先従隗始・温故知新

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ゴアテックス雨具を修理 リペアシート


GORETEX雨具が修理できる日が来るとは…
むかしからリペアシートはあったけど、
ちょっとした穴だけかと思ってたら、
さいきんはブログも増えてるから、もっと大がかりに使ってる実例が多くてびっくり。


20年のストームクルーザー歴だけど
初の修理だわ…
これで1セット10年使えるかな。山岳用にはほとんど使わないから。


ただまあ画像に書いたけど
大変だよ。
ちょっと平面を貼るのは簡単だけど、それでも大きなパッチはどこかが溶けて無くてベロンとはがれたりする。
まして股下なんて…立体裁断な部分は地獄です。
シワにむかってアイロンコテをぶっさすようにして、しわへむかってシートを伸ばす…で貼り合わせる。
まぁ、やってみりゃわかる。不器用な人は確実に失敗する。工業系実務経験が無いとか工作が苦手という人はやめた方がいい。


オートバイで転倒した1セットと、老朽化したもう1セットと、
モンベルストアで買った4枚でなんとか。
単価500円だから割ると500円平均だけど、かたほうはオートバイ転倒で面積が大きいので7:3、あるいは8:2かもしれない。


いちばんまっさきに壊れる首肩のところのシームテープもやった。むろん股下も両方ともやった。
ただあたらしいほうははがれたてなので、アイロンかけるだけで残ってるノリで貼れた。



 ◇


きょうはせっかく雨模様なのでさっそく出かけてみたが
小雨なのでぜんぜぬれない…
ゴアテックスの本領発揮はせめて本降り、できればゲリラ豪雨ぐらいでないと…


すくなくとも、もうすぐ10年になるストームクルーザーは、小雨程度なら雨具になる。
完全にはがれてた首肩と股のシームテープ部分の補修、ところどころあいた穴ふさぎ、
これだけでもかなり。
雨具として復活…かつて震災年にこの上下でオートバイで大阪まで行って、その帰りに降られてずぶ濡れになった頃のようなひどい状態ではない。その状態で伊勢参りして夜に豊川の外れのコインランドリーで洗濯して乾かして徹夜運転でたぬきが飛び出してくる箱根R1越えて夜明け頃に神奈川東京入りして帰宅した…ハードタイトスケジュール。
あのぐらいざーざー降られたときにどうなるか、これからテストしてみないと。


10年ものでなんどか洗濯もしたのに、新聞配達で酷使した時期もあるのに、まだ表面の撥水効果が残っている。
ただシームテープを維持するためには洗濯機はやめよう。
お湯の手洗いで汗や油脂が落ちればいいのだから…


きょうは小雨なのでN95マスクをして出かけられた。
これが本降りだとマスクにビニールをかぶせる手間が増える。
出先は花粉生産地帯…杉の生い茂る山々だったが
ぜんぜん平気。
とはいえ、風もないし雨も降ってるからメガネしなくても目もかゆくないけれど。
晴れて風がある日はメガネしないとその場で悶絶することになる。山の中では水道もないし…
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20140307/1394109443


2014/03/21
さっそくボタンが取れてるのでイオン浦和美園までいってつけてもらう。
モンベル製品はこういうのは無料だ。山岳用品はぼったくって儲かってるからな。
モンベルストアによって、ボタンつけマシンがあったり無かったりするので電話で事前確認。渋谷と恵比寿と茅ヶ崎にはあるそうだ。基本的に、預かりで本部へ送ってつけるようだ。


