先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

エアカウンターS 使用レポート

まずは参考に…http://www.st-c.co.jp/air-counter/
エアカウンターリポート(エステー&測ってガイガー)http://www.st-c.co.jp/air-counter/map/


(だいたい、このページから『月にひとつぐらい』売れております、「いざというときのためにも」常備をオススメします)
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やや高級機…Soeks01M日本語版。カウント音の変化が素早く危険スポットを知らせる。999.9μsvまで対応する、チェルノブイリ汚染地域で使用されてきたロシア政府公認の機種。南相馬市・深野区の区長さんもつかってます!NHK ETVにて)http://soeks-japan.co.jp/



『ワシはエアカウンターSはかせぢゃ!ようこそ、よいことよいおんなのしょくん!』
…いや、それはいいから…


ようつべ動画
http://www.youtube.com/watch?v=RXCSvnU4zwc
以下はyoutube説明書きと、雑誌レビュー

SD画質なので文字が見えにくいけどご容赦…


『ワシは、エアカウンターSはかせぢゃ!前回の講義と違い、教授帽にちいさくSとかいてあるぞい!ナハナハッ』
…はさておき、使用リポートです。相方はSOEKS名誉学長。ロシアのすごい人です。


エアカウンターSは、最初の35秒は生データを表示しません。
35秒後から、平均値を、10秒間計測の値を加算し除算しながら10秒おきに表示し続けます。
スイッチONから約120秒後の「数値確定後」もずっと動作するようで、1時間後に動作停止すると説明書にはある。


コールマンのマントルに含まれるトリウムのベータ線ガンマ線を計測。
最初は、エアカウンターのセンサーからややズラしているので、低く出ている…『悪い例』として参考にしてね。


センサーの位置は説明書に書いてあるが、ゲタの部分、表示窓の青い楕円の左端の、その隣あたり。
ここに線源の位置を合わせてちゃんと計測すると、Soeks01MでもエアカウンターSでも同じ数値が出ることがわかる。(平均値リセットのためいちど電源OFFにしてから再計測)
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120213/1329059423
エアカウンターはSもふくめ、安くするためにセンサーが小さいしやや鈍感なので、線源の位置がわかってるときはちゃんと位置合わせをしよう。


Soeks01Mは、低い数値…だいたい0.2マイクロ以下では、おおむね1.5倍、最大2倍ぐらいの高い数値を出す。これはこの機器の固有特性であり仕方がない。


またGMいわゆるガイガー測定器なので表面汚染(ベータ線)に敏感であり、もしベータ線を拾うと数値を10倍〜にもしてしまうため、テーブルや床の上に置くと数値は高くなる。
高めではない場所をよく選んで空間1m以上の高さで計測すれば、ベータ線影響を免れた値を拾いやすい。
あまりに高い線量を計測するときは、2mm以上のアルミ遮蔽板を用いてベータ線影響を減らす(減衰率95%以上)。
低い数値(0.2マイクロ以下)でSoeksをアルミで遮蔽したところで、いくら実験しても数値は下がらない。機器の固有特性であってベータ線影響とはまた別問題なので。むしろアルミに付着した線源でカウントが増えることも…少しカウントが増えても低い線量では致命的…(塵芥付着物は、静電吸着効果の高いジップロックにも言えるので要注意)


映像でも、テーブルに置いたSoeksの数値は0.2平均で推移と”やや高め”だが、空間1mオーバーでしばらく測るとカウント音が減って0.13などが頻繁に出るようになる。ここは普段から0.08や0.03も出るスポットだ。
ガイガー計はそのベータ線敏感度を利用し、ベータ線源の有無や核種判断(つまり表面検査…衣服や皮膚にベータ線源が付着してるか否か)の簡易検査に用いられるぐらいなので、じつは扱いが難しい。半導体センサーのエアカウンターはご家庭向けと言える。


Soeksのガイガー管は本体左側にめいっぱいのサイズで入っている。Soeks ガイガー管、で画像google検索のこと。…ゆえにマントル線源に対し、Soeksは右側に、エアカウンターSは左側に配置。


