先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

庵野くん、わかるかね、私だよ。

エヴァQ視聴レビュー。わかりやすく。 ※ネタバレとか作品の深い考察があります。私感のみですが大外れはしてないかと


イオンむさし村山、12時の回、だいたい半分の席が埋まってた。本日20日はここだけ1000円デー。9時回のギャバン見てから


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NGワード:エイリアン3。キャメロン監督の希望あふれる娯楽活劇エイリアン2を木っ端みじんに粉砕したフィンチャー監督のエイリアン3…エヴァQとはパート3という点でも共通…おそらく庵野は意識している…
いまどきの未成年たちは、庵野=60年代生まれとその下の70年代生まれの生い立ち、背景事情はよく勉強しておくといい。彼らが少年時代や成人して20代の頃に何を見て影響されてきたかを。


総括:ほほうつまり『おのれゼータ不思議の海の新世紀・星方黒執事エヴァラーゼエウレファフマトリッガペインSEEDディケイド!をねらえ!イリアン3』
(「目新しさはない」…やっと青年向けアニメを見始めた最近の子にはわからないけどね)
・あらゆるエヴァ模倣or感銘を受けてインスパイアしたアニメ・実写を、逆輸入


・アンノは、やさしいおじさんになった
「こどもだから、よめませ〜ん」と言われると、今はちゃんと咀嚼してわかりやすいアニメに焼き直してくれる。テレビのジョンを呼んでくれる。
それでも破までは「ガマンしてサービスサービス」してたが、Qはやりたいようにやった方なのだろう。
序破は旧作を焼き直したもので、急シンは新作起こしで旧作を部分流用したもの、ともいえる。地味な行政改革か、革命後新政府かという。
・よって、わかりやすくなったEOE Ver.2.0 (EOE=エンドオブジ・エヴァンゲリオン=旧劇)
(当然、現代のアニメ。CG技術を駆使…むしろいまだからこそ完璧なEOE Ver2.0が完成できたといえる。Ver1.0はブーイングで良かったのだ)
・カヲルの捨て台詞「またあえるよ」=白髪になった還暦アンノがまた10年後に焼き直すぞという恫喝wまた搾り取ってやるとw当然、空白の14年間も『搾り取るための』材料であろう…加持やトウジらが放りっぱなしなのも…
序破急能楽用語で、起承転結に近い概念、序文、展開、たたみかけ。急なので視聴者置いてけぼり的にたたみかけている
序のころに、能楽エヴァも上演してたし…すべってたけど。


ドッペルゲンガー
 アスカをアスカ母(イラスト)がバックサポート
 ユイ=初号機がシンジをバックサポートしたのとかぶってる
 旧劇EOEでもアスカは母の存在を感じると強くなった
 エヴァの呪縛=年取らない…イラストもまた…


・繰り返すが、これらに気づけるのは、TV版>シト&EOE、新劇と、順番に見てきた人だけ…いまどきの、新劇からみている子たちには理解できないだろう


・Wiile=民主党。甘ったれた生き残りバラマキ重視の元・野合集団。補完計画の凄惨な実態を目撃したら心変わりした臆病者、現実逃避の集団(無理もねえ)
・よってNERV=自民党とか、元自民の老人新党w>かつての新鋭NERVもいまや老害のネスト、残骸


エヴァQのラストのオチ=アホアホブラザー(だめー、それだめー)
きっとオネアミスで坂本と縁のあるアンノによるシニカルなギャグであろう


・Wunder(=Miracle):まんまマトリックスの母艦・ネブカドネザル…潜水艦や駆逐艦の映画っぽいブリッジ描写。もし依頼があれば「5万円で」全長30cmでプラバンだけで1ヶ月でワンオフ品を作りますが、なんせオレがほしいとかカッコイイとはみじんも思わないので雑になってしまいますので、プロモデラーが製品として発売するのを待つ方がはるかにマシで安価でしょう
「ってかアンノおまえ、戦艦エヴァやりたかっただけなんと違うのかと」
ブンダー=ヴィレがエヴァ依存=チルドレン依存を脱却するための最終兵器か。何もしなくていいという愛情。どれだけ大変な事態になるかを目撃すれば、わき上がるだろう愛情。


