先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

世界の破壊者ディケイド=スティーブ・ジョブズ

おれはまさに、メインフレームワークステーションが淘汰されゆくデータセンターに勤務していたからね。実物を触って運用しており、新旧両方の部署を巡った。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35120
コンピューター業界の破壊的イノベーション

 「2種類の破壊的イノベーション」という視点から、コンピューターの世界を見てみよう(図2)。
図2 コンピューター業界の破壊的イノベーション

 まず、IBMメインフレーム市場を作り出し、世界市場を独占した。コンピューターが初めて世の中に登場した頃、IBM会長のトーマス・M・ワトソンは、「世界で、コンピューターの需要は5台ぐらいだと思う」と言った。また、メインフレームの次に登場したミニコンの時代に、DEC社長のケン・オルセンは、「個人が家庭にコンピューターを持つ理由など見当たらない」と断言した。

 ところが、1977年に、スティーブ・ジョブズスティーブ・ウォズニアックが、ガレージでアップルIIを作り、売り出したことから、パーソナルコンピューター(PC)の時代が幕を開けた。コンピューターのユーザーは、企業から個人へ移った。今まで無消費者だった個人が、PCの主流顧客となったのである。これは新市場型破壊と言っていいだろう。メインフレームメーカーの多くが撤退し、ミニコンメーカーはもはや1社も残っていない。


 ジョブズ率いるアップルがスマートフォンiPhone」とタブレット端末「iPad」を発売した。これは、従来の高性能PCに対する新市場型破壊となった。PCが仕事のためのツールだとすれば、スマホタブレットは、老若男女が何時でもどこでも、楽しみ、役に立つ、いわば生活のツールとなった。その結果、2011年には、販売台数において、スマホタブレットがPCを上回った。

 スマホタブレットの普及により、最も慌てているのはインテルであろう。これまでプロセッサ市場において、世界シェア8割以上を独占してきたが、スマホタブレットプロセッサーには、全く食い込めていないからだ。


中国・山東省で普及している低速EVの衝撃


中国・山東省にはクルマ統計には現れてこない新たなカテゴリーの電動車が相当数、普及しているという(『中国自動車市場のボリュームゾーン』2011年、昭和堂)。それは、最高速度が時速50キロメートル程度であることから、「低速EV」と呼ばれている。

 低速EVは、高級なリチウムイオン電池ではなく鉛酸電池を使うことから、1回の充電で50〜100キロメートルしか走れない。乗り心地も悪く、安全対策も不十分である。しかし、ナンバープレートなし(届け出なし)、よって税金なし、免許も保険も必要なし。ランニングコストはガソリン車の10分の1。価格は10万〜50万円と激安である。


いわばゴルフ場のEVだよね。
「あんなもの」と日本人や日本企業が思うような、貧乏くさいツールほど、これからははやる。


なぜなら「貧乏人がデフレ競争に勝つグローバル時代」だから、金持ち日本は勝てない。


・ドイツは日本と同じハード製造立国だが、国境や陸地でつながった客先の相手国が取り囲んでおり輸送が容易だ。そしてまさにEUの盟主なのである。
・日本は…東アジアにたいした市場は無くて、東南アジアが主たる販路だから、運ぶにも遠く、現地企業化になってしまう=日本の各地域には雇用も税収も無くなる。どこの盟主にもなれない。あえていえば、基軸通貨ドルおよびユーロが不安安になった際の「臨時基軸通貨」として円高になる、あんまりおいしくない副・盟主かな。

 エルピーダが経営破綻した。ルネサスの苦戦も漏れ聞こえてくる。ソニーパナソニック、シャープは3社合計で1兆7000億円もの損失を計上し、いずれも社長が交代した。日本の半導体と電機は大崩壊した。

 日本製造業のもう1つの柱であるクルマ産業がもし崩壊したら、日本という国自体が成り立たなくなるのではないか(昨年31年ぶりに貿易赤字に転落し、黒字化の見通しは立たない)。

 いつも、日本の技術は、韓国、台湾、そして中国に真似されてばかりである。そして苦境に陥っているのだ。低速EVは、中国初のアイデアかも知れないが、今回は、日本がやり返すチャンスである。日本発の破壊的イノベーション創出に期待したい。