているかも確認しておらず、国交省は事故原因究明と合わせ、高速道路各社への指導、監督体制を見直す方向で検討を始める。

 国交省は道路本体やトンネル、橋などについて維持管理の基準を民営化前の旧日本道路公団や現在の高速道路会社6社(東日本、中日本、西日本、首都、阪神、本四)に通達。同省の他、有識者や6社が参加する日本道路協会が指針である維持管理や補修の「便覧」をまとめ、各社がこれに基づいて点検マニュアルを作成している。

 同省によると、マニュアルをチェックしていないのは、高速道路の維持管理は道路整備特別措置法で高速道路各社の責任とされているためだ。新設に当たっての建設許可の権限は持っているが、計画申請時の耐久性などの確認は必要なく、完成検査でも規格に沿っているか大まかな確認だけ。構造上のチェックはしていないという。


そしてバレた『ぜんぶ丸投げで、監督してなかった』
つまり中央集権では日本全国の道路インフラ設備も、まして原発も、管理できないことを示す。アウトソーシング丸投げが関の山だ。
きちんと知ってるのが現場側だけなら、どうにでも握りつぶしたりできてしまう。原発の場合は逆に、都合の悪い事実は東電・経産省つまり官民トップレベルの合点で次々に隠蔽してきたが…
はたして笹子トンネル補修の件、ほんとうに知らなかったのか?


道路公団や住都公団の民営化には、小泉総理に対して、もはや妖怪のボスとさえいえるおっかない風貌や態度の公団ボスが最後まで堂々と抵抗して見せたのがTV報道にも映っていたから記憶に鮮明だが、ああやって代理戦争をするのは得意でも、肝心な保守運用管理はできてないという『本末転倒』は、チェルノブイリ原発事故と同じ構図だねと。あれも設計開発の省と、保守管理の省が別々で、日本以上の縦割り体質によって険悪に争っていたのが事故の原因だった。設計側のオナニープレイと、保守管理側の怠慢と無知とが、コラボしてしまっていたという。

http://mainichi.jp/select/news/20121206k0000m040098000c.html
トンネル崩落:00年の打音検査でナットの緩み見つけ補修


毎日新聞 2012年12月06日 00時38分(最終更新 12月06日 01時55分)
ハンマーでたたきながら天井板を支える金具やボルトなどを調べる作業員ら=矢ノ川トンネルで


 中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故で中日本高速道路は5日、天井板を支えるつり金具をトンネル最上部につなぐボルトについて、日本道路公団時代の00年に実施した打音検査で、ボルトを締めるナットの一部に緩みが見つかり、01年にかけ補修していたことを明らかにした。だがその後はこの教訓を生かさず、一度も打音検査をしなかった。

 中日本は「最上部の接合部の打音検査をした記録はない」としていたが、関連会社への聞き取りで判明したといい、説明を一転させた。99年の山陽新幹線福岡トンネル崩落事故を受け、仮足場を設けて行ったという。

 同社によると、点検はその後、05年と今年9月に実施。05年は天井板の下から、今年は天井板の上からの目視にとどめていた。同社は「補修で健全性が回復していると判断した」と説明した。

 また現場の状況について、天井板の上の設備が「すべて落下していた」とし、ボルトの落下を引き金に、天井板の上のダクトの隔壁、天井板の順で落ちたとの見方を示した。

 一方、4日の国土交通省事故調査・検討委員会の現地調査で、接合部のボルトに目立った腐食がなかったことも分かった。

目立った腐食なし=このエントリーのタイトルに帰結するが『人災確定』
35年間、走行振動が伝わって緩み続けたと言うことでしょう。隣接同士のパネルがボルト連結されているから、思わぬ相乗作用が…糸電話みたいに振動が遠くのパネルまで一体的に伝わっていたのかも…
ハトメするなり溶接固定すればよかったかというと、今度は振動が一カ所に伝わり続けて「折れた」かもしれず…
上述したけれど「馬鹿な設計だな…」としか、現状ではいえない。致命的欠陥構造だからとっとと撤去して排気ファンにリプレイスした方がいい。


