先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

たった6mと言わざるを得ない、福島第一原発の津波。

たった6mと言わざるを得ない、福島第一原発津波
http://www.youtube.com/watch?v=VBWR99hzIAo
この映像でもわかるでしょう。まだ第一波とはいえ、高さ自体はたいしたことではない。
宮城や岩手の港町が飲まれる映像が数多いが、あっちとは比べものにならない低さ。およそ3割。


つまり、まだ原発というのは震源直下の大津波を経験してはいない。


3倍の津波15m、3倍の遡上高45m…建屋の半分以上が津波を受け止めるような環境に置かれる…それが最悪の想定だ。
津波とは、こういうのを言います。http://www.youtube.com/watch?v=VXZs4mos6ow
福島原発のは、いわば中津波だ。
もし福島原発震源直下で15m大津波だったなら、おおくの作業員は溺死して、もっと人材難に陥っていたかもしれない。
なんせあそこは低い…どこにも逃げ場がないのだ。40mちかい津波など。


福島第一の南方10kmにある福島第二、津波1m低く立地は1m高かったが「ギリギリだった」


茨城の東海第二は、さらに低かったがやはり「もうちょっとでアウトだった」
高さ3m遡上高6mぐらい?6mの防波壁のスキマを突破した(高さとしては70cm及ばなかった)と言うから遡上高である。


毎度毎度、津波がくるたびにロシアンルーレット。しかもたった3mの中津波で。震源震度7津波6m以上きたらほぼアウト。


これまで隠蔽されてきた電源喪失も、全国で数度あったという…
というか事故前年の2010にも福島第一の3号機がこれに陥って水位が下がった。


東電は、メルトダウンを確信しながらも報告せず、むざむざ危険な原発へ総理を来させてしまった。
国民にも同じウソで安心させ、もしもっと酷い爆発事故だったなら東京都にいる人々ががブリピャチの悲劇をトレースしかねない状態を作ってしまった。
ブリピャチなどチェルノブイリ原発付近の都市では、、市民たちが火山噴火のような事故の風景を眺めていたのだ。
福島と違い炉心が吹っ飛んで大気開放したあちらでは、ものすごい高放射能汚染が広域にわたり拡散した…2000km先の外国でも千葉の柏みたいな線量が今も出ている。
そうでなくとも、フジテレビの大塚アナの急激な白血病発症による入院は、疑わしきを通り越している…柏市在住、事故後も台場まで通勤。福島応援野菜を常食。


福島原発の炉心がパッカンと割れなかったのは、たまたまでしかない。何もわかってないウチから東電と政府機関は、メルトダウンを隠し、避難もさせなかった。集団避難の計画はしていたと大臣たちは証言するが、おそらく大半の市民はパニックで足止めされて間に合わず高線量被曝していただろう…


原発ムラの「言うに言えない」に甘えた”隠蔽体質”は、深刻どころではない。
そんな臆病者と卑怯者をミックスしたような利権ムラなど、とっとと解体しないと日本という国全体の将来がヤバイ。


たまたまよかったの結果オーライでは済まされない。


 ◇


大飯原発…再稼働騒ぎで揺れている。


地図と
画像で
みてほしい。


・丘陵に三面を包囲され、コの字に砦のようになっている
・残る一面は、外洋を向いている
・つまり外洋からの津波のベクトルがこの一面に向かってまっすぐなら、容易に20〜30mクラスの遡上高になりかねない。(岩手のリアス増幅効果と同じ)
福島原発などと違い、タービン建屋が、原子炉建屋を津波から守る『盾』になるようなレイアウトにはなっていない…どちらも同時に浸水するよう、海に対して『=』列になっている。


大飯原発のすべての原子炉建屋が、球状ドームの高さまで浸水する…そこまでが「最悪の想定」であろう。


統治ポリシーのイロハとして、シビアアクシデント対象の場合、「絶対に大丈夫」だけは言ってはならない。
言ってしまった時点で、絶対的にダメなシビアアクシデントに万一なった際に、なんの備えもしておらず、また…するものと思って無くて現場も社会も大混乱になるからだ。フクイチ原発の教訓そのままなのだよ。
だから再稼働問題で「絶対安全大丈夫」と意固地になって叫ぶ利権連中はもはや、自虐的としか言えない…採用した方法論がすでに間違ってるから。知恵が足りないのだ。


