先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

医療現場のやり方では、原発事故被災地の被曝値はただしく計測できない


これを言い出してしまうと、実効線量の算出は一気に難しくなるよ…


放射線治療の場合、放射線源のペレットが、決められた位置に収納され、(最近はもっと細い電子線を出す、ブラウン管のお化けみたいなリニアックが主流)
決まった方向以外には高線量で飛び出さないように厳重に遮蔽措置され、
患部以外に一切被曝しないように人体も厳重に遮蔽する…鉛で。


つまり放射性物質が一点に集められ、そこからし放射線が出てないのなら、
人体が受ける被曝影響は簡単に計算できる。実際に放射線治療前にコンピュータで3D被曝モデルをはじき出す。どのへんが3シーベルトエリアで、どのへんが500ミリシーベルトエリアで…と患部周辺の「被曝地図」を書いてしまうわけ。


ところが原発事故はそう簡単じゃない。
微粒子、霧となってばらまかれている。空気中や土中や水中に点在してる。
つまり内部被曝もする。外部からの放射線は四方八方から変動的に飛んでくるので正確な被曝値が出せない(原子核が壊れて消える際に出す電磁波が放射線、つまり無数の爆竹がアチコチに仕掛けられ、その爆発の瞬間に放射線を出すようなもので、つまり方向も数も距離も一定ではない)。


医療放射線が、放射線源の位置と線種と線強度を指定し、そこからの人体への距離とビームの太さと照射範囲まで指定することで
やっと人体被曝影響を計算できてるのに
原発事故由来の放射線源は、空気や水や土として、アチコチに散在してる…「わかるよな?」


医療のは、手書きでマンパワーでもある程度計算できる。角度と関数だけだから。IT化される前は医師や技師が手書きしてた。
原発事故のは、スパコンでも容易ではない。もはや世界各地天気予報の的中率を上げるようなレベルだ。


医療放射線は決して外へ漏れてこない。内部被曝しようがない=吸えない、食べられない。
原発放射性物質は今や誰でも食べてるし吸ってる。


たとえ分子ひとつの放射性物質でも、体内ではゼロ距離だ…おびただしい被曝をするのが『内部被曝』。
放射線は距離が遠いほど弱くなる。


冒頭に書いたように、原発事故由来の、日々休みなく続く被曝について、
厳密に、人体被曝影響をロギングするならば…
携帯線量計を、手に付ける、足に付ける、頭部に付ける、胸に付ける、腹に付ける…ってやらんといけない。
家の外にも中にもあちこちに付けて記録しなきゃいけない。家の敷地だけでなくご近所の、すべてのホットスポットも調査し終えないとならない。
集塵式の測定器で、室内と屋外の空気中汚染度も調査しないといけない。日によっては強風でほこりも舞うだろう。
現地で食べる食べ物や飲料水も、安いのでいいからベクレルカウンターを搬入して、毎度毎度サンプル調査しないといけない。ウクライナでは今でもそうしている。魚や野菜をピューレにして計測しOKだったら食べて、ダメなら捨てる。
市場流通食材は99%は検査していないぞ、たまーに抜き出し検査するだけ。http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20130920/1379653603
今年の福島米(全袋ベクレル検査義務づけ)、南相馬産の最初の数袋だけとびきり高い汚染値が出てそれは出荷できなくなった…サンプリング検査の怖い点が、全量検査してみるとわかる…完全にロシアンルーレット。汚染は作物自体とは限らず、不注意で設備や外気のほこりや土や水などが付着して汚染源となり得る(震災後に屋内設備も外気が侵入してきて汚染されてる)…よって場合により外袋だけが汚染されてるかもしれないが、ベクレルカウンターがないと判別できない(袋ごとと、中の米と、それぞれ計測する必要)…家庭用線量計で反応が出たら捨てるしかない(中と外の汚染の区別がつかない場合…どのみち線量計ではベクレルは不明で、『あるかないか』しか判別できない)。生産者もかなり衛生に気を遣ったり、脱穀機の「共洗い」など理学実験的な行為を新たに習慣化する必要があるなど、かなり面倒だ。http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20131010/1381327571


