先従隗始・温故知新

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本当にうまい数の子は、誰も食べたことがない

ちょっと大げさながら、そういう感じ。


いわゆる数の子や、明太子やたらこ、梅干しは
「偽物食品」


偽物語のような偽物である。


まず塩漬けにしてしまう。この時点で食べ物としては死んだ。
塩漬けということは塩抜きが必要…これは旨味など栄養素の大半が出て行ってしまう。


まだ梅干しは、香りや酸味が大事だからいいが、塩抜きしないと渋みが抜けないからしょうがないが
たらこや数の子のような卵は、これをやると味は全部飛んでしまう。


塩漬けというのは冷蔵がなかった頃の、流通のための、苦肉の策でしかない。
今の時代にあっては継承するまでもない、欠陥技術だ。地球の裏側からの冷凍輸入品でも非常に鮮度が良い。


だから、ちゃんと味が残っているたらこや数の子は通常、食べられない。
既視感のある塩抜き味付け品しか拝めない。


唯一、
子持ちのにしん、たらを入手できれば、
「味が残ったままの卵」
を食べることができる。


これはもはや珍しい珍味だ。
高級料亭が得意気に「こんなのもあるんですよ」とお出しする領域である。


ためしに角上魚類で、輸入物のロシア子持ちにしん20cmほどのを買ったが
これでも十分にうまい。
卵がちゃんと卵のうまみがある。これこそ自然のままの味だ。やや数の子としては小さいが気にならない。
魚としてはホッケのようで
魚卵としてはししゃものようで
非常にお得感もある。


いちど普通に焼いてしまい
魚卵を取り出して今度はアルミホイル焼きにする。