先従隗始・温故知新

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掃除機と空気清浄機の気密性能を上げ、カビ耐性をつける

前のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20170501/1493560282


 ◇


コストダウンのため、意外と両者はフィルター以外から吸排気している。
カビ胞子をそのまま吸い込み
中にたまったカビをぶちまけている。


気密構造は設計も製造もカネがかかるのだ。
安いものには理由がある。
生活家電が、手術の無菌室や半導体製造の無塵室と、同じ性能のワケがないのだ。


なので完全カビ対応の掃除機や空気清浄機にするには、
それなりのサービスマンや設計者のスキルを用いて、気密性能をチューンナップするしか無い。


やり方自体は簡単で、ビニールテープやダクトテープで目張りする。大きな穴はビニール袋を丸めて突っ込む。
ただこれも、技術やスキル次第で天と地の差になるが。


はっきりいって対カビ掃除機は紙パック式の方がいい。
一部で「サイクロンと紙パックでカビ排出率を比較実験してサイクロンが勝利という検証結果が出回ってるが
あれはコストダウンで隙間だらけの、ハイパーチューニングしてない紙パック掃除機だから負けたのであって
鈴鹿8耐で優勝するチューニングを施せばいいのだ。ケロロ軍曹大満足。


空気清浄機は、前のエントリーで触れたとおり、吸気側がガバガバだ。すべてビニテやシリコンシーラントで塞ぐ。


紙パック掃除機は、排気側がガバガバで、排気口にフィルターを付けると電源コード穴やボタンなどあちこちから吹き出す 苦笑。
なので筐体の接合線や、ボタンや、穴をすべて、ダクトテープで目張りしたり、電源コード部なとりあえずお肉パックを買うとついてくる薄いエチレン袋を丸めて突っ込んどく。変形追従性能が良いので重宝する。ボタンは押せるように弾力があるビニテで、押した状態で貼り付けつつ隙間なく貼っていく。動作テストしながら行えば次第に漏れ箇所が減っていく。


結局、ほかから漏れるようではモーター空冷性能は落ちてるわけで…これではフォガティが乗るドゥカティには勝てない。
「排気口だけから排気される仕様」を徹底しつつ、排気口に「社外品の紙パック後ろの高性能フィルター」を貼り付けて目張りしておく。
ただこうしてダブルフィルターにしてしまうと排気抵抗が増えてモーター空冷性能が落ちるかもしれないので
オーバーヒートしてないか注意しながら使う。不注意で火災になるよりましだ。ただ、本体を目張りして隙間を塞ぐことでむしろ空冷性能がアップしてるかもしれないが…デトネは丹念に観察して防ぐしか無い。


紙パック掃除機はどうしてもパック交換時に、本体ケースへゴミやホコリを落としてしまい、これがノーフィルター生ガスとして排気されると部屋中にカビ胞子を撒き散らして逆効果となるので
紙パック収納部は一度徹底的にクリーニングする。ノズル密接部のゴムパッキンに異物がついてると隙間になって漏れるのでこれも掃除し確認する。


こうして完成した二台を駆使すると、過酷なカビ住環境でも問題なく使用できる。8耐ももて耐も表彰台である。
もちろん、不定期の点検とメンテは欠かせないが。レーサーマシンはこまめな整備をして当たり前。でないとビアッジが乗るアプリリアには勝てる、千年屋リポーターを絶叫させるマシンにはならない


※結局、掃除機の排気口には、日立の最高価格のカビ胞子も通さない紙パックを、ダクトテープで完全気密で装着。
ドゥーハンとRVFで絶対優勝のワークスレーサーに仕上がった。ただし掃除機を立てる時は丁寧にそーっとやらないと紙パックが傷む。




参考:フィルタと空気清浄機本体との気密は全く保たれず、本体も隙間だらけで、HEPAと言う名前だけで輸送や装填の際の破損も考慮されない最低ランクのフィルタを使い、さらにランニングコストがかかるからと掃除機でフィルタを吸って使い回してる様な機械に、最初から99.97%以上の粒子捕集率を期待する方がどうかしています
http://motosyuuriyadesu.blog.fc2.com/blog-entry-18.html


市販の安いマスクに「ウイルス99%カットの高性能フィルター」なんて書いてあっても無意味なのと同じ。


いくらフィルタが良くても「マスクの外周から」どんどん入ってくる。
マスクの役目はあくまで直接まっすぐ飛んでくる飛沫や粉塵などをシャットアウトするだけ。
自分から出すそれらもブロックするだけ。
【盾であって、城ではない】
では工夫してテーピングして外周を密閉すると、今度は息苦しくて窒息してしまう。
安いマスクのフィルタは吸排気抵抗デシベルが窒息死レベルで、気密完全加工するならマスク4つ連結しないと呼吸もできない。