・アンノたちは、311震災によって『現実のホロビ』の片鱗を知ってしまった。人類補完計画アメリカ筋とかが人工地震とかで本気で滅ぼしにくる恐怖を身をもって体験したため、いわばヴィレ側の臆病な気持ちになってしまい、それがエヴァQの作風に現れている。
・ゆえに巨神兵の特撮をつくったのも、エヴァQの作風に至ったのと動機は共通していると思われる
・ラスト、線量計放射線量を測定している(ZZZガンダムネタ…高い放射能汚染地帯でも平気で過ごせる新人類)…つまりそれだけアンノたちは311震災被害および原発事故に、かなーーーーりビビってしまい、補完計画GOGOな心理は吹っ飛んでしまったと言うことだ。


・ここ重要:ヴィレの女性オペレータはプリキュアだった。彼女一人でもちきゅうをすくってくれるよ!あとアスカはツンデレだから本当はシンジにはおしりかじりむしでいてほしいんだよ!


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繰り返すが、非常にわかりやすい、親切なアニメだ。
90年代の若々しいガキシンジみたいなやつらがつくった旧劇に比べたら、長々と長文で、長い年月をかけて悩んで、正解を導くほどの内容量、情報量ではないよ。インターネットでそれを仕掛けてるのは制作側が放ったサクラアルバイトの連中だから気にしなくていい。


でも正直な話、テロを仕掛けてでも補完計画やる側が、実際の凄惨な光景をみたら翻意してその計画を邪魔する軍隊になってしまうのでは、それこそそっちのほうが「ガキシンジ」だよなあと、正直思ったわ。貫徹できないなら最初からやるなよ。


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裁判傍聴画もこんなのがいい
http://anige-sokuhou.ldblog.jp/archives/20326596.html


なんかポニョのときの暴露記事をコピペしたかのような…
EDロールのプロダクション名がやたら多かったから、ありえるとは思うけど。(スケジュール逼迫で多数の外部プロダクションへ投げまくったらそうなる)

大波コナミ(輩)‏@moja_co
アニメーションに於いて、ライターで製作ディレクションしてプロデュースも兼ねる人が居たらほぼ全知全能を兼ねるわけで誰も逆らえないのが普通です。
ディレクターとしての貴方の不用意な決断がどんだけ現場の士気を損ねているか、プロデュースの立場で考えたことがありますか?
http://twitter.com/moja_co/status/213683417399828480


エヴァに長年関わってきた総作画監督の鈴木俊二からも苦言を呈される庵野、そりゃ駄作になるわけだわ
俊二も原画に格下げされてたし絶対揉めたろ


アカウント消されてんじゃんwwwwwwwwwwwwマジだったみたいだなwwwwwwwwwwwwww

実質5ヶ月で仕上げた可能性もあるぞww


昨年秋の破で予告が流れるがシナリオプロットすら無い
何のシーンか分からないモノが流れたと関係者がTwitterで愚痴る

ラジオで庵野も来年秋は初耳だったと語る

マヤ役の声優さん「Qと完結編は同時公開です」

2012年初頭、Qと完結編は分けて公開と発表

何時もより予告が遅れる

上映時間が短く巨神兵とセットになる

上映後賛否両論、庵野に誰も文句言えないような制作体制だったと発覚

396 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2012/11/20(火) 18:20:00.13 ID:???
http://getnews.jp/archives/131068
――庵野監督率いるスタジオカラーに映像演出を依頼することになった経緯を教えてください。

宮崎: 『コクリコ坂から』を作っているとき庵野(秀明)さんが(ジブリに)遊びに来たことがあって、スタジオカラーのCG部門の
「仕事がない」と言われまして(笑)。まだ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(の企画)が動く前で、「暇なんですよ」と言っていたのを
鈴木(敏夫プロデューサー)がおぼえていて。今回ニコファーレでライブをやることになったので、「じゃあ庵野さんのところに頼んでみよう」と。

397 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2012/11/20(火) 18:22:19.66 ID:???
去年に7月に「することなくて暇なんです」っておかしいだろwww
既に破の公開から2年以上たってた時期だぞ
これがダラダラ遊び呆けてたという確たる証拠だ
だからあんな出来損ないCGになるんだよ!

