先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

あまり苦言ばかり言いたくないのですが、アベノミクスの内容って…これ…


・政治政策に依存して、製造や販売が躍進や復活した試しは無い。
(せいぜいエコカー補助金的な時限式の売り上げ増のみ…これ期限切れになるとむしろ急な売り上げ激減で干上がる)

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D9%A5%CE%A5%DF%A5%AF%A5%B9


・ 物価目標(インフレターゲット)を2パーセントに設定し、日銀法の改正も視野に入れて大胆な金融緩和を行う。
財務省日本銀行、および民間が参加する外債ファンドを創設し、外債購入の方策を検討する。
・ 緊急経済対策を断行し、補正予算と新年度予算を合わせて切れ目なく経済政策を実行する。
・ 「日本経済再生・産業競争力強化法」(仮称)を制定し製造業の復活を目指す。
・ 日本の立地競争力低下による産業の海外流出を防ぐため、イノベーション基盤の強化や法人税の引き下げなどを行う。
メタンハイドレートレアアース泥などの海洋資源の開発に集中投資する。


本田教授なんて、誰も知らないんだけど…竹中・高橋ラインよりも劣る人材とみていい。
基本的に、財務省出身は財務やマネーしかわからない。実体経済や、泥臭い製造生産現場への造詣は皆無。(たとえば高橋洋一氏…いかにも大蔵出身の偏った見識は批判されることが多い)
つまりマネー理論しか唱えられない。そのまんま昨今の安倍発言になってるが…
このパターンだと、いわば「キネを使えばモチはできます」というのを信じたら、実際は現場にウスが用意されて無くて不可能だった…みたいな結果が待っているだろう。
現場や実践と、知識と、両輪で幅広く知っていれば起こらないミスだが。


というかねえ…安倍に限らず政治家なんて頭空っぽで『受け売り』ばっかなんだけど、(特に世襲議員はろくな社会経験もせず学生時代を過ごし社会人時代はほとんど代議士だから…)
本田や高橋と言ったごく一部の識者の言葉だけを鵜呑みにするのは「頭の悪い、独学で自分を高められない人」なので…(ラスプーチン病)
結局なんでトップ政治家でも独学や自分を高めるのが苦手かというと、日本国は英米仏のような大学のエリートコースシステムの開発が失敗しており、エリート養成が実質できないで居るから。
安倍は成蹊大、小泉でも慶応である。米大統領はオックスフォード、イェール、ハーバードの国家トップ養成コースを必ず経ている。
日本では今やキャリア官僚候補ですら東大京大卒とは限らないという始末。


安倍がリフレを言い出してからずっと悪い予感がしていたのが、さらに確定的になっていく…今回は竹中教授もやや距離を置いてるんだよねえ…触らぬ神の何とやらか…

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E7%94%B0%E6%82%A6%E6%9C%97
本田 悦朗(ほんだ えつろう、1955年1月 - )は、日本の大蔵官僚、経済学者(国際金融・金融政策)。静岡県立大学国際関係学部教授・大学院国際関係学研究科教授。

外務省欧州局審議官、財務省大臣官房政策評価審議官などを歴任した。


2012年11月の第46回衆議院議員総選挙直前、安倍は大胆な金融緩和策を提唱し日本銀行総裁白川方明などから批判されたが、この際に安倍は「本田という元財務官僚がいて、彼がデフレ脱却について結構いろいろアドバイスをくれるんだよ」[8]と語っている。本田からのアドバイスの具体的な内容については、安倍は「マネタリーベースを上げて円高を克服すればデフレ脱却と税収増につながるというんだよね」[8]と説明している。なお、マスコミからの取材に対し、本田も「安倍さんとはデフレ脱却について話をしているのは事実です」[8]と回答している。


モルガンが言うと御用っぽく聞こえる法則。
基本、マネー識者がマネー知識ベースで語るのを信用できない。
・製品は進化をし尽くした。目新しい商材アイテムも見当たらなくなった。
・国民は物持ちで、国際的デフレ価格でなんでも安く買える。
・海外は元貧困国が安く製品を作って売るので日本は価格勝負できない。
こういった国際社会全体を見渡した物言いはしない。


つまりマネー視野だけでたしかに多少の景気回復があるとしても、プチバブル以上にはならない。むしろ過熱して本格景気回復などすれば、その後が怖い。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121219/241282/
嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長に聞く


 日銀が公開市場操作で債券を買うと長期金利が下がる。しかし、どんどん買い続けると債券の予想収益率が下がりますから、今度は為替や株式やREITを買いましょうということになる。その次に実物の不動産を買うと、不動産投資が活発になって長期金利も上がる。そうすると長短金利差が拡大し、金融機関は貸し出しを増やそうとします。実需が出ていますから、経済が好転して耐久消費財の購入に向かう。そこまで行くと、家電や自動車の生産を増やすために設備投資が拡大するでしょう。