全国に同じ構造が49カ所あると言うがおそらく誤りで、TV報道の緊急検査の映像を見る限りでは東名の都夫良野トンネルなどはアンカーボルト以下はセメントで隠蔽されたり、ほかの構造物の一部になっておらず『全然違う構造』で、ただアンカーボルトをつかった類似方式と言うだけだ。危険なのは恵那山トンネルと笹子トンネルの、アンカーボルトと縦と横のパネルを全部連結してボルト留めにしたり、セメントで隠蔽して一体化してしまってる方式だ。
・ボルトオンでの一体化とセメント塗りによって重量化しており、『互いに足を引っ張り合う』ように隣接同士で多重にボルト緩みなどが発生しての崩落に至りやすく、崩落すると大規模化しやすい、広範囲重量物なので死傷者が多くなる、と推察される。
・セメントで隠蔽して隠してしまってる部分のアンカーボルトおよび延長上の一体ユニットは、目視チェックすらできない。
土建技師の浅知恵…とにかくコンクリで覆ったりボルトオンで連結したりと、頑丈にすればいいだろうという思惑が現れてるようにも見える。
先の311震災だって天井から落ちてきたのは吊られていた天井パネルばかりだ。裸天井の商業・公共施設ならば落下物は少なかったはず。


以下の報道内容からすると、左右5x2=10枚連結でアンカーボルト接続の吊り鋼材は5本あるが、その緩み具合は長年の間に各自がバラバラになる…もし自転車の車輪のスポークがそういうバラツキだと、ゆるいやつは無事でキツイままのやつだけがカンタンに『折れる』…が、1カ所でも折れるとリムがカンタンにゆがんでしまう。2カ所になると乗れないぐらいゆがむ。…つまり10枚の板を支えるアンカーボルトが緩んだりキツくなったりすると、キツイやつだけギブアップして折れるかナットが抜け落ち、残りも耐えきれなくなって連結板ごと落下する。ホッチキス5カ所留めでは紙が抜けてこなくても、4本や3本まして2本になったら抜けてくるような感じ。
これは小学生の夏休みの工作レベルでわかるほどに明白で安直な欠陥設計であり、なぜこれを承認としたのか理解には苦しむ。

http://mainichi.jp/select/news/20121207k0000m040098000c.html
トンネル崩落:事故18時間後の現場…写真公開


毎日新聞 2012年12月06日 21時49分(最終更新 12月06日 22時23分)
3日午前2時10分に撮影された笹子トンネルの崩落した天井板など=大月市消防本部提供


 9人が死亡した山梨県大月市中央自動車道上り線・笹子トンネルの天井板崩落事故で、救助活動にあたった大月市消防本部は6日、事故から約18時間後の崩落現場の写真を公開した。天井板の上の空間(ダクト)を仕切るコンクリート隔壁(1枚約1.5トン)がT字形鋼材とつながったまま道路中央を埋め尽くしており、隔壁と天井板の両方の重量が下敷きになった車にかかったことが分かった。

 中日本高速道路によると、トンネル最上部のコンクリート内壁にはT字形鋼材(長さ6メートル、幅40センチ)がアンカーボルトで固定され、この鋼材に1.2メートルごとに5本のつり金具の上端がつながっている。つり金具の下端もT字形鋼材につながり、この鋼材の上に左右から天井板(1.2〜1.4トン)計10枚が乗せられている。

 これらの部材は一体構造となっており、1本の鋼材ごとに約20トンの重量。これがボルトが抜け落ちたことで、丸ごと落下したとみられる。

 事故は2日午前8時ごろ発生。撮影は3日午前2時10分。


結局、原発事故と同じく『中央官僚の手柄と金儲けが最優先され、維持管理は顧みられず、重大事故へ直結した』のが笹子トンネル崩落だったと暴露された。そりゃ自分の手を汚して精美とか修理をしたこと無い、いつも清潔でオエライ、エリートさんたちは、維持管理のありがたさはわからんよな。えらくなるのはいいけど『両刀遣い』になってもらわんと。…でないと原発事故>トンネル崩落>その次>そのまた次…ってんで永久に続くぞこのパターン。公務員が最も恐れる”重大な過失責任”を次々に負う羽目になるぞ自業自得だけどね。
どうせ事故原発と同じく「どうせ老朽化してるし、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ『このまま』使おう、修理なんかするなよもったいないから」と、国交省や、その天下り社長らから、現場に指示が飛んでいたんだろう。技術を学ばず実務経験せず修理や整備で手を汚したことも無い奴らはいっぱしの経営者ヅラしてすぐそういうことを言い出すものだよ。

http://gendai.net/articles/view/syakai/139970
NEXCO中日本有価証券報告書によると、12年3月期の連結売上高は約6000億円で、当期利益は前年比5%増の約69億円。
 それでいて驚くのは、道路のメンテナンス費用だ。昨年度の「維持修繕費」のうち、「土木構造物修繕」(トンネル)はたった5億円。ナント、売上高の0.1%にも満たない。カネ儲けを最優先に考えている体質は明らかで、人命は二の次、三の次である。道路利権にどっぷり漬かってファミリー会社をどんどん増やす手口は、悪名高き旧道路公団を彷彿(ほうふつ)させる。