398 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2012/11/20(火) 18:23:21.81 ID:???
どうせBDで完成させればいいやっていう甘えが透けて見えるよね

406 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2012/11/20(火) 18:30:37.73 ID:???
>>396
>まだ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(の企画)が動く前で
>まだ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(の企画)が動く前で
>まだ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(の企画)が動く前で


みなさん!き、聞きましたか??
去年の7月頃エバQはまだ企画すら動いてなかったそうですwwwwwwwwwwwwwwww


林原めぐみがQ公開日の1週間か2週間前に急に呼び出されて
キツキツのスケジュールの合間に新しいセリフをとったって言ってた

ラストはこの曲が似合うwhttp://www.youtube.com/watch?v=epf65SSI-w0


公開が延び延びになるのは最近の角川がらみの牛歩戦術トレンドだし…
だから「まだつくんないで」とか頼まれてたんでは。


あとどんな生産ラインも、工程とスケジュールがあるから
たとえ作画スタートしても、同時並行でCGラインに仕事あるとは限らないよ。自動車のラインだと品種切り替えがあるとコンベアが一端空にされるので、コンベアの最初から、最後まで、流れてくるまで数十分待ちなんてこともある。
だからこそ、これまたどんな生産ラインでも、暇なときに別の仕事で回転させる工夫を、スケジュール調整や仕事とってくるなどで、するわけで。


ここらへん、幅広い社会経験が無いとわからないね。流れ者のフリーターぐらいが詳しい。


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もしかすると、魔術による、時空改ざん犯罪がらみかも…まじめに。
http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20121120/1353342026
いまやアウトローや各国政府筋には、運命改ざん・森羅万象コントロールのテクを有している場合があり、悪用しての組織犯罪は横行している。
おれ自身が過去10年余り、それによる妨害工作や追い込み工作を被ったり、殺しつぶし追い込み工作の現場を目撃し、現場を追っかけてきた。「てめえ、あんまりカギ回ってるとぶっころすぞ」なんて、ゴロツキに何度言われたか覚えてない。家族に危害を加えられたことも一度ではない。


たとえば小泉政権にはやたらに好都合な敵側スキャンダルが相次ぐ、米国の要求を突っぱねた国がなぜか次々に震災に遭う、などは誰にでもわかりやすい例だろう。
同じ犯罪勢力による同じ手口で、日本だとアキバ通り魔が発生し、米国だと拳銃乱射になる。毎度仕掛けられるたびに、ほぼかならず同じことが起きている。
日本の右翼の思い通りに、五輪韓国チームの母国凱旋パレードの最中に大雨が襲来して選手ずぶ濡れになり、国会前の反原発デモもなぜか雨に降られることが多いというわけ。なぜか。なぜか…


商業的には、ライバル商材の妨害をすることになる。
仮に…まどマギ陣営がエヴァ陣営を敵視していれば、相手の運命を狂わせて売れないように仕向けようと画策する。
まさにまどマギ最終話の「改変後の世界」であり、エヴァQの内容はまさに改変後の世界のような14年後になることで、何割かのファンの落胆を買ってしまった。
まどマギは関西ヤクザのしのぎとしての性質が濃いと言われる…
エヴァが関東側のしのぎかどうかは知らないが、経緯を見ると、時空改変犯罪がらみの痕跡は見いだせる。
エヴァについて「ループする物語」などという発表もあったけど、シンジくんも「またやりなおせばいい」なんて言ってたけど、まさにその組織犯罪版というわけだ。相手陣営がうまくゆかないように改変してしまうわけ。
シンジだけが時空改変して世の中をよくできればいいけど、
それだけでなく、組織犯罪勢力も同じように時空改変(運命改変)できて、しかも世の中を悪くしちゃうと言うこと。