人が見ればゴミのような2004モデル2005年購入…すでに10年が見えてるぼろきれ…
しかしリペアシートにより雨具性能は復活済み…スコールでもなければ大丈夫だし、むしろビギナーのへたくそな着こなしでスコールになったら新品でも浸水させるだろう…
スポーツ自転車でかっ飛ばしていくので、着ていくしかない。貧乏たらしい格好だけどしょうが無い。幸いに突風で北風なのでこの服装で最適だったが…しかも途中、袖をコンクリ壁にこすったり、突風で交差点停止中にひっくりかえって背中を打ったり…
でもね、ストームクルーザーだからこのぐらいなんということはない…こすったとか、立ちゴケぐらいじゃ。なんせ豪雪のあとですべりやすい国道299で見事にオートバイ転倒して滑走したのに、それでもそんなに破れなかったんだ。外装が丈夫でメンブレンに届かない。
聞けばゴアテックスメンブレンじたいに経年劣化はないそうだから…
だがしかし、防水ファスナー採用でさらに薄く軽くなった近年の2009モデル以降のストームクルーザーは駄目だな…穴も空きやすいしシームテープ耐久性も弱くなったよ。硬い生地になったので織物みたいにゴワゴワするので一カ所に負荷が集中するのかも。


店員に聞いてみたが、ストームクルーザーはライトなトレッキングまでだという…残雪まで。
ハードな雪山縦走なんてなったら専用ウェアじゃないと、丈夫さが足りず、脇の下のベンチレーションもなく、雪上を滑落したときに摩擦で止まるような生地も使ってないんだと。
まぁとにかく、10ねんたってもギリギリ使えるストームクルーザーの外装ファブリック…非常に長年耐久性が良い(防水ファスナー採用前のモデル)。アシックスのタラスブルバは3年もするとぼろぼろに崩れてきたが…剥離したり。
ストームクルーザーでも90年代のはやはり外装5年がギリギリだったが、ゼロ年代からやけに寿命が延びた感じ…おそらく90年代のストームの外装の品質でレインダンサーを作ってるのかもね。
ゴアテックスに迫る性能のメンブレンを採用した安価な雨具の弱点はまさに外装の経年劣化の早さだ。…まぁこのへんはモンベル同士なら緩和されそうだけど。


2014/03/27
少々まとまった降雨だったので朝から出かけてホットテスト=実地試験。


30分で霧雨になってしまったが…
上着
・右肘と右袖口付近がウッスラ漏れ、左も袖口付近じんわり
アンダー
・どっか漏れてるの?これ


ウォークだとオートバイと違ってパンツは上着が傘になって隠れてしまうので濡れにくい…
やはりコールドテスト=風呂場でシャワー浴びるしかなさそうだ。


…このように少々にじむ程度では、
やっすい雨具の新品よりもはるかに性能がいい。10年目の穴ふさぎ補修済みゴアテックスのほうが。
やすい雨具は
・すぐ穴あく(ちょっとこすったりころぶと)
・すぐ蒸れて結露
いわば地獄の環境だ。着る意味があるのか疑う。


ゴアテックスはとにかく蒸れない。
経年劣化でピンホールが増えてなお、
新品で結露や穿孔で濡れてくるやっすい雨具よりはるかにいい。


なにより、オートバイ使用であれば、雨が止むと風が当たることですぐ乾く…
「速乾性」は登山具がもっとも追求する性能…


コストだって、
新品で3万円で買っても(型落ちなんかは安いからね…)、10年で割れば3千円、やっすい雨具を毎年買い換えるに等しい。10年目にリペアシート500円を2〜3枚使ったところでどうという出費ではない。


結局、トータルで見れば、10年でも15年でも、リペアシートで補修してゴアテックス雨具を使うほうが良い。
性能はいいし、丈夫で長持ち。ただしストームクルーザーのグレードに限る…レインダンサーは耐衝撃性と耐久性が劣るという。


ただしこうした運用は、バリバリの上級の登山では禁忌だ。


モーターレースでは、新しい車両の性能を最大限フルに活用するように、(勝てないし、あぶない)
人命救助でもおなじ運用が必要であるように、(ミイラ取りがミイラの防止)
生死が伴うような2000m以上の冒険的な登山では、
新しいうちの性能が損なわれていない、メンテナンスがバッチリの雨具を持参しないと「死ぬ」


じっさい、寒いシーズンにパーティが悪天候で遭難したときに、状態が劣る古い雨具だったメンバーだけが死亡したという話もある。いちどなんらかの条件で濡れてしまうと震えながら息を引き取るしかなくて。ダウンやソフトシェルも全部中綿が濡れてくるんで。仲間は何も分けてあげられないからね…