以下は「かなり楽観論に意地になってる」ようにみえるブログであるが…http://d.hatena.ne.jp/satohhide/20120407/1333805562
遡上高とは「海抜+水深」であるから、女川で言えば最高の45mは43m+水深2mといったところか(当然、最後には数cmになって引き返していく…女川原発も1m以下の波が若干浸水していた)。ドームが波を受け流しやすいとか素人じみたことを書いてるが、ドームまで波が届く時点で色々と終わっているのだ。どれだけ高台に新型原発があっても津波遡上高の上ではあまり関係ない…届いてしまえば福島第一に同じ、震源直下なら遡上高は40m超なのは女川が実証済み。
水深何mの遡上津波が、どこへ届くと、何が起きるか…原発プラントは一つ一つが『ワンオフ』なので、個別で全く違い、わからない。震度いくつによって何が起きるかも同様。…スイスの原子力官庁高官もこれについて言及しつつ全廃路線を決定したと述べていた。何が起きるかわからない、対策はコンクリの大がかりな建物なのでものすごく建設工事費用がかかる、年数経過ごとにあらたな問題がみつかってさらに対策費用が…「割に合わない」と結論。
太陽光電池は『クルマみたいな小型の量産品』なのでメンテコストや改良コストが安く、ムーアの法則でどんどん安くなると。だから高官が提示したグラフでは、原発のコスト増は上昇曲線で、太陽光や風力は下降曲線になっていた。


それと忘れてはならないのは「寸断」…福島第一原発サイトには、『何一つ届かなかった』
地震津波による到達不可、震災直後の陸と空の混雑、送電と通信の全途絶(断線や、送電鉄塔倒壊)…
原発が壊れる云々で済むとは、限らない…むしろ大津波レベルの震災では、孤立無援のままSBOが続くとみた方がよいから、SBOでも1週間持ちこたえる「常時廃炉停止」がモアベターである。稼働中ではスクラム停止しても丸一日しかもたず爆発する…DGの燃料も3日ともたないしエンコすることも多いので引き延ばしても1〜2日。例外は多重ベント系統を備え、有事には全開にして炉内を『大気と筒抜けにする』ことだが、そんな設備は国内どこにもない…工事して追加できるものでも無い。現状、国内ほぼすべての原発のベント弁やECCS系弁の開閉ギミックは電磁弁のみで構成され、通電がなくなった時点でバネ式に全閉されるので、内圧や温度の上昇から水素増加=爆発確定となる。


震災直後のフクイチへの物品手配はすべて本店任せにされてしまったが、おかげで余計に、現場を知らない人間が不要なものを送ってきたり、必要なものがこなかったり、誤配したり…ひどかったと。吉田所長の告発。つまり「人災」も多重で尾を引く可能性が高い…これは日本社会の構造問題なので各地でおなじく起きるだろう…


スイスは科学大好きな国で、80年代にはもう原発を積極的に改造していくつもの全電源喪失時の”補完機能”を実装していった(欧米のクルマを日本人が”日本車”として改良していったのと同じ…原発においては逆に、日本は最後の最後まで「つるしのスーツを買っただけ、裾つめもせず着ている」だけだった…。理解しようともせず改造改良もしなかった)たとえばDGのほかに『DGつきの川水取水ポンプ』を2系統追加し、ウェットベントも多重化しつつ除染用の液体化学触媒も添加できる。手動ベント弁のコックは液体の窒素と酸素のボンベを常備し、それによって非電化で作動できる、原発施設周辺にはものすごい豪華装備品や対応マニュアルなどをタンマリ常備した地下倉庫を設置、等々…もはや危機対応オタクのようなスイスの原発事情であった(NHK ETV)。
…全電源喪失はこの80年代のころから「日本を除き」大問題として各国で論議され、独自に改良を加えていた国はいくつかあったのだ。
スイスの技師が東電に「日本も改良しなよ」と提言しても、ニコニコと「いや日本の原発はゼッタイ安全だから、なんにもしなくていいんだ」と拒絶され…


日本のは「原発安全真理教」いわば絶対神の悪口や否定は許されず処刑される国。でも実際はカンタンに爆発事故を起こすヤバイ施設…猿の惑星のラストそのまんまだ。

東京新聞こちら特報部
津波で過酷事故の指摘は”タブー”


元・東電技術者の木村俊雄さんが証言。
「91年10月30日、福島第一原発の1号機タービン建屋から海水が漏水し、地下階の発電機に浸水し故障。原子炉を運転停止した。」


