先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

唯一? 福島原発事故の際のヨウ素131被曝量検査のデータが存在した


フランスに。

http://no-border.co.jp/archives/15531/2/
フランスの研究者

「フランスでは220人の日本から戻ってきた人を調査、測定。
280人、2011年日本から帰国した人の測定、35%の人が汚染。
(この人数の違いは不明、通訳の発言をそのままメモした)
ゲルマニウム検出器で測定。
ホールボディカウンティング、ゲルマニウム検出器2機で行う。
甲状腺の測定は1つのゲルマニウム検出器で、正面と頸部。
ほとんどの測定は事故の3週間以内。
汚染が確認された人たちは、大部分がヨウ素131。
セシウム134、セシウム137も20人検出。
テルル132、ヨウ素132も12人ほど検出。


線量評価を汚染が確認された人たちに行った。
線量評価は核種の元素としてヨウ素132を除いて行った。
日本から帰国したときヨウ素132に関してはテルル132と同じように減衰し、入っていないと考えたから。


東京にどれくらいいたか、時系列で事故のときから東京にいて、飛行機に乗るまでどういった行動をしたのか、聞き取り調査をした。


少数の測定値だが興味深いデータ。
ほかの短寿命の核種の寄与度も非常に需要。
線量再構築、推計に重要。」


スペインの研究者

「こちらでも再構築におけるものの情報は提供できる。
例えば他国でも帰国した者に同じようなアプローチをとっているところのデータなど。
それを精査して日本に提供できる。
これまで放射性物質の検出もすでにあった。」


これに対して、放医研の栗原氏はいい提案だ、ぜひ情報を提供して頂きたい、と応えている。

このディスカッションのまとめでも、日本側は
「今後、海外からのデータ、知見も加えて、短半減期核種の内部被ばくの再構築を進めていきたい」と閉めている。


ソース元
セシウムが殆ど出てないうちに引き上げていたって言うからすごい。データとして有意。
この中に18歳以下がいるとおそらく高確率で甲状腺がん発症…

Yuri Hiranuma

フランス放射線防護・原子力安全研究所の2012年3月報告書 Fukushima, one year later - Initial analyses of the accident and its consequences http://www.irsn.fr/EN/publications/technical-publications/Documents/IRSN_Fukushima-1-year-later_2012-003.pdf


pp.162−166に事故後にフランスへ帰国した人のホールボディーカウンター(WBC)検査結果のデータ。268人に280回のWBC検査が実施された。 ジャーナリスト 92人 企業社員 70人 航空会社クルー 36人 一般市民 75人


このフランスでのWBC検査および甲状腺カウントについて、検出下限値や生データは記載なし。WBC測定時間は20分で、甲状腺カウント測定時間は15分。放射性核種が検出された人においては、実効線量と甲状腺等価線量が計算された。


最も多く検出されたのはヨウ素131で、数人ではヨウ素132とテルル132が検出。セシウム137はもっと稀にしか検出されなかった。実効線量最大値は<0.1mSvで、甲状腺等価線量最大値は<1.4mSv(フランスで安定ヨウ素剤投与が考慮されるのは50mSvから)だった。


実効線量のバーグラフ。 ジャーナリスト(黄色)、一般市民(ピンク、日本在住フランス国民や学生)、企業の日本駐在員(ブルー)に分かれている。


甲状腺等価線量のバーグラフ。 同じく、ジャーナリスト(黄色)、一般市民(ピンク、日本在住フランス国民や学生)、企業の日本駐在員(ブルー)に分かれている。


図8-15:仙台市いわき市郡山市福島市でのプルームが最大だった3月15−16日、東京では3月15−16日と20日午後−23日に、各々の場所に滞在していた一般市民の人数とWBC検査陽性人数および甲状腺等価線量の範囲。都市名に注意


図8−16:仙台市・相馬市と東京近辺に、プルーム濃度が最大だった時に滞在していたジャーナリストの人数および甲状腺等価線量の範囲


ちなみに、エール・フランス社は事故後迅速に乗務員と飛行機をソウルに留め、成田空港は乗客の乗降地点としてのみ利用したので、乗務員の健康管理責任者の医師は、不安が非常に大きかった乗務員についてのみ、WBC検査を依頼した。WBC検査陽性84人の中の1人もエール・フランスの乗務員でない。



(268人に280回のWBC検査を行い、84人から放射性核種を検出したので、31%が汚染、となるが、エール・フランス社の36人を入れなかったら、232人のうち84人から放射性核種が検出され、36%が汚染、となる)