先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

元ジオン技術者

家電修理ライトオタにはじまった
(発端は保育園児のときスカイライダーベルトを全分解全組立)


元ITエンジニアなので
PS3で技術者しちゃおうかなーと。
ちょうど、TVレコーダのディスクメディアはDVDでいいから
BD再生をなんにしよっかと探していたところ。
トルネ接続で録画にも使えるしな。


分解組み立てのカスタマーサービス止まりのことは
けっこうやってらっしゃる面々が多い。


しかし、そこに、設計、開発、試行錯誤、エンジニアリング…
やってる人はあんまり見かけない。
アキバ徘徊修理オタク系は、どうもサービスマンの模倣で終わっちゃうらしい…
上流を知る機会が無いんだろうな…


要するに、家電で、車やバイクみたいなことは
なかなかやってないんだな…
部品を自作したり、自己流にカスタマイズしたり
自分で設計をして組み込んだりという…


廃熱や温度管理なんて、
車両の整備やチューンだと、切っても切れないけどね。
業務用ITシステム運用保守の現場でも
よくクルマをたとえにシステムチューンなどの話しはするし。


『要件定義 初回』
SONY CELLは高熱仕様
PS3用CELLはデチューンデスピードされてるが、それでも熱い
スパコンも業務サーバも、初歩は廃熱と冷却から


技術的に、設計技師の視点で、
うまく熱を逃がさなくてはいけない。
そういうステージで再設計をすれば
熱暴走だの、ハンダや回路の焼き切れやメルトなんて、するわけがない。


そういうのがハンダ接合系の電子回路で頻繁なら
材料工学やマテリアル業者がこぞってもっと廃熱に打ち込んで
とっくに熱対策特化の素材に置き換わってるはずだ。


要はSCEのハード構造設計には限度があって、詰め切れてないのだ。
水冷でもなんでも、適度に、要所のみ、クールダウンすればいいだけ。


水冷でどう冷えるか空冷はどうか、
電子回路系でも車両系でも、実地で見てきてる。
その勘を活かすほか有るまい。


『当初目標』
独自設計で、モアベター冷却構造を導入する。
保証外となる筐体分解加工もいとわない。


ゲーム機能は、やってもPS2くらいなので
初期型の大きい方ので試そうと思う。
ATX、ATXmini、ノート、でもわかるとおり
大きい方が廃熱は容易だ。


ただしファン廃熱の場合、
光学ドライブに粉じんがいかないよう工夫が必須だが。


よく銀行の古い支店のOA端末が
冷却ファン経由の塵埃で、CDDがエラー不動になっている。
PCは机上に置くけども、
銀行端末は大柄で、地面に置くからだ。
足下の方にドライブやファンがあるので埃は免れない。


http://pocketnews.cocolog-nifty.com/pkns/ps3pspps2/index.html?e=all
大体このように
安価なファンでは、やっつけで、適当な効果しか見込めない。
本体構造に切り込めず、むしろ本体構造に譲歩して作るし
なにより安価でなくてはいけない…AC電源じゃないので出力も弱い。


安いとメタル軸受けでうるさい。高級品は静音ベアリングだが…
ファンの構造設計や射出成型の仕方一つでも、騒音はがらりと変わる。
薄い金属のカミソリファンが理想ではある。うかつに指入れると詰められちゃうけど…


当然、本体の排気スリットも本当は細かい編み目がいい。
人間もメッシュシャツが夏は心地いいように。
安い増設ファンで、回転数が低いとむしろ廃熱性能が落ちるのも
この安っぽい廃熱スリット構造設計のせいだ。


理想的には、ふつうの扇風機にダクトを付けて、
到達時流速を計測や計算しながらメガホン構造で徐々に狭めていき
本体とは離れた位置に扇風機を設置することだ。これで騒音がAVラックから遠ざけられる。
これはラムエアダクトなどで自動車やバイクで培われているテク。
また扇風機や換気扇の電気代は、まる一日動かしても20円程度。


あとは、本体だけで冷却せず、

データセンターのサーバーラックのように、ラックにファンを付けてしまう。


それでなくてもデータセンターは、
大企業のサービスや業務を担う大事なサーバーをお預かりホストするプロだ。
サーバルームは18度以下に常に保たれている。夏はハッキリ言って寒い。


業務を知れば、
プロの全部署のやってることを知れば
たいていの試みはできる。怖くはない。


素人がマニアになって、プロのまねごとをしても
一部分しか切り取れない。


システムとは、全体設計なくして語れないのだ。


それを理解するには、プロと一緒に仕事をして
プロレベルの作品や製品、を生み出す経験が必須だ。
別にそれは、機会さえもうけたら小学生でも可能。


スパコンの冷却事情
スパコンに限らず、根本設計ならば
・冷却と
・そもそも熱を生まない

ことが必須だ。
後者の工夫はメーカーにしかできない。
小型化、
低電力化、
などの設計変更、技術革新、である。
より小さい回路の方が、流れる電気は少なく
従って熱を発生しない。


