先従隗始・温故知新

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トミノは30年早すぎたから、注目されたが、苦悩した…


今でこそ、人間物語を軸にしたアニメもけっこうやれないではないが
70年代以降ではまだまだ、玩具販促。


トミノが幸せになるにはむしろ
30年後に生まれて、恵まれた環境の中で埋没していた方が良かったろう。
すでにある環境を駆使できるのはとても幸せなことなのだ。


Zガンダムのなにが不評かって、
暗めのオフィスラブストーリー、あるいは職場の痴話げんかばかりだったからだ。
OLのフォウは頭が痛いと言ってはす早退や無断欠勤…
カツはまるで職場体験の中学生…
難民でもないのに常駐してる幼児二名…
ちっとも必死で生きてる軍隊の一部隊じゃなかった。
よりトミノの意向に沿って作られるとこうなった。中盤から玩具メーカーの都合が入るとカオスになった。
そして玩具販促のためダブルΖへの続投が決まるとゼータキャラは終盤にむやみに皆殺しにされてますます不評となった。


より大戦期を知る年上の世代の結集により玩具アニメとして作られた最初のガンダムの方が戦記として完成していた。打ち切りアニメだから変に続編につながることもなかった。


結局、ゼータで一番不評だったヒューマンドラマ部分が(不評だったのはその一部だが、それが暗さやつまらなさを印象づけたのは事実)
むしろトミノというクリエイターにとっては、やりたいことだった。
和菓子店でムリに洋菓子っぽいのをつくって売ったら不評、みたいな…

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68270320U4A310C1000000/
ガンダム35周年 巨大ロボットの枷があればこそ
「生みの親」富野由悠季氏語る

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2014/3/19 6:30




 ガンダムの人気が続いている理由は、創作した当事者には正直、よく分からない。時代や環境などに感謝するしかない。

とみの・よしゆき 1941年生まれ。アニメーション監督、演出家、作詞家、小説家。日大芸術学部卒。虫プロで「鉄腕アトム」の演出などを手掛けた後、フリーに。ガンダムシリーズ以外にも「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」などを手掛けている。
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とみの・よしゆき 1941年生まれ。アニメーション監督、演出家、作詞家、小説家。日大芸術学部卒。虫プロで「鉄腕アトム」の演出などを手掛けた後、フリーに。ガンダムシリーズ以外にも「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」などを手掛けている。

 ガンダムを作り始めたころは、フリーでテレビ漫画映画(アニメ)の仕事をしていた。本当は(大人向けの実写)映画を作りたくて、どうやって生きていけばいいのか思い悩んでいた。テレビ漫画の世界で自分の作家性を生かすことは難しく、著作権も自分では持てないので収入の面でも楽ではなかった。

 しかもガンダムでは「巨大ロボットもの」という設定がはじめから決まっていた。実は私は「ロボットもの」が嫌いだった。スポンサーである玩具メーカーや広告代理店などから注文がつき、なかなか自由がきかない。ロボットという枷(かせ)の中で、映画が作れるのか。自分にとって映画とは物語なのだが、ロボットでそうしたものを作る能力が自分に果たしてあるのか、疑問だった。


 (93〜94年に放送された「Vガンダム」などのシリーズ作品を作っていた時期は)どうやって、何をして生きていけばいいのかわからなくなり、40〜50代は鬱状態で過ごした。

 文化とは何か、自分は何をなすべきか考えた末、60代に入って、月刊誌「ガンダムエース」(KADOKAWA)で対談を始めた。(宇宙飛行士や歴史学者ホスピスの医師、住職、アスリートなど)文系・理系を問わず毎月、いろいろな人に会った。人に会うからには、その前に調べものをする。これを10年ほど続けたころ、その積み重ねによってようやく「文化」の意味が分かってきたように思えた。


本音を言えば今でも「ロボットもの」は嫌いだが、ロボットものであっても恥ずかしくない作品が作れると今は思える。

そう、彼らにはガンダムの良さは理解できない。
それを見て育った我々だから理解できる。


だから当ブログの筆者は、端的にはUCやBFなどを企画立案し採用され、
中核的なガンダムファンの心を射止めて今に至る。
ヤマト2199に一定のファン層がついてるのもそういうことだ。


 ◇


みんなそろってアニメとかロボットが好きじゃない。
オシゴトでやってる。


だがそういう人だからこそ問題意識を持つ。
アニメが好きでアニメーターになると、現状満足で、いい作品が作れない。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO41958800Z20C12A5HP0A00/
大河原邦男


 「アニメとしてのガンダムは、近未来のストーリーをリアルに設定することで視聴者の年齢層を引き上げた。メカデザインでも同様に、大人が納得できるものを追求した。それまでのロボットは円柱や角柱のパーツを組み立てただけ。私は筋肉の盛り上がりを付けて人らしくしたり、鉄砲を本物の兵器らしくしたりとリアリズムを盛り込んだ」

 ガンダムで最も露出が多いのは当然ながら主人公のMSだが、実は大河原氏が思い通りにデザインの筆を振るえたのは悪役だった。

 「どんな作品でも、悪役のメカへの思い入れが強い。正義の味方は『玩具等で商品化しやすいように』というスポンサーの意向など、いろいろな制約がつくから。ガンダムで一番好きなメカは、悪役であるジオン軍のザク。30歳のときに1週間で書き上げた。富野由悠季監督からは目の部分だけ指示を受けたが、ほかは比較的自由にデザインできた。ジオンは第2次大戦中のドイツ軍をテーマに、主役のガンダムよりもミリタリズムあふれるデザインにしようと決めていた」