見ていてつまんないもんな。オチは「ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマル アドベンチャー」
日テレで、先週がハウルで今週がマーニーだから、まるで罰ゲーム…東大生と帝大生を並べられてしまってるかのような。
キャラデザインはともかく
構図が良くない。
グリグリとモリモリとどんどん構図が変化…しない。退屈な止め絵、固定アングルがいつまでもつづく。図面屋みたいだ。
宮粼駿が雪の女王に影響を受けた…しかし弟子にはその体験はない。http://www.ghibli-museum.jp/snowqueen/interview/miyazakihayao/ http://matome.naver.jp/odai/2138126139647046001
ダイナミックな動画ができるのは、ジブリでは宮粼駿たったひとりだったわけだ。
米林宏昌は、劣化版・宮粼駿にすらなれなかったから
スズキはジブリを潰す決断をした。
はっきりいってジブリを出れば「ただの普通のアニメーター」だろう…
マーニーのようなネタは星の数ほど類似例、先例があって…
のんのんびより、も単回で同じエピソードがあったし。
原作は英国文学なので、色々と無理があるよね…
感性や気性の違いもあるし。
そもそも英国人=サクソン人は金髪じゃないし…カッパーが多いから。
つまり、ジャパナイズアレンジをする際にこそ、米林監督のセンスが出てしまう。どうもアレンジは十分じゃない。
◇
いっそこういう企画だったなら…
「思い出にしたいドリル」
遠坂凛は、ドリル金髪と出くわすたびに大げんか…夜の城、湖畔のボート、風車小屋…
ただひたすら、それだけの2時間長編映画。
遠坂凛は、ドリルを思い出にできるのか…?
◇
前略
【要点をつらつらと…】
米林は、何ができないか。
・現実描写に、ファンタジィを織り込む
・しんみりしそうな原作小説に、コメディタッチを織り込んでしまう米林のアンナは、暗いんですよね…メンヘル過ぎて滅入ってしまう。デブ呼ばわ
りされた娘のほうが普通で、いい子。
表情が漫画的にコロコロ変わることもないし、宮崎流のように伸びやかによく動
くこともないし。朽ちた屋敷をあちこちいじってたら「あ」バリッと割れちゃった取れちゃっ
た!、みたいな笑いを取る描写もない…
劇場で全員一斉に一瞬だけこみあげる笑いって大事ですよね…宮崎が監督であれば…
アンナは、メイや千尋の頑固さ自閉傾向をもつ、外見はサツキ。頑固で心は閉じ
るがジメジメはしてない。
マーニーは、中身はサツキのおてんばブロンド少女。おとなしくしてませんよ。アンナが屋敷に導かれる時、海は干上がり、足元にお花畑が急激に咲き乱れ…
「そういうケレン味がない」宮崎的なケレン味が。米林マーニーにはね。
写実的すぎる米林アニメ。ジブリブランドのレバレッジがなかったら興行収入は
半減以下だったでしょう。アリエッティの場合は、あのキャラじたいが漫画的すぎたので、米林の現実的で
淡々とした描写がうまく装飾されて賑わっていた。
ハウルだってもっと写実的に出来たでしょう、細田もそういうの作っていたはず。
けど宮崎が描くと「まるでファンタジィ」になってしまう。
妖精が普通に飛ぶし、海も通るたびに綺麗にぱっくり割れる。現実的な世界のは
ずなのに。米林は、細田寄り…なのでしょう。けど細田ほどエンターテナーでもない。「誰
かのために」何年も動画を作ってきた、仕事一筋の職人さんでしょう ね。
つまりアニメーター=動画を完成させる人材、だと思うんです。米林さんはね。
宮粼駿はアニメーターに加え、エンターテナーとして世界レベルだった。レバ
レッジを加える事ができる。これで興行収入が倍増する。細田にもその片 鱗が
あるのでカネになる。ジブリ商法は宮崎依存なので、他の社員はみんな「オペレーター」であり、
同時並行で育成、大成していくシステムではなかった…いや現場にずっといた方
のほうがお詳しい話ですが。派遣期間社員で生産ラインの組立て工なら、何年続けても組立工のままで、設計
部門に入ることはない。大工場で、自分はこう思うと意見したり、自分に納得に基づいて動いたら、すぐ
追い出されます。昔はともかく今はそうです。細田はそういう扱いをジ ブリで
受けた。
ジブリも結局は「宮崎の指定通りに動画を作る工場」であり、社員は、自動車生
産工場の期間工=非正規アルバイターに、近い動きを求められていたと いうこ
とかと。シャフトは違う。新房という親方が目配りはしてるが、だいたいのことは弟子た
ちで回せてしまうので、スタッフの入れ替えがあっても作風に違和感が ない。
京アニも近いですね、カリスマ不在ながら、オリジナルを発表してはそこそこ
売って、企業として黒字を重ねている。
ハウル>翌週がマーニー、という日テレのスケジュールは、
両者の明暗、長短を、浮き彫りにした。見ようによっては公開処刑とまで言える…
マーニーに似た原作っていっぱいありますよね。
フィールド・オブ・ドリームス
東京マグニチュードM8
ふしぎの国のアリス TVアニメ版
ポールのミラクル大作戦
