先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

折りたたみシティ自転車20インチAmourに、SR XCT V2インストールで馬引沢峠と御嶽山神社参道・滝本駅までノンストップ登頂、山頂駅まで休憩あり50分で登頂


表題が長くなってしまった。


サンツアーのV2を入れた(仕様:42-32-22T 170mm)。四角テーパーはオスでもメスでも取付け可能と知らず、対応カセットBBのXCMを注文するところだった。よって『ぽんずけ』
MTBハードスポーツ走行だと、シティモデル向けのオスネジにナット固定では強度問題がありそうだが…(ISISタイプ開発も強度アップが理由の一つだろう)
折りたたみ自転車でトレイルや登坂で遊ぶレベルなら問題はなかろう。
ちなみにコッタレス抜きは使わない。ナット外してペダルレンチを挿入して裏からグリグリ押す…これを四方向からやる。んで最高段で漕ぎまくる…とグラリと来るのですぐ外す。純正クランクはどうせ落っことして傷が付いてもいいからね…高級品には使えないテク。グラついた後も漕いでしまって四角テーパーを損傷摩耗させないよう注意。
とにかくアルミクランクは軽い。重量だけではなく…回転方向に幅広なクランクなので、回転して落ち込む方向に質量慣性力が大きく作用するらしい。ロングクランクは回転円が大きいので慣性力が大きい。
GIANT ROCK4000乗ってたときはこいつの兄弟分を漕いでいたはず。46-12Tだったかな、茨城〜都心までいくときにこの重い段は重宝した。


問題点は大きくないがいくつか。
・ロングクランクなのでバンク時に漕いでるとすぐペダルが接地するかサンダルが擦る。(ドッペルなどはクランク取付け位置が高くしてあるがこれだとサドルも高くなり高重心になる欠点もある)
・回転半径が大きくなると、足先だけで漕げるショートクランクと違い、足全体で漕ぐので常に疲れはする。使う筋肉の違いでもある。
・Fトップギア−R1段のとき、たまーに勝手にFがミドルギアに落ちる(まっすぐ前提のリンク数計算でギリギリなのでナナメだと不足するらしい…2速までを使えば問題ない)
まあ、流用品だから完全ではないね。最初からメーカーがこの仕様で設計してるわけではない。


むろん手レイラー…取付けたら早速テストに出発。ほんとうはきょうはだらだらポッターしようとおもったのに…


最小レシオ22−28T
・馬引沢峠:
ジグザグせず楽々ノンストップ登頂。
ジグザグじゃないので時短も達成しつつ、あんまり疲れないので山頂で休まずすぐ引き返せる。案外に22−28Tはあまり使う機会はなく…22−24Tがメイン。
下りはもう台風影響などで落ち葉だらけの濡れた路面だらけ…舗装面だけは飛ばさず徐行するがヘアピンでは交換時期のツルツル後輪タイヤがドリフト…
非舗装路は遠慮せず飛ばす。1.75の太さは絶大だ。


御嶽神社参道:
ケーブルカー滝本駅までは、これもジグザグせずけっこう余裕で登頂。
駅前で息を整えてすぐ登山道へ…入り口の30°傾斜は登ろうとしてもひっくり返るので、左折して迂回路をジグザグしてクリアー。
けっこう登れる。ただし漕ぐ毎回がウイリー前輪浮きだ、時には体重かけて押さえ込む。


ジグザグにしてもこの傾斜とレシオだとまるで要領が違う…失速=停まるというシビアなトライの連続。
急坂発進はコツがいる…二段階発進だ。さいしょに1/8回転だけゆっくり漕いで初速をつけて、次に反対クランクでこれも慎重に半回転だけ加速してやる。速く漕ぎすぎてひっくり返ったり、勢いつきすぎてクランク下端で動きが停まって足付いたら、またやりなおしだ…
この方法は、斜面でぬかるみにはまったオンロードオートバイやモトクロスでも応用が利く。トラクションのかかり具合と重心配分を、常に注意深く監視するわけだ。