…以上、液晶バックライトがない以外は「きわめて優秀」なので今後、Soeks先生のサポート用に持ち歩きます。今後は福島市浪江町での計測作業でも使っていきます。




http://magazine.kakaku.com/mag/kaden/id=669/
5.確定値は更新される:確定値が表示された以降も、約10秒ごとに値が更新される(直近1分間の平均値を表示する)

※どうもエアカウンターの警告音は、あくまで放射線を検出したときの初動の警告音のみであり、やや高価な線量計…SoeksやInspector+のカウント音とは違うようだ。


 ◇


http://www.youtube.com/watch?v=RXCSvnU4zwc
動画にあるとおり、セシウム137準拠の校正係数の比較テスト。
Soeks01MとエアカウンターS、ぴったりです。誤差なし問題なし。
同じトリウム線源の同距離計測で、ほぼ同じ約1マイクロsvを表示。
よく迷信でダマされてる初心者さんは、Soeksの数値に変なかけ算引き算をするのはやめようね…
参考
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111115/1321329150
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20111021/1319118740


個人的に、関連学識を吸収し、日本中を計測調査してきてSoeksを使い倒し、他の機器と一緒に計測して比較しながら…思うのは、
『表示されてる線量もまた、目安でしかない』


サンプリングで放射線を拾って、センサーの単位面積あたりのカウント数を計算でシーベルト変換してるだけ。これはどの測定器も同じで、あとは物差しが「基準」にできるかどうかというだけ。
そんな1.0mmや0.1mmを目測で測るのに、アロカレベルもソエクスレベルもありますか?物差しでしかないのに。学者や技術者が”基準(マスター)”として用いる数十万円の物差しを買ってきますか?バカでしょ。


線量計なんて、1か0.1か判断するための道具で、もし1がヤバイ数値ならば逃げ出せばいいのです。そういうものです。リトマス試験紙に近いかもね。もし自分の手持ちの廉価な線量計に確証を持てないなら、都内でアロカやラディもってる人と同じ場所で計測すればいい。何カ所かやっても同じような数値が出るなら、合格です。『目安』を測る道具としては合格だから、それでいいの。


なんかさ、自治体が出してる数値に無理に合わせるために鉛シートで遮蔽してるとか引き算してるとかいう人…あれも「福島の放射能で絶対にがんになる」みたいなパニック障害の人と同類ですよ、過度の潔癖性。…というか、数値を低くしたり、低い数値が出る場所だけ計測したりと…「嘘をついてでも経済社会だけ守りたい、責任や補償を回避したい」自治体や省庁の出す数値に合わせるって…どんだけ殉教精神なんですか(苦笑)


アロカなら正確で安いのはダメだとか
教授とか言う確かな人の言うこと以外は信じないとか
「寝言言ってるなよ」と。


知識がない人が変な計測を行えばアロカでも全然参考にデキナイ数値しか出ないよ。くしゃみして機器が振動しても、家電製品が近くにあっても、数値は狂うよ…そういうこと知らなきゃ平気でやるでしょ?ビニール被覆もせず使用を重ねてる人、けっこう多いよね…?


※ちなみにこのような『数値のばらつき』を言い出す人は、『よくわかってない人』です…残念ながらhttp://d.hatena.ne.jp/rakkochan+jikopr/20120209/p1実際は生データに近いバラツキを表示してくれるSoeks01Mやこれのほうがむしろ優秀とも言えるのに…Sの説明書にも明記の通り、自然界の核崩壊の数は常に乱数で一定せず、人間の期待には添ってくれませんよー!