医療被曝は50とか100シーベルト(/月)の世界で、浴びた部分は確実に病む。
しかしごく低線量で一生休みなく浴びるのが原発事故由来の放射能被曝…何が原因で発症したのか特定しにくい。100億回細い針で刺され続けて何回目ので原因となったか覚えていられまい。大酒飲みや過労のせいかもしれないなどと、何年も何十年も後の発症では思えてしまう…
こないだも、未成年自衛隊員が職場イジメで自殺した訴訟で、1億円近い請求額に対し、200万円の判決だった…「因果関係が認められない」と、完全に逃げられた…
原発事故の補償と被曝病治療も、まさにこうなる…


なまじ放射線医療や化学療法などの知識があると、いかに原発事故由来の放射線が「めんどくせえ」か、いやと言うほどわかる。自分のRI治療のデータシートを見ながら言っている。


飯舘など被災地の安全論者には、国立の学者であるハヤノだのノジリだのに洗脳され、医療現場と同じ胸部携帯線量計だけで記録して安心したがってる素人もいるが…愚の骨頂だよ。頭隠して尻隠さず。
医学を学んだことのない、医師の知人もいない、RI治療経験もない…そんな村人に理解しきれるものではない。田舎人が多いフクシマ被災民は少なからず国立側の学者に洗脳されダマされてる人が目立つ。学者自身だって自分が唱えてる持論で自分を洗脳しながら安心したがっている始末だ。内心、みんな不安がっている。安心感を求めたがる余り詭弁やトンデモやウソにはしる…

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013101302100003.html
福島除染・帰還目安線量 算出精度に疑問

2013年10月13日

 東京電力福島第一原発事故で汚染された地域で、家が放射線を遮る効果を、国がまるで環境の異なる場所の調査で計測した値を基に、算出していたことが分かった。放射線量は除染や住民帰還の目安になるが、この算出方法ではデータのばらつきが大きく、専門家も精度を疑問視している。 (大野孝志)

 国は、住民が避難先から帰る目安として、当面の被ばく線量を年二〇ミリシーベルト以下とし、長期的には年一ミリシーベルト以下としている。これらの目安は、除染を進めるかどうかの判断にも使われている。

 問題なのは、被ばく線量を推定する際に重要となる家屋の遮へい効果の数字だ。国際原子力機関IAEA)は、鉄筋コンクリートなら屋外の放射線を九割、木造家屋なら六割カットするとしているが、国は日本でも当てはまるかどうかを、独立行政法人日本原子力研究開発機構に調査を委託。機構は調査で、この値の正しさを確かめたという。

 機構はまず、福島県川俣町の五軒で、野外と屋内の窓際の線量を計測、窓際でどれくらい線量が減るかを調べた。その上で、福島市伊達市など三市二町の百五軒について、窓際の数値から野外の数値を推計し、屋内で測った数値と比べ、家屋の遮へい効果がIAEAの値とほぼ同じと結論づけていた。

 本来は、庭先など野外と、居間など屋内の線量を実際に測って比較すべきだが、そうしていなかった。

 統計数理研究所(東京)の石黒真木夫(まきお)特命教授によると、機構の調査方法は実測できない理由があるような場合はあり得る手法だが、川俣町のデータは少なすぎる。家によって、遮へい効果の数値が大きくばらついていることに注意する必要があるという。

 機構の担当者は、野外に多くの線量計を長く置くのは管理が難しいと説明。その一方、「集めたデータがまだ少なく、六割減という数値は、絶対的なものではない」とした。

 本紙は今年八、九月に福島県田村市や川俣町、楢葉町などの二十六軒で実測。木造家屋の遮へい効果は二割ほどとの結果を得た。計測に協力した住民たちは「避難先から帰るかどうかは、十分信用できる根拠を基にして決めたい」と語った。だが、国は本年度も機構に委託し、同様の手法で福島県内の二百軒で測り、家屋が遮る割合を算出するという。

 <国の被ばく線量の推定> 毎時0・23マイクロシーベルト(1マイクロシーベルトは1ミリシーベルトの1000分の1)であれば、自然界から受ける放射線を加味しても、一般人の被ばく線量限度の年1ミリシーベルトにおさまるとされる。1日のうち野外に8時間、屋内に16時間滞在する生活パターンを想定し、屋内(木造)にいれば野外の線量は6割カットされることが前提になっている。除染でも住民の帰還でも、国の長期目標の重要な目安となっている。