木村「この程度で非常用電源が失われるなら、大津波がくればメルトダウンしないか」
上司「それを業界内で言及するのは”タブー”なんだよ」


スマトラ津波後にもこのことを訴えた。


 ◇


優雅に泳いでるように見えるマガモの政府と東電も、水面下では足をバタバタと…

https://twitter.com/#!/Happy11311/status/195816850892926976
続き2:まだ何で漏れたのかわからないみたいだけど、オイラの勝手な推測だとシステムの圧力と継ぎ手の部材に問題ありそうな気がするでし。淡水化システムも寿命なのかも…元々汚染水処理システムは一年保てばいいって造られてるからなぁ…。


https://twitter.com/#!/Happy11311/status/195816664317689856
ただいまっ(^O^)今日は雨でじっとしてると、ちょっとサブかったでし。今日は朝から汚染水処理設備の淡水化システムでまた水漏れでし。エネルギー回収装置っていう装置の継ぎ手からみたいなんだけどね。装置はハウス内にあって堰からは漏れてないから海には流れてないでしけど…


やる気ナッシング化する前に…
原発作業こそ3K…もろ極道経営の人材派遣のメッカ
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120430/1335716595末尾)

https://twitter.com/#!/Happy11311/status/195477156275568641
続き7:5年間の補償もなく、使い捨てがわかってて1Fにベテラン原発技術者や作業員が集まると思えないんだ。そうなると作業の効率や精度、工程の進捗にかなりの影響が出ると思うんだけど。オイラはいち早く今のうちに技術や1F知識の継承を始めないとダメだと思うよ。


https://twitter.com/#!/Happy11311/status/195476940965167105
続き4:応援に行って100mSv近く被曝した人やそれに近い人達は何の補償もなく従事者登録を解除され、中には仕事出来なくなってる人もいるからね。まぁ東電は元請けさんの中身の事情は知らないって言うとおもうけど。結果的には使い捨てだね。


スイスとドイツは慌てて全廃宣言、
アメリカだけは慌てて新規建設許可(東芝系列のWH社PWR)しつつ「アメリカは勝利する」壇上スピーチ…
言わずものがな。日本の全廃路線が”ほころび”になることを恐れている。ノダちゃんはアメの走狗傀儡。


ドイツの反原発姿勢は徹底している。http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120429/1335631549

https://twitter.com/#!/Happy11311/status/194400357726687232
再稼動の裏にアメリカが絡んでる気がするのはオイラだけかなぁ…。


http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0429.html
2012年5月6日(日) 午前0時50分 再放送
NHK ETV 世界から見た福島原発事故


原発放射能汚染の「素人」で、それに関する才能もない…役人と商売人だけで、物事を決めちゃうからね…しかももっと素人の大衆の意見を取り入れながら…もはやカオスだよ、適当に切った貼ったの。「なにこれ・・・どうしてこうなった」

https://twitter.com/#!/Happy11311/status/194384291659128833
続き5:除染モニタリングもいっぱいやってるけど測定してるのは住居の地面から1mと50cmの高さの線量。生活道路や側溝、森や林、土壌の核種分析なんかやってる気配ないでし。まして本格除染は夏頃からみたいなんだ。で、それより先に警戒区域縮小するみたい。本末転倒だよね。


https://twitter.com/#!/Happy11311/status/194384835542917120
続き6:自治体との調整もつかないし先が見えない。なのに1Fだけスパッと区域縮小対応しようとしてる。問題点の対策も考えずに…。事故後一年のこの状況もしっかり政府や自治体は見て考えなきゃダメだよね。全てが行き当たりばったりなんだもん。事故後の対応対策までしっかり議論して欲しいでし。


 ◇


このエントリー記事を編集をやめて、ちょっとNHK社員のブログを見に行けばこれだ…ほじくりだすと、きりはない。


「福島被災地を、アフリカの飢えに苦しむ遠い土地にするな」


東京社会の変わらぬゼイタク暮らしっぷりを毎日見ていると、すっかりフクシマは「遠い場所のかわいそう」に置換されている…いや郡山や宇都宮でも同じだろう。フクシマでも被災地のみが「遠い空想世界のカワイソウ…空想だから助けには行かなくていい」ものとしてパージされている…被災地以外の大衆みな、潜在的にそういう意識で暮らしている。


だからオレは、今月にでも、飯舘と南相馬をこの目で確認してくる。昨年末は浜通りをJビレッジまでだったから、今度は中通りと山間部と、警戒区域で分断された6号の北側だ。


はっきりいってね、現地を見て、現地民と話してしまうともう、以前の生活や生き方には、戻れないよ。大衆に足りないのは、たったそれだけの経験だ。簡単にできる経験。

http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2012/04/blog-post_14.html
2012年4月13日金曜日
ショッキングな光景


あるお宅では、柿の木の根元が50μSv/h。
去年の秋には20μSvくらいだったのが、
雪融けに伴って放射性物質が濃縮されたのか、
3月に測ったら上がっていたという。