それでもフルサイズ26インチトレイルMTBよりは切り返しが軽く素早く、ぺたんと寝るが素早く起きるので、リカバーしやすいほうだ…さすが20インチ。
はっきりいえば、ジグザグなんてフルサイズでやることではない。こと狭い狭い林道ではね…フルサイズでとろとろ切り返してると崖から落ちるぞ!
ロードモデルなんてバンク時のグリップはアテにできないしな…切り返した瞬間にスリップダウンしそう。


というか一回だけ滑落したよ…急斜面で再発進しようとしたら踏んだ路肩の土嚢(崖側)が苔まみれ…足が滑ってそのまま崖へ転落し3回転…自転車は道路に倒れて無事。徒歩登山(トレイルランじゃなく斜面トレック)はかなりやってるから滑落もしょっちゅうやってたので平気だったけどね。


馬引沢峠に寄り道しなければ途中休憩ももっと減らせただろう。まだ現コンボに体が対応してないからなじませるべくトレーニングも必要だし…
少なくとも、純正品の鉄クランク40−28Tではほとんど押していくしかなかったが、今回は逆に全部漕いで山頂駅まで登頂できた。


つまり『滝本駅〜山頂駅まで、1時間きった…』徒歩じゃむしろ通い詰めて鍛えないと無理。今回は押し歩きはゼロだから意義は大きい。
途中で滑落しなかったらあと10分速かったかな(スポーツサンダル吹っ飛んだので拾うためかなり斜面を駆け下りたんでタイムロス)。手レイラーなので22−14T以上にできないので、ディレイラーいれるとさらに速くなる。鍛え上げたロードならノンストップ30分で行けそう。


途中、失速すると絶対に登れない急傾斜が1〜2カ所ある。ここは22−34T(32T)が必要だな…でないと疲れるしひっくり返る。
…ただ6sや7sだといいつながりがなくて、34Tの上は24Tなんて横暴なギヤセットだ(手元にあるけどつけようか悩む)…34−30−28ぐらいでつながらないと結局は失速してしまうわ…シマノMTB8sの12−32Tセットがいいかもなあ…
ここの仕様をきちんと完成させつつ、サドルやハンドルのポジション変更を最適化すれば…御嶽神社参道も、麓から、神社の境内まで、ノンストップも可能になるだろうね。
とにかく折りたたみ自転車の高いハンドルがジャマでジャマで…10cm前へ10cm下へ移動させたい。クランク取付け位置も3cmぐらい後ろへ下げたい。


あともうひとつノンストップを阻む要因はクルマだ…住民や業者の軽トラがけっこう行き交うので路肩に避けて道を譲らないといけない。梅ノ木峠や風張峠みたいな広めの閉鎖林道ではあり得ないけどね。


帰路といい、トップが40Tから42Tになったので、やや速くなった。ロングクランクなので高回転を維持しやすい。5%アップだから1mあたり5cm伸び率なんだが…
上出来の18s化に満足。車重15kg以上なので、オールアルミのカリブーライトやFLYWAYで5kg軽くなると、どうなるやら…


最後に、ヒルクライム専用化モデルの設計図を描く。
要はダウンヒルモデルの逆をやればいい…サドル前傾、ハンドルは低く前へ、クランク取付け位置はやや後ろへ…
今時のダウンヒルモデルって、まるでハーレーだもんな…ならヒルクライムはRC212Vでいい。


次はあれだな、PCD106で48Tを探してきて、ぽんずけだ。クルージングがもっと高速になる…いっそミドルギアも38Tがいいかな、つまり同じSR XCシリーズの流用が手っ取り早い。
そしたら前キャリパーブレーキはテクトロかどっかの二軸のを入れる。リアブレーキはひっかかりが出にくそうなシューブレーキに交換するかな。
サドルポストはアルミに、サドルは軽量に、樹脂マッドガードは子供CTBから流用するか…ハンドルバーはアルミにして荷台もディレイラーガードもスタンドもはずせば2kgは軽くなるからダホンOEM並になる。
ジャーニーやポッターなら荷台とか色々ほしいけど、トライに行くだけならそのときは外した方がいいと思う。GIANT ROCK4000もジャーニー装備を外してトレイルに行くと軽くてびっくりしたっけ。




