先従隗始・温故知新

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日立製の、福島原発格納容器調査ロボットについて、日立へ意見具申


メーカーサイトからメール送信。
タングステン、鉛を駆使した放射線防護強化
・電子系がいかれてもワイヤで操縦して帰還できる仕様(医療の内視鏡に準拠)
・本物の事故原発の格納容器を使い、何度も耐久テストを繰り返し、弱点を洗い出す


 ◇


以下の原因を見る限り、
医療機器の内視鏡の設計概念が欠けている。


ケーブルを引っ張れば回収できるようにするのが筋。医療内視鏡はワイヤー内臓で機械的に、ミミズのように自在に変形し操作できる。
ただ原子炉に突っ込ませるロボットのケーブルは総延長がkm単位になりかねないのでワイヤ内蔵による遠隔操作を実現するのは容易ではないかもしれない。


自力では回収不可能だというからには、まさにこの内視鏡マニピュレーターで回収に行くしかない。ロボットとは別に開発する必要がある、いわば二人三脚だ。
映像を見ながら、引っかかった場所を特定し、内蔵アームでいじって引っかかりを解除する。


あんまり長期間、高線量の炉内にロボットを放置すると部品が放射化して使い物にならなくなる。

http://www.j-cast.com/2015/04/11232842.html
遠隔操作用のケーブルが障害物に引っかかったのが原因だとみられ、ロボット回収の見通しは立っていない。


結局、医療概念で言えば


ロボットが足止めになってしまえば、ロボット装置そのものが「患部」なのだから
医療的にマニピュレータを派遣してレスキューするしかない。


 ◇


回収できない時点で、ポンコツやな…
原子炉内部の調査ロボとしてはポンコツ


ただ置物になるだけでなく、あらたな障害物になるので。
どんな構成でもいいから、絶対に回収できる仕様にしないとダメ。


日曜深夜、月曜に日付変わってすぐに報道だから、よほど「世間に知らせたくない内容」

asahi.com

原子炉格納容器で走行不能、ロボット回収断念 福島第一

2015年4月13日00時08分


 東京電力は12日、福島第一原発1号機の状態を調べるために原子炉格納容器内に投入し、内部で走行不能になったロボットの回収を断念した、と発表した。外部とつながるケーブルを切断する作業に入る。13日に予定していた、もう1台の投入も延期する。


2015/04/13
詳報が東電より発表された。

http://www.tepco.co.jp/decommision/news/handouts/index-j.html
2015年4月13日
「原子炉格納容器内部調査技術の開発」ペデスタル外側_1階グレーチング上調査(B1調査)の現地実証試験の実施について【4月10日実施分】(PDF 1.12MB
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2015/images/handouts_150413_02-j.pdf


http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/index-j.html
映像
2015年4月13日
「原子炉格納容器内部調査技術の開発」ペデスタル外側_1階


グレーチングや手すりや配管の集積する狭い場所で干渉して引っかかった、という推測をしているので
・飲料缶みたいな形状をしているので、芋虫みたいな短い手足=マニピュレータを追加し、既存の3関節も駆使し、「駄々をこねる動作」「飛び跳ねる動作」で脱出できるようにする(猫の動作も参考になる)
・尺取り虫の動作ができないか検討する
・ケーブルコネクターを自在にパージできる仕様にして、引っかかる場所からケーブルを少し引き抜いて、またカメラ映像を見ながら無線でロボットをバックオーライで結合するようなオペができないか検討する(高線量だとバッテリ搭載は無理かな)無線通信アンテナはケーブルに設置


もはやロボコンですな。ロボコン出場経験者がいいアイデア出しそう。


 ◇


参考までに
GE社 BWR 1型の図解


ロボットは、フラスコ型の一番太いあたりに入れられて調査していた。
おそらくデブリはコンクリ壁で仕切られた先の、圧力容器RPV側の地中側に縦方向で溶けだして、コップ形状の中にたまって固形化している。
この壁を高温で突き破ったにしては格納容器PCV室内の線量が低い。
むろんデブリが大きな塊か砂状か、どのぐらい厚い水面で遮蔽されてるか、などで線量が変わるけど。
ロボットがPCVデッキのどこを走行しても計測線量7〜10SVで変動幅少なく安定だとすればPCVに放射線を飛ばすようなデブリは存在していないか非常にマイノリティであろう。




制御棒の真下=ペデスタル。
ここがもう半分ぐらいボコボコ穴あいちゃって残ってないんじゃないか、デッキと呼べる人が歩ける場所もなくなってるんじゃないか、という話。
ここか、更に下層、がチェルノブイリで言うところの「象の足」が存在する可能性がある場所。ただ水没すると錆びてふやけてボロボロの粉状になる。
いまは水没だというから、水を抜いてロボットを入れるにしてもすごい線量になる。PCV側にデブリが漏れればPCV室内の線量増加原因となる。
http://www.anaroguma.org/komake/fukushima/photo_Sep3/より


燃料デブリ取り出しに向けての「冠水工法」CG映像
http://irid.or.jp/video/


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150413/k10010047011000.html
NHK
格納容器内に核燃料の熱による湯気 映像初公開
4月13日 17時55分


 ◇


結局、当面は既存の予備機で作業続行するのね…使い捨てロボットだな。
弱点はそのまんまなんだからいずれ改良機を投入せねばならない。


いずれRPVまで突っ込ませるわけだからPCVより遠方となるし、より高線量に耐えてより生還走破率の高い改良型が望まれる。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150415/k10010049001000.html
格納容器内部調査再開 ロボット2台目投入


ロボットが動かせなくなったのは足場の隙間で脱輪したことが主な原因だとしたうえで、走行用のベルトやカメラは正常に動いていたことから、ロボットに異常はなかったとして、調査を再開することを決め、15日午前10時ごろ、2台目を格納容器内部に投入しました。一方で、1台目のトラブルを受けて作業を慎重に進めるため、調査に2〜3日かかることもありうるとしています。