先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

SHARP 1980 Searcher-XL GF-508ST ラジカセ修理

かいつまんだ経緯はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=9dFR0tjYWBs
最初に動作試験したときは、テープが絡まって大変だった。
汚かったのでとりあえず清掃だけはしまくったが…


いまはテスト&ナラシ再生の期間中。
徐々に、接触部品同士のアタリをつけ、現象を固定化する。
どんな回転機構系の工業製品でもやることだけどね。


現状、ワウが感じられるシチュエーションがたまーにある。
・外国発売のカセットテープ・ソフトウェアなど、回転が重い場合(抵抗がついてる、高トルク)


プラで接して駆動する、テープリールと
そこへゴムで接触して駆動力をかける、アイドラープーリーが
すべってる…高トルク状態になったとたんに。
この機種の持病、キャプスタンシャフトにくっついて、アイドラーを回すゴムが
すっかり溶けて、あちこちにばらまかれ、滑らせていた…
アイドラーのゴムにはすっかりしみこんでしまい、とれないので…


だから、ある一定以上のトルクがかかると、とたんに滑り始める。
バイクのクラッチプレートが交換時期に来ると、高回転高負荷時に滑るのと同じ理屈。


とにかく、あらゆるデータをとり続ける。
正規の修理方法、部品が、失われている以上
あらたな手段、部品は、自分自身で開拓、開発、していくしかない。


ピンチローラーは、最近でも純正部品が出てくる、
『同径のもの』でも流用できると思う。メーカー問わず。


キャプスタンシャフトの駆動ゴムは
ヤマハのオートバイの燃料系ホースを流用した。
耐油材なので溶けはしない。
燃料系なのですこぶる丈夫で変形しにくい。
部番 90445-055E5


当然にこいつはゴムなので、
ゴム同士で接触してるアイドラー相手に滑りはしてない。


贅沢を言えば、アイドラーのゴムも代用品を探してきて交換したい。


本当、車両も家電製品も
つまんない部品が、出なくなって、治せないんだよね…



中野ブロードウェイ周辺であさる…レコードは今でもブームのようだが、
テープはすっかり廃れてる…ヤフオクでも勢い感じないもんな。
おかげで仮面ライダーブラックと、RXぐらいしか買えなかった。RAREにしかなくて、しかも片隅にうち捨てられてて…


ヤフオクって、ほしいのが決まってるときはいいけど
お店で一杯並んでるのを衝動買い、するには不向きすぎてなあ…
アニメばっかじゃなく、ジャズやクラシックも、たまたま通りがかったアイドル系も、というイベント性がない。


舶来(欧州発売)のマドンナのアルバムは、回転抵抗がすごくて再生できず。
やっぱ海外製は、ダメだなあ…
たしか日本のレーベルで出すソフト用のカセットテープって、TDKなど一流メーカーの、相当高級なのを使ってるはず。
だって、もう30年以上になるのに、出力は落ちないし、テープは痛まない延びてない…抵抗もついてない…
同じ年代の、個人向け市販カセットテープなんて、みんな延びるか縮むか湿気でちゃってるよ。
耐久性がよくなってきたのが20年ぐらい前からなんだよね。最盛期。


マドンナについては、ひとつ儀式を忘れていた。
神田大明神にお百度参りを…ってちゃいまんがな!
長年放置で再生されなかったテープはたたり神が…ちゃうねんて、もー!


長年放置のテープは、湿気の変化などにより貼り付き固着傾向が見られることがある。
だから、念のため、再生前に、早送り完了、裏返してまた早送り完了、
そうやってテープ同士を『はがしてやる』のだ。全盛期の頃にそう雑誌で読んで、実践したのを思い出した。
テープ側にも送りの滑車がついてるが、こいつも多少はナラシになるかもしれないね。


…そうしてからまたマドンナ再生…おお、よくなってる。
なんにせよ海外物は、安くするためにテープが安物だったり
海浜倉庫にあったり、船で渡ってきたりと
日本国内生産で、日本国内保管のものとは、かなり環境が違うので…
休眠から起こすときは、一手間以上は必要になるようです。


 ◇


8/20現在まで、一日2時間程度、ナラシ再生。
だんだんと快調になってきた。駆動ゴム類にうっすら付着してぬぐいきれなかった油膜が、切れてきたかも。


テープによっては再生速度が遅いと感じたので、キャプスタン駆動ゴムの代用部品のせいで(外形が純正部品と同じではないから)変わっちゃったかと思ったが
単に、個々のテープの延びの有無のせいかも…仮面ライダーブラックはやや遅く、マドンナは逆にやや速い…

とにかく、音がいい!!!
バブカセや、昨今のデジタルにはない、やさしくも重厚感のあるアナログな音。一流メーカーが、主力商品として製造した機種の音。


ドデカホーンなんて確かに迫力ある音なんだけど
やっぱスピーカ径が小さいから、ポンポンと軽いんだよね。
ボォンボォンと余裕タップリに鳴ってくれない。



書きかけのを放置したのが見つかった…こっちに置いておく。


80年…つまり70〜80年代のど真ん中のラジカセ。


これをレストアし再生してて気づいたこと…音がいい。
音がいい、にも色々なのがあるのだ。いかにもこの時代のストライクゾーンな音の良さ。


当時は娯楽も趣味も限られてて
収入も少なくて、
ホンダカブ12万円の中、6万〜10万もしたのがラジカセだった。まだウォークマンがない…


予算がかかっている。いい部品を使っている。
小型化の波が無く、筐体や重量を大きくとれている。


アコースティックなので、デジタルのキンキン音がしない。
深夜に落ち着いてBGMをかけるにはもってこい。


ほんと、夜はデジタルは勘弁だわー、これ聴いちゃうと、戻れないね。


音質調整も色々なのが装備され
アッテネータ、ラウドネス、高音低音イコライザ、エコーなど…


ちゃんと調整すると、CD音源に慣れてる耳にも違和感ない音質も作れる。
ナンチャッテ音質調整ではない。かなり変わる。つまり予算がかかっている。


世代としては、ドデカホーン末期からなので、(いわゆるバブカセ)
団塊親父世代の高級おもちゃだった、このラジカセには脱帽であり、新たな発見である。