20インチは折りたたみでもミニベロでも、要は125ccまでの小型スクーターだ。
小型自転車の遊べる仕様を理解できない人は、オートバイの世界でもミニバイクの楽しさを知らないままだろう。カタログと店員セールストークでしか情報をとれないお客さんたちだ。
ためしに川越のウエストポイントで、CR125やCRF250を借りて乗ればいい。とてもじゃないが扱いきれない。CR85やCRF100の良さがわかるはずだ。
http://www.westpoint.co.jp/offroadvillage/


 ◇


翌日は、せっかくの新仕様をさらにテストするため、「梅ノ木峠、つるつる温泉側」をノンストップでトライ。結果的には大成功。

ここは、最小の22−28Tは使わない。22−14Tでいけるゆるい傾斜も多いし、一番急な傾斜でも22−24Tでいける。よってすぐ登頂できる。30分かからなかった。スタート地点は、つるつる温泉手前の右カーブ、登山道が合流してくるY字路だ。ここで前ギアを22Tに手レイラーしてスタート。


天気予報には裏切られた…曇りがちというのに実際は11時台の直射日光がギラギラ照りつけて熱中症になりかかった。あわててアクエリアスを買い足す。


道中の看板で知ったが、明日はここでヒルクライム大会だそうだ。奥多摩周遊と成木の大会とは、ここ梅ノ木峠のは主催者は違うらしい。http://ad-effect.co.jp/event/
岩井〜山頂でトップタイム21分か…おれは5kmコースゴール地点から山頂で30分未満だもんな…同じコースだと50分以上かかるかも。道中で大会参加のロード数名が抜いていったがかなり速い。平坦路や緩い登坂ではロード無敵だよな。激坂では遅いロードよりもこっちの方が速いけど。おれの自転車はMTB仕様だからトップスピードは出ないし。


22−28Tで走ってわかったのは、「ロードの2倍の車重」ということ。
ロードは8kgほどで登っていくので倍速出るが、こちらは同じ汗を流しても半分しか出ない。
つまりロードが、もう一台のロード一台を背中に背負うか車体に取付けて走らないとイコールにならない。人間の体重はあんまり関係なく、車体のパワーウェイトレシオの問題になってくる。


逆に言えば、軽すぎる車体は激坂で簡単に空転したり、ひっくり返ったり、スリップする。風船ぐらい軽い車体ならば体重100kgだろうが空転やスリップする。おれのシティ自転車Amourは16kgと重いしタイヤも1.75とこれまた重いが、おかげで安定した登坂がしやすくもある。…端的には75kgもある原付スクーターは空転やスリップしようがない。実際、激坂でどうしてもタイヤがスリップするというローディのブログ報告はまま見かける。割り箸では文鎮の代わりにはならないのだ。…700Cタイヤは細いし、繊維的で硬くてコンパウンドがなくてグリップはしにくいうえにエアサス効果もない。タイヤ接地面積を細くすると推進力をジャマする抵抗は減るが同時にグリップは落ちる…オートバイのジレンマ=四輪への嫉妬要因、でもある。


ローディストが言うように「ロードにとってレシオ1未満は「荷物を載せて登るときの装置だから、通常の登坂では使わない」というがもっともである。
おれのような車重16kgもあるシティ自転車は、いわばロードが7〜8kg近い荷物を運んでるのと同じだから、速度半分、レシオ半分ぐらいでないとエンジン=人間に無理がかかる。大型トラックの登坂と同じことだよ。パワーウェイトレシオ。


思い切ってアルミポストとスポーツサドルをそろえた。コッタ抜きとボスリムーバーもそろえた。投資と割り切った。本田宗一郎みたいにポーチに各パーツをベルトやカラビナで取付けて帰ってきた。近々、2号車FLYWAYも投入する。メガレンジ34Tも取付けてテストする。
すべては、『激坂を楽しむジャンルを開拓』し、人々を勧誘するためであるw
山頂で観光バスの運転手に半分まじめに言った。「あなたでも、この自転車ならノンストップ登坂できますよ」
車両に限らず家電やITや服飾や施工や政治など様々なジャンルで仕様策定や設計をしてきたオレは、きわめてまじめにそれを達成する気でいる。


