先従隗始・温故知新

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◆古賀茂明『官僚を国民のために働かせる法』


古賀茂明氏は、経済産業省の元官僚。

東京大学法学部卒業後、旧・通商産業省に入省。
産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官などを歴任。

改革派官僚として発言し続け、退職勧奨を受ける。
経済産業省大臣官房付を最後に退職。



◆古賀茂明『官僚を国民のために働かせる法』要旨



・官僚の残業のなかでも、大臣の国会答弁や会見のための想定問答集づくりは、官僚が最もエネルギーと時間を割く仕事の一つ。


・「資料や情報を集めて、研究を重ねて専門知識を集積していく」ことこそが、官僚の仕事。
それに対して、政治家の仕事は知識を蓄積していくことではなく、官僚や専門家、有識者からの情報・知識・考え方を踏まえて、大局的に政策を決めること。



・官僚を使う秘策は、総理自前のチームにあり。

自前のチームを持っていた総理で思い出すのは、小泉純一郎氏。
小泉さんは、総理就任と同時に、竹中平蔵氏をトップとする竹中チームと、飯島勲首相秘書官を筆頭とする飯島チームを引き連れ、官邸に入った。

政策は竹中チーム、マスコミ対策は飯島チームが担当。
さらに政策について案件ごとに人をうまく使い分けながら行政組織をコントロールし、政策運営を行いました。

そういった有能なスタッフを持つことと同じくらい重要なのが、最終的な責任を総理自身が負うことを明確にしてスタッフに「任せる」ということ。



・総理が周辺をガッチリ自前のチームでまとめていると、官僚の入る隙はない。
たとえば官僚に都合のいい提案をする機会があっても、チームの有能なスタッフからきっちり「それはおかしい」と指摘され、
自案を引っ込めざるおえなくなる。

逆に、国のため、国民のためを考えての提案なら、取り上げてもらえる可能性が開ける。
優秀な官僚にとっては、総理が自前のチームを持つことは大歓迎である。



・幹部人事は政治主導で行うべし。


・優秀な人材が抜擢される評価制度をつくるべし。


・しがみついても得しない組織にする。


老害を撒き散らす公務員を一掃することの一番のメリットは、優秀な若手を抜擢できるようになることと、民間の人材をどんどん登用できるようになること。


天下りをなくす、とっておきの方法。
それは、「疑惑を招かない天下りはいい」と考える。


・国民の目が官僚を変える。
メディアを通して、官僚たちの操る政治の実態が見えてくる。
その最大のメリットは、「政治に対してモノ申す」力が身につくこと。