先従隗始・温故知新

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シャープ上層部は経営再建より社内政治に明け暮れ

http://gendai.net/articles/view/syakai/142359
シャープ 経営再建より大事なこと


2013年5月14日 掲載


たった1年で異例の社長交代
 たった1年余りでトップ交代だ。経営再建中のシャープの奥田隆司社長(59)が代表権のない会長となり、一線から退く。後任には高橋興三副社長(58)が昇格。6月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定される。

 奥田社長は昨年4月に取締役常務執行役員から昇格したばかり。いくら会長になるとはいえ、代表権がなければ正式な契約書にハンコも押せない。要するに体裁だけの棚上げ人事ってことだ。

 異例の早期交代は「再建計画の遅れ」が表向きの理由だが、シャープの内情を知る人々は皆、額面どおりには受け取らない。台湾の鴻海精密工業との提携交渉が暗礁に乗り上げた昨年8月以降、奥田社長と前任者の片山幹雄会長(55)との「不協和音」が漏れ伝わっていたためだ。

「奥田社長の頭越しに、代表権を返上した片山会長が資本提携交渉に奔走し始めたのです。米半導体大手クアルコムや韓国サムスン電子から出資を引き出した際も、片山会長は“オレがまとめた”と誇示するような態度でした。交渉大詰めのたび、正式契約のハンコをつけない片山会長に同伴していたのが、代表権を持つ高橋副社長です」(シャープ関係者)

 この間、奥田社長は再建計画や業績見通しなど、主管官庁の経産省やメーンバンクへの説明にかかりきり。社内外からの「本当のトップは誰なのか」という批判に、忸怩(じくじ)たる思いだったに違いない。

 そんな折、読売新聞が「片山会長退任」「奥田社長に権限集中」と報じたのは今月5日のこと。「恐らく奥田社長サイドのリークだろう。ようやくメーンバンクと片山外しの“2頭体制”解消で話をまとめたのか」(財界関係者)との見方が出ていたが、ホンの1週間で奥田社長まで降板に追い込まれるとは――。


「退任の決まった片山会長が土壇場で巻き返し、奥田社長と刺し違えた印象です。それにしても、シャープ上層部は経営再建より社内政治に明け暮れている場合ですか。これでは社員の不信は高まり、人材流出にますます拍車が掛かるだけ。上層部には“ウチの技術力をもってすれば国もおいそれとは潰せない”という思い上がった発想が蔓延しているとしか思えません」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)

 メード・イン・ジャパンの復活は遠い。