関連エントリー
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20131006/1381040729
大塚キャスターの再発について考える…低線量不眠不休被曝のガンマナイフ数
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20131004/1380807866
震災直後からフクシマ汚染被災地の一部、出生男女比率2:1から1:2へ…小児がんとガン死亡老人が急増



 ◇


福島原発作業員の愚痴、告発。
おれも震災後ずっと休みなく情報収集や助言を続けてきたので、東電の自転車操業ぶりはよーくわかる。『近々の終わりが見えている』無理難題の火の車レース。

Happy11311 Oct 16, 12:40pm via Keitai Web

そもそも、この二年半の間、堰内の水はサーベイもせずに排出しっぱなしだったのに、ここ1ヶ月間で急に対策なんて無理難題なんだよね。200人増やしても、大した対策ならないし…。本気でやるなら、一万人くらい増員して24時間フル稼働で一気に対策するしかないと思うんでし。


[happy11311] Happy11311 Oct 16, 12:15pm via Twitter for Android

緊急措置としての直接排出じゃなくて、はじめから堰内の水はサーベイ後に基準値未満なら直接排出、基準値以上ならタンク移送って
対策にすればいいのに。全てタンクに貯めるなんて、格好いい事ばかり言うからこういう結果になるんだ。
決めた事は必ずやる、出来ない事は出来ないって正直にね。


こんな多大な面倒を承知で、
国は原子力推進してきて
国民もその宣伝に同意してきたのだから
逃げずに負担を続けるしかない。
将来の同じリスクを減らすには、必死で原発を減らし、なくしていくしかない。
電力の不採算事情は再稼働ではなく、カネ勘定や新規事業ポートフォリオなどでまかなっていくしかリスク低減の道はない。
また安易に原発依存で息を吹き返しても、こんどまたドカンしたらこんどこそ1億国民心中だ。同じ規模の事故とは限らないからもっと大きいかもしれず(むろん小さいかもしれず)、大都市の近くの原発が事故ると経済被害も疎開人数もべらぼうになり…もし福島第一原発と同レベルでおなじ田舎の原発の事故としても、2つの原発事故の補償では社会も政府予算も破綻する。1県がつぶれるのと2県がつぶれるのとでも経済波及マイナス効果は段違いだ。

http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY201310160671.html
東電支援、回収に最長31年 利息800億円が国負担に


 【金子元希】東京電力福島第一原発事故の損害賠償などを進める東電への資金援助を会計検査院が調べたところ、国の援助額が上限の5兆円に達するのはほぼ確実で、回収に最長31年かかることがわかった。この場合、国が負担する利息は約800億円にのぼる。検査院は今後、除染が本格化すれば回収が長期化し、さらに国民負担が膨らむ恐れがあると警告している。


原発依存度の高い関西電力、値上げと猛暑需要で簡単に黒字化。大飯原発の一基しか動いてないのに。

http://www.asahi.com/business/update/1017/OSK201310170010.html
「赤字」一転、150億円黒字に予想修正 関電9月中間


 関西電力は16日、2013年9月中間期の連結業績予想を上方修正し、純損益が150億円の黒字になる見通しだと発表した。今春に実施した電気料金値上げに加え、猛暑で料金単価の高い家庭向けの販売電力が増えたことで収益が改善した。

 関電の前年中間期は1167億円の赤字。今年も7月末の時点では、休止中の原子力発電所の代わりに動かす火力発電の燃料費負担が重荷になって、320億円の赤字になるとしていた。中間期としては今年、2年ぶりの黒字を見込む。

 販売電力量は、景気回復の遅れや節電の定着で前年同期より1・5%減るが、5月に家庭向け(平均9・75%)、4月に企業向け(平均17・26%)の電気料金を値上げしたことで、売上高が1兆6100億円と前年同期より14・5%増える。