 日銀がマネーを供給しても単純に貸し出しに向かわないから無意味だという議論をする人もいますが、それはナンセンスですね。間接金融と直接金融という2つの経路があるのです。直接金融の経路を通じて経済が活性化するのがポートフォリオリバランスの考え方です。

 安倍総裁が日銀にもっと大胆な金融緩和をやってもらうと言っただけで、外国人投資家が反応して円安になり株高になり不動産が動いている現実があります。為替や株価は期待で動きます。景気の先行指標に株価が入っているのは実体経済に波及するからです。

>金融機関は貸し出しを増やそうとします。実需が出ていますから、経済が好転して耐久消費財の購入に向かう。


ってのはつまり、銀行で多くの庶民にばんばんローン組ませて買いまくってもらおうってことだからね、皮算用に過ぎない。ローン組ませまくるってことはサブプライムだ。


多くの中小企業は、そんな景気がまた良くなったからってクルマや家電を買う以前に、当座の運転資金を増やせることに目がいくんじゃないのか…それは消費では無くただの延命措置だから、倒産件数が減るだけ。


…どんどん、狭い狭いバブルになっていく。ITや住宅が手に入ったある程度実体的なバブルから、証券だのマネーサプライだけがバーチャルに踊る、それで恩恵を得られるごく少数だけが儲かる、実感無きプチバブルへ堕していく。


ハイパーインフレは国家全体が窮地になる
・このままいくと迎えるインフレは、一部の投資層だけが、恩恵を受けられない実体経済側のコモディティ下層を”踏み台”にして搾り取って儲けて逃げるプチインフレ(搾り取られる側はほとんど得をしない敗者=格差化の進行=パチンコで儲けられないやつは食っていけないような時代)


…なんか、やっぱりばからしい。質実ではなく虚像バブルだった。


 ◇


まだ安倍は総理じゃ無いんですぜ白川さん…


まだ総理じゃ無い次期総理候補が、口先だけで株価を動かし、まだ政権じゃないのに日銀に日本円ジャブジャブを開始させた…ひっでえわ、悪い予感がだんだん現実になってきた。
基軸通貨じゃ無いんだから…為政者の都合で打ち出の小槌を振りまくらせないようにと言う『安全装置』としての日銀(CB)の独立性が、ついに破られた…あるいみで軍事クーデターで官邸掌握みたいだな…
アメリカはもしかしてついに、日本に捨て駒になって世界中の儲けのネタになれと恫喝でもしてきたのか???

http://www.asahi.com/business/update/1220/TKY201212200523.html
日銀、10兆円の追加金融緩和決定 「物価目標」検討へ


 日本銀行は20日の金融政策決定会合で、景気悪化を食い止めるため、10兆円の追加金融緩和を決めた。自民党安倍晋三総裁の要請を踏まえ、現在、「当面1%」としている物価上昇率の「めど」を来年1月に見直すことも決めた。ただ、新政権発足前でもあり、この日の会合では2%の目標設定までは踏み込まなかった。

 日銀は金融機関から国債などを買い入れて、市場にお金を流し込む「基金」の枠を、現在の91兆円から101兆円程度に増やす。銀行から企業への貸出金利の低下を促し、企業の設備投資などを活発化させる。政策金利を年0〜0.1%に誘導する事実上のゼロ金利政策も続ける。

 また、石田浩二審議委員は、銀行が日銀に預ける当座預金金利(0.1%)を0%に引き下げる提案をしたが、否決された。


安倍氏側近、下村氏が入閣へ 自民の教育公約とりまとめ
> 下村氏は衆院東京11区選出で当選6回。小泉内閣で法務政務官や文部科学政務官を務めた。第1次安倍内閣では官房副長官に就任し、塩崎恭久官房長官世耕弘成首相補佐官らとともに「安倍官邸」を支えた。世耕氏は官房副長官参院)への起用が内定している。


…なんて報道もあるし、
政権発足前から日銀を恫喝して観念させてるし…


ほんと、安倍という人は全く変わってないな。悪い意味でマシンガン連射、悪い意味でオトモダチ内閣…悪い予感ばかり先行する第二次安倍政権。
一年持つのか?という以前に、一年政権であってください。


こういうときには池田センセ。時々偏るけどこういう理論立てはマトモ。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51832515.html

