ITシステムの業界にいたら、いやでもわかるインパクト。
やっぱゲート式って無理があるんだな…あれだと遠い未来にしか完成しない。
想定外の仕様で、機能を絞り込んで実現している。
なにもスパコンじゃなくても、パソコンでも計算させるのって時間かかるもんな。
端的にはウイルス検知とかインデックス作成とか…ああいうのも同じこと。量が多いと恐ろしく時間が掛かる。
いまのスパコンは、パソコンやワークステーションの三桁ぐらい上の計算力ってだけなので…
あとはえんえん何日も高い負荷で計算し続けても熱で参らない設計や装置がついてるだけ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1202M_S4A510C1000000/?df=4
既にグーグルやNASA、米ロッキードマーチンが、D-Waveマシンを様々な用途に使い始めている。
まずD-Waveマシンは、コンピューターではなく「実験装置」である。D-Waveマシンには、プロセッサーもメモリーも、ハードディスクのような外部記憶装置も存在しない。また、D-Waveマシンを利用する際には、問題を解くためのアルゴリズムを開発する必要がない。D-Waveマシンで解けるのは組み合わせ最適化問題だけだが、先に述べたようにその適用範囲は広い。
一方、量子ゲート方式はこれまでのコンピューターと同じでアルゴリズムを開発すれば様々な問題が解ける。しかし量子ゲート方式用のアルゴリズムの開発は難しいため、現時点では「因数分解」のアルゴリズムなどが開発された程度だ。そのため「量子ゲート方式が実現しても、できるようになるのは『暗号解読』ぐらいで、あまり社会の役には立たない」(東工大の西森教授)という。
興味深いのは、D-Waveマシンが実現した背景に、日本の研究や技術の貢献があったことだ。冒頭に述べたとおり、D-Waveマシンは東工大の西森教授が考案した「量子アニーリング」を基に開発された。また、D-Waveマシンで使われている「量子ビット」などの部品の多くが、日本で発明された。
それだけではない。現在、日本の国立情報学研究所(NII)の山本喜久教授の研究チームが、「レーザーネットワーク方式」と呼ぶD-Waveを上回る可能性がある新型量子コンピューターを開発している。来たる量子コンピューターの時代においては、日本こそが、その開発の中心地になる。
(日経コンピュータ 中田敦)
[日経コンピュータ2014年4月17日号の記事を基に再構成]