 さらに、料金単価が高い家庭向けの電力消費が猛暑で増えたため、利益が従来予想より230億円増える。

東電ですら、相ーーーーー当ムリしてるとはいえ、黒字になった。
やればできるといえるが、東電は廃炉作業予算を削りすぎてしわ寄せが厳しいので、せめてそこだけパージしたり国有化したりと経営に直結しないようにすべき。でないと毎日毎日起きる汚染水漏れやプラント不具合が減らない。給料が低いとろくな作業員が集まらず人材も育たない。みんな除染事業へ逃げた。

http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY201310160674.html
東電、「今年度は値上げなしで黒字」 金融機関に見通し
2013年10月17日17時0分


 東京電力が、お金を借りている大手銀行などの金融機関に対して、「2013年度は電気料金の値上げや原発の再稼働をせずに、経常損益を黒字にできる」と伝えていたことが16日わかった。

 東電は経常損益が12年度まで2年続けて赤字だったが、金融機関から融資を受け続ける条件の一つとして13年度は黒字にすることを求められていた。発電・送電設備を修繕する費用の一部を来年度に先送りするなどして経費を削り、とりあえず13年度については黒字にするめどをつけた。

 東電はこうした収支見通しを含む新たな総合特別事業計画(再建計画)を11月末までにまとめる。


脱原発の輪が、政界でも拡がってきている。
輪の大きさか、都合か…一概に腕力の強さでは決められない、バトルとは言えない様相。
昭和までの安直な抗争システムで片付けられないデリケートなこの問題、さてどう運ぶか。

http://www.asahi.com/politics/update/1017/TKY201310170345.html
小泉元首相と「接点ある」 志位委員長、脱原発で共闘?


 「脱原発」発言を続ける小泉純一郎元首相について、志位和夫共産党委員長は17日の記者会見で「核のごみ処理が出来ないから原発を無くすという点は理が通っている。私たちとも接点がある」と評価し、脱原発で連携する「一点共闘」の可能性を示唆した。

 志位氏は「小泉氏の発言に注目している。原発ゼロの一点でどんな立場の方とも協力を図る」と述べた。

 小泉氏は16日にも千葉県木更津市で講演、「原発はコストが安いと言われるが私は信じない。一日も早く原発をゼロにすべきだ」などと語っている。

 小泉氏の「脱原発」発言については、渡辺喜美みんなの党代表や小沢一郎・生活の党代表、菅直人元首相らも賛同。元首相の発言の波紋が広がっている。


海放出しないって…ムリ。
タンク貯水は急場しのぎで仮設資材ばっかでレイアウトもめちゃくちゃで見取り図設計図もそろってないという。
こんな途方もない数のタンク群を本設置にリプレイスできるわけもない…
どんどん漏れるようになってきて「やっぱムリでした」と謝罪する羽目になる。
それまでに地震も何度かあるでしょう。タンクが変形したり錆びたりパッキンが劣化したりするでしょう。


現場の作業員たちも口々に言い始めているぞツイッターなどで
部外者であり技術者経験もない総理や背後の官僚たちが勝手に決めたことが、無理難題ばかりで、こんなの絶対ムリ。というか東電が指示してくる内容だって官僚化してる企業だからメチャクチャばかり。」


これは悪口じゃないが、やるべきことのためには垣根を作らず柔軟で謙虚なところがあった小泉政権と違い、安倍政権メンバーは意地っ張りの名門エリートが多い…何をやっても何かがヌケている…
そういう意味でもきっと失敗する。壇上で演説するとかっこよく見えるが、実務的にやってることがヌケてるってのはヒトラーに似ている。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013101700680
安倍首相「汚染水、安易に放出せず」=原発再稼働、安全最優先−衆院本会議

衆院本会議で代表質問に答える安倍晋三首相=17日午後、国会内


 安倍晋三首相は17日午後、衆院本会議での代表質問で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「トラブルが続いていることは大変遺憾だ」と指摘するとともに「汚染水の増加防止、汚染源の除去、タンク増設による汚染水管理などの手当てを講じ、海への安易な放出は行わない」と述べ、対策に万全を期する考えを強調した。共産党志位和夫委員長への答弁。


現場作業員も言ってることだけど
原発爆発直後に敷地内に降り注いだ『日本一高濃度の放射性物質』が地表に浸透し
・2年後の今になって地下水まで到達し
・大雨のたびに地下水へ浸潤しては、ベクレル濃度を上昇させている
これは200年続く現象。セシウムだけでも200年後でやっと9割崩壊するから。
地下水というのは地層浸透しか水源がないから、タンクから漏れた程度ですぐ到達するわけがない。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131018/t10015370751000.html
タンク周辺地下水で濃度急上昇
10月18日 6時1分


