先従隗始・温故知新

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東スポもバカにはできない

http://www.tokyo-sports.co.jp/writer.php?itemid=17686
「きつい言葉だが、現在の日本は核戦争後の世界と言っていい。セシウムで広島型原爆170発分と言われるセシウムが福島第1原発から環境に放出された。土壌、水、空気、食べ物。日本全体が核戦争の後のように汚染されている」
 「もし年間20ミリシーベルトまでは避難させないことになれば、世界標準では革命が起こる」
 いずれも、元ブルガリア原子力安全庁長官ゲオルギ・カスチエフ氏が先週、衆議院第二議員会館で開かれたストレステストに関するセミナーに出席した際の発言である。
 プロフィルによるとカスチエフ氏は国立ウィーン自然資源応用生命科学大学の上席研究員。37年にわたり原子力発電所の運転、管理規制等の技術研究に携わり、1997年から2001年まで、安全庁長官の職に就いていた。東工大客員教授を務めたこともあり、現在は欧州の原発に課されているストレステストの評価にかかわる。
 「放射線医学から言えることは、電離放射線にさらされると、量が少なくても健康被害が起こる。欧州では、原子力施設関係で働く労働者は年間20ミリシーベルトまで、一般の人は年に1ミリシーベルトまでの被ばくしか認められていない。原子力施設の労働者の被ばく線量を国民全体に適用することはあったはならない」
 これがカスチエフ氏の見解。
 ストレステストの有効性については日本でも疑問の声が絶えないが、カスチエフ氏に言わせると、欧州のテストも“茶番”のようだ。
 「対象施設の範囲が狭い」「時間が短い」「基準がない」「独立性がない」「透明性・公開性がない」
 ないないづくしのストレステストで「原発が安全になるわけではない」という。

http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/5719617.html
東京新聞 1月15日

原発を稼働させる条件として導入されたストレステスト(耐性評価)。
だが、お手本とした欧州のストレステストに、多くの問題点が残つていることが、元ブルガリア原子力安全庁長官のゲオルギ・カスチエフ氏後への取材で浮かんだ。

日本政府の一部には、欧州の〝権威〟を借りてストレステストを実施し、脱原発の流れに対抗する動きもあるが、冷や水を浴びせられた形だ。(上野実輝彦)

独立性ある専門家排除

そもそも日本のストレステストは、欧州の元の姿からは、かなりゆがんでいる。
導入を決めた当初は欧州連合(EU) の実績を参考に、より強い地震津波に耐える原発しか残れない厳しいテストが、全原発に課されるはずだった。

ところが、いざ導入の段になると国は、定期検査中の原発が対象の「一次評価」と、すべてを対象にする「二次評価」を策定。
一次評価の方法は二次より簡略化されている上、通れば原発を稼働できるとした。
日本の原発は現在、ほとんどが定期検査中だ。

つまり簡易なテス卜で多くの原発を動かしやすい仕組みに変わったことになる。
そんな思惑は見透かされ、有識者からの意見聴取で異論が相次ぎ、 一次評価は見込みよりかなり遅れている状況だ。

カスチエフ氏は、原発がどの程度の地震津波に耐えられるようにするべきか、欧州各国によって基準、考え方がバラバラなことを問題視。
比較が不可能なテストをしたところで、本当に安全なのか判断はつかないと主張する。

市民の常識に従い判断を

また、ストレステストを担当する専門家や機関は旧来の顔ぶれで、独立性のある専門家や非政府組織(NG0)が排除されている〝ムラ体質〟 にも言及。「テスト結果は必ず『原発は安全』になる。賭けてもいい」と皮肉った。状況は日本にも共通するという。

日本では、電力会社が一次評価で、「今ある指標の一・八倍の地震、四倍の高さの津波まで耐えられる」といった評価結果を国に報告しているが、カスチエフ氏は「この数値をどう受け止めればいいか、誰も何とも言えない」と指摘した。

欧州内部から鳴らされた警鐘に、日本政府はどう答えればいいのか。カスチエフ氏はこう提言する。
「今までの関係者の傲慢とミスが、何十年も続く福島の悲劇を招いた。もっと市民の常識に従って判断することが重要だ」