マスクであれば本当の粉塵95%カットは「N95防じんマスク」でないと無理。
防塵マスクは規格があって、かならずマスク外周側面が密閉されて決して漏れない構造。
密閉だが窒息しないよう、吸排気抵抗が少ない高性能高価格素材を使ってる。なので使い捨てマスクでも1個600円はする。しかも30時間ぐらいしか使えない(呼気の有機物にや吸塵した物質によってだんだんと詰まってくるため)。


塵埃が許されない、食品製造、医薬品取扱などの工場では
入室前にエアシャワーで着衣(クリーニング済みの白衣上下とキャップとマスク)のホコリを吹き飛ばし、さらに粘着テープロールで着衣全面積をなでる。
そのうえでクリーンエリアではさらに本式HEPA集塵機(出口側)、空調機(入口側)(いずれもISO規格の完全気密)が稼働してる。
ほんとうの空気清浄ってココまでやってやっと実現できてる。


うちでレストアしたプラズマクラスター清浄機も、いきなりかびくさくなって咳が出たり、やんだり、不安定だった。
原因はやはり、おもちゃみたいな構造で、気密が全く設計されてないからだ。


魔改造するにしても本体の穴をふさぐだけでは不十分。
フィルターは真四角なのにたった2箇所を、カバーによって針の先のように点で押されて装着されてるだけ…
だから気密度が頻繁に変わってカビや粉塵を吸い込んで吹き出してるらしい。


なので本体の目張り気密処理が終わったら、こんどはフィルター完全密着加工。
とはいえナイスタックを半分に切ってフィルターを四方気密漏れなく完全に貼り付けるだけだ。
ナイスタックは薄いとは言え、重ねてしまっても途切れて間が空いてしまっても、リークしてしまうのでなるべく段差や隙間を作らぬよう神経質に切って貼り付ける。
(ちなみに商業施設や工場の業務集塵機は空調ダクト内蔵式なのでフィルタはボルトオンだ。うちのもほんとはボルトオンやレバーロック式にしたいがスペースが取れないのでテープ接着とした)



加工後のテスト運転では良好である。さっきまでカビ粉塵臭さで急に「イガイガ、チクチク」させてくれてたのに、
フィルターを掃除機で吸塵清掃し、テープ貼り付けで本体パッキンに密着させて運転したら、ウソのように無くなった。
イオンは青色発光で最強にしてる。イオンあるけど絶好調。


フィルターを本体に接着したことで、カバーを付けなくても良くなり、真正面からも吸塵できるようになった。
排気口も、真上に突風を吹き付けることで部屋中のホコリを舞い上げるのを防ぐためマスクを貼り合わせて筒を作ってカバーにした。排気は側面から出る。
クリーンエリア工場のエアシャワーと同じように、塵芥を舞い上げて一気に吸塵する方法もあるが、家電の空気清浄機では小型すぎ非力すぎて追いつかず、ただ部屋中がホコリカビだらけになるばかり…せめて人間の身長ぐらいの高出力集塵機が2個はないと…六畳間でもね。塵芥舞い上げ吸塵方式ってそのぐらい大変。カビだった場合はカビてる家財から永遠に胞子が出続けるから無駄だし。


ただ、いくら気密アップしても、多量のカビをフィルタに集塵した場合にカビが繁殖してしまうと、繁殖したカビは根を張り巡らせてフィルタ出口側にも生えてきてしまうので、もうそのフィルタを使う限りはカビを吹き出し続けるようになる。湿度温度、部屋の汚れ具合や粉じんの種類、カビの品種によってはあっという間だ。
このレストアした清浄機も元の持ち主はフィルタを10年間使いまわして黒カビがフィルタ全面に2mmほど積もりに積もった状態にしていた…無知とは恐ろしい。


このように、技術者経験があれば、ある程度は技術で補える。けどやはりクリーンルーム向けのISO規格設備には追いつかない。

Hitachi racing corp HRC




翌日5/28
きょうの序盤はコンパクト掃除機の完全分解と水洗清掃。水洗は昨夕に済ませ干しておいた。
91年バブル期松下なのでさすがに朽ちてきてる部品が多い。これも排気口にN95か微粒子対応紙パックを装着しないともう使えない。


古い掃除機や、重度のカビホコリ環境で使った掃除機は、こうして全分解洗浄をしないと「捨てるしかなくなる」。空気清浄機も扇風機でも同じ。
なぜなら放置すると中でカビが大繁殖するからだ。ただのカビ胞子バラマキ機となる。乾燥したゴミ以外に湿った物体や液体を吸わせていたら最悪。食品やカビのエサを吸ってても最悪。


次点は、空気清浄機の続き。
前日の両面テープ貼り合わせだけでもかなり刺激的な粒子が「減ったのは実感」できたが
まだいる。まだどこかの隙間から二次エアが吸われているのだ。


