むろん欧風に飴色にじっくり炒めた玉ねぎやブイヨンまで配合した高価なルウやフレークを否定はしないが、
高い。
安物はそれなりで、粉末カレーほどのコスパではない。
スパイス粉末とはいわば漢方薬と同じ。七味も、お屠蘇も漢方の処方の一部。
実際、ナツメグとシナモンとチンピと生姜は漢方のメジャー材料。
だから極めていくと漢方スパイス材料だけ買って混ぜることも可能。
ただし漢方薬や西洋ハーブはゆでてエキスだけ飲むが、カレーなどは材料そのものを粉にして煮こむものがある。
うちではナイル商会の出来合いのスパイスを使用。非常にオーソドックスな普通のカレーに仕上がる配合。
実はカレーライスソースとは、ただのスープで、これに小麦粉や澱粉や油脂などでとろみを付けて、スパイスを混ぜただけだ。
つまり粉末を買えば、好きなスープをカレーソースにできる。ラーメンスープだって味噌汁だっていい。
うちではあえてとろみをつけない。いわばスープカレーだ。
タイカレーでもインドカレーでもビチャビチャしててインディカ米にしか向かないレシピがある。
日本米はかなり固めにサラッと炊かないと合わない。
甘みはドライフルーツなどでつけるか、フルーティな野菜を具にしてしまう。チャツネとは結局はドライフルーツだ。
スープカレーの利点は、3度おいしい。
コメは、そのまま白飯でうまい、こしいぶき。
スープカレーソースはそのままスープでもおいしい。
最後にねこまんまじゃないが、合わせておいしい。
どうしても日本的なカレーライスは、最初から最後までカレーライスだ。飽きる。
しかしスパイス粉末で作ったスープカレーは、3種の食べ方ができる。
スープも変えられるし、フルーツも変えられる。
スパイスだって自作したり他社のスパイスに変えられる。夏はレッドやグリーンのペッパーを増やすようなことも可能。子供用は別鍋でペッパーを入れないことも。
スープは粉末スープで十分だ。コンソメ、鶏ガラ、中華味。
組み合わせたほうがいい。鶏ガラだけだと塩味がないし、コンソメや中華味だけだとしょっぱい。
むろん自分で丹精込めて煮込んだスープでもいい。
とろみを付けないカレースープは、鍋にこびりつかないし、油脂が少ないので洗いやすいし川の汚染度も少ない。ヘルシーとも言える。
とろっとしないということはすこし食べごたえに欠ける反面、胃にはやさしい。