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11/26追記


シンジ2「ミサトさん、オメー、トシいくつだァァァァッッ!!???」
トウジ妹「だめー二人目のジョセフ・シンジさんそれだめー!」
大佐「ふ…ふんだ、シンジくんもういらなーいもん、乗らなくていーもん…グスッエグッエグッ ヒーーーーン!」
トウジ妹「あ、なーかした、なーかした」
クルー全員「ぜんぶシンジ君のせいだー」
シンジ2「ええええええ!ふるえるぜハートッ!ミサトさんエシディシ化計画!??」
銀さん「将軍かよーーー!」
ファリー「ミサトをいじめるのはゆるさないファファ!」「そうドド!」「だめミミ!」「よくないシシ!」


「ボク、エヴァQ!あいつはジェットアローンのドロンパだよ!」


リツコさんもヴンダーではすっかりエレクトラさんですなあ…なんかアトランティス側に冬月いるしw破のようなミーハー媚びなのとはまた違った意味で、庵野の作家性に沿った旧エヴァオタ向けの媚びなんでしょうなあ。
エヴァQ冒頭でわかるように、庵野の基本は特撮オタク…まず特撮マニアらしい映像を作りたいという願望があって、SFストーリーとかは後付け気味。

http://mantan-web.jp/2012/11/26/20121126dog00m200012000c.html
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q : 10日間で30億円突破確実 「海猿」上回るハイペース


http://mantan-web.jp/2012/11/27/20121127dog00m200040000c.html
 26日発表された24、25日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、人気劇場版アニメの第3作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が、前週比50%減ながらも、2位に倍以上の差をつけて2週目も首位を獲得。興行収入は、10日間で30億円突破が見込める好成績となった。

50億は行かないぐらいかぁ。一回で理解しきれなくてリピーター多そうだしなあ。けいおん商法よりは正々堂々かw
エヴァ破の最終成績が40億なので、超えるか並ぶかってとこかな。


エヴァの時代は「アダルトチルドレン時代」で、大人でも悩みを子供っぽくわめいていいんだという風潮だったから、アニメもドラマもそういうのが当時はいっぱい氾濫していた(たとえばガンダムXとか)。庵野らも若かったから「ふんだ、ファンのお前たちなんて嫌いだ!嫌がらせしてやる!」などと子供っぽいことをやった。
そういう時代背景を踏まえないと、旧エヴァから新エヴァへの変遷は理解できないだろう。


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冒頭に解説した通り、エヴァQのネタにゼーガも含まれているならば…
きっとシンエヴァのゲンドウの声優は…『花澤香菜


ゼーガペイン ドラマCD EP2


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http://asnyaro.blog129.fc2.com/blog-entry-669.html
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シンジはまるで総理だな。

自分じゃなにもやらないで、えらっそうに非難ばかりする、面倒を全部押しつける、そんな無責任な馬鹿ばかりが集まってる『大衆』
自分たちは安全地帯にいて何も失わないで、総理なりシンジだけにすんごい面倒・無理難題を押しつけて。失敗しただのとんでもないやつだだの、よく言えたモンだよ。

そのくせに「あいつは何もしなかった、余計なことをした、どうしてくれんだ!」とか騒ぐだけは騒ぐ。

だったら文句言う前に「おれだって、他になり手がいなかったら総理やりますよ(エヴァ乗りますよ)、その覚悟で非難させてもらいます」ぐらい言ってから非難しろよ。

大役を押しつけられる、の意味で総理もエヴァ乗員も同じ。

一部の馬鹿が早速言ってるだろ「過失を犯したシンジは潔く自決すべき」とか…アホの右翼がよく言うんだよ「あの総理もこの総理もアホで無能だからとっとと自刃しろ」みたいなことを。
だったらお前が、家族全員暗殺され、無一文になる覚悟で、総理やれと。…ってなるとごっつい右翼だろうがまして一般人だろうがみんな沈黙しちゃうw

無責任なヤツが多すぎるんだ、現代社会は。

2012-11-26 01:51 :