思い切ってさらに二段構えのシーリング封止作戦。今度は手前全面をビニテで密閉。
さすがにこれで、ほぼ刺激粒子の体感は消失。まだ機内に残留してる刺激粒子があるが次第に減っていくだろう、試運転開始の最初だけ体感があったが強運転1時間もするとほぼ感じられなくなった。


プラズマクラスター清浄機などに使われる標準のHEPA規格クラスのフィルターは完全気密構造なら0.2マイクロメートル=PM0.2まではすり抜けないらしい。気密構造の上でもすり抜けてくるのはもっと細かい微粒子か、カビが繁殖してフィルタ表裏全体に胞子がびっしりという場合。

8耐決勝前日のプラクティスで、ミック・ドゥーハンのRVFがピットイン。「吹け上がりが悪く排ガスも汚れている、二次エアを吸っていないか」HRCカニックはすぐ二次リーク箇所を塞いで送り出した。直後にファステストラップ更新、YRTの記録を破り去った



こいつはもうワークスレーサーなんで、ランニングコストは高額である。
フィルターはカビをなるべく吸わせないようにしないと、カビを一定数吸って付着させ、発芽してしまったらもう交換しかない。下手をすると毎月交換だ。
まだこの古い機種は余計な機能がないのでネット通販で3千円未満で家に届くが、加湿器だの色々ついてる機種は倍以上するだろう。


毎月3千円〜7千円の覚悟があるか。しかも交換ごとにまたテーピングを二重でし直すのだ。
だがワークスに限らずレーサーマシンなら毎度当たり前にやってることだ。公道を走れる市販車とは違う。


結局、カビ掃除の基本は拭き掃除。とことん毎日のように部屋中をハイターやベンザルで拭いてぬぐって何日も何ヶ月もカビを殺し続け勢力を弱め殲滅し、最後の最後に完全気密掃除機で吸っとく。
そこまできれいな部屋環境になったらやっと、完全気密仕様のフィルターがカビ繁殖してない空気清浄機を動かせる。清浄機はゴミを吸わせる掃除機とは違うのだ。



二重密閉後、半日のテスト稼働で、5%ぐらいまで排気粒子が減少した感じ。
しかも粒径が非常に小さいものしか、ほぼ出てこなくなった。ほとんど、フィルター性能より細かいものだけだ。


フィルターガタガタで隙間風吸い込みまくりの100%だと「この部屋住めない」と思うほどひどく喉や鼻腔が強烈にチクチクイガイガしまくってたのが、
5%で細かい粒径だけだと些細でほとんど気にならないレベルになった。


一重の両面テープ固定だけの時は、せいぜい半減だったから、めざましく高性能化した。
ただやはり、基本設計が廉価品ゆえにぽんこつなので、完全密閉はできない。
はっきりいって自分で密閉ケースを自作したほうが手っ取り早い。扇風機を流用して、フィルターだけ流用する。



その後の試用続きで判明したこと。


・気密性アップ前提の設計ではないので、バックファイアが発生する=逆流気流によりフィルタの粉塵が舞う、その粉塵を排気が巻き上げる


なかなかに致命的だ。なのでシーリングによる気密性向上の分、吸入量は落とすしか無い。
弱なら問題ない。
標準だと若干まだ吹き返し=バックファイヤがある感じ。


更に今度は、分解し、内部のシーリングで気密向上。
中心のモーターへの配線を隠すリッドと、プラズマイオン発生装置と、排気口近くのカバーの、隙間をビニテでふさぐ。こいつが結構効果あって、導風ルートからハズレて、基盤や配線が伝ってる外側ルートを通過した汚い排気が交じることが減ったためか、排気が綺麗に感じられるようになったような。まだ試用で確認を続けなきゃいいかんが。


基礎的な技術論として…
ホコリが小さいほど軽い力で舞い上がるしいつまでも飛ぶんで(ほっとくと24時間でも飛んでいられる)
微粒子が多い環境では、強運転も、へたすりゃ標準運転も、ご法度。そういう環境では強運転で急ぐんじゃなく、標準運転以下で台数を増やして対応するしか無い。どうせ15wとかなので6台入れても90w。部屋の四方から清浄機に包囲される圧迫感はあるが…鈴鹿8耐のプレッシャーに比べれば…
もしくはフィルターだけ流用=居室換気扇を設置してフィルターダクトを自作増設しフィルターを装着。こうすると排気が室内を飛ばないので微粒子は吸塵されるかダクトスルーして屋外でに出ていくだけ=最強運転でもどんどん吸塵できるしホコリが舞わない。もちろん屋外からきれいな空気を吸気するのが大前提=なんなら屋外吸気ダクトも設置してそこにもHEPAフィルターを装着。
ここまでするからホンダは優勝するしヤマハは勝てない。スズキもカワサキも論外ですから…