…素人、山ガールふぜいは、たとえ低山で高尾山とかで日帰りピクニック気分でも、同じことが言える。つまんないところで迷って遭難して一夜とか1週間とか孤独にサバイバルを余儀なくされた時に、雨具のコンディションが生死や健康度を分ける…チョコや焼肉のタレを持ってるかどうか以前に。そして雨具の正しい着こなし方を知ってるか否かでも濡れ方が違ってくる。


そういうわけでうちの2004モデル2005使用開始のやつは
小型二輪までのオートバイで使うとか、近所の里山の散歩までの使用において、あと数年使う予定です。


写真写りがいいが、けっこうボロだよ。オートバイ通勤や新聞配達で使ってたし。


…昼食後、午後はコールドテスト。いわばラボ内での設備実験=浴室でシャワー浴びるテスト…


やや条件はハード、
通常のシャワー水量で、5分間、5cm以内にシャワーヘッドをアテて、順番に全面余さず、じゃぶじゃぶかける。
いわば「夕立には対応できることのテスト」


結果は予想より上々。
もっと露骨に漏れると思ったがぞれはゼロ。
スローな『ゆったりニジミ』は、どうしても10年ものだから生産時のシームテープには所々見られる。
だがそれは4〜8時間にわたって大雨の中を着続けて差が出てくる範囲。
そこまで悪条件だと、ウッカリ水滴の侵入を許しての濡れ、結露が進んでの濡れ、とは区別がつかない。
新品でもその要因で段々と濡れてくる。


やや速いニジミが見受けられたのは、
リペアシート=シームテープと同じシートを貼り付けた部分が
・つくろい縫製による立体的歪みやシワ、生地の経年伸び、などにより…シワのままアイロンパッチしてしまって浸水経路となってる(貼り増すと解決)
・オートバイの転倒や毎日の配達業務のダメージ範囲にあって、リペアシートで覆った範囲が足りなくてまだピンホールが残ってた(貼り増すと解決)
場合であった。
(先月のオートバイ転倒は、上着は2004、アンダーは新しい2009の方、という組み合わせ)


濡れ具合の変化は、唇で検査するとよく分かる。鼻で嗅いでも湿度の違いは読み取れる。
濡れてるように見えても、汗や自動車油脂などによってテカってる場合もありこれは乾燥しても残る油紙状態。


それでも、
・5分間シャワー
・10分間放置して待ってから脱衣(染みこみを期待して、また手足をよく拭いて脱ぐ際に内側を濡らさぬよう)
を経て脱いでからインナーウェアをチェックしたが
ほっとんど濡れてなかった。右肘一箇所と、新品でも濡れてしまう腕の袖口だけ。


オートバイだと風圧と水圧が増すので、まとまった雨であれば浸水は進むだろう。5時間以上は厳しそう。まして高速道を走る中型以上であれば使うのは現実的ではない。


ただ、震災後の線量調査のためその年の11月に大阪までオートバイで道中を測定してあるき
帰路に甲賀で降ってきてやむなく野宿、朝になっても降ってて伊勢参りに行く道中もやまずにどんどん浸水してきて…一日中ずぶ濡れ。なんせ首肩部のシームテープは完全に剥離して、『ただの衣服』になってたからね。
あの地獄からは完全に解放され
「こいつは雨具へ戻った」
のを実感。しばらくウインドブレーカーとして使ってたんだが…


首肩部がニジミのようにみえるが、これは定番の「長年放置プレイで、汗の油脂が定着したもの」
ここは見ての通り厳重に再シールしたのでぜんぜん漏れない。古いゴア雨具はここさえふさげばかなり回復する。
まだ微妙に漏れる部分は、コンクリートにも書ける多用途マジックで再度シールする範囲の印を書いておく。


そこらの、生徒の自転車通学や誘導警備員の、安い雨具の新品より
300%は性能がいい。現時点でも。通常の3倍である。
ましてポンチョなんて飾りですよ、通勤通学警備員の人たちにはそれがわからんのです。


あんまりにも中の人は濡れなかったので
こうして、テストが終わってすぐ浴室より出てきて入力している。
モンベルゴアテックスはバケモノか!



