先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

雨どいホットスポット考察

・ビル屋上で、つまり地中浸透がみじんもなく地面に薄い膜となって集中してる場合、このような乖離した数値が出る
http://www.youtube.com/watch?v=G1Rh8Tak65c
遮蔽0.5
遮蔽なし同距離12=約24倍
遮蔽なし密着=さらに約2.5倍


ただ、これはあくまでビル屋上などの『非常に希有な条件』。


実際に多いのは、土壌(はだか地面)へ垂れ流している雨どいスポット。
・地中何cmに、どれだけのセシウムがあるかは不明
・その実情に応じて、遮蔽後と遮蔽前の差が関数的に決まるが、測ってみるまではわからない。
(遮蔽率(数値の差分)を、遮蔽有り計測となし計測ともに行うことで割り出し、土中のセシウム分布を類推していく手順…これは土壌撤去除染を計画するのに役立つ)


関数の話をするとややこしくなるので、基本的に、ガイガーは面倒だから使わずシンチレータを使おうかという話なのは頷ける。
他方、遮蔽板を工夫すればいいだけという話もある。


遮蔽板が無いと駄目だ的な、抗争で勝つ負けるの鼻息の荒い話はどうでもよくて…


このように、
http://hakatte.jp/spot/19231
スポットの固有条件次第ではシンチよりガイガーのほうが値が低くなりさえする「関数の幅広さ、固有性」のほうが懸念だ。


世田谷パワーラークスのホットスポットでは線源が地中深く、
どの測定器の数値もほぼ同じだった。


北区の場合も、北区の計測方法はまだ不明ながら、0.8というから2倍程度か、または同じ値だ。(1μと2μの2本の雨どいがあり、どっちを測ったのか不明…地表ベタ付けか数cm離してか否かも)
Soeks01Mによる私の計測と、
アロカ172Bによる北区の計測は、
ほぼ同じ数値だった。
私が地面密着で最大1.26最小が0.9ぐらい。
北区は地表5cmで5回の平均0.80。

**様からの再質問にについて回答いたします。
①測定機器は、「日立アロカメディカル社製シンチレーション式サーベイメータTCS172−B」です。
②最大毎時0.80マイクロシーベルトの空間放射線量を測定した場所は、
町会事務所手前(明治通り側)の雨どい出口、地上から5㎝の高さです。
③測定場所は、雨どい出口が4ヶ所ありましたので、各地点で、地上5㎝及び1mの高さを測定しました。
地上から離れているので、紙やビニール等は敷いていません。
また測定方法は、30秒ごとに5回測定し平均値を算出しております。


(問合せ先)まちづくり部道路公園課公園河川係

同じ条件っぽいのがこの数値。

2011/7/1計測
(長沼地区某所・雨どい出口、落ち葉が溜まっている条件)
・アルミテープ(ジップロック内)・・・32.2μSv/h
・2mmケース(同上)・・・・・・17.2μSv/h
・3mmケース(同上)・・・・・・17.1μSv/h
・4mmケース(同上)・・・・・・17.4μSv/h
条件・表面より5cmで5回計測、1計測に0.772係数を掛け平均化した数値。
http://www.youtube.com/watch?v=P6xbvk2eX6k

2倍にもなっていない。
(0.772というのはコバルト>セシウム換算の誤った算出…実際はSoekはセシウム校正なので不要だが、β比率は計算後でも変わらないので問題なし)
(素人製作のアルミ遮蔽板に隙間が多いので、漏れてる可能性もゼロでは無い…メーカー企業がつくってテストして性能を保証してるわけでは無い)



で上の動画の、ビル屋上雨どいの場合、遮蔽有り無し距離は同じで24倍、地表ベタ付けだとさらに2.5倍ほど。桁違いだ。


線源の状態や位置によって、倍数が全然変わってくる。
ビル屋上のコンクリ面(防水塗装済)ならセシウムは下敷きみたいに薄く全量固まって集まってるが、


土壌の場合は地中深くに散漫と存在してることだろう…土自体がβ線を遮蔽しているので増幅率が低い…世田谷区の件と同じだ。
地中深くにあればあるほどβ線は遮断され、β線率が低くなる…これが固有条件と言うことだ。



http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111115/1321284265
とりあえずこの北区の測定方法を問合わせ中なので、
それ次第で、今後の遮蔽手段の詳細を詰めていこうと思う。


 ◇


で早速、即席の遮蔽板を自作。


アルミ箔のみ、作業時間15分 笑…
踏みつけてつぶすのが時間かかる。ケガもせず工具も不要ですぐ作れて、素人向きだろう。


コツ、要点は、とにかくつぶして厚みを計算値に近づけること。線量は、距離が開くと落ちてしまうからだ。


いつものアルミ箔。
厚みはJIS規格のためか各社とも0.011mm。
47回折り返し(途中で無くなったーーー!)、4重にたたむ。計算上は2.1mmぐらいで、ノギス実測2.2mm…セシウムβ遮蔽には理論上ほぼ完璧な厚み。