 交通ジャーナリストの今井亮一氏がこう言う。
「旧道路公団時代、道路は官僚を儲けさせるための道具に使われた。そのためにファミリー企業をつくり、政治家もぶら下がったのです。保守点検は本来、事故防止のために行うはずだが、彼らにとっては、それが稼ぐ『名目』にスリ替わっていた。その体質が今も残っているのではないか」

 ◇


民間の当該業界のほうが、さっさと危機感をあらわにして動き始めたね。自分たちが造った設備が次々に壊れるんだから、たまったもんじゃないよな…そういう当事者意識や、思い入れが、役所側にあるはずがない(ごく一部のパイプ役の担当などを除いては)。


築後50年はともかく、じゃあ30年ならどれだけ増えるかと。笹子トンネルはやっと35年目だ。事故原発も40年だ。
要は50年というのは%の数字マジック…少なく見せたいだけかもね。

http://mainichi.jp/select/news/20121206k0000m020115000c.html

トンネル崩落:インフラ老朽化対策へ建設業界が「再生委」

毎日新聞 2012年12月06日 02時30分


 中央自動車道の笹子トンネル事故を機に老朽化したインフラへの関心が高まる中、建設各社で作る日本建設業連合会(会長、野村哲也清水建設会長)は5日、「インフラ再生委員会」を年明けにも新設し、高度経済成長期に集中整備された道路や橋などの維持・更新への対応を検討する方針を固めた。国土交通省とも連携して、インフラの「大更新時代」へ備える狙い。

 1950年代半ばから70年代初頭までの高度経済成長期に、国内では道路や橋、港湾など大規模なインフラが続々と建設され、今後、一斉に老朽化するとみられている。

 国交省によると、建設後50年以上経過した道路橋(長さ15メートル以上)は10年度では全体の8%に過ぎないが、20年度には26%、30年度には53%と半数を超える見通し。今後は、維持・更新作業が重要になるため、日建連は補強方法の検討や契約方式の基準作りなどに業界全体で取り組む考えだ。


結局、首都高・羽田線の羽田トンネルはボルト破断が見つかり、天井板を順次、全撤去を決定。
全長は300m。笹子トンネルは4.7kmだから16倍。羽田トンネルで撤去に2日だから笹子だと連日で1ヶ月ぐらい。…ただ羽田の天井板区間は40mだから、笹子が640m以上にわたり天井板区間があるならば工期はもっとかかる。

http://mainichi.jp/select/news/20121207k0000m040084000c.html
首都高:羽田トンネル天井、年内に撤去…つり金具破断

毎日新聞 2012年12月06日 21時05分(最終更新 12月06日 21時33分)


破断した、天井板をつるすステンレス製のつり金具=東京都大田区の羽田トンネルで2012年12月4〜5日撮影、首都高速道路会社提供(事故を受けた緊急点検で判明した上り線の破断)

 首都高速道路会社は6日、中央自動車道笹子(ささご)トンネル(山梨県大月市)の天井崩落事故を受けたつり天井式トンネルの緊急点検で、羽田トンネル(東京都大田区)のつり金具1カ所の破断が見つかったと発表した。06年の定期点検でも別の金具1カ所の破断が確認されたが、耐荷重に余裕があるとし補修しなかった。同社は今回の判明分と合わせ補修した。年内につり天井自体を撤去する方針。

 首都高によると、羽田トンネルは都心と羽田空港を結ぶ1号羽田線にあり1964年に開通。全長約300メートルのうち、長さ約20メートルのつり天井部分が上下線に2カ所ずつある。つり天井は1カ所当たり、トンネル内壁の固定具とT形鋼2本の上に162枚のコンクリート製天井板を並べた構造で総重量約21トン。T形鋼1本は、棒状部の直径19ミリのステンレス製つり金具(最長約150センチ)7本でトンネル上部からつるされている。

 同社は国土交通省の指示で4日に点検を始め、上り線で金具1カ所(長さ約45センチ)の破断を確認。何らかの理由で荷重が片寄り、劣化が進んだとみている。

 首都高は06年の定期点検で下り線の金具1カ所(同)の破断を見つけた。しかし、つり金具1本当たりの耐荷重は約4.9トンあり、破断した隣の金具でも約2トンの荷重しかかからないため、直ちに落下する危険はないと判断。5年以内の補修を計画したが遅れ、今回判明分と合わせてワイヤで補強した。

 羽田トンネルはつり天井内部とトンネル上部にある空洞部を換気ダクトとしているが、首都高は、排ガス規制が進んだためつり天井がなくても影響がないと撤去を決めた。作業には最短でも1〜2日かかり、通行止めになる見通し。