リタイア老人や山ガール予備軍なんかが、歩くよりもラクに速く登坂できるなら結構なことじゃないか…しかも電動アシストなしで。まだそういう製品が出てないだけのことさ。すでにロードバイクはけっこうな割合で中高年が愛用しているし。もし本格的に市場開拓が成功すれば世界中の各メーカーが高級品種も出すようになる。つまりニーズを掘り起こせる。(日本中の山道が、かつての中国の自転車通勤の光景みたいになる恐れはあるが…)


人々はまだ知らないだけだ。おれの脳内にはすでに青写真がある。それはかつて任天堂DSやら、ホンダのDN01〜NC700Xに至るラインナップの、あれらもそうだった。生み出さなくて、アイデアマンの脳内にイメージだけある状態だ。おれはクールビズもDSも生み出してきた。ブログもツイッターも、ないうちから自分で自作して使っていた。先従隗始


…それにしても、
CBAに限らず店員と話すとけっこういい加減な知識を堂々としゃべる。ボスフリーで通じなくてフリーホイールでしか理解してないとか…ネットで調べるのが結局は全般的な知識を完備しやすい。
あげくそのボスフリーで通じない店員だけでは心許ないので他の店員にも聞いてダブルチェックすると、最初の店員がムッとしてレジの事務対応以外では完全シカトしはじめたり…ああめんどくせー都市部のオフィスのダブルチェック常識も知らないヤツなのかよ…
ネットさまさまとありがたみを感じることは実に多い。


 ◇


SR XCTを取付けてわかってきたこと…


・純正シングルチェーンリングは両側にチェーン脱落防止カバー付きで、厚歯
・XCTは8s対応で当然に薄歯かつシフトチェンジ前提の歯形状
・純正では、リアディレイラーはシフトダウン方向に抵抗を持たされ、ディレイラー調整はL側に強くしていた
・XCTにすると逆になり、H側に強くしないとシフターと段数が低速側にずれてしまう
…このため、ディレイラー再調整を行い、シフトがスムーズになるようにした
……ら、こんどは5>6sにチェンジする際に前のトップギアからチェーン脱落…が頻発。


つまり、前後スプロケ軸間距離がフルサイズモデルより短い=リンク数も少ないため、どうしてもチェーンの左右方向のナナメ傾きは大きくなる。1s時に勝手にミドル側へ落ちたり、5>6sシフト時に勝手にクランク側へ脱落する。薄歯に対してHG50相当のチェーンだと隙間は大きくなりがちで傾きは大きくなりやすい。(カタログ上ではHG50は推奨されているが)…もしかするとクランク軸が低い位置にあるのと、Fディレイラーの枠=ガイドが付いてないので、リアギア変速時のチェーン上下左右揺れで外れやすいのかも…イメージするとわかると思うけど。じっさいに前ディレイラーガイドのような形状の脱落防止装置を取付けてる人もいるようだ。
こればっかりは、アウト側は純正脱落防止リングで防げるが、1s側は使わないようにするもしくは運に任せるしかない。どちらも、変速時にそーーーーっと踏めばたいてい事なきを得る。ネット検索でも、ちょっとチェーンガードつけたぐらいではなかなか解決せず悩んでいる各位も多いようだね。
ヒルクライム奥多摩ステージに参戦するとき軽量化のためトップギアをはずしたらレース中にチェーン外れまくって悲惨な結果だったなんてレポート記事もネット上にはある。なんらかの脱落を防ぐ部品が足りないと頻繁に脱落するということになる。


CBA店員にいわせるとサンツアーはマイナーすぎて過去のものらしい。GIANT製品を安くしている主要パーツなのに…むしろシマノだのカンパしかオススメしない店は売らんかなっぽくて嫌だな…
SRは四角テーパーの中古クランクがネットオークションで出回るので、むしろシティ自転車をイージーにカスタマイズするには向いている。
オートバイだって枯れた旧・小型モデルを安くいじり倒して最新大型オートバイを下りで突っつくのは当たり前のことだ。
高いものを買うなら最初からぜんぶ付いてる高い車種ごと買えばいい。