仕上げにSoeksを遮蔽板はさんでとにかく机に押しつけて
さらに潰していく。箔なので隙あらば浮いてきて厚みが増えてしまう。強い折り癖をつけるとこれが軽減される。Soeksを押しつければピッタリサイズで形状加工できる。


製造加工職人経験上、業界常識上、電子機器にとって、サスペンションは重要だ。
バイクや車の電子ユニットが、このサスペンションの有無や性能次第で部品が割れて壊れる。
なのでアルミ箔は、いわば天然のサスペンションなので、
板もの一枚でつくるアルミ遮蔽板よりも柔らかく、機器を保護してくれる。
逆に、硬い一枚板のアルミ板だと、機器に過剰に衝撃…一次衝撃と二次衝撃を与えてしまい、早急に壊す可能性がある。


実験は例によってコールマン社のマントル、トリウム233線源。


遮蔽なしで密着:約8μ(7.7平均)
遮蔽有り   :約1μ(0.9)
遮蔽なし同距離:約7μ(6.8)


同距離の場合、β線
線源に、密着<>2mm離れでは、数値は1割強しか落ちないようだ。
遮蔽によって1/8になる。8倍強の増幅率と言うこと。


遮蔽板が左側重点的になってるのは、この機器のGM管収納位置だからだ。
面線源が相手ならともかく、点線源ならこれで十分だよ。
相手は雨どいだからね…


参考
http://www.youtube.com/watch?v=dlxHYnapPtQ
http://www.mikage.to/radiation/ecotest_terrap.html
トリウムでもセシウムでも、テスト線源の増幅率は
Soeks、TERRA、RADEXのSBM管…6〜8倍(何事にも例外はある…
冒頭の動画の通り、条件次第では25倍近くも)
inspectorなどパンケーキLND7317…30〜40倍
以上、見かけた報告例の値。


 ◇


…さて、さっそく、これまで計測してきた地点で、
遮蔽板2点のテストを敢行…


土壌垂れ流し雨どいゆえに、高線量になってしまってる地表面の点線源ホットスポット
どのぐらい地中深く潜ってるのか、このテストで判明する。β線比率が全然変わるからだ。


結果、アルミホイル遮蔽板でも、板もの遮蔽板でも、
厚みが同じなら性能は一緒。
素人が自作するならアルミホイルの方がいいよ、形状加工が自由度高いし。
汚れたら捨ててまた作れるし。燃えるゴミだし。材料やすいし。
折り紙ができるなら誰でも作れる。


【結論】
どこで測ってみても…遮蔽板が無くてもあっても同じ。
つまり、今まで私が推測してた以上に、実際は地中深くにあったのだ、セシウム粒子は。


だからβ線は大半が地中で遮蔽されている…遮蔽板追加が意味をなさない。
むろん、たまーーーにはそうでないスポットもあるだろうが、
土壌とは基本的に、水も、粉塵も、染み渡っていくもの…
防水性の高い浸透性の低いコンクリ面でも無い限り、地表面だけにセシウムが集まることは無いとみてよさそう。


以下は、東村山の金山神社での再計測テスト。
(前回はこちらhttp://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111026/1319581243
ものの見事に、全然数値が変化しない…むしろ核崩壊の気まぐれで、遮蔽ありのほうが高くなることも…


雨どい線源は、点線源だ。広い苔むした地帯全部が線源であるような面線源では無い。


でSoeks線量計は筒型ガイガー管である…つまり筒の円の部分から放射線を拾っている。両端の平面が担う役割は小さい。
だから、この遮蔽板はいずれもその両端だけはむき出しだが、影響は小さい。
だから「ここのせいで線量が変わらないんだろう」といいがかりをつければ「じゃあ、なんで減衰じゃなくて、全然変わらないんだ?」と論破される。


世田谷の地中深くのラジウム線源の時とおなじ感じがする。
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111101/1320078941
あそこでは、アロカ172もISTもインスペクターもTERRAもSoeksも、
示す数値はほぼ一緒だった。β線が地中で遮蔽されてしまい皆無だから。
核種同定をおねがいしてた首都大の教授が「ここ2μはあるよ、君よく見つけたね」と言い、
Soeksのおれがきちんと確認計測するとなるほどほぼ2μで
測りにきてたインスペの人が測ってもやはり2μ前後。


少なくとも、私が重点的にやっている
『たれがなし式雨どいの出口が土壌』
という条件のホットスポット探しでは、あまりβ線は気にしなくていいみたい。油断は禁物とはいえ。