※以下のレビューも、あまりよくない配置…TERRA系のGM管の位置を鑑みるとね。Soeksと同じ左側にGM管があるので…線源の左側に置いてはいけない。あと線量は『距離の二乗』法則なのだからもっと厳密に等距離で配置せねば(8μトリウム線源で、密着と2mmでは1μちかく違ってしまう)…だから、こんなに多くの機器でいっぺんにはかれるわけがない。http://www.youtube.com/watch?v=3GLsytG0t9M

※以下も、よくわかってない方…残念ながら。http://www.youtube.com/watch?v=IQqQ7mjE-Wgガイガーカウンターは、シンチレータや半導体計とは露骨に差が出ます。当方の動画の通り。

※こちらは、よそ様の使用レビューと分解レビュー…この方はけっこうわかっておられる。http://airvariable.asablo.jp/blog/2012/02/09/6327724


これまで幾度となく、アロカやラディと同じ場所で測ったり、一緒に測ったりしたけど、ぜんぜん誤差以上の優位な差は出なかったよ。Soeksぜんぜん優秀よ。詳しくはこの記事エントリーのタイトルの[原発]というところを押して、過去ログをあさってください。ちょっと多いけどね。


ちなみにその過去ログを見れば俺が、エアカウンターを監修されている福士教授とも世田谷パワーラークスでご一緒してることがわかります。いわゆるミホコノジリやHAYANOあたりとも、原発作業員や放管1種の有資格者とも、侃々諤々を重ねているのです、震災直後からずっとね。Jビレッジも大阪も、敦賀も東海も行った…専門知識は吸収し、現地計測による現場検証も重ねている。


 ◇


エアカウンターは福士教授の監修だけど、半導体線量計の廉価量産を国会質疑の壇上で呼びかけたのはあの児玉教授だ。両氏の合作、賜物とも言えよう。


以下は蛇足…マーケット的にエアカウンターは風雲児となるか?
価格対性能比、価格破壊率などの相乗効果は…うかうかできないのはむしろアロカや堀場か?…ワタミ社長記事を例に
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120207/226962/


 ◇


午後に計測してきた結果。けっこう、準シンチレータな半導体測定器にしては露骨に結果が出た。


入間市青梅市の一大・狭山茶生産地帯。どの環境でどういう線量傾向かを見ていった。これが予想外に露骨で驚いた。同時にシンチレータ&PD半導体線量計の有用性を再認識。


・舗装路:0.05〜6でやんわり推移、たまに点滅(0.05未満と言うこと)
・路肩の畑入り口付近つまり土地面:不変だったり、やや下がったり、やや上がったり…枯れ葉が上昇のトリガーにことがあるが、必ずではない
・茶の木(お茶の木ですよ):こいつがどこでも露骨に上昇…舗装路上で0.05〜6だったのに、茶の木の茶葉に近づけると、途端に2倍になる…0.12〜14ぐらい


茶葉が高確率で線量が高いのは、チャノキ(ツバキの一種)がセシウムなどミネラルを、成長している葉っぱにため込んでゆく性質があるためだろう。
なので普通の野菜…チンゲンサイや大根なども測ってみたが変化はない。というかご家庭の台所の野菜に線量計を近づけるとわかるが、まず変化しない。するとしても土が付いてる野菜の場合は土の方がアヤシイぐらい…根から先にセシウムが行かない=移行率が低い植物は少なくはない。


もうひとつ、チャノキが線量が高い理由がある。それは小さい葉っぱが密にしげっているせいだ…これは『面線源 集合線源』となりやすい条件だ。一人一人の力は小さいけれど…の論理で、数の論理で方々から線量があつまって高くなっている。これを証明するかのように、刈り取られて枝ばかり見えて葉が少ないチャノキの場合は線量に変化がなかった。


…まあ、しょせんは0.06か0.12かという「微々たる2倍」なので、茶葉が食品になったときに500ベクレルを超えることに必ずしも結びつくほどではないだろうが…

測ってガイガーのユーザの大半、無知を無知のままにしておく一般的な社会人たち…あれらにもウンザリしてるのだが「きのうは0.07だったのに、きょうは0.09…思ってたより高〜い!」いい加減にしろ!と毎度辟易している。福島や柏では、自宅の庭が10μか30μかで悩んでいるというのに=約100倍だぞ…原発作業域内ではこれが1000倍のミリになる。10ミリか20ミリかですら『悩まない』ような現場だ。


