先従隗始・温故知新

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安かろう悪かろうのUSBコネクタLEDライトを、日本の技術者の手でカスタム


タイトルに語弊があるとかなんとかはキニスンナ。
うちはやっつけの試作品のままで使い倒すものぐさな職人なんでいべらんめい。


前回のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20141231/1419946254
古くなったLED懐中電灯を、最新のパワーLEDに交換Comments



今回は、同じ製品を購入した人たちがことごとくがっかりしたり、すぐ壊れて怒ったりしているカテゴリの製品。


グリーンハウス:GH-LED10FL
https://www.green-house.co.jp/products/gh-led10fl/
ビックカメラで1千円ぐらいだっけか。さすがダイソー100円のより筐体はしっかりし、分解してみると電子工作もそこそこしっかりしていた。


ただし、
安いLEDライトは必ず部品と構造をケチる。誰も1千円のコストを掛けて1千円で売りたくはない。


LED回路には禁忌の構造があり「ひとつの抵抗器で複数のLEDを並列つなぎ」が該当する。
これはすぐいくつかのLEDがパンクしてつかなくなる、短寿命製品になってしまうからだ。
よく、複数LED実装のペンライトが、いくつかのLED素子が暗くなってるのを見かける。
http://www.ele-lab.com/led_iroha7.html


 ◇


うちのも半年も使うとひとつつかなくなりいくつか暗くなった。
前回のエントリーの4LEDのペンライトも同じだった。


こうなったら解決は単純で
・1LEDで済ます
・並列LEDすべてに抵抗器をつける
・直列で


どれが一番簡単でコスパが見合うか。


ただし1LEDで明るさを確保すると
・やたら光源がまぶしい
・やたら発熱する


お風呂とサウナ石の違い。
太陽も点光源。


照明メーカーも、LED照明設計で一番に苦労するのが、放熱。発熱量計算。


というわけで例によってアキバの秋月のサイトをチェックしたが、長年愛用してきた東芝の1ワットLEDが生産終了…
しかし別メーカー日亜が同規格製品を出してて在庫があった。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-09316/
高輝度電球色チップLED NS3L183T−H3 日亜化学工業


今回はあえて電球色。
寒々しいんだよな暗い部屋に白色光って。雰囲気がいい店のムーディライトや映画館の足元照明って絶対にやらんでしょ白色光は。


元の筒型のまんまは放熱効率が悪いんで却下、LED光源の直下でバッサリ切った。
しばらく熱源付近で筒を指で押さえ続けても「暑いな」ぐらいだからせいぜい80度。樹脂は200度以上でないと溶けもしない。
放熱のため筒の各所をカッターでVに切ってスリットを作った。竹笛みたいに。


この製品の最初の分解は簡単。
まっすぐの筒と、斜めにテーパーになってる根元の部分を、それぞれプライヤーでつかみ、ねじると接着剤が外れる。
筒を外し。透明カバーもねじって接着部を外す。
配線もちゃんと赤と黒だし基盤はプラス側明記してあるし、小学生の電子工作レベル。


 ◇


回路にあったチップ抵抗240表記の並列2連から計算すると、グリーンハウスの回路で採用してるLED素子は2.7V20mA。
並列の10連だから2.7v*200mAで0.52W消費している。(実際にテスターで実測はしてない面倒だから)


うちで組んだ回路は12Ω抵抗で3.5v*125mAで0.44W消費。


つまり両方使って1Wいかないお得仕様www
さようなら蛍光灯スタンド(27W)。承太郎のスタンドこんにちは。


蛍光灯型は広範囲照射むけなので、LEDで模倣しても消費電力は高くなる。(がんばっても消費電力半分)
LEDは点光源なので得意なのは電球型なのだ。光放散するにはファイバーイルミやアクリル導光やコリメートレンズが必須だが、まだメーカーレベルでもこれの開発進化が進んでいない発展途上。



本作では、ファイバーイルミ(住友ライトストリング)やコリメートレンズも揃え、導入を試行したが
思ったほど効果がなかったのでボツとした。
採用したLED素子の仕様が広照射角で広範囲が明るい。へたにデバイスを照射方向に置くとむしろ光を遮ったり減衰してしまう。



デザインナイフの鞘がちょうどよいコリメータになった。
直射方向は減衰せず、全方向への配光が加算された。


この鞘と、本体の透明カバーの間には隙間があり、放熱は問題ない。
鞘は、直射方向を切断して空洞にしてある。

明るさはナツメ球の通常の3倍ぐらい。これで0.5w
ちなみにフィラメントナツメ球は5wかかるので1/10。実質パフォーマンスは30倍ってこと。
これが、コリメータで配光することのマジック。いくらでもパフォーマンスは向上するが、大手メーカーでもまだまだ未熟で発展途上の部分。



ルーメンやカンデラなど明るさの面では、LED素子交換前と大差ないが


360度全方位が明るい配光なので、結果的には明るすぎるのと
点光源なので視野にあると眩しい。E17以下の白熱電球並み。


よって机上から60cm以上上にレイアウトした。


これだったら、KBの手元だけ照らすぐらいならもっと抵抗を大きくしてよかった。0.3wも要らないんじゃないか。
LED素子性能としては照明用なので最大1.4wまで可能で蛍光灯より明るくなるがヒートシンク接続となる。



眩しさ解消を兼ねて、コリメートレンズを装着。光源カバーにもなってくれる。
これだと配光がヘッドライトのように集約され、KB付近だけを一定範囲で異様に明るくできる。フォグやプロジェクターと同じ原理。
60cm上からでも明るいから、至近距離まで持ってくると照射された側がまぶしいぐらい。


このように、同じ光源を、配光アタッチメントを交換することで全く別の用途に使い分けられる。



さらに、ルナのバニラヨーグルトの容器をシェードにした。
ツリガネソウをシェードにした感じ。大きなあんどんになってくれている(最近では夜間工事現場でもおなじみの配光シェード)。
下から覗き込んでも光源が見えにくく眩しさがなくなった。
コリメートレンズの照射範囲はほぼ邪魔していない。ただシェードが配光を絞り込んでるのでレンズはずしてもあまりKB付近への配光に大差はない、ただしレンズが付いてたほうが照射中心部が集光により明るくなる。ここらへんは用途や好みの範疇。
基本的に、高所から一箇所を強く照射するならコリメートレンズ装着。LEDライトでも強い味方。
KB真上からだと集光すると眩しすぎるので装着しない。要はスポットライト、サーチライトに等しい(コリメートレンズの設計集光角度による)。

2枚上の画像は、電球のような散乱光なので、KB周辺もその他も均等に暗めなのがわかると思う。
1枚上の画像とこの画像では、コリメートレンズが装着され、焦点を当てたKB中心部ほど明るいのがわかる。


 ◇


白色と電球色で二刀流。好きな方を使い分け。


USBコンセントを好きな場所に配置し、好きな場所へ設置できる。
そのうえでコリメートレンズとライトカバーを交換して焦点や照射範囲が変更可能。
非常にコンセプタブル。



USBのLEDライトの利点のひとつ。


「USBバッテリーを繋げば懐中電灯に」


しかも消費電力0.5w
旧来の豆電球の1/6