先従隗始・温故知新

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時代時流とともに変わる、ぜいたく


かつてもう何千年も、当たり前のように厳しくて理不尽だった、クタクタでやつれるのが当然、
それが社会で、人生だった。人一人の価値などほとんどなかった。


人類は西暦だけでも大半がずっとそうだった。


しかしやっとというか…80年代後半から徐々に、00年代から本格的に
かなり恵まれてきた…グローバルと言われるようになるとかつての飢餓貧困国ですら引き上げられて向上してきた。


日本はその比較的頂上にいる。
いまや贅沢すら通り過ぎ、たいていの贅沢や余暇は「安いもの」になってしまった。
いわゆるデフレ。価値がだんだん飽きられて価値をなくす現象と、
価値がお金にならなくなっていくので売れ行きが鈍り給料と雇用が減っていく連動現象。
そのうちキャビアすらおかめ納豆みたいな値段でしか売れなくなるであろう…


そう、かつての日本では、いや世界各国では、考えられないほど
いまの日本はどんな贅沢も安い。すぐ手に入ったり、ちょっと貯蓄すれば手に入る。


昔のおせちは、普段クタクタに働きづめで、贅沢も娯楽もなくて
あれが本当の本当に贅沢なものだった。
それは同時に、元来とってもとっても大変な炊事をしなくていいように、三が日以上は常温保存できる食品ばかりで占められている。


ところが現代では、世界各地のあらゆるグルメは食べ尽くされ見慣れて見飽きている。
グルメなんて言葉すらバブル崩壊後に陳腐化する始末。
するとムリして正月におせちなんて用意する理由がなくなる。
普段から贅沢なものを頻繁に食べているし…おせちよりはるかに豪華でうまいものを。
農夫や女工や丁稚奉公みたいな時代ほどすりきれて働きづめというわけでもない…


むしろ、正月だけの贅沢って
好きなときに好きなだけカップラーメン食べるとか
蒲焼きさん太郎を元旦のあいだに一万枚食べてみせるとか
(いまは豊富な生鮮食材がいつでも手に入るから、ふだんは健康重視で手料理ばかりでジャンクフード食べない)


もう、人それぞれなんだと思う。


今年はいっさい正月料理は準備しなかった。いかな単身とはいえ。
その予算は若干だが自転車部品に回しもした。
…まぁ、4日以降に半額セールになる田作りだの玉子だの…は値段と品質によっては買うかもしれないけど。
それは好きなもの、嫌いじゃないもの、を買うのもあるけど、むしろ普段からの姿勢
「わざわざ残渣になる寸前のワゴンセール品を買うようにして、食品残渣を減らす努力」
に即したものでしかない。いわばそれはボランティアなのだ。


歯や内臓の健康を考えたら
汁粉もあんこを溶いただけじゃなく
牛乳と混ぜて、あずきバーと同じ含有成分にしてから食べた方がいいし…
吐き気が出てくるほど甘すぎるからね。昔の甘味は。
それは、それだけ昔の人は甘みに縁がなかった=高価で貴重だったってこと。
たまーに高濃度糖分をとってもどうということはなかった。
現代人にとっては大いに有害だ。
同じことは和漢方薬にも起きている…
著しく体を酷使したり冷やしていた時代の人々が飲んでいた漢方薬では
現代人には合わない場合がある。葛根湯の麻黄なんか典型例。