まあそれはさておき…まとめる。
・どうもチャノキは若い伸び盛りのつまり先端の若い葉っぱにセシウムをもってくるようだ…まるで苔や芝と同じ
エアカウンターSにて舗装路上の2倍の0.12μ程度がチャノキ葉っぱから5cm程度の位置で検出されるが、食品化されたときに500ベクレルに抵触するとは限らないと思われる
http://hakatte.jp/spot/33329


 ◇


引き続き、SoeksとエアカウンターSで同じ位置での比較計測を重ねて、エアカウンターSのクセをつかむ習熟作業とした。


・やはりSoeks01Mは大きな筒のガイガー管がセンサーなので、拾いやすい。

・おそらくとても小さい面積のエアカウンターのPDセンサーは、そのSoeksのセンサーに比べたら拾いにくいのは当然…地表面で点線源を探すのには不向きで、空間1mで面線源線量を計測する方が向いている。
ゆえにSoeksなら容易にキャッチする0.5〜1μの点線源も、エアカウンターではうまくキャッチできないという事態が散発。


いわばパンケーキGM管 VS 筒型GM管の構図と同じで
パンケーキGM管の方が大型だし、指向性で局部に感度が高く設定されており、筒型より遙かに広い面積を、確実にセンサーする。


たとえばSoeksやRadiで0.8μの微小な点線源があったとして、エアカウンターSではうまくキャッチできず、スイッチON後の最初の数値が0.4ぐらいになってしまうと、あとは平均化していくので実際の値にはなかなか近づかない…こういうときはむしろスイッチOFFにして再測定したほうがてっとりばやかった。最初に0.75ぐらいで出てくれればあっというまに0.8には追いつく。
…こういう「機種依存のクセ」をどんどんつかんで、習熟していくわけだ。


反面、Soeksは低線量の0.2μ以下が苦手で、すぐ高く出やすいので、
上に書いたような茶畑の些細な線量変化のキャッチは、エアカウンターのほうが得意だ。ほぼRadiやクリアパルス、ひいてはアロカ172みたいな使い方ができる。


エアカウンターSの欠点らしい欠点は、スイッチぐらいかな。
動作が硬いスライドスイッチなので、ビニール袋入りだと爪でやらないと動かず、袋が破れる…
これは透明の絶縁テープなどで補強するしかないかな…
いずれマイナーチェンジや新型の時に改善してほしいね。せっかくのメイドインフクシマですから。


 ◇


2012/02/18追記
まめに計測を繰り返し、この機種のクセがつかめてきた。


・本体がコロンコロンころがるのにはあまり反応がないが、
 ペンライトを振るような仕草だと急激に値上昇することが多い


この動作では、BGつまりバックグラウンド・ノイズ発生しやすいのかな。無論、上昇しないときもある。一般論ではあるが「急な移動や方向転換、衝撃は、慎む」こと。


・舗装面ではND(0.05未満)傾向が多い。非舗装土砂面…自然界では乱高下傾向


つまり、舗装面は線量=セシウム分布が均一になりやすい。
野山ではもっと…植生や、水の流れなどと、環境がめまぐるしく変わるので、線量が高い場所、低い場所と、それにきちんと反応していく。
たとえば苔にはきちんと反応。お茶畑ではチャノキの葉っぱにきちんと反応。

高性能シンチレータのように使うことはけっこうできる。ただし廉価品のためセンサーが非常に小さいので、点線源は取り逃しやすい。面線源が得意。


・Soeksと同時に上昇反応し、似たような数値が出ていることがけっこう多い


信頼性の証。
よく「そんなおもちゃで何がわかる」と揶揄する人がいるが、そういうひとは「ハカセ信奉」マスコミ&政府盲信傾向の愚民なので放置。
使ったことがあればね…一緒に測ったことがあればね。アロカでも、そのおもちゃ同然のでも…そんな「おもちゃみたいなので測れるのかよ」などという『ハズカシイ』ことは言えないよね…


原付スクーターでビッグバイクに勝てるわけがないとか、ハチロクで略、とかいうぐらいにハズカシイはなし。現場を知らない、実情を知らない…知らないからこそむしろハカセとかマスコミ大本営発表だけにすがってしまう…悪循環の人種。