東京電力福島第一原子力発電所でことし8月、300トン余りの汚染水が漏れ出したタンクに近い井戸の地下水で、17日、ベータ線と呼ばれる放射線を出す放射性物質の濃度が前日までの6000倍以上に急上昇し、これまでで最も高い値になっていることが分かりました。
東京電力は、漏れた汚染水の影響が広がっているとみています。

福島第一原発では、ことし8月、4号機の山側にあるタンクから300トン余りの汚染水が漏れ、一部は海につながる側溝を通じて原発の港の外の海に流出したとみられています。
東京電力によりますと、タンクから10メートル余りの井戸で17日に採取した水からストロンチウムなどのベータ線という種類の放射線を出す放射性物質が、前日までの6500倍に当たる1リットル当たり40万ベクレルというこれまでで最も高い値で検出されたということです。
この井戸は、汚染水漏れの影響を調べるために掘ったもので、水とともに移動しやすいトリチウムという放射性物質はすでに高い値で検出されていて、東京電力では、ストロンチウムなどの比較的、移動の遅い放射性物質も地下水に到達したとみています。
100メートル余り海側には、汚染水の増加を抑える対策として建屋周辺に流れ込む前の地下水をくみ上げる井戸があり、東京電力では、この対策に影響するおそれがあるとしてタンク周辺の汚染された土を取り除くとともに観測用の井戸で地下水の監視を強めることにしています。


東京湾
関東一円の山林汚染が水流で集まってくるのは、事故直後から報道されていたこと。
葛西海浜公園で海に入るのも安全かどうか…という報道も幾度かなされた。
http://www.dailymotion.com/video/xph6a4
http://www.dailymotion.com/video/xpkyvh

http://gendai.net/news/view/111814
台風直撃で東京湾が危ない!? 放射能汚染物質が大量流出
2013年10月18日 16:21 更新


<土砂ごと流され撹拌されて海へ>

 この10年で最も強い台風26号が関東を直撃。多数の死者・行方不明者を出したが、その影響は思わぬところまで及んでいた。“東京湾”である。 京大の研究グループによると、東京湾放射能汚染は2014年3月まで悪化し続け、その後10年間は同じ状態が続くという。湾口が狭いため、一度汚染してしまうと浄化されるまでに時間がかかるのだ。

 原因となる汚染物質は山から流れてくる。環境ジャーナリストの天笠啓祐氏が言う。
「林や森にたまった放射性物質は除染できません。山林は範囲が広いですから人の手で作業していくのは困難です。ずっと汚染されたままになる。木の葉や土と一緒に河川に流れ込むことになります」

 汚染はジワジワと時間をかけて下流に向かうのだ。実際、今年も江戸川の中流で捕獲されたウナギ4匹から放射性セシウムが検出されている。最大で国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える158.9ベクレルだった。

 放射性物質の移動について調査を続ける東大大学院新領域創成科学研究科の鯉渕幸生准教授が言う。

「詳細は分かりませんが、海水と淡水が混合した汽水域に生息するゴカイなどを食したウナギに移行した可能性はあります。河川の土砂は汚染濃度が高い。汽水域も影響を受けています。ただ、汚染された土砂は現在、河床表面から数十センチ下にたまり、その上には汚染されていない土砂が積もっている状況です」

 汚染土はキレイな土砂で“ブロック”されているわけだ。
 しかし、台風で崩されれば、海まで流れ込んでしまう。

「特に、今回は相当水量が増えましたから、汚染物質は土砂ごと流された危険性は高い。しかもそれを台風が撹拌(かくはん)するから汚染範囲も広がります。湾内はかなり危ない状況ですね。そもそも、汚染物質についても、測定されているのはセシウムのみ。東電が放出した放射性物質は、1000種類といわれてますから、ストロンチウムトリチウムなどの影響は計り知れない。細かな調査が必要です」(天笠氏)

 東京湾は規制の対象外。潮干狩りや海水浴、五輪ではトライアスロンの会場になる……大丈夫なのか。