先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

かっぱ寿司のタッチパネルシステム、あれダメだな…(システムエンジニアの観点から)

http://www.aska-t3.co.jp/product/emenu_kz.html
・直感的では無い
・「〜でよろしいですか」の確認が多い(WEBサイトは見てもらえるのは2クリックまで、の法則が活かされてない)
・お会計>「お会計でよろしいですか? OK」>OK押す、という無駄に多い手順
 (windowsOSじゃないんだから…ラクして気軽に寿司食べに来てるのに、手順を増やして面倒にしてどうするか)


おれはスマホを流行させた立場のシステムエンジニアなのでね。こういう「中途半端な、中小が作ったようなシステム、フロー」はイライラする。
いわば回転寿司むけシステムはニッチで、寡占状態なんだろう。一流インテグレータが絡んでないから使い勝手が悪いまんまだ。


そこへいくと、選挙ITシステムのテラックhttp://www.musashinet.co.jp/department/election/なんかは、なんせ選挙会場が「戦場」だから、全国にいくつ会場があるんだ状態だから…期日前投票のすいてる現場でさえクレームはすぐ飛んでくるので、客も省庁なので、開発側の対応もすさまじく、使い勝手は日々向上している。発券機などハードも進化し故障率が減ってきている。


はま寿司=ゼンショーのタッチパネル・システムも非常に使いづらい。なまじシステムエンジニアなのでアラが見えてしまってイライラする。ここの開発ベンダーはいくら検索しても見つからないな…そうとう零細なんじゃないの?


基本、寿司屋はアフター5や休日に、頭を使わずに気軽に食べたい。
しかし現状の「落第点な寿司屋タッチパネルシステム」たちは、やたらと頭を使わせる。ぼーっとしてると「OKしますか?」の画面がずーっと表示され、新幹線が戻っていかない。
「お会計」を押すと、「お会計しますか?」OKボタンを押さないと店員が来ない。すぐそこにいる店員を呼ぶ方が速い。
こんなもん、『直感的に』『ワンプッシュ』が基本だよ。iphpneアプリや任天堂DS開発なら基本中の基本だ。年寄りにもつらいだろうと思うよあの仕様では。


なんせ寿司屋の社員に、ITのエキスパートなんかいないので、こんなポンコツシステムでもクレームがつかない。
クレームがつかないってことはオカネにならないからニーズが発生しない。システムベンダーも放置プレイでシステムが進化しない。悪循環。


つまり「システムさえ入れたら自己満足」こぞって各企業がフェイスブック導入しました状態。


せめて、こうしたアラには対策がほしいね。
・新幹線(注文品)が来た>「OKボタンを押してください」とアラート音声が流れる
・お会計ボタンを押す>「おあいそでよろしいければOKボタンを押してください」と音声を流す
みたいな。でもこれだと視覚聴覚障害者は結局、店員対応に頼るしか無いけど。
ノーティファイがなかったら、気づかないんだよ。新幹線が戻らないと、次の客の注文が届けられないんだよ。立派にこれはプライマリ・バグ(=初期バグ=イニシャルバグ)だよ。現地リサーチを重ねてないからこんな単純バグが漏れたまんまでフィックスされてない。


以下を開発保守ベンダーにクレームメール

お話にならないと感じています。

よく知らないOSやインターフェースを、よくよく考えながら操作できる、暇や余裕がタップリある人間ばかりではないのです。メシどきというのは。

システムエンジニア、ベンダーの、自己満足の押しつけをしてはならない。
ヒアリング・リサーチの姿勢が足りていない。現場を細かく見ていない。どうせ寿司屋の店員はこまかいクレームなどしてくれるわけが無い。

わたしは若いとき回転寿司でアルバイトしたし、そして大企業本社や中央省庁レベルのSEもやったけれど。そのように感じました。

最近のIT化した寿司屋にいくと、こまごまと頭を使うようになった。なんだかいやになった。インターホンで話せば通じる手軽さが消え失せた。つまり親近感も失せた。
タッチパネルさえあればスゲエと喜ばれると思ってないですか???


こんなハナシを知ってますか?「最近、同僚と話すのは退勤のときだけ」
http://systemincome.com/18174

家族や仲間連れなら会話に欠乏もしないだろうが、ひとりでカウンター客では気まずいというか…緊張感とか神経を使うようなシーンがむしろ増えている。オフィスにいるのと同じストレスや労作が増えている。

SEはシステムだけ見ていればいいのでは無い。人間社会そのものの中でシステムがあるという総合的視野を常に欠かすべきでは無い。でないと売りっぱなしシステム同然ということになる。そういう商材は長続きしない。


日本郵便も、公社からの民営化後に部門が細分化され、(今まで通り)訪問した配達員が田舎の老人世帯の入金出金を代行することさえ、出来なくなって問題視されていた。こういう「困った実態」を拾い上げるのがリサーチである。リサーチを完了しないと要件が定義されない。

http://mainichi.jp/select/news/20120914k0000m020125000c.html
日本郵便新会社:配達員が貯金引き下ろし代行

毎日新聞 2012年09月13日 23時49分(最終更新 09月14日 00時15分)