高い場所から渡利地区を見下ろしてみると、
ブルーシートに覆われた塊があることに気がつく。
ここは公務員住宅で、
2棟のアパートを除染して出た廃棄物が、
配管などの関係で埋設できなかったのだろう、
4ヶ所に分けて保管されているのが判る。
各地で除染を見慣れているぼくにとっても、
これはなかなかショッキングな光景に感じられた。


http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2012/04/20msv.html
「年間20mSvでは健康に危険はない」のなら、
「除染」も「移住」も
一部の地域を除けば本来必要がないことになるからだ。
そうなれば、
現在、避難している被災者が、
それほど放射線量が下がっていなくとも
除染の終了を理由に帰宅を迫られることになりかねない。

…危惧は現実のものになりつつある。
この1月から施行されている
放射性物質汚染対処特措法」では、
放射線量の半減」を当面の目標に謳っているはずだが、
国はまるで口を拭ったように
「年間20mSv」で線を引こうという動きを見せている。


http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2012/04/blog-post_15.html
2012年4月15日日曜日


きょうは福島市の南側にある、
弁天山の除染が行われたのを取材した。
きのう書いた渡利地区の中心にある小高い丘で、
プルーム(放射性雲)がぶつかって
放射性物質が周辺に落ちたのだろうか、
現在も高い線量が測定されている地域だ。
除染に参加したのは、
地元・渡利地区の住民に加えて、
遠くは沖縄からやってきたというボランティア、
それに福島県福島市の職員を加えたおよそ400名。


生憎の雨模様だったが、
400人が手分けして山の枯れ葉をかき集めていく。
枯れ葉は集めるが、
土を混ぜないようにとの注意があった。
放射性廃棄物は焼却する予定だかららしい。
焼却温度が摂氏600℃を超えると
セシウムが気化するはずだが、どうしているのか?
周辺の空間線量は毎時2μSvを超えており、かなり高い。


除染の結果、
先週は放射性廃棄物およそ3500袋が発生している。


http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2012/04/blog-post_21.html
南相馬市の石神第一小学校で行われた
児玉龍彦東大教授の講演会を撮影に行く。


先日来このブログにも書いているように、
「除染」は廃棄物の仮置き場問題で座礁している。
しかし、児玉先生は前向きだ。
障害につきあたるのは動き始めている証拠で、
放射能との戦いは
ひとつひとつ障害を乗り越えていく
「ハードル競走みたいなもの」だという。
住民との話し合いのなかでも
終始笑顔でいた先生の明るさが印象的だった。


http://toriiyoshiki.blogspot.jp/2012/04/blog-post_29.html
2012年4月29日日曜日
南相馬 春の哀しみ


Mさんはきょう庭の柿の木を伐った。
幹に放射性物質がこびりついているのが心配だし、
実がなっても食べられる状態ではないので、
思い切って伐ることにしたという。
樹齢は推定60年。
40代半ばのMさんが生まれる前から家にあって、
幼いころは登って遊んだ木だという。
家の宝だった木が切り倒されていく様子には、
端で見ていたぼくも胸が痛んだ。


人が一人もいない、いわきの公園…
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111213/1323731776


 ◇


飯舘村

http://ameblo.jp/nouka-challenge/entry-11229729743.html
原発も同じ人工物


三井化学の工場で爆発。オランダでは列車が衝突。色々な事故があらゆるところで起こっています。これらのリスクは人間の豊かさ?に対する代償なのでしょうか。豊かさとは何かを考えさせられます。

しかし、多くの事故は短時間に収束し、被害も確定し、次善の策を取ることが可能です。それに引き替え原子力事故による厄災は長期に渡り、さらに被害のエリアの広さ、その影響は比較にならないものです。そのようなリスクと引き替えにいったいこの国は何を手に入れるのでしょうか。

(官僚達は何を手に入れるのでしょうか?政治家は何を頂くのでしょうか?天下り先は何を頂くのでしょうか?)


今日は新天地を求めて土地探しです。いい土地が見つかればいいのですが。もちろん購入金は東電と経産省に請求します。政府の出す土地建物、農地、山林に対する賠償の指針が充分なものであることを期待しています。被害を3区分して被害の収束段階を決めたいというのが政府の策略のようですが、短期間で多くのエリアが汚染の低いエリアに指定されていくこととなればそれは東電の賠償逃れを示唆する行為となります。

ストレイト・クーガーの言葉を借りれば…


「消えて無くなるぞ、何もかも」

「ああ、お前は強い、そりゃもう、なかなかのもんだ。
 けどな、腹が減ったらどうする?飯は?服は?寝床は?全て力で奪うのか?
 そうやって、お前が手に入れたもんのおこぼれに群がる馬鹿を従えて、お山の大将気取るのか」
「それとも全部ひとりじめしようとしてテメエを見せつけるか?」


「消えて無くなるぞ、何もかも」