マドラックス共通するのは「現実描写に、うまくファンタジィを織り込むことで、人気作のレ
ベルへ高めた」米林マーニーは、ひたすら実写的になってしまってる。
初めてマーニーを目撃して驚くときに、その数秒の顔アップだけの表情変化に
10〜20枚も使うような豊かさがない。
背景が踊らない…宮崎アニメの背景がグネグネと変形したり踊るのは雪の女王の
影響でしょう。むろんそんな描写をすればするほど高コストになるのは承知ですが…宮崎は数字
が取れるの確定だから浪費させてもらえるだけで。おそらく意図して、マーニーと風立ちぬは、似た描写をしたんでしょう…夢のな
かに出てくる偉人や先輩…けど、マーニーよりはるかに厳しい戦前の現実がモデルに成ってるけど、
風たちぬのほうがはるかにファンタジック描写で成功している。数字も取れてる。・カメラワークが楽しげでよく動く
・背景が動画的に踊る(70年代子供アニメはみんなそう)
・人物もとにかく表情豊かで、キビキビ野性的にダンス的に動くたったそれだけで、興行収入が倍増〜3倍増になる。
こればかりは、たけし、ダウンタウン、ナイナイみたいな「才能」ですから、う
まくアセンブルしてカタチにできるかは、個人依存ですよね。
誰でもできるわけじゃない。宮粼駿は、カリオストロの時点で大きく注目された。はなから巨匠の素質だっ
た。彼のためのジブリを作るという流れになった。これは庵野も同じでし た。
ジブリでオペレーターに徹してきた人が、いきなり後釜をやっても…才能を見せ
られるわけがない。順番が逆です。ハリウッドだって、日本の数倍の人材の厚みはあるけど
大ヒット連発してるのは極少数の監督で、数人の監督で大作ヒットを回してるよ
うな状況ですよね。
巨匠ってそう簡単に出てきませんよ…
もはやジブリ商法は解散したので
反省したり、改善する必要はないのですが「米林さんは、普通のアニメーター」ですねと。秀作は作れるが、大作は無理。
原監督なみではあるが、オリジナルアニメ映画で数字を取りつづけるタイプでは
ない。
無理してジブリだけの仕事をすることも無くなった以上、TVでも劇場でもあちこ
ちで腕を振るわれてはいかがかと。
私はついに20年来、業界入りできず、することなく、様々な企業で様々なアニ
メを作ってきたけど…他にも製造業とか政治とか色々ヘルプや介入をし てますが。いまはサンライズだとオルフェンズですね、ちょっと前はUCやBFやタイバニでし
たけど、京アニだとユーフォとか…装甲に土がつくガンダム、
GレコやBFを踏襲、
グレンラガンダム、色々と注文「だけ」はつけましたよ。ガンプラやディスクの売上の数字が出てき
ているのでやっと安堵したばかりです。もし、誰かに「どうすれば売れるアニメが作れるようになるか」聞かれても、返
答できない。むしろ番組企画において提案したり、放映開始後のテコ入れ策定会議において意
見するとか、そこまで話が進んでないと、説明するのは無理です。
長年そういう経験を積んで、どんどんヒットメーカーになれる人、ぜんぜんなれ
ない人、分かれていくのは自然なことです。東映とも昨年は疎遠でしたけど、今年は面倒見てます。
近年のLEDおよび導光の技術の進化が凄まじいので、スーツにふんだんにこれを
使おうとか
ドライブはちょっと子供にはややこしすぎたりかっこ悪かったので、玩具セール
スに割りきった商法で行こうとかゴーストにかなりこうしたプランが盛り込まれました。ゴースト、よく光ってる
でしょ?仙人を出すプランも提案したのが実装されました。プリンセスプリキュアも、お姫様とか離島の寄宿舎とか「辛気臭い、古臭い」こ
とばかりやって数字を落っことしていたんで
テコ入れ展開が放送されてきてますが、これのプランニングもかなりやりまし
た。いわば「島を出よう、街の地域社会とどんどん交流しよう」です。
あちこちで色々手がけますと、視野もノウハウも広がりますよ、
米林さんもぜひいかがですか、武者修行。
参考
http://thutmose.blog.jp/archives/23035162.html
◇
鈴木敏夫による解説もほぼおなじ意見だね…
もうね2枚並べると世界観など想像できるものが比較にならない。これが才能の落差だ、と。
宮崎は背景にちゃんとテンプレ通りの王国まるごとを描いてる。観客がどういう世界に誘われるのか察しやすくなっている。
そしてポップで明るい…展覧会のポスターだから余計にだろうが、このほうが客は呼べる。
米林のポスターはとにかく殺風景で色彩も暗く、服装も髪型も地味だ。絵全体的に、見た人を沸かせる材料が乏しい。
結局、宮粼駿は跡取りが出来なかったウォルト・ディズニーのような存在ということだろう。
http://marnie.jp/poster/
米林宏昌の描いたマーニーの絵を宮さんは批判していた。
「麻呂は、美少女ばかり描いている。しかも、金髪の……」
宮さんが「クルミわり人形とネズミの王さま展」のためにポスターを作った。真ん中にすっくと立って、前方に歩いて来るのは主人公マリーだ。ある特定の人たちを対象にするのじゃなく、広く一般にアピールするにはこう描けばいい。そんな声が聞こえて来そうな