結局、おれが政権へ打診したとおりになってきたなあ。
まあ、職人もエンジニアもゼネコン周り(警備w)もやってきたから、要件定義もできるし、たいていの技術的なことは理解できるからねえ…
警備員って意外と道路工事やマンション建設に詳しくなるんだよ、知らないと段取りがわからないから誘導できないんで。工事中の現物も色々と見られるし。あと建設現場の手元や物資搬入のアルバイトね。

http://www.asahi.com/national/update/1209/TKY201212080797.html
下り線でも留め具に不具合 笹子トンネル、天井板撤去へ


 山梨県中央自動車道笹子(ささご)トンネル上り線の天井崩落事故で、国土交通省は8日、下り線でも、つり天井を固定するボルトやナットでゆるみなどの不具合が見つかったと明らかにした。天井板が落下する恐れはないというが、管理する中日本高速道路は9月の目視点検で見逃していた。

 同社は9日から下り線にあるコンクリート製の天井板と隔壁約1万1200枚をすべて撤去し、年内に対面通行させる形で仮復旧させる。

 国交省によると、事故後の下り線での緊急点検は、金づちでたたく打音検査や手で触って異常の有無を確認する触診をしていた。一方、9月の通常点検は目視が中心で、今回の不具合を見つけられなかった。中日本高速は8日の会見で、不具合の詳細について具体的な説明を避けた。12日に国交省に報告するという。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121209-OYT1T00268.htm
 捜査関係者によると、現場に落ちていたほとんどのボルトに腐食はなく、接着剤に覆われた状態だった。県警は、接着剤が劣化して固定力を失い、1枚1トンを超える天井板などをボルトが支えきれず、鋼材ごと脱落したとみている。

目視でも打音でも、劣化が見つからない『欠陥設計』だもの…報道でその内実を聞けば聞くほど。スポッって抜けちゃうような設計に最初からなってたんだから。重い重いPCパネルは複数枚連結しちゃってるし…
仮に石膏ボード天井に木ねじつけて照明とか吊すとしても、どんな強力な接着剤を充填していてもいずれ、はがれるっしょ。接着剤というのがネジロックなのかほんとうの樹脂系接着剤かは知らないが。
上述したが、家電・電機メーカー系を(電気系設備)絡ませず、建設系だけで設計したからこうなったと思うよ。知的レベルがやや劣るから…こと高度成長期では…ライフサイクルすら定義しないって…


今までの報道を総合するに、いまは全線通行止めだからいまのウチに下り側のパネル全撤去を含め工事して上り下り対面で仮開通し、次に上り側の現場検証終了後にパネル全撤去して上下線開通だな。しばらくは排気は仮設のファン&ダクトだろうか、いずれ本設置のジェットファンにしていくんだろうかなあと。


 ◇


アメリカに先例

http://mainichi.jp/select/news/20121211k0000e040205000c.html
 米国の事故は06年7月、マサチューセッツ州ボストンの高速道路のつり天井式トンネル(93年建設)で発生。最上部のコンクリート内壁からつった鋼材で支える天井板(1枚約2トン)10枚が落下。走行中の車が押しつぶされ、夫婦が死傷した。米運輸安全委は07年に事故報告書を公表。原因は、内壁に穴を開けて流し込んだ樹脂接着剤で留めたアンカーボルトが天井板の重みに耐えられず次第に抜けたためとし、施工不良や点検不備を指摘した。

 一方、民営化した旧日本道路公団の債務などを引き継いだ独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構」は、欧米の高速道路事情をまとめた調査報告書を08年4月に作成。その中で事故概要や現地の新聞記事などを紹介し、接着剤に問題があったという記述を引用していた。同機構によると、報告書は国土交通省や高速道路各社にも送付したという。

 国交省高速道路課の担当者は「米国の事例は個々の職員は知っていたはずだが、省内で情報共有されたかは不明」、中日本の広報担当者は「(同機構の)報告書はホームページでも公開されており、技術部門は把握していた」とするが、その後に調査や点検が行われた記録はないという。

 笹子トンネルも、最上部の内壁に穴を開けて樹脂接着剤でボルトを留めていた。現場では脱落したボルトが見つかり、捜査関係者によると多くは接着剤が付着した状態だった。ボルトを差し込む深さは130ミリで、06年の米国の事例(深さ127ミリ)とほぼ同じだった。

笹子トンネルは77年開通。中日本によると当時「つり天井式で接着剤を使うのは一般的だった」

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http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20121213/1355327081