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追記
おれが上述したことと一部が一致してるもんな、見抜いた点が一致したわけだ。
なんか押井とは気が合うなあ。読売がらみで無縁というわけでも無い間柄だけど。攻殻がらみでも神山ちゃん含め無縁でも無いけど。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw446903
『ヱヴァQ』と言われて「オバQ」の間違いじゃないかと思いました。
 いきなりどうでもいい話ですが、なんでもかんでも短縮するのはやめて欲しいものです。

 前号で「公開中の作品については何も言わないのが仁義」てなことを書きましたが、もはや恒例行事と化した観の『エヴァ』ではあるし、相変わらず盛況のようではあるし、私ごときが何を言おうが書こうが1ミリの影響もあるでなし。編集部に請われるままに書くことにしました。
 あらかじめ言っておきますが、僕は『エヴァ』に関しては、シリーズを何本かと、最初の映画版(「春エヴァ」?)以外は全く見ていません。見ていませんが、おそらくは『エヴァ』という作品について、もっとも適切に語り得る人間のひとりであろうと自負しております。

 ひと言で言って、『エヴァ』という作品は、まるで明治期の自然主義文学の如き私小説的内実を、メタフィクションから脱構築まで、なんでもありの形式で成立させた奇怪な複合物であります。
 キャラクターの周辺に関してはパンツ降ろしっぱなしで、監督である庵野の現実のまんま。島崎藤村田山花袋もかくやのダダ漏れ状態です。一方で表現や文体はと見れば、異化効果どころかラフ原レイアウトもあり、セルまでひっくり返す徹底ぶりで、正直言って劇場でみたときは仰天しました。
 ワタシでもここまではヤらなかった。

 「庵野はけっしてバカではない」どころか、その表現に関する自己批評のありようから察するに、アニメという表現形式への自意識の持ちようは、これは見事なものだと感心した記憶があります。その一方で、物語に関してはまるで無頓着。まさにステロタイプのオンパレードで、いつかどこかで見たもののコピーの連発。キャラクターが口にする台詞のあれもこれも、決め処は全て私生活におけるあれこれの垂れ流し。

 かくも奇怪な作品がなぜ成立するかといえば――要するに表現すべき内実、庵野という人間に固有のモチーフが存在しないからであって、それ以上でもそれ以下でありません。
 「テーマがないことがバレちゃった」という宮さん(編集者注:宮崎駿監督)の物言いは、その限りおいて全面的に正しいことになります。テーマも固有のモチーフも何もないけど、映画も映像表現も大好きで、制作意欲は人並み外れて強烈だとすれば、演出すべきはディテールのみであり、その拠って立つところはステロタイプだろうが定番だろうがなんでもオッケイ。人物描写に関しても同様で、まるでアムロの如きシンジ君の自閉症ぶりや、父親たるゲンドウとの確執など、感情移入するほどのものでもなし、そもそも監督自身がカケラも信じちゃおりません。

 演出能力は抜群だからその気になるでしょうが、騙されたいと思って見るぶんには十二分に機能しても、表現を成立させるための方便に過ぎないから結末を引き伸ばすだけで、落とし所が想定されていないことは明らかですから、これはドラマと呼ぶべきものではありません。SF的な意味での設定は複雑に凝らしてあるものの、世界観は曖昧であり――テーマがないのだから曖昧でしかあり得ない――世界観なしに映画は成立しないから、その内実の無さを文字通り「補完」すべく、作品の作品内における再構築を繰り返すことで、映画としての無内容に代替させる。

 『エヴァ』という作品がいくらでも継続できる――永遠に終結させられない、それがほとんど唯一の理由でもあります。
 まあ、こう言ってしまえばそれで終わりであり、だからこそ継続して見る意欲を失ったわけなんですけど。なにしろ、その映画の構造が判明した段階で鑑賞するという行為が完結してしまう性分なので。いまさらドラマにもさしたる興味はないとすれば――その通りなのですが――いつも言っているように、あとは巧いか下手かの差があるだけで、そのことに(観客としては)特に価値観も持たないので。
(※この記事は、押井守氏のブロマガから一部抜粋したものです)