先従隗始・温故知新

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病原菌の反撃…いくら消毒殺菌しても発生するようになった食中毒


昔から、冬の風邪とみなされていたウイルス性の食中毒。


世界屈指ともいえる日本の消毒殺菌環境で、今や次々と…
ナンキンムシも殺虫剤で殺しすぎたので耐性を持つ種だけが増殖してきている…
おなじように、殺菌消毒耐性をもち、少しでも隙あらば猛威をふるいやすい種が反撃してきているのがノロウイルスだろう。


以下の対応で、病院側が怒られてしまうのが哀れだ。もっと衛生条件が適当な国のほうが多いのに。
この冬はノロウイルス食中毒報道が相次いでいるが、どこのホテルも決して昔のようにとんでもない衛生条件だったわけでは無かろう…そのことがむしろ恐ろしいのだよ。

http://mainichi.jp/select/news/20121224k0000m040077000c.html
ノロウイルス:ずさん衛生管理が原因…宮崎県が病院を批判


毎日新聞 2012年12月23日 22時39分(最終更新 12月23日 23時47分)
記者会見する宮路理事長(左から2人目)ら=宮崎県庁で2012年12月23日、百武信幸撮影


 宮崎県日南市の「医療法人春光会 東病院」で6人が死亡したノロウイルスによる院内集団感染。県は「病院の衛生管理が感染拡大の一因」と指摘した。一方、病院側は23日、「申し訳ない」と陳謝しながらも「一医療機関では財政的に不可能」と開き直った。

 春光会の宮路重和理事長と県は県庁で記者会見。同理事長は「当初はノロウイルスを疑わなかった。対応で手いっぱいだった」と強調した。宮路理事長によると、病院は患者や職員のノロウイルスへの感染を受け、日南保健所に報告。18日に立ち入り調査を受けたが、14〜17日に3人が死亡したことは「ノロと関係ない」と判断し、その場で報告しなかった。しかしその後も死者が相次ぎ、22日に同保健所が2度目の調査を実施した際、事実を伝えたという。

 さらに県や病院によると、看護師らが使う感染予防対策用の医療用エプロンについて、保健所は1回使う度に廃棄するよう指導したが、病院は「品薄で入手が困難だった」として、汚れがひどいもの以外は一日中使っていた。また、看護師らが手袋を取った後にエプロンを触ることもあり、県は「汚物処理に不手際があったのが一つの原因」と指摘した。


http://www.asahi.com/national/update/1223/TKY201212230722.html
ノロウイルス、強い感染力で拡大 「変異」タイプが6割


ノロウイルスは今季、この10年間で最も流行した2006年に次ぐ勢いで拡大している。国立感染症研究所(感染研)によると、患者数は10月中旬以降、8週連続で増え続けており、専門家は「今後も増えかねない」と警戒を呼びかける。

 今季は、今月9日までに14道府県から63件の集団感染の報告があった。これまでの流行タイプとは異なる「変異ウイルス」が6割を占めているのが特徴だ。このため、免疫がない人が多く、感染が広がりやすいようだ。

 感染は例年12月にピークを迎え、ノロなどによる感染性胃腸炎が原因で、毎年1500〜2千人が亡くなっている。感染研の調査では患者の8割は10歳未満だが、免疫力の弱い高齢者は重症化しがちだ。06〜09年の集団感染の場所を分析すると、老人ホームが862件と最多で、病院の163件などが続いた。

 ノロは感染力がとても強く、耳かき一かきほどの量の便の中にウイルスが約1億個もいる。たった10〜100個が体の中に入るだけで感染してしまう。乾燥にも強い。

 抗ウイルス薬やワクチンはなく、予防の大原則は、手洗いの徹底で手についたウイルスを広げないことだ。主に嘔吐(おうと)物で広まるため、病院などの施設では塩素系の消毒剤で素早く掃除する必要がある。アルコール消毒剤などは効果が薄いようだ。健康な人でも、二枚貝などは十分加熱して食べることが大切。

 感染研ウイルス第二部の片山和彦室長は、集団感染を防ぐには、感染者を隔離して、ケアする職員や感染者のトイレの使用場所を限定することが必要という。

 片山さんは「ノロウイルスと分かっていなくても、流行期に嘔吐する患者が出た場合は、感染を疑って早く対策をとることが重要。同じエプロンを使い続けたことは、感染拡大の典型的な原因で、今回の病院は職員を介して感染が広がった可能性が考えられる」と話している。

元々、内臓疾患で死ななければガン、そうでなければ感染症と、弱ってきた個体を淘汰する代表例。人間の種の都合と、自然の摂理は、時に相容れない。