本書を買ったのは、安倍内閣で参与になるといわれる著者が過激なリフレを安倍氏に推奨する真意を知りたかったからだが、読んで唖然とした。学問的な内容がほとんどなく、2年前の本と同じような思い出話が脈絡なく続くからだ。特に30ページ以上にわたって日銀の白川総裁を「出来の悪い教え子」と個人攻撃するのは、とても読むに耐えない(画像にリンクは張ってない)。

タイトルからは日本経済を飛躍的に成長させる秘策があるのかと思うが、中身は日本のGDPが潜在GDPを下回っているという話と円高だという話だけだ。それを是正すればいいことは自明だが、ゼロ金利なので通常の金融政策はきかない。そこで著者は、長期国債や外債を大量に買うことを日銀に求める。これは深尾光洋氏も批判したように、日銀が世界の中央銀行に先駆けて行なって効果がなかった政策だが、著者はその批判にも答えないで「緩和が足りないからだ」という。

「60人以上の経済学者にインタビューして、意見がすべて自分と同じだった」というが、それは円高が日本経済に悪影響を及ぼしているという事実認識だけで、著者のいうような無制限のインフレ政策に賛成している経済学者はいない。日本で著者がインタビューしたのはリフレ派だけで「主流の金融学者は賛成してくれない」と認めるが、それは日銀に買収されて「御用学者」になったからだという。反原発派も顔負けの陰謀史観だが、自分の考えが古いからだとは思わないのだろうか。

日銀がリスク資産を無制限に買うことは、財政ファイナンスとみなされて財政破綻を招くおそれがあるが、著者は「政府が破産しても国民は絶対に破産しない」という。その理由は「日本の対外純資産は世界最大」だからだというが、意味不明だ。国債はすべて円建てなのだから、いくら対外資産があろうと、政府がデフォルトしたら200兆円以上の国債保有している邦銀は破綻する。

政府が破綻しかけたら「国債を政府が買い上げて円安にし、そのことで財政危機を解消する」というのも支離滅裂だ。これはハイパーインフレにするということに他ならない。財政破綻のリスクについては「今は金利が低いから大丈夫」という根拠しか示していないが、金利が上がり始めたらどうするのか。

日銀が結果を出していないことは批判されてもしょうがないが、「日銀は保身のために貧しい庶民を犠牲にしている」という類の感情論が綿々と続くのは見苦しい。全体として繰り返しが異様に多く、著者の精神状態が普通でないことをうかがわせる。かつて彼に学んだ者として、これ以上晩節を汚さないよう自重を望みたい。


http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51832307.html
暗愚の保守主義
新訳 フランス革命省察―「保守主義の父」かく語りき安倍総裁が、日銀の白川総裁にインフレ目標を2%にする政策協定の締結を申し入れたという。まだ安倍氏は首相ではないのだが、彼の頭は大丈夫なのだろうか。第2次安倍内閣では麻生太郎氏が副総理兼財務相で入閣するといわれているが、彼も自民党政権の末期に大型補正を連発して何の役にも立たず、財政赤字を積み上げた。この暗愚の3代目コンビにまた財政をまかせるのは、泥棒に金庫の鍵を渡すようなものだ。

安倍氏は「保守主義」を自称しているが、日銀にインフレ目標を強要し、財政政策を拡大しようとしている。海外では、こういう介入政策を主張するのはクルーグマンのようなケインジアンで、保守派はFRBの過激な緩和政策に反対している。安倍氏内閣府参与に迎えるといわれる浜田宏一氏のようなオールド・リベラリストケインズ的な介入主義を主張するのはわかるが、安倍氏大きな政府を主張するのは、保守主義を根本的に取り違えているからだ。


2%のインフレを実現するだけなら簡単だ。インフレ目標なんて面倒なことをしなくても、日銀がヘリコプターから無限に金をばらまけば、インフレは必ず起こる。あるいは麻生氏の好きな公共事業を無限に発注すれば、必ずインフレになる。

しかし、それが2%で止まって長期にわたって持続する保証はない。安倍氏の期待するように2%でコントロールできるかもしれないし、できないかもしれない。できなかったら国債も円も暴落して、日本経済は崩壊する。これは土居丈朗氏も含めて多くの専門家が警告しているが、安倍氏はそういうリスクには無頓着に「無制限の金融緩和」を主張している。

要するに安倍氏の主張しているのは保守主義ではなく、国家が最高の正義であり万能の司令塔だと考える国家主義なのだ。

むしろ2014年初にも暴落して日本円ショックが実現した方がいいお灸だな…こんどは今の民主党みたいにリフレ一派が連日お通夜の顔だろうよ…


結局
「役所の規制ですべて世の中はちゃんと回るのだ」というのと
「役所がインフレ目標を設定すればちゃんと精密にそこへ収まるのだよ」というのは
一卵性双生児。