しかしPS3の場合、小型化著しいのにCELLは沸騰ヤカンだったため
小型化されたGPU周辺回路が溶けてしまった。
あるいは激しい熱収縮でついに裂けた。
明らかに熱対策開発が、手に負えなかったのだ、
実機発売までの限られた期間と人員と予算では。


まさに「開発ってレベルじゃねーぞ!」


どうやらgoogle画像の数々を見る限り、PS3はほぼ一枚基盤のようだ。
ゆえに「GPUの熱侵略から、周辺住民いや回路を護るでゲソ!」
という戦いの歴史が幕を開けるのじゃなイカ!!


熱を受ける部分だけ探し出し、集中して導風冷却しないと意味がない。
なんなら放熱ラジエターを特定部位に付け足してもいい。



比較的、静寂なのがエアコンや浴室でおなじみシロッコファン
http://www.akamatsudenki.co.jp/blower.html
鬼だからかな〜り風がすごいのだ!これでい〜のだ。!


あとは技術的工夫の数々を
いかにインテリアに和合させるか、だな。


 ◇


googlePS3 ヒートガン
あたりで検索し、修理経験者の弁を聞いてると
「勘所と、独自考察で、終わっちゃってるねえ…」
ありがちな環境ですな…


よくて数ヶ月の、ヒートガン加熱応急修理。
中には1週間以内だの数時間だの…


つまり、ハンダが伸びきってないんだろ…


フラックスの意味や特性を、
幾多の回路で、幾多の半田付け経験で
目で見て学んだ人たちではないよね…


どうせ不可視かつマイクロなので、勘や洞察を頼りにするしかないとしても…
ひどい素人は、相当いますな…


世の中の人々は6種類もしくは4種類に大別できる。
良い 悪い
プロ アマ(素人)
素人とアマも異なると定義すれば6種類。


悪い素人はサイアクで
悪いプロは、良い素人にことごとく負ける。


何度かヒートガン方法で応急修理してると
効かなくなる傾向がある
=ハンダ自体が方々に流れて散ってしまう
=フラックス枯渇
半田付けの基本は、不足したらハンダもフラックスも両方足す、だからね。
それはチップ接合したままだと不可能だから。


当然、GPU熱放散によるハンダ割れだから、
個体によって病状はまるで違う。
ちょっとだけヒートガンがいい個体も、逆の場合も。

メーカーラインはGPUにグリス塗りすぎとか言ってる「わるい素人」達も
すこしはこういうコツ、要諦を知ったらどうかとも…

CPU グリス 塗り
http://www.dosv.jp/feature/0606/14.htm
結論:グリスは多過ぎず少な過ぎず!
http://www4.ocn.ne.jp/~fumi88/mypc/urawaza/gurisu/gurisu.htm
薄く均一に塗った場合
かなりの力で押しつけたのですが
○印の部分とCPUの周りしか密着しないので
十分な放熱が期待できません。


推奨
CPUの真ん中に盛り上がるくらいグリスをおきます。
CPUからはみ出るぐらい押しつけます。(ぐりぐりと回すとOK)
こうするとCPUとヒートシンクの間に隙間ができないので密着度が高く十分な効果が期待できます。
はみ出たグリスは拭き取らない事。
乾燥を防ぐ役割があります。


…はっきりいって
Pen4が登場したときでさえ、カスタマーサポート業務の界隈は
だいぶ神経質になった。
ましてCELLはあのPen4もメじゃない熱暴走の権化…


で、「わるい素人」たちが、ちゃんと適量グリスを塗り
ちゃんと均一に行き渡るのを確認、できてるとは思えない…
たぶん、ヒートガン応急処置よりも
GPUグリス塗布で躓き、YLOD再発させてる連中も、いたりしないか?


ATXなどパソコンの場合は、ヒートシンクだけを装着するので
横から塗布状態を確認しやすいけど
たしかPS3ってファンユニット一体だから、一気にGPU部分が隠れてしまうんじゃ…?確認できない。


…基本がなってない修理と、再発が、多そうです。
とりあえず、何台か修理してみることにする。検証を重ねねば。


同じ”IT”カテゴリの記事で前回分の、DVDレコーダー修理の
あれくらいは、自分一人の見識でやれる人じゃないと
PS3は、ムズかしいよ。使われてる技術が技術だけに。