めでたく古いサブのウェアはテスト終了。
引き続き、夕方はメインのウェアをテスト。2009モデルで実質2010運用開始。
さすがに新しいぶん、撥水性は生きており、おなじシャワーを浴びても内側の湿り気は殆ど無い。こいつは配達など業務では使ってないんでね、劣化は余り進んでない。
上着は、首肩部のシームテープをアイロンしなおしただけのものだが合格。シートでの補修不要。


アンダーは…前述のとおり先月に国道299で転倒して引きずったやつなのですこしダメージは大きい。
かけはぎ縫いするような大穴は余り開いてないが、きょう新たに見つかったピンホールが転倒側の右足スソ15,左足スソ8
現行型はメンブレンをカバーする生地が薄くなってるのですぐピンホールが開く。滑落や転倒では即だめ=要パッチ補修になると思っていい。


それでも、シャワーを容赦なくジャブジャブした割には、ぜんぜんしみたり濡れてなかった。
撥水効果の残存が、いかに浸潤を防ぐかがよく分かる。
股下も、オートバイや自転車で座る使い方だと、すぐシームテープが剥がれたり、最悪はメンブレンがビリリと裂けたりまでするが、その補修でかなりワイドにリペアシートで塞いだのもあり、肉薄でシャワーあてまくったけども全然にじまず。シーリングって大事だね…


自転車オートバイでの使用は、専用モデルのパンツを買う方がいい。
それ専用の補強や強度や形状が実装されてるから。
座面に座る用途としては、ストームクルーザーなど登山系のパンツは弱すぎる。
岩に腰掛けるときは気をつけないとピンホールができちゃうよ。股も開かないようにね。
高速道を走る中型以上オートバイには、上着もバックルで閉めてコンパクトに出来るものじゃないと風圧が厳しかろう…凧みたいになって速度も伸びないし、バタバタし続けるからすぐ上着も駄目になる。


 ◇


最後に、アイロンがけのコツを…


説明書には「布を当ててからかける」とあるが、これだと熱が伝わりきらず、溶けないで貼れてない部分が出てくる。
まして雨具は立体的なので、コテをかなり押し込まないとすべての面を貼れない。
股下は四方へ延びてフリルみたいにビラビラになってるし…首肩部シームテープ接着面も、もとより凸凹してるし…ラクなのは平面のままのスソと袖ぐらい。
補修シートを切るときの大きさや形状=余白は、メーカー生産時のシームテープの貼り合わせ方を参考にする。


おそらくメーカーには、生産時や補修時のために、マネキン人形のような立体アイロン台があるはずだ。
アイロンのコテもかなり細い小さいのを使うのだろう。
家庭のアイロンとアイロン台より、はるかにラクしてる。


イレギュラーな手順だが
・まず布を当てて、指定温度で15秒(これは予熱)
・布を外して、油煙が出ない程度に10〜20秒でゴシゴシして圧着して、具合を見ながら適宜調整していく(ここを力強くやらないとダメ、アイロン後のプレスみたいに)
そう、溶着シールは温度が高過ぎると成分が蒸発する…吸っても無害ではなさそうだ。
ベタベタにこれが溶けるほど、煙が立つほど過熱するのはやり過ぎなので、しばらく休める。
へたすると正常なシームテープまで溶けてはがれちゃう。


アイロンを外したら、場所によってはさらに、指で強く押し込んでプレスする。
形状がめまぐるしく変化する細かい部分は、こうしないと不安。最終検査で貼れてないことが判明すること多い。


この、スレスレの厳しい貼り付け方じゃないと、どうもちゃんと貼れてくれない。
最終検査をするとどっかがベロンとはがれる。大きなパッチの場合も貼り残しが出やすい。
溶着成分がちゃんと溶けて固まると少し硬くなるのと、そこは貼り合わせのため薄くなるので、貼れてない部分との見分けはつく。
というかもんでみたら、貼れてない部分はすぐ浮くけどね。
激しくもんで剥がれるようではどのみち意味が無いので、少々強くもんでしまう。