 日本郵政グループの郵便事業会社と郵便局会社は13日、両社が10月1日に合併して発足する新会社「日本郵便」の新サービスや組織再編計画を発表した。郵便配達員がゆうちょ銀行の利用者から通帳を預かり貯金引き下ろしを代行する事業を始め、利便性向上を目指すのが特徴。

 通帳預かりサービスは全国約2万4000局のうち52局で開始。顧客から貯金の引き下ろしを頼まれた配達員は、通帳を預かって局に持ち帰り、引き継ぎを受けた担当者が下ろした現金と通帳を顧客の自宅などに届ける。

 民営化後、顧客から引き下ろしを頼まれた配達員が局の担当者に連絡する取り次ぎサービスを行ってきた。(共同)


http://www.cas.go.jp/
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/youseikaikaku/dai8/shiryou1.pdf
[PDF]
民営化後の国民利用者等からの主な指摘(問題点)
民営分社化に伴い、郵便の配達担当社員が配達途中に貯金等を預かることが. できなくなった。


http://www.tsushin-bunka.co.jp/?p=1414
通信文化新報 2011年6月13日号
 「利用者として今の郵便局サービスは実に分かりづらい、面倒の一言。かつての集配局の事務室内に仕切りができたが、郵便局はカウンターをはさんで、利用者との間に目には見えない壁ができたようだ」。長崎県対馬市の阿比留光雄市議会議員


http://gendai.ismedia.jp/articles/print/10889
 例えば、津波で浸水被害を受けながら震災11日後に業務を再開した石巻郵便局(宮城県石巻市)には、非常電話が開通した3月末から、郵便の配達状況や受け取り方法を問い合わせる電話が1日最大100件程度寄せられたという。ところが、繰り返されたのは「配達は日本郵便の担当なので、郵便局では分かりません」「同じ郵便なのにどうして」といった押し問答だった。

 二階堂明浩局長によると、同じビルにある日本郵便石巻支店には個人情報保護のため互いに自由に出入りできない規則で、郵便の集配体制に関する情報は入ってこなかった。二階堂局長は「被災して困っている人の力になれなくて歯がゆかった」と語る。

小泉改革が悪いと言い出すのはシステムエンジニア経験が無いシロウトの、カンチガイ発言でしか無くて、
どうせ初期バグはいくつも出るのだから、初期バグのフィックスをするべく細かにリサーチして、再度の要件定義をすることが重要なのだ。いわば引き継ぎがうまくないとだめで、最初から完璧じゃないのは「当たり前」だ。


その意味では今回の日本郵便の一部統合化は正しいバグフィックスであった。


 ◇


追記
それみろ…システムエンジニアをなめんなよ。
大企業の常務専務、へたすりゃ社長(官庁なら局長代理クラスとか)が相手でも、度胸一つでヒアリングしてきたんだからな。

http://www.j-cast.com/2013/04/11172918.html

かっぱ寿司「新幹線」に急ブレーキ 回転寿司「注文派」増加の裏側で…
2013/4/11 15:01


回転寿司大手「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングスが、意外な理由で業績ダウンとなった。ネックとなったのは、同店の看板サービス「新幹線レーン」だ。

2013年4月9日発表された13年度2月期の決算によれば、主力の回転寿司事業の低調が響き、その営業利益は前期比76.1%減の8億100万円、純損失は22億3400万円となった。
「回転寿司ならではの醍醐味見直したい」


回転寿司業界「三強」のかっぱ寿司だが…

その要因の1つが「店舗オペレーションの異常」、すなわち新幹線レーン偏重の問題という。

近年、かっぱ寿司に限らず回転寿司業界では、「回っている寿司」を取るよりも、店側に直接注文する客が増えている。「好きなネタが回っていない」「鮮度の高いネタを食べたい」といった理由からで、マルハニチロホールディングスが3月発表した調査では、「回転優先派」の21.4%に対し、「注文優先派」が61.1%と3倍近い大差をつけた。

こうしたニーズに対応したのが新幹線レーンで、タッチパネルで好きな寿司を注文すると、通常のレーンとは別に設置されたレーンを通って、ダイレクトに商品を届けてくれる。食べたいネタを手軽に食べられると好評で、CMでも大きく紹介されるなどかっぱ寿司「一押し」のサービスだった。

ところが新幹線レーンは1度に1組の客にしか商品を届けることができないため、注文が集中するとたちまち「渋滞」するという難点が。これが「新幹線推し」で顕在化してしまった。対策として同社では従来の回転レーンの充実を目指したが、こちらにも廃棄数の増加という問題があり、こうした課題の解決が遅れたことが、売り上げの低迷につながった。

ある意味では「注文派」増加がもたらしたとも言える今回の業績低下。かっぱ寿司では今後も回転レーン復権を軸に対応を続けていくとのことで、「回転寿司ならではの醍醐味を改めて見直していきたい」(カッパ・クリエイトホールディングスの担当者)と話している。

・よくヒアリングせず、要件定義がお粗末だった開発元
・よくわからないままシステムを導入したお粗末なかっぱ寿司


繰り返すが、おれは高校生のときは回転寿司店員だったし、何年か都心で大手企業や霞ヶ関を巡ってはシステム開発や保守、オンサイトをやってたからね。伊達じゃ無い。